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秀吉から「褒美をやる」と言われた賢い家臣は何を頼んだか…「一生食うに困らない報酬」を約束させた方法

プレジデントオンライン / 2023年12月29日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Wako Megumi

お金を確実に増やすためにはどうすればいいのか。資産形成アドバイザーの福田猛さんは「投資に手を出すのが怖い人には『積み立て投資』が向いている。最大の利点は、長く続ければ続けるほど元本が増える『複利』を得られる点にある」という――。

※本稿は、福田猛『この世でいちばん臆病な投資生活』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。

■慎重すぎる人には投資信託がおすすめ

投資信託は派手さはない、地味目な投資法です。

しかし、地味だからこそ手堅くコツコツ利益を積み重ねていけます。それは慎重すぎる人のライフスタイルにピッタリではないでしょうか?

ここで、投資信託の代表的なメリットについてご紹介します。普通の投資のイメージとはずいぶん違うのだと感じていただけるのではないでしょうか。

①売らなくていい

基本的に、投資は売ったときに利益を得られます。

といっても、それが一番難しいのです。

「もう少し値上がりしてから売ろう」「もう少し」「まだまだ」とタイミングを見計らっていたら、急に下がり始めて「あっ……」とオロオロしているうちに、売れなくなってしまった。それは「投資あるある」です。

投資信託は、売らなくていい投資です。

今の商品をすぐに売る必要も、他の商品を買う必要もなし。運用会社があなたの代わりに、投資信託の中で売買をやってくれます。資産がたっぷり貯まった段階で投資信託を売れば、大きな利益を得られます。

■「相場を読む」なんてプロでもほぼできない

②相場を読まなくていい

基本的に、多くの投資は「相場」を読んで「もっと上がるか、下がるか」を判断します。

投資信託ではその必要はありません。投資信託の「積み立て投資」という方法を選べば、いつ買ってもいいので、相場は関係なくなります。

皆さんは、プロ中のプロであるファンドマネージャーは、「株式の相場」をどれくらい予想できると思いますか?

答えは、「ほとんど予測できない」です。

私はこれまで国内トップクラスの優秀なファンドマネージャーにたくさん会ってきましたが、短期の相場を予想できると言った人は、ただの1人もいませんでした。

投資信託のファンドマネージャーは、3~10年といった中・長期的な視点で企業を分析しています。

短期的な株価の動きではなく、長期的に見て「その企業は生き残っていけるかどうか」を分析しているから、長期間運用できる投資信託をつくれるのだと言えます。

「ウクライナショック」「コロナショック」「リーマンショック」のように暴落するときは「ショック」と名付けられますが、どんなに相場予測がうまい人間でも事前に予想できないから、文字通りの「大ショック」を受けるわけです。

それも4年に一度くらいのペースで、「○○ショック」に巻き込まれるのが自然の理で、防ぎようがありません。

相場を読む力を鍛えられるなんて幻想だと思ってください。

元々読めない相場なら、相場を気にしなくていい投資をすれば、心穏やかに過ごせます。

■毎日のように一喜一憂する必要がない

③分散投資をしなくていい

投資をしたことがない方でも、リスクを減らすためには「分散投資」がいいという話を聞いたことはあるのではないでしょうか?

株式投資で1つの銘柄だけではなく複数の銘柄に投資しましょうとか、株だけではなく不動産にも投資しましょうと、よく言われています。これは1つの商品しか投資していない場合、その商品が大きく値下がりしたときに、資産が大きく減ってしまうからです。

投資信託は、1つの商品を買うだけでOKです。

なぜなら、複数の銘柄をまとめて1つの商品にしてある詰め合わせパックのようなものだからです。商品によっては、株式だけではなく債券や不動産にも投資して、1つの商品にしてあるものもあります。

だから、1つの商品で分散投資をできてしまうのです。

④毎日株価をチェックしなくていい

慎重すぎる人は、毎日証券会社の口座をチェックして、「あ、下がってる!」なんてショックを受けるのは耐えられないかもしれませんね。それが嫌で投資をしたくない人は多い気がします。

投資信託は長期間保有したほうがいいので、日々の価格がどういう動きをしていようが関係ありません。

1カ月に1回、今の価格を確認するくらいで十分です。

■市場の取引と無関係でいられる

⑤リアルタイムで取引しなくていい

株式投資の場合、基本的に取引市場が開いている時間帯に売買しなくてはなりません。その市場が開いているのは、平日の9:00~11:30と12:30~15:00です。

「えっ、それじゃあ取引できないじゃん!」と、ビジネスパーソンなら誰もが思うでしょう。

日中働いている人たちが、いつどのように売買しているのかは私にとっても謎です。昼休みの短時間に取引しているのかもしれません。

一応、指値(さしね)や成行(なりゆき)注文といった取引を予約できるシステムもあるのですが、予約していても買えるとは限りません。それに、その方法を覚えるのは面倒ですよね。

また、最近は夜間に取引できる「PTS市場」というものも注目されていますが、あまり利用している人は多くないので、取引が活発に行われていないというデメリットがあります。

投資信託を積み立て投資するなら、売買しなくていいので、市場での取引とは無関係でいられます。

■豊臣秀吉からの褒美で「複利」を得た賢い家臣

⑥複利の効果を得られる

複利は、投資信託の積み立て投資で得られる「おいしいシステム」です。

たとえば毎年3%の利息がもらえる場合で考えましょう。元本(がんぽん)を100万円とすると、1年目には「3万円」の利息がもらえます。では、翌年も利息3万円がもらえるかというと、これが違うのです。翌年は利息分3万円を加えた「103万円」が元本になります。ですから、その利息3%分にあたる「3万900円」がもらえます。不思議ですが、最初の年より900円も増えているのです。

つまり、複利は、投資を続ければ続けるほど、元本が増えていってくれるのです。さらに、元本が増えればおのずと利益も増えるおいしいシステムです。

これがどんな効果を生み出すのか、複利の説明でよく用いられる曽呂利新左衛門(そろりしんざえもん)のエピソードをご紹介しましょう。

曽呂利新左衛門は豊臣秀吉の家臣で、ある日、褒美をもらえることになりました。

「何がいいか」と尋ねられた新左衛門は、「初日は米1粒、2日目は2粒、3日目は4粒、4日目は8粒というふうに、1カ月間、前日の倍の数の米粒をください」と言います。

秀吉は「なんだ、そんなものでよいのか」と安請け合いしたのですが、途中でとんでもない事態に陥ります。実はこれ、1日あたり100%の複利なのです。

白米とマス
写真=iStock.com/4nadia
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/4nadia

■株式投資は「紙くず化」と隣り合わせ

新左衛門の望み通りに米粒を与えると、2週間後にようやく8192粒。これは1合を少し超える程度の量です。

ところが、1カ月後にはなんと5億3000万粒余りとなって、およそ200俵もの米を与えなくてはならなくなります。1俵は約60キログラムなので、12トンという、とてつもない量です。

秀吉は途中でこのことに気づき、別の褒美に変えてもらったそうです。

これが複利の効果です。イメージできたでしょうか?

⑦0円にならない

株式投資でよく聞くのが、「紙くずになる」というたとえ。

実際には、今はネットでの取引がメインなので、紙の証券でやりとりするわけではありません。

上場している企業が倒産すると、その株式は取引できなくなるので換金できなくなります。つまり、投資したお金はパア。

日本では大企業は政府が救うから大丈夫と言われていますが、2010年にはJALが経営破綻して紙くず化しました。やはり、株式投資は紙くずになるリスクと隣り合わせだと考えたほうがいいでしょう。

■安全な投資信託にもデメリットはある

投資信託は、そもそも分散投資しているから「紙くずリスク」は低いですが、さらに安心な仕組みがあります。それは、運用を行う運用会社、販売を行う金融機関等、信託財産を管理している信託銀行が破綻しても、投資家が預けたお金は投資額にかかわらず分別管理され、守られるということです。

これらの会社が破綻しても他の会社に移されて運用が続くか、その商品が終了となってもそのときの時価でお金が戻ってきます。だからゼロになることはほとんどありません。

ここまで投資信託のいい面についてお話してきましたが、どんな投資でもデメリットもリスクもあります。

それをあらかじめ知っておけば、心構えができるでしょう。

①すぐには大きく利益を得られない

投資信託は長期運用を目的につくられた商品なので、短期的な売買には向きません。なかには短期取引目的のための投資信託もありますが、基本には長期目的です。

それはつまり、すぐには大きく利益を得られないということです。

買って数カ月で売ってもほとんど利益はないでしょうし、2、3年で売っても微々たる利益しかないでしょう。

■人気ランキングの商品に飛びついてはいけない

投資信託はいい商品を選べば20年後、30年後には大きな利益を得られるのですが、それをよく分からないまま投資を始めた方は、2、3年投資したら「全然儲からないじゃないか!」と解約してしまったりします。

「10年も20年も待てない」という方には、投資信託は向いていません。

②似たような商品が多くて選べない

投資信託を買おうと証券会社のサイトを見てみたら、同じような名前の商品がずらりと並んでいて、「違いが分からない」と戸惑う方も多いでしょう。

「だったら、販売金額人気ランキングの上位を選べばいいのかな?」と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。それは危険な落とし穴です。

残念ながら、投資信託はすべてがいい商品というわけではなく、むしろ長期間投資できるようないい商品はごくわずかです。

オフィスでミーティング
写真=iStock.com/psisa
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/psisa

それは証券会社の事情に詳しい金融のプロでないとなかなか見極められないものです。ですので、今人気がある商品や話題の商品に飛びつかないようにしましょう。

私が選んだおすすめの投資信託の商品は拙著『この世でいちばん臆病な投資生活』(サンマーク出版)でご紹介しています。

■元本保証はないことを頭に入れておく

③そもそも選び方が分からない
福田猛『この世でいちばん臆病な投資生活』(サンマーク出版)
福田猛『この世でいちばん臆病な投資生活』(サンマーク出版)

株式投資だったら、「やっぱりトヨタかソフトバンクかな?」のように有名な企業を選ぶ基準にできますが、投資信託は何を基準に選べばいいのか分からないでしょう。

証券会社のサイトを見て、「騰落(とうらく)率? レーティングアップ?? 何それ」と専門用語に拒否反応が出て、すぐにサイトを閉じてしまう方もいるかもしれません。

大丈夫です。証券会社のサイトに出ている情報をすべて理解しなくても、投資信託は選べます。

④元本は保証されない

これは投資信託に限らず、運用商品は、基本的に元本は保証されません。

投資信託も、いい商品を選んでも、この先何が起きるのかは分からないので、ひょっとしたら売却額が投資額を下回る可能性があることは知っておきましょう。「元本保証じゃないなら買わない」と考えるのではなく、「正しく付き合う」ことが重要です。

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福田 猛(ふくだ・たけし)
資産形成コンサルタント、ファイナンシャルスタンダード代表取締役
1400億円以上を仲介で預かる日本トップの投資アドバイザー集団、ファイナンシャルスタンダード株式会社を率いる創業社長。大手証券会社を経て、2012年に同社を創業。これまでに6000人以上のお金の悩みをサポートしてきた“お金のお医者さん”。大手金融機関に属さない独立系アドバイザー(IFA)として、ファイナンシャルプランと資産運用で個人投資家の味方になれる存在。楽天証券IFAサミットでトップ10に11年連続で表彰される。「正社員型」のIFAとしていま日本でいちばん信頼されているアドバイザーだが、ひとたび帰宅すれば、家族(愛犬はミニチュアダックス)とウイスキーを愛するいたって庶民的な40代男性。

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(資産形成コンサルタント、ファイナンシャルスタンダード代表取締役 福田 猛)

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