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「限定○個」「残席○席」は全てウソである…いつまでもお金が貯まらない人が飛びつく「煽り文句」の真相

プレジデントオンライン / 2023年11月6日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/157526801

お金が貯まらない人の特徴とは何か。文筆家の千田琢哉さんは「『限定○個』『残席○席』に飛びつく人は皆企業に搾取されている。このようなキャッチコピーはほぼ全てうそだと考えていい」という――。

※本稿は、千田琢哉『一流の人が、他人に何を言われてもやらなかったこと。』(清談社Publico)の一部を再編集したものです。

■タイムセールは「死に筋商品」の山

「タイムセール」に乗らない。

昔ならデパートのバーゲンセール、今ならインターネットショップのタイムセールには四流の人々が殺到するから要注意だ。

別にタイムセールを利用するのは悪いことではないと思う。

私もタイムセールでなければ購入しないとあらかじめ決めている商品がいくつかあり、定価で購入するようなバカなことはしない。

私が要注意と言っているのは、タイムセールだからと言って、本当は要らないのに購入してしまう習慣だ。

格安ショップに行くと、ここぞとばかりにあれこれ買い漁っている貧乏人と酷似している。

結局のところ、ただでさえ狭い部屋をさらに狭くして、なけなしのお金がさらに減ってしまうのだ。

経営コンサルタントをやっていた身として告白しておくと、原則タイムセールというのは本音としてはお金を払ってでも処分しておきたい“死に筋商品”の山である。

あるだけで疫病神になる存在の塊だと考えていい。

その証拠に本当に“売れ筋商品”であればタイムセールとは無縁のはずだ。

例外的に卓越した商品でもタイムセールになることもあるにはあるが、それはこの先、爆発的に売上を伸ばすために確信犯で知名度を極限まで高めておくためである。

「こんなに素晴らしい商品が、なぜ?」と思わせながら狼煙を上げて、目的を果たしたら定価で売り続けるのだ。

一流の世界でもたまにやる戦略である。

■安いから買うものは不要、必要なものは高くても買う

四流の習慣はどんなものか私がここで再現して差し上げよう。

インターネットショップではタイムセールだけに興味を持ち、毎日必ずチェックしている。

そしてあらかじめ欲しかったものではなく、「安いから欲しい!」「今買わないと何か損した気がする!」と本能的にポチッと購入してしまうのだ。

これを毎日やらかして習慣化すると、クレジットカードの残高がなくなってリボ払いに手を染め、気がついたら借金地獄に突入しているというわけである。

おまけにタイムセールで買い漁った安くて粗悪なスナック菓子やレトルト食品をせっせと体内に日々流し込んでいるため、肌の艶も悪く、目も濁り、極度な肥満かガリガリかのいずれかの体型をしているというパターンが多い。

そこまで酷くなくても、単に安いからという理由だけで購入する癖のある人は同類である。

安いから買うものは、本当は不要なのだ。

本当に必要なものなら高くても買う。

だから一流の世界では部屋に物が少ない。

貧乏人の家には玄関からしてビニール傘が複数散乱し、脱いだ靴が散らばっている。

それに対して一流の世界では玄関がとてもスッキリしており、趣味の悪い熊の置物や気持ちの悪い謎の剝製が置かれていない。

タイムセールに買い漁りたくなる衝動の根本は心の貧しさにある。

心が貧しいとなけなしのお金で心の隙間を埋めるために安物を買いまくるのだ。

四流は、心も貧しい。

安いから買うものは“死に筋商品”である。

タブレットでオンライン割引クーポンを見ている男性
写真=iStock.com/courtneyk
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/courtneyk

■「限定○○‼」「残席○○‼」「先着○○名様‼」は全部嘘

「限定○○‼」「残席○○‼」「先着○○名様‼」に乗らない。

タイムセールに続いて、煽りコピーに騙されないことも非常に大切だ。

私は経営コンサルタント時代にキャッチコピーの作成が得意だったため、実際の商品の価値よりもはるかに優れて見えるように指南してきた。

今振り返ると強烈な罪悪感が私を襲うくらいだ。

そんな私の告白だからかなり説得力があると思うのだが、「限定○○‼」「残席○○‼」「先着○○名様‼」は全部嘘だと考えていい。

少なくとも疑ってみる価値はある。

「限定」というのは知的水準の低い人が脊髄反射レベルで反応するキーワードであり、高級車や高級機械式時計などのブランド品で使われることが多い。

本当の生産量は社外秘であり、基本的には漏れることがないからおバカを騙しやすいとは言える。

■その数字が本当かどうか確かめる術はない

「残席」というのは集客に困った自己啓発セミナーで使われることが多い。

そもそも本当の人気セミナーなら残席など知らせる必要はなく、告知前か告知と同時に満席になるはずだ。

詐欺師の常套手段である。

「先着」というのは判断能力を鈍らせる悪魔のキーワードであり、金融機関の紙通帳から電子通帳へとシフトさせる煽りに使われることが多い。

本当に○○名様に特典を差し上げていることを確認できる証拠は、お客様には見せないのが恐ろしいところである。

いかがだろうか。

世の中には騙しの手口があちこちであふれていることがご理解いただけたのではないだろうか。

もし今これを読んで怒り心頭に発した人がいたら、かなりおめでたいとしか言いようがない。

冗談ではなく、これまでの人生で1億円以上搾取されてきた可能性もある。

私が経営コンサルタントをやってきて勉強になったことを一つ挙げろと言われたら、多くの業種業界の裏を見せてもらったことだろうか。

■煽りコピーを投げかけられたら「中座」する

以上を踏まえた上で、あなたならどうするかである。

大切なことは単に知ることではない。

知った上でどうするかである。

どうするかだけではなく、どういう習慣にして人生を変えるかである。

煽りコピーを見たら直ちに距離を置くだけではなく、卑しい販売員に煽りのフレーズを投げかけられたら直ちに中座することだ。

一流の世界ではこの「中座」という行為が日常的に行われており、ぜひこの機会にあなたも習慣化してもらいたい。

あなたがお客様の立場なのに上から目線で煽られたりマウンティングをかまされたりしたら、中座して帰ってくるのだ。

千田琢哉『一流の人が、他人に何を言われてもやらなかったこと。』(清談社Publico)
千田琢哉『一流の人が、他人に何を言われてもやらなかったこと。』(清談社Publico)

これができて初めて一流の仲間入りである。

私は直接お会いしたことはないが、投資王のウォーレン・バフェットもこの中座の名人だと本で読んだ。

彼は「こいつ、無理」と直感した相手の話は、いかなる理由があろうとも話を遮って中座してきたという。

さすがである。

彼は単なる大富豪というだけではなく、きっと一流の世界の住人なのだろうと確信した。

あなたも今日から中座しよう。

煽りコピーは判断能力を鈍らせる悪魔のキーワード。

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千田 琢哉(せんだ・たくや)
文筆家
愛知県生まれ。岐阜県各務原市育ち。東北大学教育学部教育学科卒。日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。コンサルティング会社では多くの業種業界におけるプロジェクトリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。のべ3300人のエグゼクティブと1万人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって得た事実とそこで培った知恵を活かし、“タブーへの挑戦で、次代を創る”を自らのミッションとして執筆活動を行っている。著書は本書で178冊目。音声ダウンロードサービス「真夜中の雑談」、完全書き下ろしPDFダウンロードサービス「千田琢哉レポート」も好評を博している。

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(文筆家 千田 琢哉)

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