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褒められて「いやいやそんな」はやってはいけない…仕事のできる人に共通する「リアクションの取り方」

プレジデントオンライン / 2023年11月14日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Thitima Uthaiburom

嫌味のようなほめ方をされたら、どう対応すべきか。コミュニケーション・アドバイザーの森優子さんは「例えば、『女子力、高いよね』と言われたら、『うれしいです。でも実は、“男子力”のほうが強いんです』と切り抜けるといい。一旦は認めて、そのうえでやんわり否定することで、モヤッとしたのは自分の思い過ごしでも相手に失礼にはならない」という――。

※本稿は、森優子『相手を立てるのがうまい人 仕事・人間関係がポジティブに変わる!』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■「ほめる」と相手は優しくなる

コミュニケーションにおいて、「ほめる」がポジティブな効果をもたらしてくれることは皆さんも体験ずみのことと思います。

子どもが自己肯定感をはぐくみ、善悪の判断ができるようになるには「ほめられる」経験の積み重ねが大切だといわれています。

子どもだけでなく、大人も「ほめられる」ことで自信がつき、自己肯定感を高めることができます。

うわべのお世辞ではなく、本心からほめてくれた人に対して、人は好意を持つものです。それは感謝の気持ちも入り混ざった、親近感にも似た感情といえるのではないでしょうか。その親近感が、相手との心の距離を縮めてくれるのです。

別の観点からすると、ほめられることは、自分のよい部分を認めてもらうことでもあります。

「優しいですね」「親切ですね」とほめられたら、それは「優しくていい人ですね」「親切でいい人ですね」と、自分の人格のよい部分を認めてくれたことになります。

人の感情は意外と単純なものです。相手に認められればうれしくなって、できるだけ優しい気持ちでいよう、親切でいようと思うものです。

■相手から届く「ほめ返し」

さて、心理学では「返報性」という考え方がありますが、ほめられた人は、ほめてくれた相手のことを自然とほめたくなります。いわゆる「お返し」ですね。

SNSで自分の投稿したものに「いいね!」がつくと、うれしい気持ちになって、相手の投稿にも「いいね!」ボタンを押してしまう気持ちに似ています。

「そんなふうに言ってくださる○○さんが優しいのです」「○○さんこそ親切です」など、思いがけず「ほめ返し」をしたくなるのが、人の心の仕組みなのでしょう。

世の中にもし「ほめる」という行為がなかったら、一体どれほど殺伐とした社会になっていることか、考えただけでもゾッとしてきます。

ちなみに、日本人に比べて欧米の人たちは相手をよくほめるイメージがありますが、先日、海外生活が長かった友人に話を聞いてみました。

その人がスウェーデンとデンマークに行ったとき、空港のスタッフからホテルやレストランのスタッフまで、初対面であるにもかかわらず、スーツケースや服装をとにかくほめてくださったそうです。

最も驚いたのは、女性に道を尋ねたときに、その女性がネイルをほめてくれたことだと言っていました。

もしかしたら、感謝やほめるコミュニケーションをとることで、長く厳しい冬の寒さを温め合っているのかもしれません。

友人曰く、スウェーデンでは、人をほめることこそが、トラブルや争いをなくすことにつながるという考え方が広まっているのだそうです。

「ほめる」が争いをなくす第一歩だとしたら、その一歩をこれからも大切にしていきたいですね。

サムズアップで相手を称える男性
写真=iStock.com/flukyfluky
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/flukyfluky

■ほめられたら、素直に喜びを伝える

相手からほめられたとき、皆さんはどんなリアクションをしていますか?

「うれしいです!」「ありがとうございます!」と素直に答えている人は、相手を上手に立てています。

その理由は、ほめた人も相手に喜んでもらえたことで、上機嫌になるからです。

「ありがとう」「うれしい」という反応が相手から返ってくれば、自分の思い(相手をほめた)が伝わったことが実感できます。

相手の気持ちがハッピーになったことがわかれば、ほめた人も同じくハッピーな気持ちで満たされるのです。

私はこれを「愛の相乗効果」と呼んでいます。

例えば、「今日の服装かわいいね」「きれいな色のシャツですね」とほめられたとしましょう。「ありがとう!」「ほめてくれてうれしい!」と、素直に喜びを伝えれば、ほめた人もうれしくなって「すごくかわいい」「とてもよく似合っています」と、さらにほめてくれるかもしれません。

さらにほめてもらったら、さらに喜びを伝えましょう。「本当にうれしいです!」「この服、着てきてよかった!」「今日はとてもいい日だ!」という感じです。

年齢や立場に関係なく、愛の相乗効果でお互いの気持ちを上げていきましょう。

■嫌味さえも、ほめ言葉だと受け取ればいい

しかしときには、モヤモヤした気持ちになるほめ方をされることもあるでしょう。

「これって、ほめているの?」「もしかしたら半分、嫌味?」というモヤモヤを感じてしまうと、どう反応していいのか迷ってしまい、素直に喜べませんよね。

そんなときのお勧めの切り抜け方は、「謙虚に喜ぶ」+「やんわり否定」です。

例えば、「女子力、高いよね」「運がいいよね」と言われたとしましょう。

そんなときは、次のように答えればいいのです。

「そんなふうに思ってもらえてうれしいです。でも実は、『男子力』のほうが強いんです」
「そんなふうに思ってもらえて光栄です。でも実は、人に言えない苦労があるのです」

森優子『相手を立てるのがうまい人 仕事・人間関係がポジティブに変わる!』(三笠書房)
森優子『相手を立てるのがうまい人 仕事・人間関係がポジティブに変わる!』(三笠書房)

「やせた?」「太った?」と言われたとしましょう。やせて、あるいはふっくらしてきれいになったというポジティブな意味なのか、不健康に見えるというネガティブな意味なのか、受け手としてはモヤモヤしますよね。

そんなときも一旦、相手の見立てを尊重すると謙虚さが伝わります。

「よくわかるね。でも実は、やせてないのよ」
「よくわかるね。太ってないと思うけど、健康管理に気をつけなきゃね」

「もしかしたら嫌味かもしれない」という思いがよぎっても、ほめ言葉だと受け取ってしまえばいいのです。

■自分の思い過ごしでも、相手に失礼にならない

相手の見立てを最初から否定せずに、一旦は認めて、そのうえでやんわり否定するのです。それならば、相手は嫌な気持ちにはならないでしょう。すると相手は「この人に嫌味を言っても効き目はない」と判断して、それ以上は言ってこなくなる可能性が高まります。

あいまいで、半分嫌味のようなほめ方をする人は、精神的にどこか幼くて、自分に自信がない人が多いようです。それを頭に入れておけば、相手への見方が変わって、とっさの返答にも余裕が出てくるのではないでしょうか。

モヤッとしたほめ方をされたら、「謙虚に喜ぶ」+「やんわり否定」のセット、もしくは相手の見立てをまずは尊重して相手を立て、やんわり否定で切り抜けましょう。

もしモヤッとしたのは自分の思い過ごしで、素直に本心からほめてくれていたのだとしても、相手に失礼にはならないので安心です。

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森 優子(もり・ゆうこ)
コミュニケーション・アドバイザー
マリアージュコンサルタント事務所代表。短大卒業後、西武ライオンズ・西武鉄道のチアリーダーに従事。結婚、離婚を経てシングルマザーになり、(株)リクルート、(株)リクルートキャリアにて求人広告の企業営業を担当。入社2年目には、通期を通して「売上、新規売上、新規社数」の目標を完全に達成した者だけに与えられる「グランドスラム賞」を取り表彰される。ほかにも、月間MVP賞や月間売上トップ賞をたびたび獲得。その一方で、生活のため夜は銀座のクラブホステスとして14年間働く。2013年、両親の介護のためにホステスを引退。2015年より現職。著書に『感じのいい人は、この「ひと言」で好かれる』(三笠書房)、『雑談が上手い人 下手な人』『嫌なことを言われた時のとっさの返し言葉』『会話が上手い人 下手な人』(以上、かんき出版)

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(コミュニケーション・アドバイザー 森 優子)

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