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「社会人経験ゼロ、4人の子育てに追われてきた」専業主婦が"英語の猛勉強"で再就職を叶えて離婚を果たすまで

プレジデントオンライン / 2023年11月30日 11時15分

出典=『THE DESK リアルな「勉強机」から見えた大人の学び100のヒント』(日経BP)

日々の仕事に忙しい社会人は、いつ、どうやって勉強をしているのか。「社会人経験ほぼゼロの専業主婦」から40代で英語を学び直し、職を得て、離婚をした50代女性と、出産後にぶつかった壁をきっかけにキャリアを見つめ直した30代女性の例を紹介しよう――。

※本稿は、日経WOMAN『THE DESK リアルな「勉強机」から見えた大人の学び100のヒント』(日経BP)の一部を再編集したものです。

■「社会人経験ほぼゼロ」の4児の母は英語を猛勉強し離婚へ

4児の母で「社会人経験ぼぼゼロ」だった室町さんは、離婚を目指し、英語の猛勉強を開始。稼ぐ力をどんどんアップさせていきます。

室町博子さん:53歳・国立研究機関の国際課の専門職
同居家族:犬1匹、猫2匹
最近ハマっていること:ハイキング(近くの山への日帰り登山や、山登りの動画を見て妄想登山)、登山家の中島健郎氏が出ているYouTube、東方神起(ファンクラブ会員歴12年)

7年間の調停の末、2021年に離婚が成立。末っ子の18歳の娘が23年に大学へ入学し、学生時代以来のひとり暮らしとなった室町博子さん。17年間、専業主婦として夫の収入に頼らざるを得なかった室町さんが離婚という大きな決断ができたのは、英語力を磨くことで自ら稼ぐ力を身に付けたからだ。

「大学卒業後、事務のアルバイトを経て結婚し、4人の子育てに追われてきたので、まともな社会人経験はゼロ。夫と離婚したいと思ったとき、唯一、武器になるかもしれないと考えたのが英語でした」。夫の滞在に伴いイギリスで5年半暮らした経験があり、生活に必要な最低限の英語力は身に付けていた。

■TOEICのスコアは960点、英語力を駆使して働いている

離婚を念頭に、一念発起して英語を学び直して再就職を果たしてから11年、現在は国立の研究機関で有期契約職員として、英語力を駆使して働いている。「TOEICのスコアは960点まで到達。今は英検1級取得に向けて勉強しています」。

茨城県に生まれ育ち、地元の進学校を卒業して法政大学の英文学科へ入学。アルバイト先の研究機関にいた大学院生の男性と交際が始まり、卒業後もそのままアルバイトを続けて結婚。夫がイギリスの大学へ行くことになり、出産したばかりの長男とともに家族で移住した。5年半の滞在を経て帰国後、34歳で末の娘を出産。4人の子育てに奔走しながらも、子どもの幼稚園でPTA会長を担うなど“良妻賢母”として努めてきた。戦前に創刊した雑誌『婦人之友』の読者組織である「全国友の会」にも入会。無駄遣いをしない家計管理や片づけ・整理術などを学び、暮らしをどんどん快適にしていくのが楽しかった。「この頃は、もう一生、外で働くことはないと思っていました」。

■東方神起と進学問題のすれ違いから自立を決意

離婚を考え始めたのは、子どもの進学の問題に直面した頃だ。「勉強ができなくても子どもの好きな分野を伸ばしてあげたかった私と違い、夫は進学校に行かせるのが当然という考えで、言い争うことが増えていきました」。室町さんが40代の初めに韓国アイドルの東方神起にハマり始めたとき、ライブへ行くのを猛反対されたことも溝を深める一因となり、いずれ夫と別れることを前提に自立のため就職しようと動き始めた。

アルバイト以外で一度も働いたことがなく、「ワードとエクセルの違いも分からなかった」ため、ハローワークの職業訓練に10カ月間通い、パソコンの基礎を身に付けた。自宅近くには研究機関が多く、求人を調べると多くで英語力が採用条件になっていたことから、イギリス生活で高めた英語力を本格的に磨き直そうと決意。履歴書には20代の初めに取得した英検準1級の資格を書き、安価な教材を探し、CD付きの月刊誌『ENGLISH JOURNAL』(アルク ※休刊中)で学び始めた。

いざ就職しようと研究機関の求人に片っ端から応募するも、不採用続きで苦戦するなか、10個目の応募先だった環境関連の研究所のアシスタントとして採用された。「外国人研究者のサポートや、行事のために海外からゲストを招く際のメールのやり取りなど、英語を使った事務手続き全般の仕事でした」。空き時間には環境関連の英語の文章やニュースに触れ、業務以外のことも「何かの役に立つかも」という姿勢で英語を学んでいた。

■40代で英語を学び直し、職を得て、自信と自由を得た

その後、契約期間満了とともに近隣の大学の事務職に転職し半年勤務した後、もといた研究所の高度技能専門員の求人を見つけ、採用される。「英語力とある程度の専門知識が高度技能とみなされたので、アシスタント時代に環境関連の英語を積極的に学んでいてよかったです」。仕事内容は、環境に関する英語のウェブサイトのコンテンツ制作の補助。以前のアシスタント業務と違い、英語と専門知識を使う仕事で、年収が80万円ほどアップした。1年半後、さらに年収の高い研究機関の国際課の求人に応募して採用され、現在で5年目になる。「働き始めた11年前よりも年収は160万円ほどアップ。下の子どもたちの大学進学も控えていたので、少しでも収入を上げたい一心でした」。

仕事と並行して続ける英語の勉強も着実にレベルアップを図ってきた。現在は友人から譲り受けた英検1級の問題集に集中的に取り組む。「英検1級は対外的に英語力を示すのに分かりやすい指標になる」と、無期雇用での再契約や転職に有利になるよう1年以内の取得を目指す。「受験料がもったいないので、一発合格を狙っています」。

専業主婦時代は、進学校だった高校の同級生の活躍を見るにつけ引け目を感じていた。それが、40代で英語を学び直し、職を得てスキルアップを重ね、自信と自由を得た。「勉強は、生活のためのお金を稼ぐ手段であり、世界を広げてくれるもの。勉強もお金を稼ぐことも大変ですが、持続することで自分を変えていける」。子どもが全員家を出た今、この先の夢を描く。「70歳くらいまで今のような仕事を続け、いずれ通訳ガイドかJICAのシニアボランティアとして海外で働きたいです」。

■場所はダイニングテーブル、室町博子さんのデスクを拝見

オープンキッチンの側面に寄せたダイニングテーブルのお誕生日席で、愛犬や愛猫と触れ合いながら勉強する。ここに座ってノートパソコンから、友人とのグループ英語学習や英語によるディスカッション研修などのオンライン勉強会に参加することも。

室町博子さんのデスク
出典=『THE DESK リアルな「勉強机」から見えた大人の学び100のヒント』(日経BP)

(1)木の風合いを生かした家のインテリアに合う6人掛けの檜のダイニングテーブル。
(2)友人から譲り受けた英検1級の問題集。
(3)巣立っていった子どもたちのお下がりのノートと単語帳を自身の勉強に活用。
(4)大好きな東方神起のファンクラブ会員限定グッズのマグカップ。
(5)カリタのコーヒーミル。香りにこだわりたいコーヒーは自分で豆を挽いて飲む。
(6)専業主婦時代に雑誌『婦人之友』の読者組織「全国友の会」で磨いてきた得意の片づけ術で、キッチン背後のカウンターにも無駄なモノを一切置いていない。

■室町博子さんに聞きたいQ&A

Q.何を学んでいる?

A.英語

国立の研究機関の国際課で非正規雇用の事務職として、組織全体の国際案件のサポートをしており、日々のスキルアップが欠かせない。犬の散歩や家事をしながら英語ニュースを聴き、友人らと定期的にオンライン勉強会を開くほか、現在は英検1級の合格を目指して集中的に勉強している。

Q.デスクのある場所は?

A.茨城県内の持ち家一戸建て(4LDK・168平方メートル)20畳のリビングダイニング

ダイニングテーブルで勉強する室町さん、横には愛犬
出典=『THE DESK リアルな「勉強机」から見えた大人の学び100のヒント』(日経BP)

元夫が長く単身赴任で留守がちだったため、主に4人の子どもたちと使用していたダイニングテーブル。全員、進学・就職し、現在はひとり暮らしになったのでキッチンに寄せて椅子2脚で使用する。愛犬1匹と愛猫2匹の様子を見ながら、勉強も食事もここで行う。

Q.デスク周りのお気に入りアイテムは?

A.東方神起のマグカップ

東方神起のマグカップ
出典=『THE DESK リアルな「勉強机」から見えた大人の学び100のヒント』(日経BP)

2009年に縁があって見た東方神起のライブDVDで一夜で恋に落ち、以来、ライブツアーは地方遠征もして年間に複数公演参加。メンバーの兵役期間中は娘と韓国旅行へ行き、ゆかりの地を訪ねた。「歌もダンスも一流で、韓国人なのに日本語がペラペラ。その姿勢を見て私も頑張ろうと14年間モチベーションにしてきました」。勉強中、自分で豆を挽いたコーヒーを淹れてひと息入れる。

A.子どものお下がりのノートと単語帳

子どものお下がりのノートと単語帳
出典=『THE DESK リアルな「勉強机」から見えた大人の学び100のヒント』(日経BP)

できる限り低コストで勉強するため、子どもの単語帳や塾でもらったノートの使い残しを活用。「モノが無駄にならず、節約もできて、心置きなく使えます」。

■朝4時45分に起きて勉強する「元バリバリ営業ウーマン」の39歳

「息子が生まれたことで、それまで全く意識することのなかった自分のキャリアについて、このままでいいのかと考えるようになりました。今、私は息子に誇れるような、本当にやりたい仕事ができているのかと――」。新卒で電子部品メーカーに入社以来、営業職1本で17年目を迎える小平ともみさん。

2021年に37歳で第1子を出産後、気持ちの変化を感じ始めた。「営業の仕事には真摯(しんし)に取り組んできましたが、心からやりたい仕事なのか、自分に向いているのかと自問すると、そうは言い切れなくて。自己分析をするなかで女性のキャリアを応援したいという気持ちに気づいたことから、キャリアコンサルタントの勉強を始め、23年8月に資格を取得できました」。

小平ともみさん
出典=『THE DESK リアルな「勉強机」から見えた大人の学び100のヒント』(日経BP)

小平ともみさん:39歳・電子部品メーカー・営業企画 
同居家族:夫、息子、犬3匹
最近ハマっていること:サーフィン(6年前に始め、キャリアコンサルタントの資格試験までは控えていたが再開)、読書(主にビジネス書や自己啓発書)

■出産後は体調や気持ちの変化に戸惑い、マイナス思考に…

高校時代に英語が好きになり、大学では短期留学も経験。海外赴任を夢見て、海外向けの売上が大きい大手の電子部品メーカーに就職した。営業職として鍛えられ、地方勤務も経験し、26歳で現在の夫と社内結婚。「結婚後、上司に『海外赴任がしたい』と伝えるととても驚かれました。当時、社内で女性の海外赴任経験者はほぼゼロだったので」。29歳のときに念願の海外赴任が実現。アメリカのカリフォルニア州、サンノゼに3年の任期で赴任した。1年目は単身赴任、残りの2年は夫が会社を休職し、専業主夫として同行した。

希望した海外赴任だったが当初は挫折の連続だった。「アメリカでは現地の大手企業の顧客を担当。英語で論理的に主張できないとなめられてしまい、顧客から信頼を得るまでに本当に苦労しました」。くじけそうな気持ちを支えてくれたのは夫だった。「夫は話を聞くのが上手で、『それは大変だったね』と私の思いに共感してくれて。話しているうちに気持ちが整理され、気づきも得られる。のちにキャリアコンサルタントの勉強で知る傾聴の力を夫から学んだところは大きかったです」。

アメリカ赴任から帰国後は、営業企画の部署で海外拠点を支援する仕事に従事。同時に社内で声がかかり、労働組合の支部執行部のメンバーに。4年間の任期の後半は支部執行部長を担った。「30代後半で妊娠できるリミットも迫っていたので、執行部の任期終了を見据えて妊活を開始。長男を授かることができました」。しかし出産後は、自分の体調や気持ちの変化に戸惑うように。「産後も体重が減らずに体が重く、腰の痛みもあり、1日中、赤ちゃんと家で向き合う生活だったので体力も落ちてしまって。自分でも驚くほど内向きになり、マイナス思考に陥ってしまいました」。

■「職場での会話がうまくいかない」復職後にぶつかった新たな壁

体調が完全に回復しないまま育休を終えて復職すると、新たな壁にぶつかった。「職場での会話がうまくいかない自分に戸惑いました。赤ちゃんを相手にばかり話す生活をしていたので、文章を組み立てて論理的に会話をすることが、うまくできなくなっていたんです。また、育児のために定時退社が必要な私のため、上司は業務量を軽減してくれていたのですが、3カ月ほどたって業務理解が追いつくと物足りなくなり、その先のキャリアをうまく思い描けなくなってしまいました」。

全力で仕事に没頭していた出産前には想像しなかったモヤモヤした気持ちと向き合うなか、「息子との時間も大切にしながら、自分が本当にやりたいことを仕事にしていきたい」という思いが芽生えてくる。やりたいことを深掘りした結果、女性のキャリアを応援したいという気持ちにたどり着いた。「男性中心の業界で女性の営業職として海外赴任も経験するなか、一部の人から期待されていることと男性社会を生きる現状とのギャップを感じていました。そうした経験を踏まえて、後輩の女性たちが私のような苦労を極力せずに、子育てとも両立しながら望むキャリアを築けるように応援したいと思ったんです」。

■オンラインで学び、キャリアコンサルタントの資格を取得

自身のステップアップと自分のキャリアを見つめ直すことを目的に、キャリアコンサルタントの資格を取得しようと、23年2月からパソナのキャリアコンサルタント養成講習をオンラインで受講。半年間の学びを経て資格を取得した。「キャリアコンサルタントは相談者が自分の適性や能力、関心に気づき、自分に合った仕事を選択することをサポートする役割。資格を生かして社内で人事に関わる仕事がしたいと上司にも伝えています」。

キャリアコンサルタントの学びの課程で、アメリカの心理学者、ウィリアム・ブリッジスが提唱した「トランジション・モデル」が印象的だったと振り返る。「転機や節目における理論で、転機の第1段階には『終焉(しゅうえん)』があり、第2段階の『中立圏』を経て第3段階の『開始』で何かが始まるという考え方。私は子どもを持つという目標が、出産したことによって終焉し、モヤモヤした時期を経て、新しいことを始めようとしている。何かの終わりが変化のスタートだという考え方にはとても納得し、今の私の学びを肯定してもらえているような気がします」。

■「息子が起きるまでが勉強時間」小平ともみさんのデスクを拝見

毎朝4時45分に起き、息子が起きるまでの時間にキャリアコンサルタント試験の勉強に励む。

小平ともみさんのデスク
出典=『THE DESK リアルな「勉強机」から見えた大人の学び100のヒント』(日経BP)

(1)ニトリで買ったダイニングテーブルを勉強机に。椅子もニトリで購入。
(2)勉強道具を入れた外出用のリュックを子ども用の椅子に置く。
(3)ノートはコクヨのキャンパスノートを愛用。重要な部分はオレンジ色のペンで書き、赤シートで消せるようにする。
(4)(5)キャリアコンサルタント試験の過去問題とそれらを収納したファイル。
(6)時間を設定して集中して取り組む際などに使うドリテックの勉強タイマー。
(7)間違えた試験問題を中心に、単語帳のようにカードリングでまとめた自作の問題集。
(8)無印良品で買ったブック型ポーチに筆記具や手帳を収納。
(9)プライベートの予定などを書き込んでいる『願いを叶える未来手帳』。
(10)紙ゴミなどを入れるための無印良品のふた付きのミニゴミ箱。
(11)個別スイッチで節電できる電源タップはスマホを充電しやすいようにテーブル上に固定している。

■小平ともみさんに聞きたいQ&A

日経WOMAN『THE DESK リアルな「勉強机」から見えた大人の学び100のヒント』(日経BP)
日経WOMAN『THE DESK リアルな「勉強机」から見えた大人の学び100のヒント』(日経BP)

Q.何を学んでいる?

A.キャリアコンサルタント試験

パソナの国家資格キャリアコンサルタント養成講習を2023年2月からオンラインで受講。150時間の養成講習の受講後は、80時間の試験対策講座を受講した。「週末にターミナル駅のワーキングスペースを借り、1日中こもってオンライン講習を受けました」。

Q.デスクのある場所は?

A.東京都内の賃貸一戸建て(2LDK・63m2)8畳の居間

デスクのある場所
出典=『THE DESK リアルな「勉強机」から見えた大人の学び100のヒント』(日経BP)

家では早朝しか勉強できないため、2歳の息子が起きてくるまでの間、ダイニングテーブルに資料を広げて勉強机に。「10年以上使っているニトリのテーブルですが、勉強するのにちょうどいい高さ。脇の窓から朝日が差すので気持ちいいです」。

Q.デスク周りのお気に入りアイテムは?

A.本を見ながら作業がしやすいブックスタンド

本を見ながら作業がしやすいブックスタンド
出典=『THE DESK リアルな「勉強机」から見えた大人の学び100のヒント』(日経BP)

ネットで購入したブックスタンドは、本を開いたまま立てておける。「本で学んだことをノートにまとめることを習慣づけているので、必須アイテムです」。

A.ドリテックの勉強タイマー

ドリテックの勉強タイマー
出典=『THE DESK リアルな「勉強机」から見えた大人の学び100のヒント』(日経BP)

画面が45度の傾きで勉強中に見やすく、スタート・ストップボタンを押しやすい。「20分集中して5分休憩」のリズムで勉強することも。「キャリアコンサルタント実技試験のロールプレイが15分、口頭試問が5分の制限時間なので、その練習にも活用」。

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日経WOMAN(にっけいうーまん)
働く女性のキャリアとライフスタイルを応援する実用情報誌

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(日経WOMAN)

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