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神様に祈るとかえって幸運を遠ざける…本当に「運のいい人」が無意識のうちに習慣化していること3つ

プレジデントオンライン / 2023年11月9日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Ildar Imashev

年末が近づくと「開運」をうたう商品が世に溢れる。本当に効果はあるものか。無敗の雀鬼として名を馳せる桜井章一さんは「本当は運のほうから人が選ばれているのだ。幸運を願って行うような行為や思考はかえって運を遠ざける」という──。(第4回/全5回)

※本稿は、桜井章一『雀鬼語録 桜井章一名言集』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■運には必然性がある

みなさんは「運」というものをどのように思っておられるだろうか。

「今日はついているな」
「どうもこのところ運が回ってこない」
「職場であの人に会えて本当に運がよかった」

多くの人は、運に対して何かつかみどころのない不思議なものという印象を持っているのではないだろうか。

だが、運はきわめて具体的なものである。

もちろん、運のなかには宝くじに当たるような偶然としかいいようのないものもあるが、たいがいの運は必然性を持っている。そして仕事や生活に圧倒的に大きな影響を持っているのは、この必然の運のほうである。

■「運」は求めてはいけない…

必然の運は、ふだんどんな考え方をし、どんな行動をとっているか、つまり日々の努力や生きる姿勢によってやってきたり、こなかったりする。

ある考え方をし、ある行動をとれば運はやってこないが、それとは別の考え方をし、別の行動をとれば、人は運に恵まれたりするのである。

運がくるかどうかはその人次第なのだ。神様に祈ってやってくるようなものではけっしてない。

むしろ、運がやってきますようにと願って行うような行為や思考はかえって運を遠ざけるだろう。淡々とするべきことをしっかりやっている人を運は好む。

つまり、運は求めるものではなく、運が人を選ぶのである。

■「流れ」を感じ取る力を持て

では、運に選ばれる人とはどういう人なのか。いくつか例をあげてみよう。

その1つは、ものごとの流れを感じ取る力があることだ。

サッカーや野球などスポーツの試合には流れが存在する。流れがいいほうに向いているか、悪いほうへ向いているか、見ていれば流れのおおよその方向は感覚的にわかるものである。悪い流れであったものが、いいプレーが生まれたことをきっかけにいいほうへ流れが変わり始めることもあるし、その逆のこともある。

運に選ばれる人は、こうした流れ全体のなかに潜んでいるさらに細かくて複雑な流れの綾(あや)を感じ取ることができる。

この局面ではこういう動きをしようとか、ここで選手を入れ替えようとか、ちょっとした流れの変化を察知することで瞬時に判断を下していける。その細かい決断を重ねていくことで、いい流れを加速させたり、悪い流れを変えたりする。

■ものごとの流れがわかると「運の流れ」が見えてくる

流れを読む力は、同様に仕事や生き方においてもとても重要だ。流れを読み間違えれば、大きなミスにつながりかねないが、反対に流れをうまくとらえるとプロジェクトを成功させるなど、いい結果を導くことができる。

流れは1つだけではない。川の流れを見ればわかるように、流れは速かったりゆっくりしていたり、太かったり細かったり、無数のさまざまな流れが混然一体となっている。

ものごとの流れも大きな流れと同時に小さないくつもの流れが存在する。この小さな流れにも気づくことがとても大事だ。小さな流れであっても、それはやがて大きな流れへと成長していったりする。

そんな大小さまざまな流れをいかに的確にとらえるかで、運の流れもまた大きく変わってくるのだ。

■「流れ」を自らつくる積極性を

ものごとの流れに対する姿勢でもう1つ大事なことがある。それは流れを自らつくろうとする積極性である。

桜井章一『雀鬼語録 桜井章一名言集』(プレジデント社)
桜井章一『雀鬼語録』(プレジデント社)

流れをとらえることだけであれば、流れに対して受け身のままだが、流れは新しく自力でつくり出せるものでもあるのだ。

もし悪い流れであれば、それを変えるためにはどうすればいいか、まず考えなくてはいけない。

そのためのしかるべき準備と工夫をし、次に「ここぞ」というタイミングで行動を起こせば流れは必ず変わっていく。

流れを正しく読む技術とは、それをとらえる気づきの力と流れを自ら生み出すセンス、この2つが両輪としてうまく噛み合うことで成り立つものなのだ。

■「準備・実行・後始末」のサイクルを回す

運に選ばれる人の特徴としてもう1つあげられるのは、「準備・実行・後始末」のサイクルを常にきれいに回していることである。

ものごとをうまく進めるには、まず念入りな準備が必要である。準備がしっかりできたうえではじめて実行はスムースになされる。

もちろん実行は実行で的を外さぬよう抜かりなくしなくてはいけない。ただし、実行がうまくいったからといって、そこで終わりではない。事を成した後の後始末がまだある。

後始末は片づけや掃除であったり、何らかのフォローであったりする。そこまできちんとやって「準備・実行・後始末」のワンサイクルは終わる。

■「間に合う人」は心が澄んでいる

なぜ後始末もしっかりしないといけないかといえば、それは次への準備だからだ。

つまり、1つひとつの「準備・実行・後始末」は常に次の「準備・実行・後始末」へとつながり、大きな円環をなしているわけだ。

このサイクルをきれいに回している人は、常に「間に合っている」状態にある。ものごとがうまくいかないことの多い人は、たいてい「間に合わない」行動をしているものだ。

「準備・実行・後始末」のサイクルをきれいに回していると、心は余計なものが生じず「澄んだ状態」になる。「澄んだ状態」にあれば、感覚はおのずと研ぎ澄まされる。

感覚が冴えると、ものごとのわずかな流れでも素早く察知し、運やチャンスに気づくことができるのである。

■麻雀に東南西北がある理由

運に選ばれる人は、逆境にあってもそれを順境に変えることができる。そのキーワードとなるのは「円」である。

私は、自分に不利な流れが生まれているときは、円の感覚を持つようにしていた。円の感覚があれば、いまツイていなくても、やがてツキが回ってくるという構えができる。その余裕があれば、不利な状況から早く抜け出そうと焦ったり、感情がコントロールできなくなって思わずヘタを打つようなことはない。

私が円の感覚を持てるようになったのは、麻雀のおかげである。麻雀は東南西北があってぐるぐる回っている。麻雀の本質はそこにある。

自分だけが上がればいいという一方通行の気持ちだけでなく、相手にもチャンスが回ってそれがまた自分にも返ってくる、という円の感覚を持つことが勝負においては重要なのだ。

ぐるぐるチャンスが回っているのは、東南西北という方角があることで卓上にも自然という宇宙が投影されているからである。それゆえ、そこでは自然界の流れや動きに近いものが起こる。自然の変化を察知するのと同じように、卓上の微妙な変化も感覚を鋭く立てていないと気づくことができない。

■ツイていないときほど楽しい

麻雀がうまくない人を見ていると、点や線の動きになっている。

全体を見ることなく、自分の手牌ばかりを見て勝ちを急ぐのだ。強い人は、回っている全体の流れをさっとつかみ、その流れにうまく乗っていける。

私が真剣勝負をしていたころは、不利な流れだな、ツイていないなというときは、かえってその状況を楽しむようなところがあった。

絶体絶命の状況でも円の感覚を失わず、重心を低くする。すると、チャンスがさっと姿を現しかけた瞬間に動くことができる。

チャンスをつかめば、そこから素早く一気に攻めに転じて逆転をはかるのである。

輪のイラスト
写真=iStock.com/megane
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/megane

■勝負も人生も「円」でできている

仕事や人生における逆境も同じである。生きるということを円に柔らかくおさめればいいのだ。

人生の円は「喜」「苦」「楽」「悲」「快」といったものでできている。

“点”で人生をとらえれば、「苦」のときは永遠に「苦」が続くような気持ちになるが、“円”でとらえればいまは「苦」でもぐるっと回ってやがて「喜」がくることがわかる。

逆境も円におさめてしまえば、運は自然とやってくるのである。円の感覚に自分をいつも置いておく。運に選ばれようと思えば、そのことを忘れてはいけない。

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桜井 章一(さくらい・しょういち)
雀鬼会会長
1943年東京・下北沢生まれ。大学時代に麻雀を始め、裏プロとしてデビュー。以後、圧倒的な強さで勝ち続け、20年間無敗の「雀鬼」の異名をとる。現役引退後は、「雀鬼流漢道麻雀道場 牌の音」を開き、麻雀を通して人としての道を後進に指導する「雀鬼会」を始める。モデルになった映画や漫画も多く、講演会などでその雀鬼流哲学を語る機会も多い。著書に『負けない技術』『流れをつかむ技術』『運を支配する』『感情を整える』『群れない生き方』など多数。

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(雀鬼会会長 桜井 章一)

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