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「子供におもちゃを配るサンタクロース」はなぜ赤い服を着ているのか…子供とコカコーラの深い関係

プレジデントオンライン / 2023年11月19日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/georgeclerk

生涯好きなものは「18歳までの習慣」で決まるという説がある。東京農業大学の田中越郎名誉教授は「サンタクロースが赤い服を着ているのは、コカ・コーラの広告キャンペーンの影響が大きい。子供に親しみをもってもらうことで、生涯、愛飲してもらうことを狙っている」という――。(第1回/全3回)

※本稿は、田中越郎『なぜ、一流は飲み物にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

■「約6割が水」の人間にとって最重要なモノ

人間の体の約6割は水でできています。これを「体液」と言います。体液は、体の細胞が正常な機能を保つうえで非常に重要な働きをしており、その量や濃度などは厳密に調節されています。逆に言うと、体液の量や濃度がズレてしまうと、体は変調を来してしまいます。

正常な状態では、体液の量や濃度、成分は常に一定ですが、体液自体は絶え間なく入れ替わっています。すなわち、尿や汗などとして出ていった分は、すみやかに補ってあげないといけないのです。この補う方法の代表が「飲み物を飲む」という行為です。つまり、飲み物を飲むことは、体を健康に保つうえで極めて重要なのです。

私たちの体がおかれている環境は時々刻々と変化しています。外気温は変化しますし、運動したり、仕事をしたりすると、体液の質・量ともに影響を受けて変化するので、その変化が最小になるように飲み物でうまく水分を補給してあげる必要があります。

■飲み物には大きく分けて4つの種類がある

日本では多種多様の飲み物が入手可能です。たとえば、お茶、コーヒー、炭酸飲料、ジュース、そして牛乳、お酒まで、非常にバラエティーに富んだ飲み物が手に入ります。

一番手軽なのは蛇口をひねるだけで出てくる水道水で、その主成分は単なる水です。私たちが普段口にしている飲み物の多くは、水にいろいろなものを加えてあります。

ペットボトルや缶、瓶などの密閉容器に詰められて、自動販売機で手軽に買えるものも多く、冷たいものから熱いものまで温度もさまざまです。

市販の飲み物はいくつかのグループに分けられます。たとえば、冷蔵保存が必須なものと、常温保存が可能なものに分けることができます。また、別な分け方をすると、「乳及び乳製品」「乳酸菌飲料」「お酒」、そして、「それ以外のもの」の4つに分けることができます。それ以外のものをまとめて「清涼飲料水」と呼んでいます。

■日常に欠かせないお茶、コーヒー、ジュース…

もっと細かな分類の例を図表1に示しました。清涼飲料水にはたくさんの種類があることがわかります。これらの商品は通常、自動販売機やコンビニ、スーパー、ドラッグストアなどで手軽に買うことができます。

【図表1】飲み物の分類例
出所=『なぜ、一流は飲み物にこだわるのか?』

清涼飲料水は、2021年度の年間販売総量が約220億Lありました。この総量を日本の人口約1億2500万人で割ると、1人当たり1年間に176Lになります。これを500mlのペットボトルで換算すると352本になるので、日本人は清涼飲料水を500mlのペットボトルで毎日約1本飲んでいる計算になります。

自宅や飲食店でなら、ペットボトルではなくコップのようなオープンな容器で飲み物が飲めます。お茶やコーヒーなどがその代表です。自分で淹れると、好みの味で飲めますし、その量もかなり自由になります。

■水分を摂らなかったら、2~3日で生命の危機

このように飲み物にはたくさんの種類があり、当然のことながらそれぞれ特徴があります。その特徴を正しく理解して、体の状況に合わせながら、どの飲み物を選ぶべきかを決める必要があります。それぞれの飲み物の長所短所は本書のPART2で詳しく解説します。

体が要求する飲み物は、そのときの体調や気分で変化します。せっかくこれだけの種類の飲み物があるわけですから、そのときの体調に一番合致した飲み物を正しく選び、正しい量を飲むことが、健康を維持していくために極めて重要なことなのです。

大きな持病がない健康体の人は、しばらくの間なら絶食しても大丈夫です。1週間程度の断食なら、注意深くやれば、命にかかわることはまずありません。修行僧ではない普通の人でも、1週間の断食には十分耐えられます。

しかし、飲水はそうはいきません。まったく水分を摂らなかったら、2~3日で命が危険な状態になります。どんなに屈強な人でも、飲水完全ストップの継続はせいぜい2~3日が限界でしょう。なお、断食の場合、水分摂取は制限されていません。制限どころか、むしろ飲水は推奨されています。

少し極端な例を出してしまいましたが、飲み物の重要性の一端は理解していただけたと思います。

■18歳までの習慣が「一生好きなもの」に

では、別な面から、飲み物が重要な理由を①嗜好(しこう)の定着、②手軽に飲める、③気がつかないうちに過剰摂取――の3点から考察してみます。

① 嗜好の定着、一生飲み続ける

嗜好の定着とは、日常的に飲んでいるものは、毎日飲まないと落ち着かなくなってしまうことです。お酒もそうですが、コーヒーやコーラを毎日一定量飲むことが日課になってしまっている人は多いと思います。

コーヒーを毎日飲むことが悪いとは言いませんが、一般的に食べ物や飲み物は同じものを連続で摂取するよりも、多種類のものを間隔を空けて摂取するほうが体へのリスクは少なくなります。つまり、バラエティーに富んだ、さまざまな飲み物を飲むべきなのです。

もっと長いスパン、すなわち人生の流れでみた場合、食べ物や飲み物の嗜好が定着するのは18歳くらいです。つまり、高校生頃までによく食べて(飲んで)いて好きだった食べ物や飲み物が、一生を通じて好きなものになるわけです。いわゆる「オフクロの味」です。

母親の隣でオレンジジュースを飲む子ども
写真=iStock.com/zeljkosantrac
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/zeljkosantrac

■日本のサンタの服はコカ・コーラ色

たとえば、子どものときにハンバーガーやコーラが好物で頻繁に食べたり飲んだりしていたら、その子は成長しても嗜好は変わることなく、ハンバーガーとコーラが大好きな大人ができ上がるわけです。同様に、ご飯よりもパンを好んで食べる子どもが増えると、その十年後には日本の米の消費量が減少します。

アメリカの小中学校には給食という制度はなく、学校内にハンバーガーショップなどが出店しています。ハンバーガーやコーラの企業にとって、このシステムは将来の優良顧客を確保するための、非常によく練られたビジネス戦略だと思います。

ビジネス戦略と言えば、日本ではサンタクロースの服は赤に決まっていると思い込んでいる人が多いようですが、実際には世界のサンタクロースはさまざまな色の服を着ています。実はこの赤い服はコカ・コーラ社が宣伝用に考え出したもので、サンタの服の赤色は「コカ・コーラ」のラベルとまったく同じ赤色なのです。「サンタクロースは赤色の服を着ているものだ」というのはコカ・コーラ社による刷り込みの結果です。

■コーヒー業者がつくった「コーヒーブレイク」

② 手軽に飲める

手軽に飲めるとは、文字通りいつも手元に置いて、24時間いつでも摂取可能ということです。ちょっと手を伸ばすと、そこにはペットボトルがある状態です。食事は通常1日3回限定ですが、飲み物は常に飲むことができます。ですから、1日の飲み物の総量を計算すると、結構バカにならない量になります。

仕事中、定期的にコーヒーブレイクを入れている人は多いかと思います。実はコーヒーブレイクという言葉は、コーラの台頭に危機感を持った南北アメリカのコーヒー業者連盟が、コーヒーの消費喚起のために1952年につくった宣伝用コピーです。

「運転したらコーヒーブレイク」と呼びかけ、急速な車社会となりつつあったアメリカにおいて、コーヒーを飲めば運転中の注意力が保てると訴えたのです。同時に軍部を抱き込んで、軍部全体(兵隊だけでなく軍需産業も)にコーヒーブレイクを習慣化させました。医学的にはコーヒーでブレイクする必要はまったくありません。水分補給が目的なら、コーヒーに限らず、水でもお茶でも何でも大丈夫です。

カップに入ったホットコーヒー
写真=iStock.com/alvarez
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/alvarez

■アメリカの貧困層が太っているのはなぜか

③ 気がつかないうちに過剰摂取

気がつかないうちに飲み物からカロリーを過剰摂取して、肥満になってしまうことがあります。一般の人は、食事のカロリーに気をつけても、飲み物のカロリーにはあまり注意を払わないことが多いようです。たとえば、アメリカの貧困層には肥満が多く、その大きな原因のひとつはおそらくコーラの飲み過ぎだろうと私は思っています。

人間は摂取カロリーと消費カロリーの差で太ったりやせたりします。運動をすると当然カロリーを消費します。体重70kgの男性の場合、歩行による消費カロリーは、ゆっくりめ(時速4.0km)に15分間歩いて55キロカロリーくらいです。少し速め(時速4.8km、分速80m、不動産広告で駅から何分という場合の歩行速度)で15分間歩いても64キロカロリーくらいです。

たとえば、「コカ・コーラ」をコップ1杯(200ml)飲んだ場合は、90キロカロリー摂取したことになるので、その分の摂取カロリーをチャラにしようとすると、早歩きで20分は歩かないといけない計算になります。なお、歩行による消費カロリーの目安は、普通に歩くと20分、速めに歩いて15分で自分の体重とほぼ同じカロリーを消費できると思ってください。運動でカロリーを消費するのは、結構大変だということをご理解ください。

■運動しても、コーラを飲んだらやせられない

田中越郎『なぜ、一流は飲み物にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)
田中越郎『なぜ、一流は飲み物にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)

別な例としては、重いものをアッチからコッチに運んで(仮にこの作業の消費カロリーを30キロカロリーとしましょう)。「あ~疲れた」と言いながら「コカ・コーラ」を3口(90mlで40キロカロリー)飲むと、摂取カロリーのほうが勝ってしまうので肥満の方向に行ってしまいます。

本人は肉体作業をしたのでやせるはずだと思っても、実は短時間の運動の消費カロリーなど大したことはなく、作業後の飲み物のせいで結果的には太ってしまうのです。

同様に、スポーツジムやゴルフ練習場で1時間軽く汗を流したあとに、スカッとさわやかになるために「コカ・コーラ」の500mlペットボトル1本(225キロカロリー)を飲んだら、せっかく運動で消費したカロリーのほとんどがチャラになってしまいます。つまり、この場合、せっかく運動してもほとんどやせないということです。

カロリーを気にして「コカ・コーラゼロ」を選んでいる人もいらっしゃるかと思いますが、ゼロと表示があっても実はカロリーがゼロではないですし、甘い味は人工甘味料によるものなのです。

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田中 越郎(たなか・えつろう)
東京農業大学名誉教授
医学博士。専門は栄養学・生理学。長崎市生まれ熊本市育ち。熊本大学医学部を卒業後、三井記念病院内科、スウェーデン王立カロリンスカ研究所留学、東海大学医学部などを経て、東京農業大学栄養科学科へ。所属が農業大学という特徴を活かし、健康におよぼす食品の影響について、医学と栄養学の両面からずっと研究を続けてきた。食品と臨床医学の両方に造詣が深い数少ない栄養の専門家。授業や著書のわかりやすさには定評がある。日本テレビ「世界一受けたい授業」、NHK「あさイチ」などメディア出演多数。著書に『なぜ、一流は飲み物にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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(東京農業大学名誉教授 田中 越郎)

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