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これを書くだけで印象が一段上がる…相手にちょっとした感動と元気を与えるメール文面の作り方

プレジデントオンライン / 2023年11月13日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Suwaree Tangbovornpichet

相手の心を打つ文章とはどのようなものか。コミュニケーション・アドバイザーの森優子さんは「メールやLINEの最初か最後に、相手が話していたこと、あるいはその日の気候に食べ物や飲み物といったちょっとした雑談を入れることで印象がワンランクアップする。要件だけでなく言葉をつくした思いやりある文面は相手との心の距離を近づける」という――。

※本稿は、森優子『相手を立てるのがうまい人 仕事・人間関係がポジティブに変わる!』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■メール・LINEでも、相手の顔を思い浮かべながら言葉を選ぶ

目の前の相手の顔が見えない、声も聞こえない状態だと、お互いの表情がわかりませんね。

それだけに、見えない相手に送るメールやLINEは誤解を生まないように心がけたいものです。

「言葉をつくす」

私はこの慣用句が好きです。

メールでもLINEでも、相手の顔を思い浮かべながら言葉を選んで、相手に寄り添った表現で思いを伝えれば、自分の人となりが相手に伝わると信じています。記録として残る文章からも、人柄が読み取れるのです。

得意先に、人の心を掴むメールを送ってくださる女性がいます。

その女性はイベント会社で総務兼広報の仕事をしています。彼女からメールをいただくたびに、繰り返し読みたくなるほどグッとくるのは、言葉の端々に相手を立てる思いやりが感じられるからです。

例えば、打ち合わせやイベント前日には必ずリマインダーメールを送ってくださいます。そこには、念を押すという高圧的な印象ではなく、当日気持ちよくスムーズに進行できるように、お互いに忘れ物がないようにしましょう、という配慮が伝わってきます。

■「弊社が準備するものは」とリマインダーメールに添える

実際にいただいた内容を一部紹介しますね。

「お打ち合わせの際にご共有をさせていただいた内容となりますが、改めてご確認していただけましたら幸いです。弊社が準備するものは○○と○○でございます。森様には、パソコンをご持参いただければ大丈夫でございます」

「弊社が準備するものは」と、彼女自身の会社が準備する部分を先に示すことで、相手を立てていることが伝わってきます。以前、講師業の先輩から、忙しさのあまりうっかりパソコンを忘れてしまったという大失態を聞いたことがありました。

明日は我が身になってはならぬと、持ち物を知らせていただくリマインダーメールは、とてもありがたく助かる配慮だと感じています。

そしてリマインダーメールの最後は、「お会いできますことを楽しみにしております。もし道に迷われましたら、下記電話番号までご連絡くださいませ。どうかお気をつけてお越しください」と締めくくってあります。道に迷ったときの対処策に触れていて、道中の無事を案じてくださっていますね。

車の後部座席でメッセージを確認し、にやける男性
写真=iStock.com/bernie_photo
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/bernie_photo

■ため息が出るほどグッと心を掴まれる御礼メール

打ち合わせやイベントが終わると、会社を出る際に挨拶をしたばかりなのに、まもなく御礼メールが飛び込んでくるから驚きます。

「本日は誠にありがとうございました。お帰りの際も、道中お気をつけください」
「いただきましたご縁に感謝申し上げます」
「御礼のご連絡となりますので、ご返信には及びません」

いかがでしょうか。ため息が出るほどグッと心を掴まれるのは、私だけでしょうか。

「自分にはとても無理」
「言葉を選ぶだけでも時間がかかりそう」

そのように思う人はたくさんいるかもしれません。

でも心配はいりません、大丈夫です!

確かに最初は時間がかかるかもしれませんが、必ず慣れてくるものです。そのため、最初はワンフレーズだけでいいのです。

■最初か最後に雑談で相手を上手に立てる

例えば、いつもの「本日はありがとうございました」に、「このたびのご縁に感謝いたします」を加えるだけでもいいですし、「御礼のご連絡ゆえ、ご返信は不要でございます」「ご多忙だと思います。どうかご返信のお気遣いをされませんように」など、相手の負担を軽減する言葉も、優しく相手を立てています。

たまに連絡をする友人や知人へ送る場合は、「今日は本当にありがとう。改めて○○さんとのこのご縁に感謝」「返信は不要よ」と、言い回しをカジュアルにすればいいのです。LINEなら、スタンプを活用するのも効果的でしょう。

そして、メールやLINEの最初または最後にちょっとした雑談を入れて相手を上手に立てることも、印象をワンランクアップさせるコツです。

リクルートの営業先や銀座のお客様へよくメールで書いていたのが、過去にお客様が話していた内容に関する出来事でした。

「先日テレビを観ていたら、温泉特集をやっていて、思わず○○様を思い出しました。確か先日、温泉めぐりが好きだとおっしゃっていましたね」
「今日外出したら、たくさんのワンちゃんがいて可愛くて元気をもらいました。○○さんのワンちゃんもお元気ですか?」

と、このような感じです。

■その日の気候に食べ物や飲み物を添えるだけでいい

相手が話していたことを題材にして書くには、過去の会話を覚えておく必要があります。私は初対面でいただいた名刺の裏に、忘れないように色々とこっそりメモしていました(笑)。

「よく覚えている」ことは、相手にちょっとした感動と元気を与えるのです。

森優子『相手を立てるのがうまい人 仕事・人間関係がポジティブに変わる!』(三笠書房)
森優子『相手を立てるのがうまい人 仕事・人間関係がポジティブに変わる!』(三笠書房)

過去の会話から適切な題材が思い当たらなかったら、その日の気候に食べ物や飲み物を添えた話題でもいいでしょう。

「今日はちょっと気温が低いですね。温かいスープが飲みたくなりますね」なんてメールをいただいたら、食いしん坊の私はうれしくてコンビニに走りそうになります。

そして、「○○様からのメールで飲みたくなって、コーンスープを買ってしまいました」と、返信をするでしょう。

まだ面識が浅く、これから信頼関係を築いていくには、要件だけのメールやLINEよりも、言葉をつくした思いやりあるメールやLINEのほうが、相手との心の距離が近くなることはどうやら間違いなさそうです。

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森 優子(もり・ゆうこ)
コミュニケーション・アドバイザー
マリアージュコンサルタント事務所代表。短大卒業後、西武ライオンズ・西武鉄道のチアリーダーに従事。結婚、離婚を経てシングルマザーになり、(株)リクルート、(株)リクルートキャリアにて求人広告の企業営業を担当。入社2年目には、通期を通して「売上、新規売上、新規社数」の目標を完全に達成した者だけに与えられる「グランドスラム賞」を取り表彰される。ほかにも、月間MVP賞や月間売上トップ賞をたびたび獲得。その一方で、生活のため夜は銀座のクラブホステスとして14年間働く。2013年、両親の介護のためにホステスを引退。2015年より現職。著書に『感じのいい人は、この「ひと言」で好かれる』(三笠書房)、『雑談が上手い人 下手な人』『嫌なことを言われた時のとっさの返し言葉』『会話が上手い人 下手な人』(以上、かんき出版)

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(コミュニケーション・アドバイザー 森 優子)

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