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自社製品の売り込みも、競合製品の批判もダメ…ひろゆきが考えた「相手を論破せずに商品を買ってもらう方法」

プレジデントオンライン / 2023年12月18日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/maroke

営業で評価されるにはどうすればいいか。2ちゃんねる創設者のひろゆきさんは「熱意のゴリ押しでうまくいっている人を見たことがない。僕はむしろ、相手のためだけの話をするようにしている」という――。

※本稿は、ひろゆき『ひろゆきさん、そこまで強く出られない自分に負けない話し方を教えてください』(サンマーク出版)の一部を再編集してお届けします。

■怖そうな人へのアポは「顔だけ見て帰る」でいい

Q)見るからに怖そうなお客さんがいて、おまけにとても頑固だと社内では噂なんです。よりによって気の弱い私を、何でそんな人のところに行かせるのか……大変不安でたまりません。

そんなに不安に感じる必要はないと思いますよ。頑固で付き合いづらい人ほど知り合いが少ないので、仲良くなっちゃうと信頼を得られるんです。

最初にどうやって近づくかについてですが、もちろんこの場合は「価値のある提案」ができることが一番です。でも、そうでもない場合は、ただただ「会って5分で帰る」ということをきちんとやっていくのがよいと思います。

人付き合いが苦手で頑固な人は、とっつきづらいですよね。当然、ほかの人との接触時間も短くなる傾向があるでしょう。人は単純な生き物で、接触時間が多い人ほど信頼や好感を抱いてしまう性質があります。心理学でいう「単純接触効果」ってやつですね。

だから、付き合いづらい人でも、意味もなく何回も会いに行く、というのを繰り返していると、結果としてその人の中の「仲のいいランキング」の上位になれるんです。そして「もし話をするんだったら、この人がいいよね」というポジションが得られます。

■「なんか買ってください」はNG

雑談とかどうでもいい話をするだけでいいので、「行って5分で帰る」ことを積み重ねていくことです。「顔だけ見に来ました」と言って、本当に顔だけ見て帰ってもいいでしょう。話が盛り上がらず時間の無駄と感じても、「顔だけ見に来た」と言われると、相手からは「自分に好意を持っているんだな」と感じてもらえるので、その後の人間関係が良好になります。

注意点として「顔だけ見に来た」と言っておきながら「なんか買ってください」と営業すると、台無しになってしまいますから、何もしないことが望ましいです。

相手がいなかったとしたら、その時は名刺を置いていくだけでもいいと思います。「わざわざ会いにきてくれたのか」と好感ポイントが上がります。自分の時間を有効に使えますし、信頼を得る上での時間効率がすごくいいんですね。

■「熱意でゴリ押し」でうまくいった人を見たことがない

Q)断られた相手に、熱意を伝えて相手に動いてほしいんですけど、押しつけがましくはなりたくないし、熱く語りすぎると引かれたりします。キャリアが浅く、自分には熱意ぐらいしかないんですが、熱意で押すのはありでしょうか?

僕は、熱意という武器1本でうまくいっている人を見たことがありません。体育会系の業界など、僕の知らない世界ではあるのかもしれないですけど……。

すでに実績がある人が「これを本気でやるんだ」と言うのであれば、説得力がありますよね。たとえば、孫正義さんが「全然説明できないけど、これ本気でやろうと思うんだよ」と言えば、「じゃあ、なんとかなるか」と、多くの人が思うでしょう。また、すでに関係性ができている相手であれば、熱意だけでも話を聞いてくれると思います。

でも、なんの実績もない人が「熱意で成功させます」と言っても、その話を信用することはできません。下手をすると、おかしな宗教や詐欺にしか認識されないでしょう。

必要なのは、「客観的な材料+熱意」にすることです。材料が全然ないのに熱意だけだと、相手には響きにくいんです。実績が足りなくても、客観的に見て「これはうまくいく可能性がある」というエビデンスを用意する。そのうえでの熱意だったら効果はあると思います。

■そこには「相手にされない原因」がある

そもそも、「うまくいかないから熱意で」というのが、おかしいんです。

断られた時は、「押しが弱かったんだ」と思ってやみくもに相手に食らいつくのではなく、「何で相手にされないのだろうか?」と冷静に振り返り、その原因に手をつけていくのが、第一歩です。

もちろん、日産の子会社にトヨタの車を売りに行くみたいに、100%相手が断るだろう場合は、無理だと思うんです。

でも、そういうことではなくて、「今時点ではいらない」とか、「他社製品を買ったばかりなんだ」という理由で断られたのだったら、「3年後の入れ替えの時にどうですか?」とか「うちは、その商品だけじゃなくて別の商品もあるんです」みたいな話ができますよね。

そもそも、本当に相手にされない人だったら、アポすら取れないと思います。アポが取れている時点で、相手は何かしらの価値を感じているのでしょうから、あきらめる必要はなく、できることがいろいろとあるのだと思うんです。

「商品が高すぎるよ」と言われても、「安いプランもあります」とか、「今世の中にある製品だとたぶん3年ぐらいしか持たないけど、弊社のものは10年持ちます」とか、別の魅力を説明できるとよいでしょう。

■「泣き落とし」カードは使うタイミングを選ぶ

人間関係ができている相手であれば、こちら側の一方的な熱意だけでなんとかなることもあります。たとえば、懇意にしている店長さんに、「仕入れてくれないと、上司に怒られて大変なんです」と同情を買う手もありですよね。

ただし、こういった「泣き落とし」カードは、あまり多用すると使えなくなるので、本当に必要な時以外は使わないほうがいいでしょう。日頃、土下座などしなさそうな人だからこそ、効力がある方法なので。

ちなみに、泣き落としができるような関係の人を作っておくことは、何かと便利には違いありません。

今回は自分が泣き落としでお願いしたけれど、今度相手が泣き落としをしてきた時にはそれを受け入れるといったように、貸し借りができる間柄であること自体が、ある種の共犯関係になって、より人間関係が強くなったりするんですよね。

キャバクラでの接待のようなものには基本的にネガティブなイメージが強いのですが、あれは相手と共犯関係になるという目的があるんです。「あいつ、接待でキャバクラとか風俗に行ってたぞ」と自分の会社の人にバラされるという弱みをお互いに握ることで、共犯関係が成立します。それによって、より深い話がしやすくなる。

正当な手段とはいいづらいですが、そのカードを使って結果を出している人もいるところにはいます。

念のためにいっておくと、そういう接待を勧めているわけではありませんよ。

■時には自分に不利になる情報も伝える

相手から信用されたいなら、相手のための提案に徹することが大事です。「相手のため」に徹するとは、時には自分に不利になる情報も、相手のために提供することです。

商談の場を例にすると、どんな会社でもプロジェクトでも、相手には相手なりの目的があります。その目的を成功させるには、時には自分の会社のものではない製品を買うほうがいいこともありますよね。ならば、「うちのじゃなくて、他社のですけど、あの製品を入れたほうが得です」という話をします。

こういう自分には不利な情報でも相手のために伝えることで、相手の信頼を得て、人間関係が続いていくんです。たとえその商談が不成立になっても、何か別の時に「だったらあの時に来た人の話を聞いてみよう」という流れが生まれたりします。

企画会議をする二人のビジネスパーソン
写真=iStock.com/kickimages
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kickimages

■「相手のため」に徹することが成功の近道

ひろゆき『ひろゆきさん、そこまで強く出られない自分に負けない話し方を教えてください』(サンマーク出版)
ひろゆき『ひろゆきさん、そこまで強く出られない自分に負けない話し方を教えてください』(サンマーク出版)

そもそも自分の利益を最大化することしか頭にないような相手と話したいと思う人は、あまりいないと思います。「この人は自分たちのために考えてくれている」と感じてもらえれば、「あいつだったらまた、何かいい提案をしてくれるんじゃないか」と評価され、話を聞く価値のある人として重宝されるのです。

だから僕は、相手の利益のためだけの話を結構しますね。自社商品や自社サービスを買わせられなくても、「自分の提案に乗ることで相手が成功した」という経験を相手にしてもらうのです。見方を変えれば、売れたのが自社商品ではないだけで、自分の提案には価値を感じてもらえているのです。

こんなふうに「こいつの話に乗ったほうが得をする」という経験をいろいろな相手に積んでもらうことが、長い目で見た時の成功の近道です。そうすると、次回別の話をした時に、「こいつの話に乗ったほうが得するかもしれない」と考えてもらえますから。

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ひろゆき(ひろゆき)
2ちゃんねる創設者
東京都北区赤羽出身。1999年、インターネットの匿名掲示板「2 ちゃんねる」を開設。2015年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。YouTubeチャンネルの登録者数は155万人。著書に『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)、『なまけもの時間術』(学研プラス)などがある。

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(2ちゃんねる創設者 ひろゆき)

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