日本に電柱は何本あるか?…ひろゆきが外資系コンサルの定番問題でみせた「ずるい回答」とは【2023編集部セレクション】
プレジデントオンライン / 2023年11月9日 11時15分
※本稿は、西村博之『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
■ビジネスに唯一絶対の正解はない
目の前で問題が起きたとき、あなたならまず何をするでしょうか?
問題解決をするときに最初にすべきなのは、「それがどんな問題か」を把握することです。
問題はタイプによっていろいろな分け方ができるのですが、僕はまず2つに分けて考えます。
よく使うのは、その問題はすでに「答えがわかっている問題」なのか、それとも「答えがわかっていない問題」なのか、という分け方です。
「答えがわかっている問題」というのは、「鎌倉幕府をつくったのは誰か?」や「この三角形の面積を求めよ」といった、学校のテストで出るような問題のことです。こうした問題は、教科書を読んで調べたり公式を覚えたりすれば、誰でも答えを導き出せます。
すでに誰かが答えを出している問題や「答えがわかっている問題」は、自分で考えて答えを出そうとするのは時間のムダなので、調べてしまったほうが速いです。
僕は、問題を解決する際には、分析する力よりも調べる力のほうが大事だと思っています。問題の本質をつかむためにも解決策を立てるためにも情報は欠かせませんし、情報が多ければ多いほど正解にたどり着く確率は高くなります。
だから、僕はふだんから気になることがあれば、すぐに調べるのがクセになっています。ニュースを見ていても、「これはどういう問題なんだろう」「こうしたら解決できるんじゃね?」と思ったらググります。
たとえば、日本で選挙になるとよく「若者の投票率が上がれば政治は変わる」という話が出ますよね。この話を聞いたら、年代別の人口や投票率を調べてみればいいのです。ググればすぐに数字が出てきます。
とくに、すでにデータがあるものに関しては、あれこれ推測するよりも調べたほうが早いです。
■調べれば不正解がわかる
僕はアイデアなどを思いついたら、それが正解か不正解かを知りたくなってしまう性格なので、その考えが本当に成立するのかもすぐに調べて確認します。先ほどの若者と投票率の話であれば、「もし20~30代の投票率が100%だったら?」という仮説が実現したらどうなるのかを検証してみます。
その結果、正解とわかればスッキリしますし、間違っていたとしても、この解決案は不正解だということがわかりますからね。
調べてみるとたいてい、似たような問題があったり、誰かが解決策を試しているケースが見つかるものです。
たとえば、僕は以前から「日本の税収を上げるために、資産課税を導入したほうがいい」と提案しています。
これは、不動産や株などの資産をたくさん所有している金持ちからもっと税金をとるという仕組みなのですが、じつはフランスに同じような税制があるんです。もちろん国民性や文化などの違いはあるのですが、うまく回っている例があるならマネしたらいいよねと考えたわけです。
ただ、フランスの場合、資産課税のせいで金持ちがロシアに逃げてしまったという別の問題が生まれたのですが……。
そうした失敗ケースも含めて、似たような事例がないか調べてみるのは、問題解決に役立ちます。前例があれば、やった結果どうなったかまでのモデルがあるということなので、自分が正解を見つける近道にもなります。
■日本に電柱は何本ある?
では、調べても簡単に正解が見つからないような問題は、どうやって答えを見つければよいのでしょうか。
こういう問題を解くときに大事なのは、“ムリやり推測する”ことです。
取引先や学校の先生に急に何かを質問されたときに、調べたりせずに、その場でどうやって答えを出そうかと考える力は、社会人になってからもけっこう役に立ちます。
たとえば、会議で急に次のように聞かれたとします。
「日本には電柱が何本あるか?」
あなたなら、どう答えるでしょうか。
おそらく、日本の電柱の数を記憶している人は、ほとんどいないでしょう。
もちろん僕も日本の電柱の数なんて知らないのですが、僕ならまず「電柱は何のためにあるのか」から考えます。
電柱は各家庭に電線を分岐させるために立てられています。それを知っていると、日本の世帯数は約5000万なので電柱の数もおおよそ同じだろうという推測が成り立ちます。
さらに、発電所から街や住宅地まで電線をつなぐための電柱もあるので、それを加えると6000万~7000万本くらいという概算ができます。ただ、マンションなどには1本の電柱で複数の世帯の電気を分岐させているので、今度はその数を差し引くと、ざっくり4000万本くらいかなという推論が成り立つわけです。
実際に調べてみると約3600万本のようなので、おおよそ正解でした。
■情報を組み合わせると答えを出せる
このような正確に把握することが難しい数量を、いくつかの手がかりから論理的に概算することを「フェルミ推定」といいます。論理的思考力を試すために、グーグルやマイクロソフトや外資系のコンサルティング会社などの就職面接でも、このフェルミ推定の問題が出されています。
問題解決において情報収集は大事なんですが、調べたとしてもかならずしも答えにたどり着けるわけではありません。
なので、調べてもわからない問題に「どうやって答えを出そうか」と考える力は、問題解決をするうえでも大事です。
これは、答えを知らない問題をどうやって考えるかという能力なんですよね。
じつは、答えを出すための手がかりになる情報は、すでに持っていたりするんです。要は、それをどう組み立てたら答えを出せるかを知らないだけなんです。
![西村博之『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/4/8/1200wm/img_4859ab3a2c2515b11998cd148a54b158227157.jpg)
そのときに、「この数がわかれば、全体の数もおおよそ出せるよね」と、知識を引っ張り出してムリやり答えを出そうとする訓練をしていくと、推測力はつくようになります。正確な情報をすべて集めることは不可能なので、情報が欠けていても、いくつかの情報から推測できる能力があると、正解に近い答えにたどり着きやすくなります。
これは慣れだったりもするので、ふだんからムリやり推測するクセをつけておくと、知っている情報の組み合わせで正解っぽいものにたどり着けるようになるでしょう。なんでもスマホで調べていると、こうした推測力は伸びにくいので、何か問題を見つけたときにググる前に自分の頭で考える習慣をつけると推測力が育つと思います。
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2ちゃんねる創設者
東京都北区赤羽出身。1999年、インターネットの匿名掲示板「2 ちゃんねる」を開設。2015年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。YouTubeチャンネルの登録者数は155万人。著書に『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)、『なまけもの時間術』(学研プラス)などがある。
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(2ちゃんねる創設者 ひろゆき)
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