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待ち合わせ場所で対面した瞬間に口をついて出てしまう…「気がきかない人」の悪気のない分タチ悪い残念な口癖

プレジデントオンライン / 2023年12月1日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takemax

ちょうどいい気遣い・心遣いの方法はどんなものか。伝わる表現アドバイザーで産業カウンセラーの山本衣奈子さんは「気遣いを過度なものになると周囲がかえって疲れてしまい、逆効果になる」という――。

※本稿は、山本衣奈子『「気がきく人」と「気がきかない人」の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■気がきく人はユーモアに気を配り、気がきかない人は脱線しないように気を配る

「ユーモア」とは「おかしみ」、つまり「面白さ」を表す言葉です。

「ユーモア」という言葉の中には、「おかしみ」だけではなく、「上品で洒落た」「人を和ませる」という意味も含まれます。

人を傷つけたり不愉快にさせたりするようなものは、仮に一部の人が笑顔になったとしても、ユーモアではなく言葉の暴力になってしまいます。

ユーモアの使い方を間違えてしまうと、笑っているのは自分一人、相手や周囲は怒ったり傷ついたり、場合によっては泣いたりなんてことも起こり得ます。あくまでもそこにいる人たちみんなが、楽しい気持ちになれることが大切です。

かつて、このユーモアの取り入れ方が上手な同僚がいました。職場内でも彼の周囲だけはいつもいい雰囲気が漂い、みんなの自然な笑顔がよく見られました。

とはいえ何も、すごいギャグを言ったり、ボケやツッコミで笑わせていたりしたわけではありません。

彼が上手だったのは、「ちょっとした例え」です。朝の挨拶の際に、「今日の○○さんの服装、爽やかですね! ここは南仏プロヴァンスかな」といった言葉を添えたり、感謝を伝えるときに、「本当にありがとうございます! ○○さんの前世は天使かな」と言ったり、小さな例えをよくしていました。

「〜かな」という言い方も、「〜だね」と言い切るよりも柔らかい印象となり、思わず相手が「ふふっ」と微笑みたくなるような雰囲気を作り出していました。

笑わせるといっても爆笑を生む必要はなく、ほんのちょっとした笑いがあること、これが、特に緊張感や疲労感が生まれやすい職場などではとてもいい清涼剤となってくれます。

生真面目なのが悪いわけではありませんが、車のハンドルに遊び(ゆとり)があるから楽にまっすぐ走れるように、人も息抜きや脱線といった遊び(余裕)があるからこそ楽しく前向きなエネルギーを保つことができるものです。遊び心を忘れないようにすることは、人づきあいだけではなく、ストレス軽減においても大切なことです。

「とはいえ、ユーモアのセンスなんてないし……」「いい例えが思いつかない……」ともし悩むことがあったら、「笑う・笑わせる」ことにこだわるのではなく、「いい気分になる」ことにこだわってみてください。

いい気分から生まれる言葉や行動は、それを受け取る人のことも楽しい気持ちにしてくれます。

いい気分になるために必要なのは、よくない気分になりそうなことをなくしていくことです。

例えば、何事に対しても、最初は「おーいいね」から入ることを意識してみるだけでも効果的です。

朝雨が降っていたら、「おーいいね、これは肌が潤う」と言ってみる。誰かがミスをしたら、「おーいいね、これは嫌でも成長するね」と言ってみる。仕事が次から次へと降ってきたら、「おーいいね、ずいぶん人気者じゃないの」と言ってみる。

あえて「おー」を入れているのは、無意識にネガティブな意味で「おー……」と口に出てしまったとしても、すぐに軌道修正できるようにするためです。「おー」でテンションが下がっても、「いいね」で上げることができます。いい気分がネガティブをポジティブに変換し、その明るい言葉がユーモアとなって伝わっていきます。

ユーモアというと、相手をいじることだと思っている人もいますが、相手を茶化すもの、本人が嫌がるようなものは決してユーモアではありません。どんなに自分はユーモアのある言い回しだと思ったとしても、人が嫌がっていたら、悪趣味になってしまいます。

あくまでも「いい気分」から生まれる自然なユーモアを大事にしていきましょう。

★気がきく人は、いい気分になる!

■気がきく人は適度な気遣いで楽に過ごし、気がきかない人は過度な気遣いで疲れる。

あなたが一日のうちでもっとも多く使っている言葉は何でしょうか?

気を遣いすぎて疲れやすい人が、よく使う言葉の1つに「ごめんね」があります。人に何かを頼むときはもちろん、手伝ってもらったり、教えてもらったりする度に、まず「ごめんね」と言います。

ときには、まったく必要のないシーンで言っていることも多いものです。

例えば、待ち合わせをしたときに、遅刻をしていないのに会った瞬間から「ごめんね」と言う人もいます。この「ごめんね」は、謝罪というよりは、相手の時間をもらっていることへの感謝の気持ちで伝えていることがほとんどなようです。

手を振って笑顔で別れる男女
写真=iStock.com/west
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/west

「ごめんね」は悪い言葉ではありません。けれども、あまりに頻度が高いとかえって相手を恐縮させてしまって、おたがいに変な気を遣い合うようになることがあります。

迷惑など感じていないのに謝られると、“謝らせてしまった”という気持ちが生まれて「こちらこそごめん」と、ごめんの応酬になってしまうのです。

気がきく人は、自分に明らかに非があったり、相手に迷惑をかけたりしたときなど、本当に必要なときしか「ごめんね」とは言いません。

人に何かを手伝ってもらったり教えてもらったりしたら「ありがとう」、待ち合わせのときには「お待たせ」や「無事会えてよかった」など、過度に気遣いのない、自然な言葉を使っています。

さらに、気がきく人は親切を受け取ることにも素直です。

まず「嬉しい」と言い、笑顔で感謝します。気遣いが苦手な人ほど、相手が何かをしようとしてくれたときに「ごめんね」だけではなく、「本当に大丈夫?」「無理してない?」「もしなんだったら気にしなくていいからね」などの言葉を過度に伝えてしまいます。

気を遣いすぎて疲れやすい人は、頼ることが苦手という特徴もあります。以前、コミュニケーションの悩み相談にいらしたある企業の管理職の方が、こんなことをおっしゃっていました。

「もっと人に頼れたらと思うのですが、みんな大変なのに頼んだら悪いと思う気持ちが強くて、頼む方が疲れるから結局自分で抱えてしまうんですよね……」

この「承認欲求」には、褒められることと同様に頼られることも含まれています。人に頼られると、自分の存在を認めてくれていると感じることができるため、承認欲求が満たされるのです。

ですから、過度な気遣いで人に頼れなかったり親切心を断ってしまう人より、適度な気遣いを持ちながらも頼ってくれたり、親切を素直に受け取ってくれる人の方に、人は好感や親近感を抱きやすくなります。

過度な気遣いは、自分だけではなく相手を疲れさせてしまうこともあります。

先日、とある高級旅館に泊まった友人が、こう言っていました。

「いい具合に放っといてくれてとても居心地がよかった」

山本衣奈子『「気がきく人」と「気がきかない人」の習慣』(明日香出版社)
山本衣奈子『「気がきく人」と「気がきかない人」の習慣』(明日香出版社)

高級旅館となると、相当サービスがいいのだろうとイメージしますが、過剰なサービスや気遣いはかえって緊張感や居心地の悪さを生み出してしまうこともあります。

必要以上に何かと話しかけてきたり、ドアの開閉のたびに走ってきたり、しょっちゅう「困ったことはありませんか?」など言われ続けていたら、まるで監視されているかのようで落ち着きません。

それよりも、基本的にはそっと見守る態度でありながら、困ったときにはすぐに駆けつけてくれて、頼み事にも気持ちよく対応してくれたら、安心してリラックスできます。

無理せず気遣いをするためにも、「頼っていい」という言葉と、「そんなに気にしなくていい」という言葉を、つねに自分にかけてあげましょう。相手の気持ちを気遣おうと思っても、相手の気持ちは相手にしかわからないのです。過剰な気遣いで自分が疲れてしまわないように、もっと気を楽にした方が人間関係はうまくいきます。

★気がきく人は、自分が疲れないようにする!

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山本 衣奈子(やまもと・えなこ)
産業カウンセラー、E-ComWorks代表
「伝わる伝え方」の研究を重ねながらサービス業、接客、受付、営業、クレーム応対等の業務にて30社以上に勤務。コミュニケーション術の講師として企業や官公庁を中心に、コミュニケーション研修、プレゼンテーション研修、セルフマネジメント研修、マナー研修等を実施。年間180回近い企業研修や講演を行う。

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(産業カウンセラー、E-ComWorks代表 山本 衣奈子)

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