多くの人は「発言する前」から負けている…ひろゆきが考えた「会議で一言も喋らずに存在感を高める方法」
プレジデントオンライン / 2023年12月13日 9時15分
※本稿は、ひろゆき『ひろゆきさん、そこまで強く出られない自分に負けない話し方を教えてください』(サンマーク出版)の一部を再編集してお届けします。
■少人数なら「あえて話さない」のも効果的
会議といっても場の人数で違ってくるかもしれないので、①5人くらいと、②6人以上で分けてお話しします。
①5人くらいの会議
5人くらいの会議だと、全然話していない人にちょっと意見を聞いてみようかという空気になる場合も多いので、黙っていても発言の場は作ってもらえそうに思います。
でも、もう少し積極的に参加したいのであれば、自分がよいと思う意見の人が話す時は、すごくうなずいてその人の目を見るようにし、そうじゃない時はリアクションを薄くする、というのをやっていくのが手です。
「この人、自分の意見の時にうなずいてたよね」と気づいてもらえると、その人から「どう思います? あんまり話してないようですけど」などと振ってもらえます。要は「この人はたぶん自分側の意見を出すだろう」と思って、ボールを投げてくれるわけです。
もしくは、「○○さんは、あの人が発言している時に反応が薄かったよね。自分もあの人の意見には反対だから、○○さんに振って、反対意見を言ってもらおう」と、ボールを投げてくれるかもしれません。
このように少人数の会議では、自分と同じ側の意見の人に「同調しています」というサインを送り続けることが効果的です。話し合いが2対2とかで拮抗(きっこう)しているのであれば、最後まで意見表明しなかったその人がキーマンになりますよね。
ちなみに、そうやって話を振られた時に、関係を崩さない程度に意表をつく発言をするテクニックもあります。ある程度、話を振ってきた人に同調しつつ、みんなの知らない視点やデータを披露すれば、その場の空気がつかめたりします。
■大人数で発言できなければ「会議の前後」を狙う
②6人以上の会議
5人くらいまでなら同調するだけでなんとかなりますが、それ以上の会議、たとえば40人程度が集まる会合だと、沈黙戦略はほぼ無意味でしょう。
大勢の前で話すのが苦手なら、会議の前後でポジションをとる方法もあります。
みんなに注目されるような視点やデータがあるのでしたら、必ずしも会議の発言で披露しなくてもかまいません。たとえば会議前か終了後にメールだったりSlackだったりで、補足情報をみんなに共有するという方法もあります。
そこで「会議の場では発言していなかったけれど、有用な情報を出してきた人だ」と認識されると、ほかの会議でも「○○さんも言いたいことない?」とか「情報ある?」と、聞かれるようになります。会議で発言しないのに、自然と会議のキーマンになっていくんですね。
だから、話に割って入るというスキルは、べつになくてもいいと思うんです(あったほうがラクではありますが)。「気が弱くて話に入れない」のであれば、あらかじめ役立ちそうな資料を送っておくだけでも、周囲の見方は全然違ってくるはずです。
■会議や話し合いをする前に“答え”は出ている
仕事でもプライベートでもそうですが、だいたい会議や話し合いが始まる前には、もう答えは出てしまっていることも多いです。
たとえば、「旅行の行き先を相談したい」とキラキラした目で子どもに言われた時、子どもにはすでに行きたい候補があるんです。不穏な空気でパートナーから「大事な話をしたい」と言われたら、相手はもうあなたと別れることを決めています。
仕事の会議でも、議題は前もって周知されることが多いです。そしたら、「どういう話になるだろう」とか「こういう資料が必要だろうな」といった想定はできる。なので「たぶん上司はこういうことを言うだろうから、そのためにこういう資料を持っていこう」というシミュレーションをしておくとか、やるべきことが見えてくると思うんですよね。
たとえば会社の海外進出について、ヨーロッパにするべきかアメリカにするべきかというのを、その場で説得していくのは難しいと思うんです。
でも自分で前もって調べておけば、「ヨーロッパのほうが潜在顧客が多い」とか「あの国には日本企業の製品の展示会をやっている企業がある」といった判断の材料は準備できます。
そういう資料を持っていくだけでもいいし、さらにもう一歩進んで、「この資料によると、ヨーロッパのほうがうまくいく可能性が大きいです」と主張することもできます。
■大多数の会社員は当たり前の調査すらしない
このように、議題が出てきた時点で必要な情報はだいたい調べられると思うんですよ。
でも、驚くべきことですが、日本の大多数の会社は怠惰で無能な人が多いので、そんな当たり前の調査をしている人もあまりいないんです。20分くらい検索すれば、ある程度いろんな情報が手に入るんですけど、それもしない人が多いので、それをやるだけで「情報を多く持っている人」と思ってもらえるチャンスが増えます。
こうしたからといって、必ずしもマウントをとれるかはわかりませんが、やっただけの効果はあるはずです。上司が「アメリカがいいよ」と言った時に、「確かにアメリカだとこんな事例がありますよね」とフォローをしてポイントを稼ぐことも可能です。
なお、目立たない人は、同じ主張をしているのに自分の案は適当にあしらわれたり、もっとキャラの立つ別の人が同じことを言ったら褒められたり採用されたりと、理不尽な思いをすることもあるのではないかと思います。
■「軽んじられている」と思ってからが勝負
でも、ここでネガティブな気持ちになってはいけません。こういうことって、よくあることだと思います。それに、同席している人たちの中では「同じことを言っていたよね、あの人も」という記憶は残ります。そんなことを繰り返すことで、「あの人は、ちゃんとしたことを言っている」という実績とイメージが積み上がっていくのです。
「自分は軽んじられているのかな」と思うと、落ち込んだりしがちですけど、気にする必要は実のところ、ないです。確かに軽んじられているのは事実かもしれません。けれども、自分の発言と同じ方向に物事は進んでいますし、周りの人もそれを覚えていてくれているので「ポイントが上がった」と考えれば、いいんじゃないでしょうか。
そもそも、人は普通、軽んじられるものです。いきなりどんな発言でも重宝されるということはないじゃないですか。なので、そこから、どうやってポイントを重ねて信頼してもらい、説得力を持たせるかが重要だと思うんです。
落ち込むのではなくて、そこから勝負しようと考えるのがいいと思います。
■モヤっとしないために①誰にでも「敬語」を使う
人間関係にモヤっとしないための伝え方について、どんな人にも最低限覚えておいてほしいことをまとめておきます。
僕は誰にでも敬語を使っています。
同じ会社に長年いると、部下だった人が自分の上司になったり、同僚が上司になったりするのはよくある話です。特にIT業界では、年下に対してタメ口を利いたりしていると、その人がめちゃめちゃデカい会社の部長にヘッドハンティングされるなんてことが、わりとあるんですよね。そうなると、それ以降、タメ口のまま話すべきなのか、あらためて敬語を使うべきなのかで迷うことになります。
でも、上司になった人や偉くなった人にタメ口を使うのもなんだし、かといって途中で敬語を使い始めたら、きっと相手もやりづらくなります。その気まずさから、なんとなく相手を避けるような関係になってしまいがちです。
最初から誰にでも敬語を話すようにすると、余計なことに悩まなくてすみますし、その人が上司になった時には得をします。それで僕は基本、年下でも敬語を使うというのを実践しています。
そもそもタメ口を利いて得した人を見たことがありません。「年下や女性にはタメ口を利くほうが親近感が湧く」と思い込んでいる男性もいますが、そういう人も、べつに部下や女性と仲良くやっていたようには思えませんでした。ただたんにタメ口を利いているだけ、という残念なケースが多い気がします。
■モヤっとしないために②「絶対」という言葉は使わない
無駄にツッコまれない方法の1つは、「絶対」という言葉を使わないことです。「絶対」と言うと、だいたいツッコまれます。
おそらくかなりの確率でそうなることがわかっているから「絶対」という言葉を使っているのでしょうが、万が一そうならなかったら立つ瀬がありませんし、「絶対」と言いきってしまうと、かえって信憑性のあやしさが浮かび上がったりもします。
なので、「絶対」と言いたいところでは、「たぶん」とか「だいたい」といった言葉に代えて話したほうがいいと思います。
要は断定の表現は避けることです。
同じように語尾も「こうなる」とか「そうなるわけがない」といった断定口調にはせずに、「そういう傾向があります」とか「可能性があります」とか「と思われます」とか、官僚みたいな言葉遣いをするほうがツッコまれないでしょう。
「うまくいかない」は「リスクがある」と言い換えるのがいいです。「うまくいかない」と言っていたことが奇跡的にうまくいく場合もあるでしょう。そうなると、「こいつはリスクをとらないからダメなんだ」と判断されてしまうかもしれません。
でも「リスクがある」なら、「一応こいつはリスクはあるって言ってたけど、まあそうならなくてよかったよね」と、万人に受け入れられるわけです。
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2ちゃんねる創設者
東京都北区赤羽出身。1999年、インターネットの匿名掲示板「2 ちゃんねる」を開設。2015年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。YouTubeチャンネルの登録者数は155万人。著書に『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)、『なまけもの時間術』(学研プラス)などがある。
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(2ちゃんねる創設者 ひろゆき)
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