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「人がいるときだけ子をあやす」0歳育児に奮闘する妻が涙ながらに明かした"近所で評判のイクメン夫"の正体

プレジデントオンライン / 2023年11月11日 13時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/paylessimages

子育てによる夫婦関係の悪化を防ぐことはできるのか。夫婦問題研究家の岡野あつこさんは「自分は“イクメン”のつもりでも、妻をイラつかせている夫たちがいる。子育て中に妻が抱いた不満は、子育てが終わってからも残り続けるものだ」という――。

■妻をイラつかせる“イクメン気取りの夫”

イクメンというワードが普及して久しい。厚生労働省が推進している「イクメンプロジェクト」ではイクメンについて、こう定義している。「イクメンとは、子育てを楽しみ、自分自身も成長する男性のこと。または、将来そんな人生を送ろうと考えている男性のこと」。たしかに、そんなイクメンが増えれば夫婦や家族のあり方は変わるはず。

ところが、現実はそんなに甘くないのも事実。子育てを楽しむ余裕などはなく、自分のことで手一杯な夫は少なくない。イクメンとは似て非なる「“イクメン気取り”で、実は妻をイラつかせている夫」であるがゆえに、夫婦の危機を招くこともある。

実際に、子育てをめぐって夫婦間に亀裂が生じ、危機を迎えた夫婦にはこんなケースがある。

※プライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。

■「夫はもともと外ヅラがいいタイプ」

【CASE1】「イクメンのオレ」に酔いしれる夫

Y美さん(33歳)は半年前に第一子を出産、現在は育休中で、夫は2歳年上の会社員だ。Y美さんは、はじめての育児に毎日奮闘していて日々お疲れ気味。「正直な話、育児がこんなに大変だとは思わなかった。こんなことなら、家で育児に明け暮れるより外で働いているほうが、自分のことだけ考えればいい分、よほど楽だと思います」と本音をもらす。

子どもに振り回される日々とはいえ、「もちろん、子どもはかわいい。どんなに疲れていても、子どもの寝顔を見ると『生んでよかったな』と心から思う」と子育てに関する苦労については納得している様子のY美さん。では何が彼女のストレスの元凶かというと、「100%、夫です。家にいるときはほとんど何もしないくせに、外ではイクメンを演じている夫にイラだちがとまりません」。

憤慨するY美さんいわく、「夫はもともと外ヅラだけは異常にいいタイプというか、『自分がどう見られているか』を気にしすぎる傾向があるんです。今は、私のママ友や学生時代の友だちから『イクメンの旦那さんでうらやましい』と褒められることがうれしいらしく、『イクメンのオレ』に酔いしれていてムカつきます」。

■お風呂はたった1回しか入れていないのに「大変だけどかわいい」

自称イクメンの夫が実際にやることといえば、「週末、ショッピングモールやスーパーなど外出時だけ、子どもを抱っこする」「友だちが家に来たときだけ、子どもを積極的にあやすフリをする」など。あくまでも人目があるとき限定で子育てに献身的になるとのこと。「お風呂は『怖いから』と半年で1度しか入れていないにもかかわらず、まわりには『大変だけれど、かわいいんですよ』などと、まるでいつもやっている日課のように吹聴していて腹立たしい」。

お風呂に入れられる赤ちゃん
写真=iStock.com/Paulo Sousa
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Paulo Sousa

Y美さんがもっともイラついたのは、休日に夫が友人と飲み会に出かけて夜遅くに帰ってきたときのこと。「『休日くらいもっと家のことを手伝ってもいいんじゃない? 私だってたまには子育てから解放されたいよ。今日だって、タイミングが悪くて買い物にすら出かけられなかったのに』と文句を言い募ったところ、『は? お前、今日一日、子どもと一緒に何してたわけ? 働いていないんだから、時間なんて毎日いくらでもあるでしょ?』と。お酒が入っていたとはいえ、私にとっては許せない発言でした」。

Y美さんは、そのときの夫の発言を思い出すたびにいまだに悔し涙が出ると話す。「イクメンなんてとんでもない。結婚してはじめて『こんな夫なら別れてもいいや』と思いました」。

■「自分でやったほうが早い」家事がすべて雑な夫

【CASE2】家事や育児にまつわる作業がすべて雑な夫

「本人は育児に貢献しているつもりなのかもしれないけれど、私に言わせればハッキリ言って戦力外もいいところ。だったらほかのことを手伝ってくれたほうがマシだと思っているんです」と落胆するF乃さん(38歳)には、小学校の子どもがひとりいる。

F乃さんいわく、3歳年下の夫は「やることがすべて雑」。「子どもの体操服を洗濯して、明日持っていけるように用意しておいて」と頼んでも「洗剤はどこ?」からはじまり、「どのくらいの量を入れたらいいの?」「洗濯のモードはどれ?」「終わったみたいだけれど、どれに干したらいいの?」など、F乃さんのサポートが必要になる場面が続出。「夕方になってもベランダに干したままの洗濯物をとり込むこともせず、結局それを畳んだのも私。そうやってイライラするくらいなら、全部自分でやったほうが早くて楽だったなと思うことばかりなんです」。

■買い物には行くけれど、食材を冷蔵庫には入れない

今年の夏の週末にはこんなことがあった。F乃さんが美容院へ出かけている間に、夫に買い物メモを渡し、子どもとふたりでスーパーに行っておいてほしいと伝えていたところ、夕方になってF乃さんが帰宅してみると、玄関にエコバッグに入ったままの食料品が置かれていたという。

ビニール袋に入った野菜
写真=iStock.com/OlgaMiltsova
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/OlgaMiltsova

「夫は買ってきたものを冷蔵庫など所定の場所に収納するところまではしていなかったんです。魚や肉、牛乳などの生鮮食品もそのまま何時間も常温で放置され、いろいろな食品からの汁も漏れまくりの状態。なのに、『暑いさなかに買い物に行ったから疲れた』とエアコンのきいた部屋でゴロゴロしているだけの夫にあきれ返りました」

何を頼んでもいつも中途半端で雑な夫の振る舞いにF乃さんのイライラは募るばかり。「挙句に、『そんなにカリカリしないでよ。オレだって仕事で疲れているのに精一杯、手伝っているイクメンなんだからさ』と半笑いで言ってくる夫には、もうそろそろ堪忍袋の緒が切れそうです」。

■「私は鬼母で夫は温厚ないいパパ」になっている

【CASE3】子育ての「いいとこ取り」だけする夫

「私は鬼母で夫は温厚ないいパパ、みたいな構図が出来上がっていること自体、腹立たしくて仕方ないんです」と憤るJ子さん(40歳)は、私立中学受験を目指して進学塾に通う小学生のワーママ。4歳年上で会社員の夫は、「とにかく子どもに甘い」という。

「志望校に合格するためには、今の娘の学力では相当の努力が必要です。なので、週末ごとにある塾の模擬テスト対策の勉強を毎日やらなければなりません。その勉強を見ているのは私。夫は仕事を言い訳に、平日帰宅してからは子どもの勉強にはノータッチ。そのせいで、私はいつも子どもから『ママはガミガミうるさいよ』と煙たがられているんです」

■「娘に嫌われることはしたくない」言いなりになる夫

J子さんいわく、「夫は、『娘に嫌われることはしたくない』と言うばかりで、教育に関しても完全放棄。たまに夫と娘の二人で留守番をさせても、勉強を見るどころか娘の言いなりになってYouTubeを見せているだけ。私のつくっておいた料理には手をつけず、ウーバーイーツでファストフードを頼み、コンビニでアイスやお菓子を買い与えている始末。それで娘からは『ママは怖いけれど、パパのことは大好き!』と言われ、子育て上手なイクメンを気取ってやにさがっているのも納得がいきません」。

スプーンですくったカップアイス
写真=iStock.com/flyingv43
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/flyingv43

先日はJ子さんのほうが仕事で帰宅が遅くなり、夕食の支度や娘の世話など「夫がフォローしてくれているかな」と淡い期待を寄せてドアを開けると、リビングのソファに夫と子どもがただ横たわってくつろいでいるだけで、「お腹すいたよ。ママ、ご飯まだなの?」と。「さすがに夫に文句を言ったところ、『なんだよ、言ってくれたらオレだって手伝ったのに』と、まるで私に責任があるかのようななじられ方をされたのには本気でキレそうになりました」と振り返る。

■子育て中の不満は子育てが終わってからも残る

理想のイクメンのあり方は夫婦や家庭によって変わるものの、条件によらず共通していえるのは「妻に頼ることなく、夫がひとりで子どもの世話ができる」ということに尽きるのではないだろうか。そこに「妻への感謝の気持ちを忘れず、ねぎらいの言葉をかけることを怠らない」ということが加われば満点だろう。

子育て中に夫に対して抱いた妻の不満ややるせない気持ちは、子育てが終わってからも残るもの。「いちばん大変だったとき、あなたはこんなことをした」あるいは「あのとき、あなたはこうしてくれなかった」は、その後もずっと妻の心のトゲとなって刺さり続けることは間違いない。

子育てを妻任せにしたり、妻からのSOSに見て見ぬフリを決め込んだりするのではなく、気づいた時点で細かくフォローしていくこと。それが、子育てが終わった後も円満な夫婦関係を持続できる唯一の方法だろう。

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岡野 あつこ(おかの・あつこ)
夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー
夫婦問題研究家、パートナーシップアドバイザー、NPO日本家族問題相談連盟理事長。立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科修了。自らの離婚経験を生かし、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。これまでに32年間、38000件以上の相談を受け、2200人以上の離婚カウンセラーを創出『離婚カウンセラーになる方法』(ごきげんビジネス出版)。近著は夫婦の修復のヒントとなる『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)。著書多数。

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(夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー 岡野 あつこ)

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