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話が下手なうえに長い人がこれだけで劇的に変わる…"ダウンタウン松本"式ぐいぐい引き込む紙芝居的話し方

プレジデントオンライン / 2023年10月25日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kowalska-art

説明が上手な人・下手な人は何が違うのか。お笑いコンビ「アンジャッシュ」の渡部建さんは「話に見出しが付けられる人、話を整理して紙芝居化できる人なら相手が最後まで話を聞いてくれる」という――。

※本稿は、渡部建『世界一わかりやすい コミュニケーションの教科書』(きずな出版)の一部を再編集したものです。

■なぜ、あなたの話は最後まで聞いてもらえないのか

よく「話を最後まで聞いてもらえない」という人がいます。

まず知ってほしいのは、「そもそも人の話を聞くのは苦痛である」という事実です。学生時代、校長先生の朝礼の話を聞くのが好きだったという人はいないでしょう。一方的に相手の話を聞くのはストレスになるものです。

そしてこのとき、さらに相手に負担をかけてしまう場合があります。それが「終着点の見えない話を聞かされる」ケースです。あなたも「一体この人は、なにがいいたいんだろう」と思いながら相手の話を聞かざるをえないことがあると思います。そんなときは、ふつうに相手の話を聞くよりももっと疲れますよね。

こうした事態を防ぐために大事なのが、「話に見出しをつける」テクニックです。要するに、具体的な話を始める前に、「これからこんな話をしますよ」というものを端的に相手に伝えておくということです。いまの時代は、とくにこの「見出し」の重要性が高まってきています。

たとえば、いまどきのテレビ番組やYouTubeでは、コンテンツの冒頭に、そのコンテンのなかでいちばんおもしろい部分や伝えたいところを取り出したものを流します。これを「アバン」といったりします。

このアバンの作り方は、だいぶ変わってきました。昔であれば、テレビ番組ではいちばんおもしろいシーンはできるだけ出さないようにしていました。

でもいまは、その番組のいちばんおもしろいシーンをバンバン見せていきます。そうしないと、なかなか視聴者のみなさんに食いついてもらえないからです。

相手に求めるリアクションを最初に提示しておく

会話に見出しをつけるとは、人になにかを説明するときに、このような「アバン」をつくろうということです。といっても、別に相手におもしろがられるような奇抜なキャッチコピーやタイトルなどをつける必要はありません。

大切なのは、「この話を聞いたあとに求めるリアクション」です。

たとえば、

「ちょっと相談したいんですが……」
「ちょっと○○さんのご意見いただきたいんですが……」

いう見出しをつけてから話を始めれば、聞き手は話を「どんな意見をいうか」を念頭に置きながらあなたの話を聞けますよね。逆に、

「これは参考程度に聞いていただければいいんですが……」
「これはまあ与太話に近いですが……」

などと前置きしておけば、そこまで集中して聞いてくれなくてもOKというふうに相手にリラックスしてもらいやすくなります。

このように、最初に相手に求めるリアクションを提示する「見出し」をつけるだけでも、聞き手のストレスを軽減させ、自分の話を聞いてもらいやすくなるのです。

■松本人志がやっている「話を短くする」トレーニング

説明がわかりにくいといわれる、あるいは説明を最後まで聞いてもらえない人の話には、ひとつの共通点があります。

それは「話が長い」ということです。

前項でお話したように、そもそも人の話を聞くのは相手にストレスを与えることにほかなりません。であれば、説明や話は、必要以上に長くしてはいけないのです。

では、なぜ説明がヘタな人は話が長くなってしまうのか。それは、「自分が話すことをきちんと整理できていない」からです。自分が話したいことの要点や筋道をしっかり整理できていれば、自然と「話さないといけないこと」「話さなくてもいいこと」がわかります。

そうすると、相手の知識や場面に応じて、自分の説明を長くすることも、短くすることも自由にできるようになります。これができるのが「説明のうまい人」なのです。

■紙芝居化することで話の要点をつかむ

話の内容を整理するトレーニングとして効果的なのが「既存の物語を紙芝居化する」というものです。これもダウンタウンの松本人志さんがお話していたことです。

お笑いタレントの松本人志「ダウンタウン」メンバー(=2017年3月27日、2025日本万国博覧会誘致委員会の発足式典。東京都千代田区)
写真=時事通信フォト
お笑いタレントの松本人志「ダウンタウン」メンバー(=2017年3月27日、2025日本万国博覧会誘致委員会の発足式典。東京都千代田区) - 写真=時事通信フォト

たとえば、童話の「桃太郎」を5枚の紙芝居にしなさいといわれたら、みなさんはどのシーンを選んで5枚にまとめるでしょうか。たとえば私だったら、次のような5枚にしてみます。

【1】おばあさんが川で大きな桃をひろう
【2】桃のなかから男の子が生まれる
【3】成長した男の子が旅に出かける
【4】犬、猿、雉(きじ)と出会い、ともに旅をする
【5】鬼を退治して宝を手に入れる

これができたら、次はさらにこの内容を「3枚」にまとめてみましょう。

その場合、私だったらこんな3枚になります。

【1】桃のなかから男の子が生まれる
【2】犬・猿・雉と出会い、ともに旅をする
【3】鬼を退治して宝を手に入れる

この要約のしかたに、とくに正解はありません。人によってはいちばん伝えたいところが異なるからです。たとえば、「どうしても鬼と戦うシーン」と「最後に宝を手に入れるシーンは分けたい」のであれば、それでもOKです。

もちろん、童話でなくてもかまいません。たとえば、おもしろかった小説や映画のあらすじを、同じように5枚の紙芝居にまとめようとするのもいいでしょう。

こうしたトレーニングを通じて「話の要点」をつかむことができると、自分の話したい内容でも「話すべき箇所」と「話さなくてもいい箇所」が区別できます。すると、必要に応じて話を短くすることができるのです。

■「結論ファースト」のロジックに潜む落とし穴

いまの時代、コミュニケーションの速度が、かつてよりはるかにスピードアップしています。スマホを持つのが当たり前になり、どんな人でもすぐに連絡が取れるようになりましたから、LINEの返信が5分、10分で返ってこないだけで不安になる人もいるでしょう。

そうした時代のコミュニケーションにおいて大切だとされているのが、「まず結論から伝えよう」という「結論ファースト理論」です。

私もこのこと自体には別に反対しません。前項で説明した「話に見出しをつける」というのも、いわばこの結論ファースト理論の重要性について述べているわけですから。

ただし、最近は「話を短くしよう」「結論を伝えよう」という意識ばかりが先行して、報告や連絡などの場面で、本当に「結論だけ伝える」というケースが多くなっています。

ここが間違えてはいけない、覚えておいていただきたいポイントですが、報告や連絡などの場合、結論を伝えることと同じくらい、そこにいたるまでのプロセス(過程)をセットにして伝えることが大切になります。

なぜなら、結論だけを端的に伝えても、それだけではその後どうするべきか、判断する材料を相手に与えられないからです。結論を先に伝えるのは大事だけど、それだけではダメなのです。

■そもそも説明は何のために行うのか

たとえば、あなたがウォーターサーバーのセールスパーソンだとします。そんなとき、上司に「今日は契約を取れませんでした」と結論だけ伝えるのでは、報告としては不十分です。

これだけいわれても、上司からすれば「ダメじゃん。もっとがんばれよ」くらいしか答えられません。

渡部建『世界一わかりやすい コミュニケーションの教科書』(きずな出版)
渡部建『世界一わかりやすい コミュニケーションの教科書』(きずな出版)

一方、結果ととともにプロセスも報告すると、たとえば次のような言い方ができます。

「今日は新規の契約が取れませんでした。ただ、興味を持ってくれる方も半数くらいはいて、パンフレット等はお渡しできました。次の週末、同じお宅に再度訪問して、もう一度お話してこようと思っています」

こちらのほうが、上司からの評価は高くなります。なぜなら、こちらは仕事の結果だけではなく、

・なにができたのか
・次になにをしようと考えているのか

もわかるからです。

相手になにかを説明したり報告したりする場合、大切なのは「その後どうするか」を判断するための材料を相手に提供することです。

結論だけではその材料として不十分なので、結論・結果を伝えたあとに、その経緯もセットにして伝えることを意識してください。

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渡部 建(わたべ・けん)
お笑い芸人
1972年、東京・八王子生まれ。1993年、神奈川大学在学中に高校の同級生であった児嶋一哉に誘われ、お笑いコンビ「アンジャッシュ」を結成。2003年、NHK「爆笑オンエアバトル」5代目チャンピオンに輝き、日本テレビ「エンタの神様」などのネタ番組では“コント仕掛け”のスペシャリストと呼ばれる。その後は数々の人気番組の司会を務め、現在はコミュニケーションをテーマにした企業向けの講演などを積極的に行っている。著書に『ホメ渡部!「ほめる奥義」「聞く技術」』(小学館)、『大人のための「いい店」選び方の極意』(SB新書)などがある。

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(お笑い芸人 渡部 建)

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