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見たくもない美容や転職の広告ばかり出てくる…なんだか使いにくい「ネット検索」のストレスを減らす方法

プレジデントオンライン / 2023年10月22日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/LordHenriVoton

ネット検索を効率よく使うには、どうすればいいのか。ウェブ解析コンサルタントの江尻俊章さんは「Googleなどの検索エンジンは検索履歴や閲覧履歴、位置情報などを保存し、ユーザーに合わせた検索結果が表示されている。その結果、本当に欲しい情報が手に入りにくくなっていることがある」という――。

※本稿は、江尻俊章『ずるい検索 賢い人は、「調べ方」で差を付ける』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

■同じ検索エンジンを使っても人によって結果は違う

Googleなどの検索エンジンは、ユーザーの検索履歴や閲覧履歴を保存し、そのデータをもとに「ユーザーが必要としているであろう」結果を出力しています。便利な反面、自分が求める情報が得づらくなる部分もあります。

自分の記録をもとに検索結果がパーソナライズされるということは、同じGoogleという検索エンジンを使っていても、ユーザーによって検索結果が異なることになります。

例えば、「株式会社江尻」というように、日本中に同じ会社名の企業がたくさんあるような場合(実際にこの名前の会社が存在するかはわかりませんが)、会社名を検索すると、ユーザーがいる場所の近くにある企業のサイトが上位表示されます。

これはユーザーのロケーション(位置)情報をもとにパーソナライズされているからです。もし、東京にいる人が北海道の「株式会社江尻」を知りたい場合は、かえって不便にもなるわけです。

あるいは、自社サイトの検索順位や自社商品の認知度を検証する場合、それらに関する言葉で検索をしても、客観的な情報を得ることができません。

■パーソナライズを避ける方法

パーソナライズを避けるためにしておきたいのは、Chromeの「シークレットモード」やSafariの「プライベートモード」での検索です。これらを使用すると、検索結果は個人のアカウントと紐付けられず、パーソナライズされていない結果を知ることができます。ただ、位置情報など一部の情報は利用されるので、注意が必要です。

また、「Googleアカウントを管理」の中の「データとプライバシー」からも、検索履歴や位置情報などGoogleにどのような情報の収集を許可するかコントロールできます。

Googleはアカウント登録時のユーザーの情報に加え、ログイン時の行動履歴からそのユーザーがどんな人物であるかを推測しています。Googleアカウントから「プライバシーの管理」を見ると、過去のオンラインアクティビティを簡単に思い出せるようにするため、トピック、日付、サービスごとに検索できるツールが用意されています。

Googleはこのような個人の行動履歴を通して、ユーザーがどんな人物であるかを推測しています。年齢、性別、言語、年収、健康状態、企業規模、持ち家か賃貸か、両親と住んでいるかなど。もちろん完璧に特定できるものではありませんが、さまざまに分析されています。これらも上記同様にオン、オフを選ぶことができます。

インターネット検索のイメージ
写真=iStock.com/Yauhen Akulich
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Yauhen Akulich

■IPアドレスが探知できないアクセス方法

それでも不安な人は、「Brave※1」というブラウザの「プライベートWindow」という機能を使いましょう。閲覧履歴、フォームデータ、Cookie、サイトデータが保存されないようになっています。

さらにBraveの「プライベートWindow with Tor」という機能もあります。

これはウェブサイトに直接接続せず、別のコンピューターを経由してウェブサイトを訪問する仕組みです。アメリカ海軍が開発した技術がベースになっており、IPアドレスを含めまったく探知できないようにすることも可能です。

※1:Brave(https://brave.com/ja/)

■SEOの影響を受けずに検索する

ネット検索で知りたい情報が見つかりづらい理由のひとつに、SEOがあります。よく聞く言葉ですが、イメージしづらい人も多いのではないでしょうか。ネットでの情報収集には欠かせない知識なので、覚えておきましょう。

先述したように、Googleは「ユーザーが必要としているであろう」結果を上位表示します。そこには一定のルールがあり、企業としてはそのルールに沿って上位表示させることができれば、プロモーションなどに役立ちます。そうした対策のことを、一般的に「SEO(検索エンジン最適化)」と言います。

ただし、多くの企業や個人がSEOに取り組む結果、検索する人にとっては自分が意図していないサイトが上位表示されてしまうことがあります。例えば人材紹介や美容業など、ネットでの集客が重要な業界は特にSEOに力を入れているため、本当に欲しい情報が手に入りづらくなっています。

■SEOの種類を知っておこう

ひと口にSEOと言っても、いろいろな種類があります。

ネガティブSEO
特定のウェブサイトの表示順位を故意に下げさせます。競合の順位を下げることに使われることが多い手法です。

逆SEO
自社にとって批判的なウェブサイトや、ネガティブな印象を与えるニュースなどの表示順位を下げるために行われます。より上位表示されるウェブサイトやコンテンツを作り、相対的にほかの記事の表示順位を下げさせます。

サジェストSEO
検索ワードの入力中に表示される検索候補を、「サジェスト」と言います。サジェストは基本的によく検索されているキーワードが表示されるもので、企業にとってネガティブな事件や問題があると、そのワードが反映されることがあります。
こうした場合に作為的にサジェストを操作する手法のことを「サジェストSEO」と言います。多くの場合サジェストが虫眼鏡マークと一緒に表示されることから、「虫眼鏡SEO」とも呼ばれます。

■SEOの影響を受けない検索エンジン

企業のSEOは、多くのユーザーが使用するGoogleへの対策が大半です。そのためGoogleで検索する場合、上記のようなSEOの影響を受けて、本当の情報が探しづらくなっていたり、見つからない状態になっていたりする可能性があります。

それを防ぐためには、Google以外の検索エンジンを使う方法があります。お勧めは「DuckDuckGo※2」です。DuckDuckGoは「ユーザーの個人情報を一切保存しない」ことを宣言しています。検索結果のクオリティもGoogle同様に高いと言えます。DuckDuckGo向けのSEOはほとんど行われておらず、自分の知りたい情報を偏りなく集めることができます。

また、個人情報を取得しないということで、DuckDuckGoではパーソナライズの影響も受けません。例えばGoogleで「ラーメン」と検索すると近くのラーメン屋のウェブサイトなどが出てきますが、DuckDuckGoなら「全国の人気ラーメンTOP20」といった記事が上位表示されます。

※2:DuckDuckGo(https://duckduckgo.com/)

■自分の見たい広告が表示されるようにする

知りたい情報を探しているときに、見たくない広告に邪魔をされる。一度ウェブサイトを見ただけで、ずっとそのサイトの広告が表示される。誰にでも経験があると思います。不要な広告をなるべく少なくする方法を紹介します。

Googleなどの検索エンジンでの検索結果はパーソナライズされているというお話をしました。これは広告も同じです。

江尻俊章『ずるい検索 賢い人は、「調べ方」で差を付ける』(クロスメディア・パブリッシング)
江尻俊章『ずるい検索 賢い人は、「調べ方」で差を付ける』(クロスメディア・パブリッシング)

Googleはユーザーにとって興味がありそうな広告を表示しようとしているのですが、実際には不要な広告が表示されて気になることも多いはずです。例えば、一度転職サイトを閲覧したらどこのサイトに行っても転職サイトの広告ばかり表示される、あるいはせっかく集中してYouTubeを見ていたのに広告に中断される、といったことがあると思います。

そんなときは、Googleの「マイ アド センター※3」で見たくない広告の表示を減らしましょう。このサイトでは、ユーザーが興味を持ちそうだとGoogleが判断した広告のトピック、企業やサービス、実際に表示された広告内容などを確認し、表示回数を減らすことができます。また、興味のあるトピックや企業があれば、表示回数を増やすこともできます。

※3:マイ アド センター(https://myadcenter.google.com/)

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江尻 俊章(えじり・としあき)
ウェブ解析コンサルタント
2000年に株式会社環を創業。2012年に一般社団法人ウェブ解析士協会を設立。業界ではもっとも早い時期からアクセス解析に着目し、アクセス解析を軸にしたコンサルティングを行っている。アクセス解析ASPサービス「アクセス刑事Pro」、「シビラ」を自社開発、運営、アクセス解析からエリアマーケティングを行う「エリアレポート」を提供している。著書に『稼ぐホームページ損なホームページ アクセス解析で一発判明!』(アスキー)『繁盛するWebの秘訣「ウェブ解析入門」 Web担当者が知っておくべきKPIの活用と実践』(技術評論社)『ずるい検索 賢い人は、「調べ方」で差を付ける』(クロスメディア・パブリッシング)がある。

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(ウェブ解析コンサルタント 江尻 俊章)

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