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「経済力がないから結婚できない」という男性に、精神科医・和田秀樹が伝授する"最強のアドバイス"

プレジデントオンライン / 2023年11月18日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Mikhail Spaskov

結婚したくてもできない人は、どうするといいか。精神科医の和田秀樹さんは「男性が結婚できない理由に経済的な問題が挙げられるが、それは伝統的な結婚観に支配された思い込みにすぎない。いまは男性よりずっと経済力のある女性も珍しくはなく、『主夫』へのニーズは日に日に高まっている。妻を一家の大黒柱として支える気概とやさしさのある男性は、その道をいけばいい」という――。

※本稿は、和田秀樹『「すぐ動く人」は悩まない!』(祥伝社)の一部を再編集したものです。

■スピード離婚したときの正しい悩み方

いまは昔に比べて、離婚するカップルが増えています。

厚生労働省が発表した「令和3年(2021)人口動態統計(確定数)の概況」によれば、日本における離婚率(人口1000人あたりの離婚件数)は1.50。

婚姻率(人口1000人あたりの婚姻件数)が4.1であることから考えると、3組に1組以上が離婚しているということになります。

スピード離婚という言葉もあるように、結婚生活への見切りをつけることにためらいがなくなっているのでしょう。

もちろん、意に染まない結婚生活をひたすら我慢して継続するより、お互いに新たな道を選ぶのはいいことだと思いますが、何度も離婚してしまうというのは、やはり、問題なしとはいえないでしょう。

しかし、そこで、「どうして私、いつも、いつも、ロクでもない相手に当たってしまうの?」と悩むのはちょっと待ってください。

離婚原因は夫と妻双方にあるもの。どちらか一方にすべての原因があるというケースもないわけではありませんが、数からしたら少ないのではないでしょうか。

それに、相手に一方的に離婚原因があるとすれば、そんな相手を何度も選んでしまった自分に、異性を“見る目がない”ということにもなります。

「離婚を繰り返してしまう自分にどこか問題があるのではないか?」というのが、解決につながる悩み方です。

■パートナーとして一緒に暮らす形をとるでもいい

自分の中に原因を探る。すると、金銭にだらしがない、相手を傷つける言動(モラハラ、暴力etc.)をしてしまう、浮気癖が治らない……というように、必ず反省点が見つかります。

思いあたる原因が見つかったら動く。すなわち、できるかぎりその改善に努めることです。

自分の側にある原因を放置したままでは、離婚を繰り返すことになる確率は下がりません。

また、「金銭、言動はなんとか改善できそうだけれど、浮気癖だけはどうにもならない」という人もいるかもしれませんが、その場合は結婚そのものを見直す必要がありますね。

ひとまず、結婚はしないで、お互いがパートナーとして一緒に暮らす形をとるといったことも、結婚しない一つの形でしょう。海外にはそういうケースがたくさんあります。

洗い物をする男性とカウンターキッチン越しに笑顔で会話している女性
写真=iStock.com/yoshiurara
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/yoshiurara

籍を入れるから離婚ということになって、煩雑(はんざつ)な手続きも必要になるのです。パートナーシップの解消なら、手続き上も気持ちのうえでもずっと負担は軽くなりますし、籍が汚れることもありません。

なお、結婚にどうしてもこだわりがあるのなら、次の結婚は「これで年貢(ねんぐ)の納めどき」という揺るぎない気持ちになってから踏み出すことをおすすめします。

■結婚できないのは思い込みのせい

いまは「結婚したくない」という人がかなりの割合にのぼるようですが、一方で「したくてもできない」という悩みを持つ人も、少なくないのではないでしょうか。

その理由として一番にあげられるのは、男性の場合は、やはり、経済的な問題でしょう。

非正規社員が増えているという、労働形態の変化が主にそれをもたらしているわけですが、本当のところをいえば、経済力のなさはそれほど結婚の障害にならない、という気がするのです。思い込みがそれを障害にさせている。

時代は変わったとはいえ、男性はまだまだ、伝統的な結婚観に支配されている面があるのではないでしょうか。

「男たるもの、家族を食わせて、養ってなんぼだ」というのがそれです。

しかし、いまは男性よりずっと経済力のある女性も珍しくはありません。そうした女性たちは結婚しても、仕事から離れ、家庭に入るつもりは毛頭ないはずです。

彼女たちにとって、経済力はないけれど、家事には長(た)けているという男性は、実は理想の結婚相手。事実、「主夫」へのニーズは日に日に高まっています。

家事がこなせて、妻を一家の大黒柱として支える気概とやさしさのある男性は、古びた沽券(こけん)などにこだわらないで、その道をいけばいい、と私は思っています。

家事も育児もソツなくこなし、妻を後顧(こうこ)の憂(うれ)いなく仕事の場に送り出せる。それも“立派な男”です。

「仕事はしんどいけれど、家事をするのは楽しい」という男性もいるはずです。だったら、思い込みは捨てて、堂々と主夫宣言をしたらいいではないですか。

すでにお話ししましたが、人間は長所を伸ばすために、悩み、努力するほうが効率的だし、自分自身のストレスも少ないのです。

経済力がないことで結婚をためらっている男性は、会社で上司にガミガミいわれながら辛抱して仕事をするのと、少々妻に主導権を握られても楽しく家事をするのと、どちらが自分にとって悩みが少ない生き方か、じっくり考えてみてはどうでしょうか。

「よし、主夫でいくか!」

そう腹を括ってしまえば、前述したように、そんな男性を理想とする女性は少なくないのです。

あとは確率論にしたがって“数を撃つ”。それで、結婚をグンと手元に引き寄せることができます。

■逃げられるか、逃げられないかを判断する

ビジネスパーソンは少なくても一日の3分の1の時間は職場に身を置いています。ですから、そこで人間関係の悩みを抱えると、それは深いものとならざるを得ません。

職場の悩みの最たるものは、上司との関係がうまくいかないことでしょう。

上司によるパワハラ、セクハラはその典型ですが、上司が正当な仕事の評価をしてくれない、ほかの社員を依怙贔屓(えこひいき)している、上司に便利屋として使われている、といった状況も悩みの種になりそうです。

ここで、そうした悩みを解決するうえで重要なことがあります。それは、その悩みから逃げられるのか、逃げられないのかを判断すること。なぜなら、本当は逃げられるのに、逃げられないと思っていることが少なくないからです。

その視点で見れば、職場の人間関係の悩みは、どんなことであれ、本当は「逃げられる」ものでしょう。最終的には辞めればいい。解決策がそこにあることを心得ておくことが大事なのです。

ところが、案外、そのことは見落とされがちです。その結果、悩み続けることになります。すなわち、セクハラやパワハラを受けている場合、どうやってそれに耐えるか、ということばかりを考えてしまっているわけです。

いまはそれらを訴え出るセクションを設けている会社もありますし、公的機関に訴えることもできるわけですが、なかなかそういう行動に踏み切れないケースが多いのだと思います。自分の中に「逃げる」という選択肢が想定されていないからです。

■行動につながる悩みは解決への道を切り開く

会社に居続けることが前提になったら、「訴えたりしたら、余計ひどい目に遭うんじゃないか」「周囲にセクハラをされていたなんて知られたら恥ずかしい」といった思いが先に立ちます。だから、悩んでばかりいて動けなくなるのです。

しかし、「逃げる」ことが視野に入っていたら、気持ちはずいぶん違ったものになりませんか?

「最後は会社とおさらばする手がある!」

和田秀樹『「すぐ動く人」は悩まない!』(祥伝社)
和田秀樹『「すぐ動く人」は悩まない!』(祥伝社)

これは大きな強みです。行動を促すバネにもなるでしょう。

繰り返しになりますが、行動につながる悩みは解決への道を切り開くのです。思いきって訴えてみたら、こちらの言い分が全面的に認められるかもしれないし、配置転換を申し出たら、あっさり受け容れられるかもしれないのです。

また、会社には定期的な人事異動がありますから、いつまでもその上司との関係が続くわけではありません。

それを見越して、しばらく耐えるにしても、「逃げ場がない」というギリギリの思いで耐えるのと、「いつでも逃げられる」と余裕を持って耐えるのとでは、気持ちが天と地ほども違うでしょう。

誰にでも「逃げる」という伝家の宝刀があるのです。それを心にとめておけば、どんな悩みにも積極果敢に向き合えるでしょう。

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和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医
1960年、大阪市生まれ。精神科医。東京大学医学部卒。ルネクリニック東京院院長、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師。2022年3月発売の『80歳の壁』が2022年トーハン・日販年間総合ベストセラー1位に。メルマガ 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」

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(精神科医 和田 秀樹)

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