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勤務先、ホームパーティー、SNS…スモールビジネスの成功者が持っている「儲かる情報源」7つのパターン

プレジデントオンライン / 2023年11月1日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Thanmano

稼いでいる人は、どこから情報を得ているのか。20以上のスモールビジネスを展開してきた経営者の武田所長は「コンサルのようなビジネスの場合、多くの情報に触れられるためスモビジの着想になるような気付きを得やすい。K氏はコンサル時代の仮想通貨の交換所に関する調査から着想を得て、月商50万円程度のアフィリエイトサイトを作ることに成功した。すると業界内のコミュニティに呼ばれるようになり、儲かっているメディアに関する情報が入り続けるようになった」という――。

※本稿は、武田所長『スモールビジネスの教科書【実践編】』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。

■スモビジオーナーたちは儲かる情報をどう入手しているか

スモビジはいくつかの界隈に分かれており、代表的なものには「インスタグラムアフィリエイト界隈」「単品リピート界隈」「SEO界隈」「D2C界隈」「フランチャイズ界隈」などがある。

こういった界隈には各々にボスのような企業が存在する。

これらの企業は持っているノウハウを弟子に与え、一種の暖簾分けのような形で一部シェアをボスが握りながら弟子が独立をしていくという動きもよくある。

このように正確かつ早く有効な情報を手に入れるためには、自分が狙っている界隈に入り込むことが重要だが、具体的にどうすればいいのかについては、Y氏の例が参考になる。

地方からX(Twitter)経由でコミュニティに参加

Y氏はかつて地方の大学生であり、そこは東京のように情報を入手しやすい環境ではなかったため、まずは東京のベンチャー界隈に入ることを目標として、X(Twitter)で様々な人間とコンタクトを取り始めた。

当然ではあるが、コンタクトを取る際にはギブ&テイクを意識する必要がある。

「教えてください」だけでは返信は来ないので、相手に対して自分が何を提供出来るかを明記しコンタクトを図ることが大切だ(ちなみに私に対してY氏のX[Twitter]のDMはそのような形式で記述されていた)。

Y氏はこういった連絡をきっかけとし、東京のベンチャー界隈のコミュニティと接触を図り始めることが出来た。

このようなコミュニティへの入り方が分からなければ、公にメンバーを募集しているようなサロンやコミュニティにとりあえず入るのも1つの手だ。

費用も月額で合計数千円程度で済むので躊躇するような金額ではない。

Y氏は最近では株式投資関係のサロンに入ってみたという。

このようなオープンなコミュニティは玉石混淆ではあるのだが、まずは一歩目の踏み出し方が分からなければ入ってもよいだろう。

ここから知人を増やしていくことで徐々に、より質の高いコミュニティを形成することが出来る。

■ビザスクの出会いから事業参入の手助けも

専門家へのインタビュー

情報収集にはインタビューも有効だ。

実名登録の専門家へのインタビューが出来るサービス「ビザスク」を使えば2万〜3万円で業界の専門家に話を聞くことが出来る。

Y氏は現在、情報代としては安いと考え、新領域に参入を検討する際はこのようなインタビューを積極的に活用しているという。

その際のポイントとしては、自分が明確な仮説を立てられるほど知識がない場合、「自分はこんなことがしたいのですが、○○さんならどうやりますか?」というようにオープンに聞き、話したいことを一通り話してもらった上で情報の取捨選択をするのがいいとY氏は言う。

その中でインタビューした1人は、Y氏が美容品事業に参入する際に工場の紹介までしてくれたそうだ。

ちなみに注意点であるが、いつまでも質問を絞り込まずアドバイスを求めるスタンスではいけない。

自分が考えるビジネスをできるだけ具体的に思い描き、それに対して「リスクは何か」「もっとうまくやる方法はないか」とアドバイスを聞くようにシフトしていくべきである。

カフェで座って話す二人の男性
写真=iStock.com/Yagi-Studio
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Yagi-Studio

■会社員時代の経験を活用

コンサル時代の気付きがスモビジ起業の入り口に

K氏はコンサルタントとして企業に勤務していた時代に仮想通貨の交換所に関する調査を行っていた。

そのとき「サービスとしてはほぼ差がない事業なのに、何故これほどまで勝敗が分かれるのか」に興味を持ち、調べてみるとサービス自体ではなくアフィリエイト単価が大きく異なっていることに気付いたという。

そこから「このアフィリエイトというものはサービスの成否に決定的な影響を及ぼすらしい、であればこれは儲かる事業なのではないか」と考えたのがK氏の着眼点が良かったところである。

勤め人として業界内部にいれば、通常は見ることが出来ない情報を入手することが可能だ。

特にコンサルのようなビジネスの場合、多くの情報に触れられるためスモビジの着想になるような気付きを得やすい。

現在勤め人として働いている人も意識してスモビジのきっかけになるような情報を取れないかトライするとよいだろう。

■小さな実績からアフィリエイターネットワークを形成

同業者の動向を常にチェックする

着想を得たK氏はまず、単独でニッチなワードを狙ったアフィリエイトサイトの運営を始めた。

ここで小さな実績(「ロボアドバイザー おすすめ」で1位。月商は50万円程度)を上げたことがきっかけで、アフィリエイターが集うコミュニティに呼ばれるようになり、儲かっているメディアに関する情報が入り続ける状況を作ることが出来たという。

また、K氏は取材を行い寄稿することを得意としているため、何らかの興味を持っているテーマがあった際にはメディアに寄稿していくことで質の高いコミュニティに入り込めるという強みを持っている。

仮想通貨に関してもこの方法でコミュニティに入り込んでいった。

このコミュニティでは、儲かっているメディアに関する記事のスクリーンショットや伝聞情報が共有され、当時、転職系インフルエンサーが運営していたある転職サイトが儲かっているといった収益に関する情報を知ることも出来た。

自分自身でも儲かっているメディアに関する情報収集は続けており、ダイヤモンド社が運営する『ZAi』というメディアが同社のドメインパワーを活用し検索順位を安定的に上げていることを発見していた。

転職という同業だけでなく、他のテーマでアフィリエイトに取り組んでいる企業からも常に学ぼうと意識していたのである。

SNSのプロフページを見て思案している男性
写真=iStock.com/everythingpossible
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/everythingpossible

■インターンの経験と学生起業家のコミュニティを活用

学生起業の成功例のほとんどがインターンからの気付き

M氏は広告系の企業でインターンを経験しており、広告関連事業に関する情報は入手しやすい状況であった。

K氏の例では勤め人の立場を活用することについて書いたが、学生であればインターンの立場を活用しよう。

私も多くの学生起業家と話す機会があるが、成功例の大半は「インターンを経験して会社は大したことをしてなくても儲かっていることを知った。周囲の学生と同じようなことをすれば自分でもやれる」というパターンである。

キュレーションメディア(特定のテーマやジャンルに関して、インターネット上に存在する無数の記事から取捨選択して掲載することで価値を持たせた、いわゆるまとめサイトのこと)で学生起業家の成功が続いた時期があったが、そのほとんどがこのパターンであった。

特にキュレーションメディアは「安価で大量の労働力を供給出来るか」を重要視するビジネスであり、この特性が学生という立場とフィットしたということだろう。

M氏は現在でも周囲にいる学生起業家出身者とは自然と交流し、週1以上は広告業以外にも様々なビジネスに取り組む起業家との交流を続けている。

学生起業家界隈である程度結果を出している人は少ない。

ビジネスで実績を出していけば自然と、様々な場に来ないかという声がかかりやすくなり、横の繋がりが出来ていくものなのだ。

実績を積み上げると同時にコミュニティを作り続けなさい!

■成功している他社とデスクトップリサーチ、勉強会

他社を真似する

A氏の基本的な考えは、儲かっているビジネスを発見し、その中で良いものを真似すれば成功する、というものである。

そのため他社が何をやっているのかは常に調査しており、手がける民泊でも、事業運営がうまいと思う会社とは定期的に情報交換をしているという。

当然そういった企業は自社の競合でもあるが、清掃スタッフを紹介しあうなど、ある種の協業でもあるため良好な関係を保つことが出来た。

基本的には「儲かっている会社がありそのコピーをすれば自社も儲かる。オペレーションが出来てきたら独自性を付与する」というのがポイントだ。

デスクトップリサーチ(Webや書籍での調査)

A氏は現在、社員数を増やすというより1人あたりの営業利益を上げていくという方針を取っている。

そのための情報収集には、例えば『東洋経済』などの1人あたり営業利益ランキングを見て、注目している企業のIR資料を確認し、真似出来る可能性がないかを探っている。

このような情報を見ていくと、やはり金融・不動産に1人あたりの利益が多い会社が集中していることが分かったという。

A氏が取り組んでいるビジネスと金融・不動産は相性もよく、コピー出来る新たなビジネスを探すべくより詳細な調査を進めている。

勉強会

A氏は外部に公開されている資料のみでは分からない情報について知りたい場合、積極的に勉強会に参加していたという。

例えば最近は、ファンド組成についての勉強会に顔を出し、様々な情報を教えてもらい非常に参考になったそうだ。

A氏自身ファンドを1つ組成し、苦労はしているがファンド組成の知識は応用の幅が広いため、よい経験になったと考えているという。

講演を聞くビジネスパーソンたち
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazuma seki

■飲み会経由で相談が入る状況を作る

飲みの場から事業は生まれる

J氏は情報収集は基本的に飲みを通じて行っている。

相手は誰でもよいわけではなく、博識な人との付き合いを特に重視しているという。

顧客やビジネスパートナーと一緒に飲みに行くと仲良くなり、そうすれば基本的に「何かを一緒にやりたい」というところから商談が始まるため、物事が進めやすくなる。

また、J氏は様々な人を紹介したり過去の経験からアドバイスを出来たりもするので、無償で気軽に相談を受けられる態勢をとっている。

■パーティー、会社員時代の経験を活用

パーティー

E氏は毎週ホームパーティーを開催し様々な人と知り合いになり、情報収集をしていた。

元コンサルであるが、リサーチをして参入を検討するということはあまりしていない。

会社員時代の経験

製薬メーカーに勤務していた際、E氏は医師向けに使われている患者情報管理システムの欠点を発見した。

これを改善するためのシステムを作ればよいのではないかという発想を得た。

■「業界関係者」というポジションを獲得する

コミュニティに深く入り込もう

S氏はコミュニティに深く入り込み、周囲に業界関係者として認知されることを常に意識している。

そのためには飲みに行く機会を重ね、事業に取り組み続けることが重要だという。

S氏がそう考えるのには、今も続けるキャスティング事業での成功体験がある。

それは、インフルエンサーたちが集まる飲み会で「有名芸能人のTがゲーム実況をしたいらしい」と聞きつけ、Tにすぐコンタクトを取り、ゲーム実況系のプロモーションをやらないかと打診したところ、二つ返事で受けてもらうことが出来たというものだ。

おしゃれなスペースに集い食べながら仕事の話をしている若い実業家たち
写真=iStock.com/visualspace
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このようにキャスティングはコミュニティの深部に入り込み、業界に精通している者として認知されることで初めて出来る事業である。

S氏はコンサル時代にデスクトップリサーチも多数行っていたが、エンタメ業界は非公開情報が多いこともあってか、エンタメ系の事業で役に立ったことはほとんどないという。

どのような事業であっても業界関係者として認識されることは大切である。

例えば、YouTuberのキャスティングのような広告案件は、フォロワー数などオープンになっている情報をもとに事業を始められるが、キャスティングはそうはいかないのだ。

キャスティングの経験を重ねるほど、タレントの性格といった関係者でしか知り得ない内部情報が分かってくるので、自分にしか出来ないイベントやタレントのマネジメントといった、業界のより深い場所で事業を展開出来るようになっていくのである。

■何が今儲かっているのか、それは何故儲かるのか

儲かる情報の集め方

ほぼ全てのスモビジオーナーは「何が儲かるのか」という情報を手に入れ続けることを重視している。

特に事業者同士で積極的に情報を交換するコミュニティへの参加に関しては、ほぼ全てのスモビジオーナーが重点を置いていることが分かるだろう。

自分に実績や立場が何もない場合、有用な情報がやり取りされる核心的なコミュニティに入ることは難しい。

コミュニティに対して有用な情報を持たない状態ではその中に入れはしないのだ。

事例からも見られた通り実績を積み重ねながら徐々にコミュニティの内側に入り込み、業界関係者にしか出来ないビジネスを目指していくのだ。

全く新しい業界でありツテもない場合は、最初は多少の金を払ってでもインタビューやサロン、塾などを利用して情報を得ることも1つの手段だろう。

発信活動を通じて立場を獲得したり、勤め人や学生である場合は勤務中に得られる情報やインターンでの経験を活用したりするとよいだろう。

また、常に「何が今儲かっているのか、それは何故儲かるのか」についての信頼度・鮮度が共に高い情報が手に入り続ける状況を作れるように意識することも重要だ。

各情報源を使いこなすためのポイントを簡単に記載しておく。

■10名のインタビューで20万円でも決して高くない

情報源1 コミュニティ

自分が良質なコミュニティに入れる理由を作ろう。

ここで重要なのは如何に自分がコミュニティの役に立つ情報を持ち込めるかという点にある。

そのためには小さくてもよいので実績を作り始めるとよいだろう。

例えば、K氏のように月商50万円規模のものでなくても構わない。

もっと小さな実績や専門性の高いものでも構わないので、コミュニティに対して何かしら貢献出来る材料を持とう。

大きく収益化していなくてもコミュニティに入る道具として十分役に立つのだ。

情報源2 デスクトップリサーチ

「何が今儲かっているか・何故儲かっているか」という核心的な情報をデスクトップリサーチで仕入れることは難しい。

しかし無料かつ網羅した情報を迅速に手に入れられることがデスクトップリサーチの利点である。

A氏のように収益性が高い会社の発見に活用するのもいいだろう。

自分が知らないビジネスの情報をIR資料から確認するなどした後に、核心的な情報については人から聞くという複合的な使い方をするとよい。

情報源3 インタビュー

何も知らない業界でスモビジを始めようとする場合、Y氏が活用していたような専門家へのインタビューは非常に有用である。

情報に対してある程度の金を払えるという人は、おおよそ1人2万〜3万円で聞くことが出来るため積極的に使うとよいだろう。

例えば6〜10名にインタビューして20万円かかったとしても、この程度の金額で重要な資源である時間を買うことが出来ると考えれば決して高くないのである。

情報源4 勤務先

K氏、M氏、E氏はインターン・勤務先で儲かる事業の情報を掴んでいた。

会社自体がその業界の内部にあるため、一個人では得られない情報でも、インターンや社員ならば報酬をもらいながら入手出来るのである。

武田所長『スモールビジネスの教科書【実践編】』(実業之日本社)
武田所長『スモールビジネスの教科書【実践編】』(実業之日本社)

勤め人を経験した多くのスモビジオーナーは勤務先で気付いた内容を自分の事業に使っている。

ただ、なんとなく働いているだけでは、儲かる事業への気付きを得るのは難しいだろう。

K氏の例で見られたように「どうすれば儲かるビジネスが出来るのだろうか」という課題意識を持ちながら自分の日常業務から発見を得たい。

勤務先でどのようにすれば儲かるのかの着想を得なさい!

■事業領域をある程度絞って情報収集しなさい!
■儲かる情報を継続的に入手し続けられるコミュニティに入り込みなさい!
■入手している情報の鮮度・信頼性・量を高めていきなさい!

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武田所長(たけだしょちょう)
経営者
大学卒業後、戦略系コンサルティングファームに入社。退職後20以上のビジネスを展開し、それぞれ売上年間数百万円〜10億円。トレンディ・ハイリスクなベンチャービジネスではなく「安定・着実」に、「社員数30人以下・営業利益で年間3000万円以上」を目指すスモールビジネスを推奨。強い個人が活躍する時代を作るという狙いのもと、スモールビジネスに関する情報発信を行う。著書に『スモールビジネスの教科書』(実業之日本社)がある。

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(経営者 武田所長)

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