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朝食はコーンフレークより食パンのほうが「老けない」…老ける主食ワースト3&老けない主食ベスト8

プレジデントオンライン / 2023年11月22日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kirin_photo

健康に良い主食とはどんなものか。ジャーナリストの笹井恵里子さんは「最近は糖質制限に注目が集まっているが、糖質が少なければいいわけではない。たとえば体内の老化という観点からは『血糖値の上昇が緩やかな主食』を選んだほうがいい」という――。

※本稿は、笹井恵里子『老けない最強食』(文春新書)の第1章「老けない最強の主食」の一部を再編集したものです。

■炭水化物を多めに摂っても、死亡率に差はない

現代では主食(炭水化物)に含まれる糖質が嫌厭されている。糖質の摂取を抑えるダイエットがブームになり、市場には糖質オフを謳う商品が続々と登場した。

確かに炭水化物は主に「糖質と食物繊維」で構成されるため、血糖値を上昇させ、AGEを発生させやすい。しかし炭水化物の中でも「米」は栄養価が高く、「老けない」という観点からむしろ推奨されるものだ。本章では炭水化物のメリットや、どのように主食を選び、どのような食べ方をすれば良いかについて取り上げよう。

英医学誌『ランセット』に2017年、「炭水化物の摂取が増えると死亡リスクが上昇する」という衝撃的な論文が掲載され、大きな話題になった。だがよく論文を読むと、「炭水化物を摂取しない人ほど死亡リスクが低下する」ことが示されたわけではない。

昭和大学医学部教授で、医師の山岸昌一氏もこう指摘する。

「論文では死亡率が一番高かったのは、全摂取カロリーのうち77%以上を炭水化物から摂っていた群です。しかしこの群では脂肪摂取量がとても少なく10%程度。経済的な事情で、精製された主食を中心とした貧しい食事しか摂ることができず、そのため感染症や呼吸器疾患など、栄養不良が原因とされる病気で死亡したと考えられます」

炭水化物を60%くらいまで摂っていた群は、炭水化物の摂取比率が最も少ない群と比べて、死亡率にあまり差がなかったのだ。

「(炭水化物に含まれる)糖質を減らしたほうがいい、いや食べても大丈夫という議論が繰り返されていますが、同じ糖質でも体にプラスに作用するものもあれば、害になるものもあります」

■コーンフレークやラーメンは「老けやすい」

「主食として考える時、選ぶポイントは大きく二つ。一つは精製されていないものであること。もう一つは、食物繊維やミネラルが豊富なものですね。主食は精製されるほど体内に吸収されるスピードが速くなり、血糖値が上昇する。すると(血糖値を下げる)インスリンの分泌が追いつかず、血中に糖があまって糖化反応が起き、体内の老化を進めてしまうのです」(山岸氏)

言い換えると、糖質以外の栄養素が多く、バランスのとれた主食を選ぶといいということだ。

例えば玄米だと可食部100gあたり糖質が約32g。一方で、コーンフレークであれば80gを超える。うどんやラーメン(中華めん)は糖質量はそれほどでもないが、水分量が7割前後に達してしまう。糖質の含有量が多かったり、ほとんどが水分で占められている食品ほど、ほかの栄養素が十分でなく、おなかは満たされても栄養素不足になりやすい。つまり「老けやすい」といえるだろう。

そこで「老けない主食ベスト8」では、糖質の合計値が少ない主食からランク付けをした。

【図表1】老けない主食ベスト8
出所=『老けない最強食』

1位から3位までを占めるのは、米。1位の玄米が良いのは想像できるだろう。実は2位の発芽玄米もそれに負けず劣らず、強力な老けない力をもつ。代表的な成分は天然アミノ酸の一つである「GABA(ギャバ)」だ。ギャバは血中コレステロールや血糖値、血圧の上昇を抑える効果があり、血管を衰えさせない働きがある。

■満腹感を得たいなら白米や玄米がオススメ

健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子氏が説明する。

「可食部100gあたりで比較すると、製品にもよりますが白米のギャバ量が1mgに対して、玄米は3mg、発芽玄米は10mgも。ギャバにはストレス軽減作用や脳細胞を活性化する働きがあります」

米の一粒には糖質以外にも、食物繊維やタンパク質、ビタミンなどがバランスよく含まれる。米中心の食生活をする成人は飽和脂肪酸や糖分の過剰摂取が少なく、カリウム、マグネシウム、鉄、葉酸、食物繊維の摂取量が多い傾向があるという。

よく噛むことで満腹感が得られやすく、血糖値の上昇も緩やかになる。実際に人を対象とした実験で白米や玄米を取り入れた食事をすると、満腹感と満足感が持続しやすいこともわかっている。

「パンと違って米はいろいろな食材(野菜、大豆、肉、魚など)と相性が良く、自然とバランスが整いやすい面もあるかもしれません。また、米は生鮮食品で、食べるためには水を加えるだけのシンプルなもの。塩分やコレステロールはゼロです」(望月氏)

■最強の健康食に見える米も、鮮度が命

さらに米はタンパク質の栄養価が高い。主食といえば炭水化物で、肉や魚といえばタンパク質というイメージがあるが、主食にもタンパク質が含まれる。米はタンパク質を評価する指標の一つ、アミノ酸スコア(必須アミノ酸の配合バランスを示す)が優れているのだ。

「人のタンパク質を構成するアミノ酸は約20種類、体内で生成できない必須アミノ酸は9種類あります。ある食品について必須アミノ酸の含有量がどれくらい満たされているかの指標をアミノ酸スコアと呼びますが、それでみると小麦(薄力粉)が44点に対して、米は65点。パン、麺の原料となっている小麦は、米よりも低いのです」(望月氏)

必須アミノ酸のうちどれか一つでも極端に少ないと、そのレベルまでしかタンパク質を作れなくなる。9種類の必須アミノ酸のバランスがいいことでタンパク質がスムーズに生成されるのだ。

欠点がなさそうな米だが、注意点はある。生鮮食品ということは、言い換えると魚や肉、野菜と同様に鮮度が命。米は日が経つにつれ水分や香り、味わいが減り、品質が落ちていく。

■新米は炊きたてをそのまま、古米はピラフに

「米に含まれる脂肪酸が酸化し、酸化したものを食べることで体がさびやすくなる」(望月氏)とのこと。できるだけ精米してから一カ月以内に食べきりたい。特に秋に出回る「新米」は、ツヤ、粘り、香り、甘みを楽しむためにも早めに味わおう。

ちなみに新米は収穫から一年以上経った古米に比べて水分量が多く、粘り気が強いため、炊いたごはんそのままや、卵かけごはんで。反対に水分量が少ない古米は、炊き込みごはんやチャーハン、ピラフなどでいただくといい。

チャーハン
写真=iStock.com/cclickclick
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/cclickclick

もう一つ、米を食べる際の注意点として、女性は米飯摂取が多くなるほど糖尿病発症の危険性が上昇するという国内の研究報告がある。1食150g(茶碗一杯分)を目安に、食べすぎないように気をつけたい。

新米→炊いたごはんそのまま、卵かけごはん
古米→炊き込みごはんやピラフ、パエリア、チャーハンに

4位、6位、8位に位置するパンにも、食物繊維が豊富という良さがある。米にも多く含まれるが、パンの食物繊維もまた体内に吸収されず、余分な栄養素を排出したり、血糖値の上昇をゆるやかにする働きがある。

日本ポリフェノール学会理事長の板倉弘重医師(東京アスボクリニック名誉理事長)によると、「野菜に含まれる食物繊維より、米、小麦、大麦由来の食物繊維のほうが老けないために重要」という。

■ダイエットしたい人は冷やして食べると効果大

「穀物由来の食物繊維には、糖尿病予防の確かなエビデンスがあるからです。糖尿病は、見た目も体内も老化を進めてしまいます。米なら白米より玄米、パンなら白いパンより全粒粉やライ麦のパン、麺なら蕎麦が食物繊維は豊富です」

主食(糖質)を食べすぎてしまうと、血中のあまった糖(ブドウ糖)が脂肪細胞に取り込まれて太る。食事中の食物繊維の割合を増やすことは、血糖値の急上昇を抑えることと糖質摂取量を減らすことの2点から肥満予防に有効なのだ。

「食物繊維が豊富な主食ベスト8」を挙げよう。

【図表2】肥満予防食物繊維が豊富な主食ベスト8
出所=『老けない最強食』

また、炊きたてごはんはおいしいが、ごはんを冷まして食べると、消化しにくいでんぷん「レジスタントスターチ」が増えるというメリットがある。でんぷんは通常、すぐに胃や小腸で消化されて血糖値を上げてしまうが、レジスタントスターチは胃や小腸で消化されずに大腸まで届く。つまり食物繊維のような働きがあって血糖値の上昇がゆるやかになるのだ。

「おなかがすきにくくなり、ダイエットにお勧めです。レジスタントスターチは5度くらいの冷や飯で多く出現します」(望月氏)

白米だけではない。麺類やじゃがいもも、冷やすことでその効果が望める。

■コーンフレークを毎日食べる人は危ない

対して「老ける主食ワースト3」は、単一成分が主体のもので順位付けをした。

【図表3】老ける主食ワースト3
出所=『老けない最強食』

ワースト2位、3位のうどん、そうめん・ひやむぎは炭水化物量は少ないのだが、100gあたりの水分量がそれぞれ、75g、70gと高い。ちなみに米の水分量は50~60g台だ。たっぷり水分が摂れるなら悪くないと思う人もいるかもしれない。しかし、限られた量の中でさまざまな栄養素が摂れたほうが脳や筋肉を働かせるエネルギーが効率よく作られる。

明治時代に年間1万~3万人もの死者を出した「脚気(かっけ)」という病はビタミンB1が少ない白米を食べる習慣が原因だったと考えられている。ビタミンなどの栄養素が足りなければ糖をエネルギー源に変換できず、炭水化物が“ただのお荷物”になってしまうのだ。

ワースト1位のコーンフレークは炭水化物量がなんと100gあたり82.2gも! 市販のメジャーなコーンフレーク数十種類の成分をチェックすると、「麦100%」「甘くない」と売り出している商品さえ、米よりもずっと多くの糖質を含んでいたのだった。

「とりわけ砂糖が添加されているコーンフレークは、血糖値が一気に上昇します。ブドウ糖より糖化を進めやすい果糖ブドウ糖液糖が添加された商品は避けたほうがいいでしょう」(山岸氏)

コーンフレーク
写真=iStock.com/tomasworks
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/tomasworks

■白米だけよりも「牛丼」にしたほうが健康にいい

コーンフレークや麺類はよく噛まないで食べられる点も問題だ。噛んで唾液が出ると、パロチンという成分が分泌され、筋肉や骨の発達、肌の新陳代謝を促して若返り効果があることがわかっている。

調理法としては脂質をからめたほうが糖の吸収を抑えられ、血糖値急上昇を防げる。

日本抗加齢医学会専門医・評議員の平野敦之医師(美健会ルネスクリニック日本橋・東京理事長)がこう話す。

「牛丼と普通の白米を比べると、牛丼のほうがカロリーは高いですが血糖値の上昇は少ない。素うどんより天ぷらうどんを選ぶなど、糖をコーティングするように油を一緒に摂るといいでしょう。ポーク豆カレー&発芽玄米ごはんが一押しです」

望月氏は、カレーに「蒸し大豆」を加えることを提案。大豆には良質な油のほか、認知症患者の脳内で減少する神経伝達物質「アセチルコリン」を生成する元になるコリンが含まれる。抗酸化作用があるカレーとセットで、脳も体も老けさせない一品だ。

炭水化物の効能を高める、あるいは弊害を減らすため、体内時計に合わせた主食の摂り方もある。拙著『老けない最強食』(文春新書)の第一〇章(老けない最強の食べる時間帯)でも紹介しているが、主食に関しては朝はコーンフレークや麺類より米やパンを、昼は好きなものを食べよう。

■夕食をガッツリ食べたいなら20時まで

「朝はしっかり噛めるものを摂ることで脳が覚醒して体温が上がります。昼は胃が活発に働く時ですので比較的カロリーや油分が高い牛丼などを食べてももたれにくく、午後のエネルギーとして有効に活用できます」(望月氏)

夜は塩分がやや多めでもOK。18~20時は腎臓の機能が高まるため、塩分排出がスムーズなのだ。

「夕食に塩分が高くなりがちな蕎麦や和風系のパスタを食べてもいいでしょう。また蕎麦に含まれるルチンは、就寝中に滞りがちな血流を良くする効果が期待できます」(同)

炭水化物は「量」も重要だ。

一日の摂取エネルギーのうち約50~60%を炭水化物から摂取するのが望ましいとされる。ごはん茶碗1杯150gとして約3杯で成人女性に必要な総エネルギーのおよそ40%だ。

「できれば朝に多めに食べ、夜遅い時間、特に20時を過ぎてからの主食摂取は避けてほしい。夜は血糖値が上がりやすく、また糖(エネルギー)を必要としないため、太りやすくなってしまいます」(山岸氏)

また糖質の摂取を抑えるダイエット(糖質制限)だが、ひとつ注意してほしいことがある。糖質を制限したら、肉類など他のものを制限なく食べていいということにはならない。

■糖質制限は寿命を縮め、体臭がにおうことも

「糖質を制限して、減らした分を動物性の脂質やタンパク質で補うと、寿命が短くなることがわかっています。補うのは、豆類や野菜を中心に。またあまりにも厳しく糖質を制限すると長続きしませんから、それよりは食べる時間を意識したり、主食ではなく野菜から食べるという形のほうがいいと思います」(同)

あまり知られていないが、主食を制限すると、本人が気づかぬうちに「ケトン臭」という不快な臭いを発する可能性もある。

笹井恵里子『老けない最強食』(文春新書)
笹井恵里子『老けない最強食』(文春新書)

「主食、つまり炭水化物は、人の体を動かす重要なエネルギー源です。摂らない生活を続けていると、代謝経路が通常と違うものになっていきます。体内の炭水化物が枯渇すると、体が何とかエネルギーを作ろうと、本来メインではないタンパク質や脂質ばかり燃やすため、不完全燃焼が起きてしまう。ここで生じる異常な燃えかすが、少し酸っぱいような、独特の体臭となって発せられるのです」(望月氏)

炭水化物が不足するとエネルギー不足で基礎体力が落ち、疲労感が強くなったり、肝臓の働きが低下する恐れもある。脳の神経細胞も1時間に5gのブドウ糖を消費している。

「食べない」ではなく、「主食の内容」をきちんと選ぶとともに、食べる時間と食べる順番を意識したい。(第3回に続く)

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笹井 恵里子(ささい・えりこ)
ジャーナリスト
1978年生まれ。「サンデー毎日」記者を経て、2018年よりフリーランスに。著書に『救急車が来なくなる日 医療崩壊と再生への道』(NHK出版新書)、『室温を2度上げると健康寿命は4歳のびる』(光文社新書)、プレジデントオンラインでの人気連載「こんな家に住んでいると人は死にます」に加筆した『潜入・ゴミ屋敷 孤立社会が生む新しい病』(中公新書ラクレ)など。新著に、『野良猫たちの命をつなぐ 獣医モコ先生の決意』(金の星社)と『老けない最強食』(文春新書)がある。ニッポン放送「ドクターズボイス 根拠ある健康医療情報に迫る」でパーソナリティを務める。 過去放送分は、番組HPより聴取可能。

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(ジャーナリスト 笹井 恵里子)

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