「いやいや」「でも」「そんなこと言ったって」はNG…タレント田村淳が「すごい」「なるほど」「そうなんだ」を使うワケ
プレジデントオンライン / 2023年12月12日 16時15分
※本稿は、田村淳『超コミュ力』(すばる舎)の一部を再編集したものです。
■コミュ力の高い人は「いいね!」を使う
「いやいや」
「でも」
「そんなこと言ったって」
無意識でこうした否定から話を始める人は少なくありません。しかし、これではいつまで経っても相手と良い関係を築くことはできません。
コミュ力お化けは必ず肯定から入ります。
「いいね」「いいですね」、この言葉を人の話を聞くときに、合いの手として入れるのです。
コミュ力の高い人は、積極的に「いいね!」という言葉を使います。
相手が部下であれ、子どもであれ、何か意見を出してくれたときは「いいね!」で絶えず相手を肯定することを意識しています。
■良いコミュニケーションは「太極拳」
良いコミュニケーションは太極拳に似ています。
どうやってその会話をポジティブなものにしていくかということを常に考え、太極拳のように相手の力(話)を利用しながら、話を広げていくのです。
その入り口が「いいね!」という言葉なのです。
誰もが心の底から欲しがっている共感や承認。これを満たすアクションで、「いいね」に続けることで、相手の心を簡単に全開にする魔法の言葉があります。
それは、田村淳式コミュニケーション「SNS」。
■田村淳式コミュニケーション「SNS」
ソーシャルネットワークのSNSではありません。
「すごい(Sugoi)」
「なるほど(Naruhodo)」
「そうなんだ(Sounanda)」
この3つの略です。
先ほど書いた「いいね!」にこの言葉を添えるだけ。
やる前は「淳さん、そんなことでうまくいくんですか?」と聞きたくなるでしょう。
しかし、それは田村淳式SNSの力を体験したことがないからです。
やってみると「なんで、これを早くやらなかったんだろう」と、あなたはこれまでの自分に後悔することになるでしょう。
■たった3語で話が止まらなくなる
「すごい」「なるほど」「そうなんだ」。
僕はこの3語を義務教育で習ったらいいと本気で思っています。
それはこの3語を身につけるだけで、その後の人生において、コミュニケーションで苦労する割合が格段に減ると思うからです。
そのことを改めて感じさせてくれた出来事がありました。
いまから14年前、僕は卒業校である山口県彦島の下関市立江浦小学校で講演をしたことがあります。
そのときに、子どもたちにこのSNSの話をして、その後、実験で近所の商店街に行き、「この3語を使ってみよう」というワークをしました。
そこで働いている人にいろんな質問をし、その回答に対して、「すごい」「なるほど」「そうなんだ」をひたすら繰り返すというものです。
結果としてどうなったか?
大人の話が止まらず、延々と話してくれるのです。
■「上手に話すこと」は必要ない
当然、その子たちはたくさん話を聞くことができ、知識が増え、何よりも好かれます。
もし、この3語を幼い頃から習慣にすれば、もうその子は超コミュ力を手にしたことになります。
しかし現実は、この成功体験がないからこそ、社会に出たときにコミュニケーションで苦労することになってしまうのです。
多くの人が間違った思い込みをしています。
それは「コミュニケーションとは上手に話すことである」というものです。
実は人と良い関係をつくるのに、上手に話すということは、あまり必要なことではありません。しかし、多くの人がこのことに気づかず、コミュニケーションに対して、「話す」ということを重要視しすぎているのです。
■「相手が何を求めているのか」を知る
相手と心を通じ合わせるために、一番はじめに大切なこと。
それは「相手が何を求めているのかを知る」ということです。
相手がどうしてほしいのかを知ることなく、ただ一方的に、いくら上手に話したとしても、それはコミュニケーションの本来の目的である「相手と心を通わせる」ということにはつながりません。
相手に心を開いてもらうための最強の方法、それが「すごい」「なるほど」「そうなんだ」、この3語を使うということなのです。
いかがでしょう? 上手に話すということに比べると、断然このほうが気楽で、しかも簡単なことだと思いませんか?
この項目でも書きましたが、残念ながら、多くの人がこのことに気づいていません。
ということは、この田村淳式SNSさえ使えれば、あなたは周りの人よりもはるかにコミュ力が高い人になるのです。
試しに明日会った人に、この3語を使ってみてください。おそらくあなたは、笑ってしまうくらい、その効果をすぐに実感することになります。
■「コミュ力お化け」は知らないフリをする
もし相手が話す内容を、自分がすでに知っていた場合、多くの人が「それ知ってる!」と、つい言ってしまいます。
そんなとき、コミュ力お化けは、相手のリズムや「ここから話すんだ」というワクワク感を最優先に考え、あえて知らないフリをします。
相手の話の内容について、すでに知っている場合でも、「いまは質問者に回るべきだ」と思ったら、あえて知らないフリをするのです。
人は歳を取っていくと、だんだんこの知らないフリができなくなります。経験を通して知っていることが増えていくからです。
■相手に気持ちよく話させる
例えば上司と部下で考えてみても、経験的には圧倒的に上司のほうが多いので、部下が言うことに対して「そんなこと知ってるよ。もっと深く言うとな……」とマウントを取りがちになります。
また相手が話しているジャンルの話について、自分が達人級に専門知識を持っている場合も人は話したくなります。
知っていることについて、人はどうしても相手に自分の話をかぶせようとしたり、相手の話を奪ったりするのです。
しかし、コミュ力お化けたちはその知識を使って、さらに相手が話しやすくなる質問をします。
「相手に気持ちよく話させる力」をここで使うのです。
■話を絶対に遮らない
僕には、出会ってすぐの人には絶対やらないと決めているマイルールがあります。
それは、「話を絶対に遮らない」ということです。
会話の途中で話を遮ってしまう人は少なくありません。
会話において話を遮ると、相手は「この人は自分の話を聞いてくれない人だ」と心を閉ざしてしまいます。
せっかく相手が気持ちよくしゃべっているのに、それを邪魔するのは本末転倒です。
人は、感情の生き物だと言われます。感情が高ぶると、それが収まるまで一気に話し続けることも珍しくありません。
そんなときに、途中で話の腰を折ると、相手の感情を逆でし、さらに事態は悪化してしまうかもしれません。
■コミュ力が低い人ほどマウントを取る
ですから、僕は多少理解できないことがあっても、話を止めることなく、うなずきながらすべての話を受け止めます。
そうすることで、「この人は、自分が感情的になっても、全部吐き出させてくれるんだ」という信頼感につながるのです。
コミュ力が低い人は例外なく、相手の話を取ったり、自分の話ばかりしたりします。無意識のうちに会話でマウントを取ってしまうのです。
「もっと相手の話を聞いてあげたほうがいいですよ」とアドバイスをして、「気をつけます!」と元気よく返事をしたにもかかわらず、また自分の話ばかりするという場面を何度も見てきました。
それくらい自身の会話のスタイルは癖づいているので、親しい人に「自分の話をし始めたら指摘して」などとお願いしてみることもおすすめです。
このように、会話は自分が話すのではなく、相手に話させるものだと胸に刻んでおきましょう。
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タレント
1973年12月4日生まれ、山口県出身。バラエティー番組に加え、経済・情報番組など多ジャンルの番組に出演。300万人超のフォロワーがいるX(旧Twitter)、YouTube「田村淳のアッシュch」の開設、オンラインコミュニティ「田村淳の大人の小学校」を立ち上げるなど、デジタルでの活動も積極的に展開。2019年4月に慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科に入学。2020年8月より、遺書を動画にして、大切な人に想いを届けるサービス「ITAKOTO」をローンチ。2021年3月、同大学院を卒業。タレントの枠を超えて活躍の場を広げている。著書に『超コミュ力』(すばる舎)など。
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(タレント 田村 淳)
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