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なぜお金持ちほど格安SIMを使うのか…iPhoneの最新機種を無理してローン払いする人に共通する欠点

プレジデントオンライン / 2023年10月26日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Nodokthr

お金と時間にゆとりのある生活を送るにはどうすればいいのか。経済評論家の勝間和代さんは「上手に初期投資をすることが大切だ。例えば、調理家電は最初に数万円かかるが、おいしい料理を自宅で手軽に作れるようになるので、食費や手間がかからなくなり、お金と時間が貯まっていく仕組みをつくることができる」という――。

※本稿は、勝間和代『勝間式 超ロジカル選択術』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

■お金を貯めたいなら「8:2」の原則

お金がない、貯金できないと言っている人の話をよく聞くと、月に何度も外食したり、しょっちゅうお酒を飲んだり、毎朝カフェに行くという人が珍しくありません。お酒や外食にお金を使っている限り、お金が貯まるとは思えません。たばこなどの嗜好(しこう)品も同じです。

一番いいのは、お酒もたばこもすっぱりやめて自炊することですが、それは難しいと感じる人もいるでしょう。

私がおすすめしているのは「8:2」の原則を守ることです。

毎月の収入のうち、2割は口座から天引きで積み立てます。手取りが20万円なら、4万円です。残りの8割は、生活費のほか、趣味や外食など好きなように使って構いません。これを5カ月続けると、1カ月の給料分が貯まります。

こうして貯めた金額を月々の生活費で割ったものを、私は無収入生存月数と呼んでいます。収入がゼロになってしまったとき、何カ月間生存できるかという数字です。

月の生活費を15万円とした場合、180万円の貯金があれば、1年間は何もしなくても生き延びることができます。

この無収入生存月数が2年、3年分になると、選択肢がグッと増えます。

■収入の2割を天引き貯金するだけで人生が変わる

会社を辞めて留学したり、資格の勉強をしたりするといった選択肢も得られますし、独立も視野に入ります。私は独立するとき、仮に収入がなくなってしまっても、5年は暮らせるだけの貯金があったので、踏み切ることができました。

積立は、続けることで大きな力になります。預金口座に資産が積み上がっていくのを見ると、好きなことしかやりたくなくなります。いまの仕事を辞めても1年や2年は暮らせると思うと、いやな仕事を我慢して続けなくてもいいという選択肢が生まれます。

転職するにしても、貯金がなければ、とにかく雇ってくれるところに就職しようと焦って妥協しがちですが、無収入生存月数が長いほど、時間をかけて納得できる職場を選んだり、キャリアアップに投資したりすることができます。

収入の2割を天引き貯金するだけで、人生が変わります。さまざまな選択肢が増え、結果として、より自由に生きられるようになるわけです。

■大切なのは「資産」にどれだけ投資できるか

お金を大切にしましょうと言うと、とにかく出ていくお金を減らそうと財布の紐を締めがちです。ただ注意したいのは、目的は節約そのものではないということです。

大切なことは、無駄な支出を削減して浮いたお金で、将来プラスのリターンをもたらす「資産」にどれだけ投資できるかです。

会計用語では、BS/PLという言い方をします。会社の財務状況を表すものですが、PLが毎月のお金の出入りを記載しているのに対して、BSというのは、その会社が持っているストック、例えば工場や土地、株券などの資産を記載しています。

会社にとって工場や土地は、利益を生み出す源となるものです。つまり、将来にわたってお金をもたらしてくれるのが「資産」です。

私たちの生活でも同じです。「資産」を増やしていくと、そこからもたらされる利益が私たちの生活をどんどん豊かにしてくれます。

ブタの貯金箱に小銭を入れる男性
写真=iStock.com/ArLawKa AungTun
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ArLawKa AungTun

代表的な「資産」は金融商品ですが、それに限らず、将来にわたってプラスのリターンをもたらしてくれるものをコツコツと増やしていきます。仕事の効率を高めて収入を上げるもの、お金や時間の支出を減らしてくれるものは、ここに含まれます。

この「資産」につながる支出を投資といいます。支出の中で、投資の比率を高めていくことで、時間が経つにつれて豊かな生活を送れるようになります。

■「投資」と「消費」の区別をつけよう

投資と消費の違いは、次の通りです。

投資:将来、プラスのリターンをもたらしてくれるもの。時間が経っても価値が消えないもの
消費:使ったらなくなるもの。数年で価値が消えてしまうもの

私は、仕事で使うスマホやPCには積極的に投資しています。将来プラスのリターンをもたらすことがわかっているからです。

ホットクックなどの調理家電もそうです。ホットクックは数万円しますが、自宅で手軽においしい料理が食べられるようになると外食しなくなるので、将来にわたって出ていくお金を減らすことができます。数カ月も使えば元がとれると思います。さらにホットクックを使い続ける限り、おいしくて体によい食事を楽しむことができるので、生活の質が向上します。健康にも、ストレス解消にも貢献するのです。

このように仕事の効率や生活の質が上がる資産に対してコツコツ投資していくことで、無駄な支出が減り、おいしい料理などのアウトプットが増え、どんどん生活が快適になります。

一方、お酒や外食にはあまりお金を使いません。これは消費だからです。一時的に楽しい気持ちになるかもしれませんが、将来の資産につながるものではありません。

洋服も同じです。「一生もの」と思って買っても、ほとんどが数年後にはクローゼットの肥やしになるのではないでしょうか。

■洋服はストックではなく、あくまで消費財

以前は百貨店で洋服を買っていましたが、airClosetというサービスを利用するようになったのは、そのためです。月額1万円前後で、スタイリストが選んでくれた洋服が3着送られてきて、試着して気に入ったものは購入できますし、気に入らなければ返品できます。

洋服はストックとして積み上がるものではなく、あくまで消費財ですので、これで十分だと考えています。

なるべく消費に使うお金を最小限にして、キャッシュフローには極力お金を使わず、将来プラスのリターンをもたらすストックにお金を回すことが習慣になると、お金は自然と貯まるようになります。

毎日の支出の中で投資の比率が増え、資産を積み上げていくほど、自由になるお金や時間が増えて、選択肢も増えていきます。

一度に使うお金は数百円かもしれませんが、たとえ一度に出ていくお金がどんなに安くても、自分の将来の健康や資産の蓄積につながらないものには、お金を使わないという発想です。

もちろん、すべての出費を投資に回すのは難しいことですが、仮に先月10万円使ったとしたら、そのうち何パーセントは、将来、お金や時間を生み出してくれるものに使えたのか、お酒やたばこのようにマイナスのリターンしかもたらさないものにいくら使ったか、割合を見直してみることをおすすめします。

■お金と時間がどんどん貯まっていく仕組み

お金と時間にゆとりのある豊かな生活を送るためには、初期投資が大切です。

初期投資にお金を使うと、その後、お金や時間を節約でき、生活のクオリティが上がるからです。

ヘルシオのホットクックやウォーターオーブンなどの調理家電は典型的な初期投資です。最初に数万円かかりますが、おいしい料理を自宅で手軽に作れるようになるので、食費や手間がかからなくなり、お金と時間がどんどん貯まっていく仕組みをつくることができます。

新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う巣ごもり需要で人気となっている自動調理鍋の売り場(=2020年12月24日、東京都千代田区のビックカメラ有楽町店)
写真=時事通信フォト
新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う巣ごもり需要で人気となっている自動調理鍋の売り場(=2020年12月24日、東京都千代田区のビックカメラ有楽町店) - 写真=時事通信フォト

お金持ちを見ていると、この初期投資が上手だと感じます。

初期投資をすることによって、月々の支出を減らしたり、有利なサービスを受けられたりする。世の中には圧倒的にそういうものが多いのです。

お金があるから初期投資できると思われるかもしれませんが、スタート地点は同じです。

電車に乗るたびに切符を買うより定期券を買うほうが、お金や手間が省けます。差額はわずかなものかもしれませんが、それをコツコツ貯めて、初期投資に回せるかどうかで、大きな差が生まれます。

■お金持ちほど格安SIMを使っている

私は自宅で使う電池はすべて充電式にしています。充電式電池は一本400~500円しますし、充電器も必要です。使い捨ての単三乾電池は一本100円程度ですから、一見割高なようですが、充電式は一度購入すれば一本あたり約1円で充電できるので、長期間使うほど割安になります。さらに電池が足りなくなって買いに行くこともありませんし、ゴミ分別の手間もかからないので、時間もセーブできます。

お金がないので初期投資に回せないという人の話をよく聞くと、iPhoneの最新機種をローンで購入し、毎月高い通信費をキャリアに払っていることがあります。

勝間和代『勝間式 超ロジカル選択術』(SBクリエイティブ)
勝間和代『勝間式 超ロジカル選択術』(SBクリエイティブ)

もし本当にお金がないのであれば、中古のAndroidを数万円で一括で買い、格安SIMで月々の通信費を抑えて、初期投資に回すお金を貯めることで、のちのち豊かな生活を手に入れられます。私はエキサイトモバイルの格安SIMを利用しています。

データのみならSIM5枚まで合わせて月々20Gでおよそ3000円、留守番電話やSMS、ちょっとした音声通話など、音声系のサービスを娘と2回線分合わせても、全部で4000円くらいです(最適料金プラン・定額プランは現在、新規受付終了)。回線自体はドコモですし、また、格安SIMの中でも調査して速いものを選びましたので、まったく不自由はありません。

お金持ちほど格安SIMを使うという調査があります。一見わずかな無駄をコツコツ削減し、将来プラスのリターンをもたらすものに再投資する。つまり、このサイクルを築いた人が、結果としてお金持ちになっているのでしょう。

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勝間 和代(かつま・かずよ)
経済評論家/株式会社監査と分析取締役/中央大学ビジネススクール客員教授
1968年東京生まれ。早稲田大学ファイナンスMBA、慶應義塾大学商学部卒業。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー・アンド・カンパニー、JPモルガンを経て独立。少子化問題、若者の雇用問題、ワーク・ライフ・バランス、ITを活用した個人の生産性向上など、幅広い分野で発言を行う。著書に『勝間式食事ハック』(宝島社)、『勝間式超ロジカル家事』、『勝間式超コントロール思考』『ラクして おいしく、太らない! 勝間式超ロジカル料理』(以上、アチーブメント出版)などがある。

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(経済評論家/株式会社監査と分析取締役/中央大学ビジネススクール客員教授 勝間 和代)

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