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凡人が天才に勝てる時代到来…高収益を生む「キーエンス思考」をChatGPTを使って爆速で修得する方法

プレジデントオンライン / 2023年11月29日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Kenneth Cheung

ChatGPTは仕事に役立つのだろうか。元キーエンスの田尻望さんは「ChatGPTを利用すれば、仕事のスピードと質は異次元のレベルになる。私が教えたChatGPTの使い方をマスターした人の1年後に、私は生身では勝てないだろう」という――。

※本稿は、田尻望『「キーエンス思考」×ChatGPT時代の付加価値仕事術』(日経BP)の一部を再編集したものです。

■ChatGPTの登場で「異次元の差」が生まれる

本書ではChatGPT(などの生成AI)が仕事で活用されるようになるこの時代に、最速、最短で成果を上げていくためのノウハウを紹介します。ChatGPTを使える人とそうでない人の差は、従来の仕事ができる人・できない人というレベルとは異次元の差になっていきます。使いこなせる人の中でも、作業を効率化するだけのツールとして使うのか、成果に直結する使い方ができるのかで、さらに差が付くでしょう。

分水嶺となるキーワードは、私が新卒で入社したキーエンスという企業の考え方に基づく「付加価値」です。キーエンスは「最小の資本と人で最大の付加価値をあげる」という経営理念を掲げ、そして営業利益率50%以上という脅威の結果を出しています。

この、成果の肝となる付加価値をつくるために、実はChatGPTを大いに役立てられるのです。これは断言しますが、付加価値創造にChatGPTなどの生成AIを使える人“だけ”が今後、飛躍的に成果を上げられる人材になっていきます。

私はキーエンスから独立した後、一度起業に失敗し、7年前に再度起業をしました。現在は経営コンサルタントとして、年商数十億円規模から数百億円規模の企業のセールスやマーケティング事業のコンサルティングをし、お客さまの付加価値向上に貢献しています。その中では、経験したことがない領域を含め、多岐にわたる業界やビジネス課題に関する情報を迅速に集め、解決策を提案することが求められます。コンサルティングファーム出身ではないので、独学で日々問題解決のための調査をし、仮説を立て、改善を行っていく。その繰り返しの日々でした。

■単なるコンサルタントは必要ない

そんな私ですが、ChatGPTとの出合いは衝撃でした。

例えば、特定の業界の動向や改善事例などの情報が必要なとき、ChatGPTに質問すると、即座に大まかな答えや有益な情報が手に入ってしまったのです。また、新たなビジネスモデルやアイデアを考える際も、ChatGPTと「会話」を重ねることで多角的な視点が生まれ、自分の発想がアップデートされたのです。部下の育成やチームビルディングの課題に直面したときも、ChatGPTが第三者の視点からアドバイスをくれました。

2023年3月14日(現地時間)に発表された「GPT-4」(ChatGPTの基盤となる大規模言語モデル)を数時間使ってみて、まず「ChatGPTの使い方をお客さまがマスターすれば、単なるコンサルタントの自分は必要なくなってしまう」と確信しました。

だからこそ私は、「遅かれ早かれお客さまもChatGPTを使う。ならば、自分自身が『コンサルタント×ChatGPT』の第一人者となり、そしてお客さまにもChatGPTの使い方をマスターしてもらい、圧倒的な成果を出してもらおう」と考えたのです。私が今、経営コンサルタントとしての業務を拡大し、大手の企業様からもご相談がいただける背景には、ChatGPTの活用が大いに寄与しています。

■「成果直結の原理原則」とは

ChatGPTから前述した“魔法”のような知識やソリューションを取り出し、かつ付加価値を生むための仕事で最大限生かすには、考え方やプロセスを知る必要があります。しかし現状、世の中にあるChatGPTの解説本や講座の内容は、あくまでツールとして「ChatGPTを使う」ことはできても、「仕事の成果に直結させる使い方をマスターする」という部分が足りないと感じています。なぜなら、使いこなす私たちが成果を上げるための「成果直結の原理原則」が語られていないからです。この、成果直結の原理原則を知ったうえで、ChatGPTを的確に使えれば、仕事のスピードと質は異次元のレベルになります。

私自身、研修の場などでもお話ししていますが、私が教えたChatGPTの使い方をマスターした人の1年後に、私は生身では勝てませんと断言しています。みなさんも本書で解説していくノウハウをマスターすれば、事務処理の効率化や営業活動の改善、さらに戦略コンサルタントが行うような分析・戦略立案や新商品の企画まで、すべて可能になっていきます。

最大の成果を上げるための具体的なノウハウを、本書でみなさんにお伝えしていきます。

対話型人工知能(AI)「チャットGPT」のパソコン画面
写真=時事通信フォト
対話型人工知能(AI)「チャットGPT」のパソコン画面=2023年4月30日、東京都中央区 - 写真=時事通信フォト

■立場によってメリットは異なる

さて、ビジネスパーソンと言っても、一般社員、部下を持つマネジャー(管理職)、経営者など様々です。さらに営業、マーケティング、人事、経理……など、あらゆる立場の人がいます。本書は、どんな人も、それぞれの立場に応じてフル活用できる一冊になっています。立場によって異なるメリットを念頭に置きながら読んでいただきたいので、ここでいくつかの例を解説します。

①一般社員のあなた

頑張って仕事をして成果を上げたい、出世したい――。また、仕事の頑張り方が分からず悩んでいる人は、本書で紹介するChatGPTの活用法を実践すれば正直、“チート”(ずる)をしているかのように、みるみる成長していけます。「そもそも、自分が分からないことさえ分かっていなかった」が一瞬で解決でき、「仕事ができる!」とはどういうことかを理解できます。

仕事ができる人はなぜあれほど楽しそうに働いているのか、仕事の目的は何なのか、これらすべてが分かるようになります。しかも、日々の仕事を時短で終えられるようになります。本書の内容をマスターすれば、1年後には「仕事ができる人だね」と言われるようになる。そんなきっかけと支援になる一冊です。

■部下の指導もChatGPTにお任せ

②マネジャー(管理職)のあなた

部下を持つ立場のみなさんへ質問です。部下の提案や報告、連絡、相談などに対して「もっと自分で考えてから相談してきてよ」と思ったことはないでしょうか? もちろん私はあります。しかし、疑問点の調べ方さえ分からない部下をむげにはできず、結局は自分の時間が奪われてしまう――。自分の時間と部下の成長を天秤にかけなければならず、忙しい日々を送っていることと思います。

もし、本書で解説するスキルを部下が身に付ければ、一人ひとりが自分の仕事の目的、目標を理解して仕事するようになるので、一定以上練り上げられた提案ばかりが上がってくるようになるはずです。しかも、部下が抱いた疑問点はChatGPTを使い、皆が自力で解決できるようになるので、教育のための余計な時間も減ります。マネジャーの立場で、最もストレスに感じる仕事の一つと言える部下指導が、とても楽になるのです。

オフィス街を歩くビジネスマン
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mapo

■一瞬で部下に追い越されるかもしれない

部下が成果を上げられるようになるので、チームの業績も上がっていくでしょう。ただ、1つだけ注意すべきなのは、ものすごく仕事ができるようになった部下に、立場を逆転されてしまうリスクがあることです。私自身が、私が教えたChatGPTの使い方をマスターした人の1年後に、私は生身では勝てませんと断言しているように、もしみなさんがChatGPTを使うことなく、部下だけが本書を読みChatGPTを活用すれば、ものすごい速さで、仕事で上げる成果が追い越されていくことになります。

だからこそ! 部下より先に本書を手に取ったみなさんは幸運です。本書を先に読み、ChatGPTを徹底的に活用して、これまで以上の速さで成果が上げられるようになってください。

なお、マネジャーの立場になると、リスキリングを含め、何かについて新たに学ぶ必要も出てきていると思います。膨大な仕事を抱えていて、あまり時間が取れない場合でも、ChatGPTを活用すれば学習にかける時間を一気に短縮できます。そんな学習のためのプロンプトや流れも本書の中にはふんだんに紹介していますので、ぜひご期待ください。

■年1000万円以上を支払ってでも雇いたい

③経営者のあなた

私自身も経営者ですが、GPT-4が登場した約5カ月前から、本書で紹介するノウハウを実行しています。この短期間で、私自身と私の組織の生産性は一気に2倍以上になりました。経営判断など、日々あらゆるタスクをこなす必要がある経営者の人は、ChatGPTを使いこなすことで、自身と組織の生産性が1.5倍から2倍になることは間違いありません。

さらに、経営する企業に所属する社員全員が、本書の内容を実行することができれば、組織全体の生産性も圧倒的に上がります。社員全員が、自分がしている仕事の目的と目標を立て、達成するために必要な問題を的確に分析し、最短距離で目的達成に突き進むようになるのです。そんな企業になれば、業績はあっという間に上がります。経営者のみなさん自身が抱えるストレスも減っていくことでしょう。

ちなみに、本書で紹介するスキルがすべて身に付いていて、実践できている人がいれば、私は年1000万円以上を支払ってでも雇います。なぜなら、それができる人がいれば、会社全体の効率が上がるからです。年商10億円の企業だとしたら、業務効率が10%向上すれば、年商は利益ベースで1億円上がることを見込めます。つまり、経営者のみなさんや社員が本書のスキルを身に付け、実践することは会社の利益向上に直結します。そして、自身や社員の年収アップにもつながっていくのです。

■キーエンス流の分析手法を再現

情報の中には「顧客の感動の度合い」や「プロジェクトの進捗度」など、数値として判断しづらいものもあります。しかし、キーエンスでは何事も「まず数字で表現しなさい」と言われてきました。具体的に数値化しないことには、分析が抽象的になってしまいます。

いくつかの方法があります。まずは、数値化するための手法をChatGPTにストレートに聞いてみましょう。次の「図表1」では顧客満足度について聞きました。これを「プロジェクトの進捗度」などに置き換えても、具体的な手法を提案してくれます。

プロンプト:顧客満足度の数値化に関する質問
出典=『「キーエンス思考」×ChatGPT時代の付加価値仕事術』

■漠然とした顧客の感想文を数値化する

顧客満足度については、アンケートをとって情報を収集する場面も多いと思います。そのときに、例えば数値ではなく、感想文だけの回答があったとしましょう。

感想文を一つ一つ読んで、評価を数値化するのは非常に難しく、大変な作業です。しかし、ChatGPTの力を使って、参考となる指標を得ることが可能です。

具体的な方法は、「図表2」で示しています。

感想文を数値(点数)化するためには、指標が必要です。ここから、ChatGPTに聞いてしまいましょう。「顧客の感想を数値化できる項目を10個ほど出してください」と聞けば、項目を出してくれます。「感動度:10段階評価」などサンプルを与えると、適切な回答をする可能性を高めることができます。

「図表2」のケースでは、「購入意向」や「利便性」など、実際に分析で役立ちそうな項目を得ることができました。

ChatGPTが回答した項目をベースに、次のプロンプトで実際に感想文を読み込ませ、数値化させてみます。試しに、ダミーで用意したビールの新商品に対する感想文を10個、ChatGPTに与え、分析してもらいました。

田尻望『「キーエンス思考」×ChatGPT時代の付加価値仕事術』(日経BP)
田尻望『「キーエンス思考」×ChatGPT時代の付加価値仕事術』(日経BP)

結果、10点満点でしっかり点数を出してくれました。参照したコメントを引用するなど、理由も示してくれています。また、10個の感想文に言及がない項目は「未評価」としているのも、一定の信用ができるところです。

点数が確実に正しく評価されているとは断言できないので、この結果を絶対的な顧客の評価指標として使うことは避けた方がいいです。また、経営の根幹に当たるような重要事業について、今後の戦略の根拠を得るようなケースでは、これだけでは不十分です。一つ一つの感想文を分析し、精緻な情報を得ることが必要になるでしょう。

しかし、情報の分析から大まかな傾向を得たいときや、社内でのアピールなどに使う参考指標の一つとしては活用できます。少なくとも、感想文を文章のまま漠然と傾向を把握するよりは、はるかに有用で時短につながります。

プロンプト:感想の数値化に関する質問
出典=『「キーエンス思考」×ChatGPT時代の付加価値仕事術』

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田尻 望(たじり・のぞむ)
カクシンCEO、戦略コンサルタント
京都府京都市生まれ。大阪大学基礎工学部情報科学科にて、情報工学、プログラミング言語、統計学を学ぶ。2008年卒業後、キーエンスにてコンサルティングエンジニアとして、技術支援、重要顧客を担当。大手システム会社の業務システム構築支援をはじめ、年30社に及ぶシステム制作サポートを手掛ける。その後、企業向け研修会社の立ち上げに参画し、独立。年商10億円~2000億円規模の経営戦略コンサルティングなどを行い、月1億円、年10億円超の利益改善企業を次々と輩出。企業が社会変化に適応し、中長期発展するための仕組みを提供している。著書に『付加価値のつくりかた』(かんき出版)など。

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(カクシンCEO、戦略コンサルタント 田尻 望)

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