1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「また会いたい」と思われる人はこれをやっている…次回の交渉を有利に進めるための"去り際の必殺フレーズ"

プレジデントオンライン / 2023年10月27日 19時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Natali_Mis

また会いたいと思われる人は、どんなコミュニケーションをしているか。教育コンテンツプロデューサーの犬塚壮志さんは「交渉やデートの最後では、感想やお礼で締める、同調を促すといい。人は『最後』のときに感じた感情をよく記憶する」という――。

※本稿は、犬塚壮志『頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術』(サンクチュアリ出版)の一部を再編集したものです。

■面接で「最後に何かありますか?」と聞かれたら

「終わりよければすべてよし」「立つ鳥跡を濁さず」ということわざがあるように、人は去り際が肝心です。

これは交渉にも当てはまる考え方です。交渉を終えて相手に持ち帰ってもらい、内容を検討してもらっていい返事をもらいたい。あるいは、次回の交渉を有利に進めたい。このようなときおすすめなのが、交渉での去り際を相手の喜ぶ話で締めるようにすることです。

人は、「最後」のときに感じた感情をよく記憶します。そのため、去り際は情緒的な話し方で相手に好印象を残しましょう。

たとえば、就活や転職の面接で面接官から「最後に何かありますか?」と聞かれたら、熱意を込めて就職先、転職先での未来の自分像を伝えてみてください。

「御社のDX部門に従事することができたら、5年後には新規事業の立ち上げにもチャレンジしたいと考えています」

その企業が若手のチャレンジ精神を大切にしているのであれば、面接官は面接の最後に、具体的なイメージを思い浮かべることのできる熱意あるメッセージを受け取り、あなたに好印象を持つはずです。

■感想やお礼で締め、同調を促す

人が「最後」に感じたことをよく記憶する仕組みを「ピーク・エンドの法則」といいます。「よかった」「悪かった」の記憶は、ピーク(絶頂)のときの感情と、終わり方でほぼ決まるという法則で、行動経済学者ダニエル・カーネマン(1999)が提唱したものです。

つまり、交渉の最後にピークとなる話題を持ってきたほうが、次回まで自分のことや話の内容を強く覚えておいてもらうことができるのです。

ですから、自分が話す話題のピークはどこなのかをあらかじめ把握し、中盤ではなく終盤に持ってくるように事前に話を組み立てておきましょう。

とはいえ、交渉の最後にピークを持ってくるには訓練が必要です。そこで習得のコツとして、交渉の盛り上がりを最後に持ってこられなかったときの対処法を解説します。場数を踏んで経験値を上げましょう。

ポイントは、感想やお礼で締めること。

「今日はいいお話ができて楽しかったです。ありがとうございました!」
「すごく質の高いディスカッションができました。本当に感謝です」

あるいは、もっとダイレクトに同調を促しても効果的です。

「今日は本当に楽しかったですね」
「今回の議論は白熱しましたね」

好印象を残して、次のデートにつなげたいときにも活用できます。

「最後にこんなこというのもあれなんですけど、○○さん(デート相手)と一緒にいると時間があっという間に過ぎますね。また遊びに行きましょう」

このような声かけをしていくと、相手も「確かにそうだな」と思ったり、その同調した気持ちを口に出したりします。相手に「最後、楽しかった」と半ば強引にでも思わせることが大切です。

また、共感できるような話を最後に入れるのも効果的。たとえば、「実は私も○○さん(交渉相手)と同じ趣味を持っているんですよ」と伝えると、相手が親近感を持った状態でやりとりを終えることができます。

■相手が恐縮するくらい深々とお辞儀を

ピーク・エンドの法則を用いるときに注意したいのが、締めの話題選びです。せっかく持ってきた最後の話題が相手にとって的外れだと、その印象が強く残ってしまいます。

つまり、締めの話題の盛り上がり次第では、その日の交渉内容をうしろ向きで捉えられてしまったり、最悪の場合、「もう会いたくない」と思われてしまったりするのです。

ただ、これは裏を返すと、多少失敗しても最後に挽回は可能だということ。交渉の中盤で相手の機嫌を損ねてしまうような地雷を踏んでしまったとしても、去り際に相手の「快」の感情を刺激するようなコメントを伝えることで好印象を残すことができます。

また、去り際のコメントがうまくいかなかったとしても、リカバリーする方法があります。まず、相手が恐縮するくらい深々とお辞儀をしてお見送りをしましょう。

犬塚壮志『頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術』(サンクチュアリ出版)
犬塚壮志『頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術』(サンクチュアリ出版)

その後、すぐさまメールや電話を入れるのです。そこで、コンパクトかつピークを演出するような話題を盛り込みます。

すると、いい形で「最後」を終えることができるのです。

ピーク・エンドの法則から身を守るには、最後の相手の言葉や話題だけで、交渉内容の判断やその後の意思決定をしないことです。序盤から中盤での話の内容も含めて交渉全体をしっかりと振り返り、吟味をくり返したうえで決断する習慣をつけましょう。

なお、交渉の中盤で相手がさらっと流していたようなことや、部分的にはぐらかしていると感じたところがあれば、後日、しっかりと追及するようにしましょう。去り際でごまかされないことが肝要です。

・交渉が「よかった」「悪かった」の記憶は、ピーク(絶頂)がどうだったかと、それがどう終わったかでほぼ決まる(ピーク・エンドの法則)
・交渉の最後にピークとなる話題を持ってくることで、次回までに自分のことやその内容を強く覚えておいてもらうことができる

----------

犬塚 壮志(いぬつか・まさし)
教育コンテンツプロデューサー/士教育代表
福岡県久留米市生まれ。元駿台予備学校化学科講師。大学在学中から受験指導に従事し、駿台予備学校の採用試験に25歳の若さで合格(当時、最年少)。駿台予備学校時代に開発した講座は、超人気講座となり、季節講習会の化学受講者数は予備校業界で日本一となる。2017年、駿台予備学校を退職。独立後は、講座開発コンサルティング・教材作成サポート・講師養成・営業代行をワンオペで請け負う「士教育」を経営する。著書に『あてはめるだけで“すぐ”伝わる 説明組み立て図鑑』(SBクリエイティブ)、『理系読書 読書効率を最大化する超合理化サイクル』(ダイヤモンド社)がある。

----------

(教育コンテンツプロデューサー/士教育代表 犬塚 壮志)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください