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「はいはい」「誰か何か言ってやって!」は最悪…おやじギャグでスベった上司を救い出すツッコミフレーズ3例

プレジデントオンライン / 2024年1月17日 11時15分

出典=『すぐに使える!おもしろい人の「ちょい足し」トーク』

ダジャレやおやじギャグの連投で場の空気を凍らせる人にどう対処すればいいのか。お笑い芸人・研修講師の桑山元さんは「さむいダジャレで周囲を妙な雰囲気にしてしまい恥ずかしい思いをしている人がいたら、あなたがツッコんで、スベリの共犯者になることで、場の空気も救える」という――。

※本稿は、桑山元『すぐに使える!おもしろい人の「ちょい足し」トーク』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

■ツッコミがわかると「好感度爆上がり」の法則

ツッコミとは相手の面白さを見つけ出し、それを通訳し橋渡しする役割。相手の良さや面白さを見つけ出すことを、意識してトレーニングする

多くの人がツッコミの役割を「怒る役」「ドツク役」「訂正する役」と勘違いしていますが、ツッコミとは『通訳』して『橋渡し』する行為なのです。

私がザ・ニュースペーパー時代にお世話になっていた先輩で、松下アキラさんという方がいらっしゃいます。その方のハマリ役の一つに元首相の小泉純一郎さんネタがあります。その演説の中にこんな台詞があります。

小泉「痛みを伴う構造改革。今こそ、痛みに耐える時です。耐えて、耐えて、耐え抜く。そうすれば、そのうち、必ず……痛みに慣れます‼」
ツッコミ「何でだよっ‼」

実際は演説ネタなので、その場で聞いているお客さんが心の中でツッコミを入れるスタイルになりますが、ここでは便宜上わかりやすくするために、あえてツッコミを表記しました。

この「何でだよっ‼」をたいていの人は“訂正”だと捉(とら)えてしまいます。違うんです。これは「痛みに耐え抜けば、そのうち、必ず……明るい未来が訪れます」となるべきところを「痛みに慣れます」と言い切ったことに対して、「何で、そっちに結論が行っちゃうんだよ」という“リアクション”をしているのです。

■「この人、変なことを言ったんですよ」と橋渡し

では、ツッコミを、もう少し細かく分解・分析してみましょう。

① 本来は「明るい未来が訪れます」と言うべきところを「痛みに慣れます」と言ったんですよ、と気づかせる『通訳』の役割

② 「皆さん、気づいてますか? 今、この人、変なことを言ったんですよ」とお客さんに告知して『橋渡し』をする役割

ボケ「まだ6月なのに気温30度だって。このままいくと12月には50度を超えるね」
ツッコミ「そんなわけあるかっ‼」

このベタなやり取りでも同じことがいえます。

「この人、変なこと言ったよ」という『橋渡し』と、「12月になれば冬だから逆に寒くなりますよね。でも、この人はそれをわかってないんですよ」という『通訳』をしているのです。

ツッコミは一般的には短ければ短いほどいいといわれています。それは長々と『通訳』(解説)すると、面白さが失われるからです。ただし、ギュッと短く凝縮するので、つい「訂正」や「怒り」だと思われてしまうのです。

そして、その勘違いがさらなる悲劇を生みます。ツッコミを習得しようとする人が、ツッコミの本当の意味や役割を知らないまま、ツッコミのフレーズやテクニックだけをマネしようとしてしまうのです。

これは、料理の材料や調理器具の使い方などを理解しないまま、見よう見まねで料理をするようなものです。当然の結果として失敗します。早くいえばスベります。

ウケないからといって、勢いやテンションをマックスにしようものなら、見ているだけで痛々しい人の出来上がりです。

マスターすべきは、ツッコミの「フレーズ」や「間」や「テクニック」ではありません。通訳して橋渡しをするという「ツッコミマインド」なのです。このツッコミマインドをマスターしておけば、相手を不快にさせる失礼なツッコミをすることもありません。さらには、ツッコんだ相手から喜ばれます。

だって、そうでしょう? あなたの発言を誰かが拾って、自分も考えていなかった面白さを際立たせてくれたら、嬉しいに決まっています。

まとめます。今よりちょっと面白いトークをやりたいなら、まずはボケて笑いをとることを手放しましょう。それよりハードルが低い“ツッコミ”を習得しましょう。

ツッコミとは、相手の面白さを見つけ出して、それが他の人にも伝わるように通訳して橋渡しすること。トレーニング方法としては、街中の気になる風景から「何故それを面白いと感じたのか?」を自分なりに分析してみましょう。

まずは相手のいいところを見つけてみましょう。どうです? そんなこと、心掛けたこともなかったでしょう?

え? 普通すぎる? 何だ、その平凡な結論は、って?

それそれ! そのツッコミこそ、私の発言の面白さを通訳して橋渡ししている行為です。

出典=『すぐに使える!おもしろい人の「ちょい足し」トーク』

■ダジャレを言われた時「安心サポートツッコミ」

周囲の空気を凍らせるダジャレで、恥ずかしい思いをしている人がいたら、あなたがツッコミ、スベリの共犯者になることで、場の空気も救える

突然ダジャレをぶっこんでくる人っていませんか? そう、あの周囲の空気を凍らせるオヤジギャグです。こんな時、あなたはどうしていますか?

出典=『すぐに使える!おもしろい人の「ちょい足し」トーク』

スルーしますか? 何もなかったものとして、違う話題にいっちゃいますか? それとも「いや、それ、全然面白くないからっ‼」とみんなの気持ちを代弁して、先陣切ってツッコミを入れますか?

私なら、どの方法もとりません。しかし、どれも場合によっては間違いではありません。

そう、場合によっては。

では、どんな場合にこれらが成立するかというと、ツッコム側とツッコマレル側のラポール(信頼関係)が構築されていて、なおかつ、周囲が2人の関係性を認識している時だけ成立するのです。

テレビ番組などでは、この環境が整えられています。いわゆるスベリ芸と呼ばれている人は、自分がスベってイジられることがオイシイと認識しています。

逆にツッコミは、スベリ芸の人に遠慮するとスベリ芸の良さを殺してしまうことを知っています。だからこそ、あえて強めにツッコムのです。

視聴者もこの構図が面白いことを知っています。ドS対ドM。どちらも楽しんでいるということが感覚的にわかるのです。だからツッコマレタ側が納得していない表情や、笑いとは程遠いような顔つきをしていると、炎上騒動に発展することになります。

テレビ番組ですら、そうなのです。この状況を2人の関係性が約束されたものでもなく、周囲に認知されているのかも怪しい日常で行なったら、どうなるでしょう。私には多大なるリスクにしか見えません。

■おやじギャグでスベった上司を救うツッコミフレーズ3例

では、どうするか? ツッコミの定義って何でしたっけ? 誰かを踏み台にして自分が面白く思われることでしたっけ? 真逆ですよね。誰かの面白さを自分が見つけ出して、みんなに通訳して『橋渡し』してあげることでしたよね。

だったら共犯者になってあげましょう。スベった側に寄り添って2人で小ボケを完成させましょう。具体的には「あ、この人スベった‼」と感じた瞬間に、ちょっと盛り気味に笑います。

スベったことは本人が一番よくわかっています。……ごくまれに、自覚できていない方もいらっしゃいますが。そしてたいていの場合は、耐えがたいほど恥ずかしい思いをしています。勇気を出して場を盛り上げようとしたのにもかかわらず……です。

そんな人を放置しておいて良いはずがありません。ましてや死人に鞭(むち)打つ行為は、もってのほか。ところが、ツッコミの本当の意味がわかってない人は無意識に「全然面白くないし‼」「はいはい‼」「誰か何か言ってやれよ‼」と晒(さら)し物にしてしまうのです。

それではダメなんです。まずは笑って受け止めてあげましょう。たとえ、面白くなかったとしても、ナイスファイトに対して、笑いのハグをしてあげましょう。

じゃあ、笑ってあげた後、妙な雰囲気になったらどうするの? そりゃ妙な雰囲気になりますよね。だって、元々“面白くない”んだもん。そんな時はこう言いましょう。

「え? あれ? 面白いのは私だけ?」
「いや、1周回って面白いと思ったんだけどなぁ」
「どうやら時代がまだ私たちに追いついていないようですよ」

重要なのはフレーズではありません。自ら進んでスベリの共犯者になってあげることです。ここで言う「安心サポート」ツッコミとは、ツッコムあなたの立場を安心サポートすることではありません。スベってしまった人を安心サポートするために、あなたがツッコム(共犯者になる)ことなのです。

これによって、勇気を出した結果スベってしまった人も、場の空気も、あなたによって救われるのです。ただ1つだけ注意して頂きたいことがあります。なかには、「あなたに救われた」ことに気づかず、自分のボケがウケたと思ってしまう人がいるということです。

そういう人はあなたに依存してきます。見切り発車で、成立していないボケを連投してきます。そんな時は、いつでもフォローに付き合うわけではないことを、やんわりと、しかしきちんと伝えましょう。

「すみません。現在、フォローが在庫切れです」

スベってしまった人と共犯者になる「安心サポートツッコミ」は、場の空気も救い、みんなからとても感謝されるすぐれものなんです。

「安心サポートツッコミかぁ。笑いのコーディネートは、こうでねぇーと‼」
「ははは……(盛り気味笑い)。あれ? 1周回って面白いと思ったんだけどなぁ」

出典=『すぐに使える!おもしろい人の「ちょい足し」トーク』

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桑山 元(くわやま・げん)
お笑い芸人、研修講師、俳優、講演家
早稲田大学卒業後に損保会社に入社後、声優養成所を経て、社会風刺コント集団ザ・ニュースペーパーに19年間在籍。コント出演の他に脚本執筆などを担当。現在はお笑い芸人(俳優)と研修講師の二刀流として活動。ビジネスマン経験とお笑い芸人経験を併せ持つ稀有な存在として重宝されている。

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(お笑い芸人、研修講師、俳優、講演家 桑山 元)

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