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テレビやラジオの「ながら勉強」はむしろ集中力を高める…東大生が「受験勉強の息抜きに勉強」をできるワケ

プレジデントオンライン / 2023年12月6日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/CherriesJD

どうすれば勉強の効率は上がるのか。現役東大生の西岡壱誠さんは「勉強の種類によっては『ながら勉強』がいい。特に『単純作業系の勉強』であれば、効率がアップしやすい」という――。

※本稿は、西岡壱誠『東大モチベーション 勉強のやる気がすぐ起きて→ずっと続く方法』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

■休憩後の勉強のハードルを下げるにはどうすればいいか

みなさんは、好きな科目、もしくは、好きな勉強はありますか?

「そんなものない!」という人もいるかもしれませんが、それでもちょっとガマンして、僕の話を聞いてください。

これからお話しすることのポイントは、「ハードルを下げる」です。

ハードルを下げることで、続けることができるようになります。

どんなに勉強アレルギーで「勉強なんて1ミリもしたくないし、文字を目に入れるだけで吐き気がする!」という人でも、何かしら、ほんの少しでも興味の持てることはあるはずです。

たとえば、歴史の資料集を見て「ふーん、フランシスコ=ザビエルって変な顔だなあ」なんてぼんやり思うのすら「死ぬほどイヤだ!」という人はいないでしょう。

また、マンガで日本の歴史が読める本がありますが、「マンガなんて読みたくない!」という人は少ないですよね?

他の科目でも同じです。

漢字の勉強が嫌いな人でも、小説の文章を読むこと自体はそんなに嫌いじゃない、という人もいるはずです。

ちなみに僕は、古文は死ぬほど嫌いでしたが、源氏物語のマンガを読むのは好きでした。

英語は嫌いですが、英単語帳のイラストとかを眺めるのはそんなに嫌いではありませんでした。

■興味がある勉強で息抜きにする

文字が嫌いなら絵を見ればいい。教科書が嫌いなら学習マンガを読めばいい。今の時代、YouTubeで面白く、テンポよく勉強を教えてくれるチャンネルもあります。

そう考えると、きっと何かしらの勉強は、みなさんにとって「興味が持てるもの」であるはずなのです。

これらは、少しであっても「興味がある」ので、「興味がない」ことをやることと比べたら、やってみよう、という気持ちが起きやすいでしょう。

また、「お勉強感」も比較的軽めなのではないでしょうか?

僕はこのようなちょっとした「興味があること」、ちょっとした勉強をたくさん作ります。その理由は、息抜きになるからです。

息抜きはめちゃくちゃ大事です。そして、この息抜きが勉強のハードルを下げるんです。勉強を続けるための超重要ポイントです。

■「休憩」ではなく「息抜き勉強」を合間に挟む

「あー疲れた」と思ったときに、軽く息抜きがてら、ちょっとできる勉強をします。

もちろん、ちょっとできる勉強だけをずっと続けていても成績は上がりません。でも、息抜きとして軽くやる分には意味があります。

人間は何かの作業をする際に、「スタートするとき」のハードルが一番高いのです。

たとえば2時間勉強しようと思ったときに、1時間勉強して、1時間休んで、もう1時間勉強しようと思っても、「休んだあとの勉強」ってとてもハードルが高いです。

みなさんも経験があるんじゃないかと思います。

「もう5分したら勉強しよう」なんて思って、5分が10分になって、10分が15分になって……と勉強が先送りになってしまいます。

そんなとき、ちょっとできる勉強の登場です! 高いハードルを見事に下げてくれます。

「とりあえず、資料集をペラペラめくるところから始めるかな」とか考えて、簡単なもの、好きなものから始めてみる。すると、そのあとで「じゃあ次はこれをやろうかな」とスムーズに本格的な勉強に移っていきやすいです。

勉強の合間に休憩を取るのではなく、「息抜き勉強」でしのぐというのも一つのテクニックです。

やっぱり休んでしまうと、もう一度始めるのが大変です。気持ちが弱いとか、やる気がないとかそういう問題ではなく、誰もがそうなのです。

ですから、休みは休みでも、「息抜き勉強」で休むようにすればいいのです。

■「ちょっとした勉強」からなら始めやすい

息抜き勉強は、いろんなものがあります。

・資料集をペラペラめくる
・先に進めるのをやめて、今まで書いた自分のノートを見直してみる
・今日の授業の復習をしてみる
・純粋に、好きな科目の勉強をする

などなど。

たとえば数学が好きなら「疲れたら数学をやろう」と決めておくわけですね。

他にも、趣味と絡めた勉強もあります。英語で映画を観てみたり、英語字幕と日本語を見比べてみるというのもいいでしょう。

僕は英語の歌詞を日本語に訳したり、日本語版の歌詞と英語版の歌詞のある音楽を見比べてみたりしていました(椎名林檎さんがそういう曲を出しています)。

あとは、友達とおしゃべりしながら勉強するのもありですね。もっとも、勉強友達がいなかった僕みたいな人間にはできませんでしたが……泣。

とにかく、いろんな「息抜き勉強」、つまり、ちょっとした勉強を作っておくと、最初のハードルを下げることができて、勉強が続けられるようになります。

ぜひ、試してみてください!

■「ながら勉強」はむしろ勉強効率をアップさせる

「息抜き勉強」の続きです。

一つみなさんに紹介したい「息抜き勉強」があります。それは「ながら勉強」です。

これは、「ちょっと疲れたから、アニメを観ながら・ラジオを聴きながら勉強しよう」というものです。

もちろん、アニメを観ながら本格的な問題を解いたりすることはできません。どちらかというとそういう頭を使うものではなく、ノートを書いたり数学の簡単な問題を解いたりします。

「ながら勉強」って、先生からもやめなさいって言われたことがあるし、あまり良いイメージがない……って思った人! 実はそうじゃない、むしろ、勉強の効率がアップする! ということがわかってきたんです。

ここで一つ、脳科学的な話をします。

みなさんは、音楽を聴きながら勉強できるタイプの人ですか?

昔から、「勉強中に音楽を流すのはいいことか? それとも勉強をジャマする悪いことか?」という論争がありました。

実は、この論争にはもう科学的な決着がついています。

・歌詞のある音楽は勉強を阻害する
・歌詞のない音楽や歌詞の意味がわからない母国語以外の言語なら勉強を阻害しない

これが結論です。つまり、歌手が歌っている曲を聴きながら勉強してもあまり効果がないけれど、BGMのような音楽であれば意味があるということですね。

だから、勉強するときにかける、歌詞のない音楽を探しておきましょう。

YouTubeには勉強に向いている音楽とか、歌詞のないオルゴール音楽など、いろんなものがあります。それらの力を借りてみるのです。

イヤホンをしてノートに書き込む女性
写真=iStock.com/taseffski
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/taseffski

■「作業勉強」は「ながら勉強」と相性がいい

たとえば数学の問題を解くときとかになんらかの音楽をBGMとして流しておくと、爽快感が生まれて、ちょっとしたスピードがついた勉強ができるようになります。

こんな風に、歌詞のない音楽はかなり勉強と相性が良いのです。

歌詞のある音楽が悪いわけでもありません。

アニメやラジオ・歌詞のある音楽などの、「若干勉強を阻害するもの」も、「作業勉強」となら相性良しです。「作業勉強」ってなんでしょうか?

たとえば、テストのためのまとめノートを作る、覚えておかなければならないことのリストを作る、数学の簡単な計算問題を解く、大事なところにマーカーを引く、などが「作業勉強」です。あまりガッツリ頭を使わなくてもできる作業ですね。

この「作業勉強」は「ながら勉強」と組み合わせるのがとてもオススメです。「ながら作業」です! しかも、歌詞のないBGMではなく、歌詞つきの音楽と組み合わせても、まったく問題なしです。ノート作り、リスト作りをしながら、アニメを観たり音楽を聴いたりするわけです。そのノートはあとから復習することは前提で、とりあえず作業として必要なものをアニメやラジオを聴きながらやるのです。

または、簡単なテストをしながらアニメや音楽を聴くのもいいでしょう。英単語のアプリで「4択のうちどれが答え?」というような問題を解きながらアニメを観るわけです。

西岡壱誠『東大モチベーション 勉強のやる気がすぐ起きて→ずっと続く方法』(かんき出版)
西岡壱誠『東大モチベーション 勉強のやる気がすぐ起きて→ずっと続く方法』(かんき出版)

このような「ながら勉強」「ながら作業」は、「息抜き勉強」として効果抜群です。

勉強で疲れてしまっても、息抜きでリフレッシュできます。

ちなみに、東大生の中には、落語を聴きながら勉強していたという人もいました。または、耳で日本史の授業動画を聴きながら数学の問題を解いていた、という人もいました。結構びっくりですね。

でも、それで息抜きができて勉強が続くなら、まったくもって問題なし。むしろ、やってみる価値ありだと思うので、ぜひみなさんも、自分に合った「ながら勉強」「ながら作業」を探してみてください。

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西岡 壱誠(にしおか・いっせい)
東京大学経済学部4年 カルぺ・ディエム代表
1996年生まれ。偏差値35の無名校から東大を目指すものの、2年連続で不合格に。二浪中、独自のスマホ勉強術を駆使して東大合格を果たす。自身のノウハウを全国の高校生に教える傍ら、人気漫画『ドラゴン桜2』(講談社)に情報提供を行う「ドラゴン桜2 東大生チーム『東龍門』」のプロジェクトリーダーも務める。『東大式スマホ勉強術』(文藝春秋)、『東大思考』『東大読書』など著書多数。

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(東京大学経済学部4年 カルぺ・ディエム代表 西岡 壱誠)

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