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花粉症か、ダニか、寒暖差か…秋の長引く"くしゃみ・鼻水"の原因を一発で調べる「アレルギー検査」の中身

プレジデントオンライン / 2023年11月2日 8時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu

発熱や激しい喉の痛みはないのに鼻水が続く原因は何か。産業医の池井佑丞さんは「アレルギーの可能性がある。秋は花粉症やダニアレルギー、いわゆる寒暖差アレルギーなどの症状を訴える人が多い。原因を突き止めるには検査をするのがおすすめだ」という――。

■風邪症状はないのに「くしゃみ・鼻水」がある

秋の気配を感じ、草木も色づく季節となりました。この時期の気温は心地よく、過ごしやすく感じる方も多いと思います。しかし、咳やくしゃみが出て「風邪かな?」と感じてはいらっしゃいませんか。その場合はもしかしたら秋のアレルギーかもしれません。

高熱・激しい喉の痛み・粘り気のある鼻水といった風邪特有の症状がなく、目のかゆみや連続したくしゃみが出る、水のような透明な鼻水が出る場合、風邪ではなくアレルギーの可能性があります。

特に秋は「花粉症」「ダニ(ハウスダスト)」「寒暖差アレルギー」など、一年で最もアレルギー症状を訴える方が多い季節です。今回は秋のアレルギーについてお話をしていきます。

■秋の花粉症は気管支の症状を起こしやすい

秋の「花粉症」は、空き地や道端、河川敷などで身近に見られるイネ科の植物や、ヨモギ、ブタクサといったキク科の雑草類が原因となります。飛散時期は8月~10月で、症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまりや目・鼻・喉のかゆみなど、春の花粉症と同様です。

春と秋の花粉症で異なる点は、“花粉の粒子の大きさ”です。春花粉のスギやヒノキといった樹木類花粉は粒子が大きく、鼻粘膜にとどまります。一方、秋花粉のヨモギやブタクサなどの草木類は粒子が細かく、気管支まで入り込んでしまいがちです。そのため、春の花粉症は鼻水やくしゃみが代表的な症状であるのに比べ、秋の花粉症は咳や喘息など気管支の症状を起こしやすいという特徴があります。

■風邪と花粉症では「くしゃみ・鼻水」が違う

では、風邪と花粉症はどのように見分ければ良いのでしょうか。

風邪の場合、くしゃみが出るタイミングは冷たい空気を吸い込んだときなどで、連続して出ることはまれです。鼻水は黄色っぽく、ねばり気があります。また、喉が赤くなり、痛みや咳、痰が出たり、高熱・悪寒を感じたりと、全身症状に悩まされることもしばしばですが、通常数日程度で治ります。

一方花粉症の場合、花粉が鼻の中に入るとすぐに、連続してくしゃみが出ます。家から外に出て数分以内にくしゃみを連発する場合は花粉症が濃厚です。鼻水は水のようにさらさらして透明です。目のかゆみや充血などのアレルギー性結膜炎の症状や、喉のイガイガ感、咽頭異常も出ることがあります。発熱するケースはまれで、発熱してもごく微熱です。これらの症状が2週間以上続く場合は、花粉症を疑いましょう。かかりつけの医師にご相談ください。

■ダニアレルギーは秋にひどくなる

続いて、「ダニアレルギー」についてお話しします。

ダニアレルギーは、日本ではスギ花粉症の次に患者数が多いアレルギー疾患です。アレルギー性鼻炎のアレルゲンとして最も多いのがダニとハウスダストで約60%、次いで花粉が30%、カビ(真菌類)が約10%以下と言われています。〔杉山正夫、西本明美、中井義明ほか「寝室のダニ数とダニ鼻アレルギー患者の臨床症状とその対策」生活衛生:35 ,58-68(1991)〕

暑さが和らぎ過ごしやすい気温になると、家の中のダニアレルゲンの量が1年で最も多くなるといわれています。ダニは気温25℃、湿度60%になると急激に増え、梅雨から夏にかけて一気に増殖します。秋になると死ぬため生体の数は減少しますが、ダニの死骸や糞が大量に蓄積され、ハウスダストの主成分となります。そのため、ダニアレルギーはダニが活発に活動する夏よりも、糞や死骸が舞う秋によりひどくなるのです。

ちなみに、ハウスダストアレルギーとは、室内のほこりによるアレルギーの総称です。室内のほこりには、ダニ、ペットの毛やフケ、ゴキブリ・ガなどの昆虫、カビなどが含まれます。中でも主なアレルギーの原因はダニであるといわれており、ハウスダストアレルギーの方にも、ダニ対策が非常に重要になります。

目薬をさす女性
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/maroke

■寝具にはダニが増殖する条件が揃っている

ダニアレルギーによる主な疾患は、「気管支ぜんそく」「アレルギー性鼻炎」「アトピー性皮膚炎」「じんましん」「アレルギー性結膜炎」などがあります。特に「小児ぜんそく」「通年性アレルギー性鼻炎」の原因の多くはダニアレルギーが占めているといわれています。

ダニは人間やペットのフケや垢、落ちた髪の毛などをエサとするため、人の生活と密着した場所に多く生息します。ダニが増殖する条件は、①エサがあること、②もぐれる場所があること、③適当な湿度(75%前後)、④適当な温度(25℃前後)です。人が1日の生活の約3分の1を過ごす寝具はダニの増殖する全ての条件が揃っており、家の中で最もダニの増殖が多い場所です。続いて絨毯/畳、フローリングの3箇所がワースト3と言われています。(東京都福祉保健局「健康・快適居住環境の指針 平成28年度改訂版」)

■生きたダニは水洗いをしても生き残る

では、寝具のダニ対策はどのようにしたら良いのでしょうか。

寝具のダニ対策として定番なのが、「布団の天日干し」や「布団を叩く」行為だと思います。しかしこの対策、実は生きたダニへの駆除効果は薄いのだといいます。(アース製薬 Danny「およそ8割が勘違い! 間違ったダニ知識とは?」2017年8月10日)

対策として、まずはダニの生態を理解する必要があります。ダニは「気温25℃以上、湿度60%以上で繁殖」し、「乾燥と高い温度にさらすと死滅」という特徴があります。生きたダニは水洗いでも生き残り、掃除機がけだけでは吸い切れない可能性があります。そこで、熱や乾燥に弱い性質を利用し、布団乾燥機を使用します。布団乾燥機で生きたダニを駆除した後に、こまめに掃除機をかけることで、死骸やフンを取り去るというプロセスが有効です。しかし、同じくアース製薬の調査では、布団乾燥機を使用した適切なダニ対策を行えていた人はわずか12.9%で、正しいダニ知識・対策ともに十分に浸透していないことが伺えます。

他にもカーペットにもぐりこんだ生きたダニは掃除機では吸い取りきれない場合も多く、アレルギー症状がひどい場合は買い替えも検討することをお勧めします。

暖色系のランプがともる寝室
写真=iStock.com/Viacheslav Peretiatko
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Viacheslav Peretiatko

■耳鼻科で相談できる「ダニアレルギー舌下免疫療法」

対策を十分に行ってもアレルギー性鼻炎の症状がひどい場合、ダニアレルギー舌下免疫療法が有効です。

ダニアレルギー舌下免疫療法とは、ダニ抗原エキスを舌の下に投与し、少しずつ体内に吸収させることによりアレルギー反応を弱めていく治療法で、5歳以上のダニアレルギーの方に、通年で開始することが可能です。

たとえば、ダニアレルギー舌下免疫療法の薬剤で治療した場合、8割前後の方に有効性が認められています。(日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会「鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:鼻アレルギー診療ガイドライン―通年性鼻炎と花粉症―2023年版(改訂第10版)」2020, p. 62-65, ライフ・サイエンス, 東京)

舌下免疫療法の効果は、鼻や目のアレルギー症状を抑えるだけではなく、他のアレルギー疾患にもかかりにくくなることがわかっています。ダニアレルギーでお困りの方は、一度耳鼻咽喉科に相談してみましょう。

■寒暖差アレルギーと呼ばれる「血管運動性鼻炎」

続いて「寒暖差アレルギー」と呼ばれる症状についてお話しします。

寒暖差アレルギーとは、季節の変わり目の大きな寒暖差が原因でくしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状が起こる病態のことです。医学的には「血管運動性鼻炎」と呼ばれ、正確にはアレルギーとは異なる症状です。温度差が刺激となり、鼻の粘膜の血管が拡張し、粘膜が腫れて鼻炎症状が生じると考えられています。

寒暖差アレルギーの症状は、温度差が7度以上になると現れやすくなります。この症状は特定のアレルゲンによるものではないため市販薬はありませんが、症状が重い場合には抗アレルギー内服薬やステロイド点鼻薬などを治療に用いることがあります。

落ち葉でいっぱいの地面に楓の赤い葉
写真=iStock.com/SPmemory
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/SPmemory

■目のかゆみはなく、じんましんが出ることがある

寒暖差アレルギーの原因は不明ですが、自律神経のバランスが関連していると考えられています。自律神経は体内の環境を調整し、鼻の粘膜の血管収縮や拡張もコントロールします。寒暖差の激しい刺激にさらされると、自律神経のバランスが崩れ、鼻の粘膜の血管調節がうまく働かなくなり、それが鼻炎症状として現れやすくなります。

寒暖差アレルギーは他のアレルギーと異なり、熱が出ない点や目のかゆみを伴わないこと、じんましんが出るなどといった特徴があります。

寒暖差アレルギーの予防には、温度差をなるべく減らすことが大切です。外出の際は羽織物やマスクを携帯するなど、身につけるもので工夫します。特に首周りは大きな血管が通っているため、温めることで顔周りの血行を促進させることができます。また、手首や足首にも太い血管が通っているため、手袋や靴下を着用することも効果的です。

■アレルギー性鼻炎と寒暖差アレルギーは見分けられる

アレルギー性鼻炎と、寒暖差アレルギーのような非アレルギー性鼻炎を正確に判断するには、アレルギー検査も有効です。

日本人の2人に1人は何かしらのアレルギー疾患を持っていると言われますが、ご自身が何にアレルギー反応を示すのか、把握できていない方も多くいらっしゃいます。そこで、アレルギー検査を行うことにより、ご自身のアレルゲンをより正確に特定することが可能です。

アレルギー検査にはいくつか種類があり、「MAST36」や「View39」、「MAST48」などがあります。

「MAST36」は、アレルギー症状の原因アレルゲンとして多い36項目が一度に測定できる検査です。

「View39」では、MAST36には含まれない食物系(サバやリンゴ)と昆虫系(ガ、ゴキブリ、ヤケヒョウダニなど)が加わります。

最新のアレルギー検査「MAST48」では、特定原材料7品目(加工食品への原材料表示義務のある卵・乳・小麦・落花生・エビ・カニ・ソバ)を含む食物系24種類に加え、通年性のハウスダスト関連11種、季節性の花粉症関連13種を検査することが可能です。(ミナリスメディカル「マストイムノシステムズⅤ【MASTⅤ・マストⅤ】」)

コートのボタンを留める女性の手元
写真=iStock.com/AntonioGuillem
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/AntonioGuillem

アレルギー検査は、医師が必要と判断した場合、保険が適用されます。多くの方は何らかのアレルギー症状を感じアレルギー検査を希望するため、基本的には保険が適用されると考えておいて良いでしょう。

ご自身のアレルゲンを特定できれば、アレルゲンとの接点を最小限に抑えて生活することができます。アレルギー症状を悪化させないためにも、アレルギー反応を自覚している場合はなるべく早くアレルギー検査を受けることをお勧めします。

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池井 佑丞(いけい・ゆうすけ)
産業医
プロキックボクサー。リバランス代表。2008年、医師免許取得。内科、訪問診療に従事する傍らプロ格闘家として活動し、医師・プロキックボクサー・トレーナーの3つの立場から「健康」を見つめる。自己の目指すべきものは「病気を治す医療」ではなく、「病気にさせない医療」であると悟り、産業医の道へ進む。労働者の健康管理・企業の健康経営の経験を積み、大手企業の統括産業医のほか数社の産業医を歴任し、現在約1万名の健康を守る。2017年、「日本の不健康者をゼロにしたい」という思いの下、これまで蓄積したノウハウをサービス化し、「全ての企業に健康を提供する」ためリバランスを設立。

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(産業医 池井 佑丞)

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