「1日に3件連続で"祈られ"た…」不採用メールを大量受信しても病まずにいられる"鋼メンタル"の養い方
プレジデントオンライン / 2024年1月19日 11時15分
※本稿は、トテ ジェニファー麻綾『学生がキャリアアップするためのインターンシップ活用術』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。
■就活を勝ち抜くためのマインドセット
自分の機嫌をうまくとり、精神状態を安定させる
就活中は何かと病みやすい。新しい人と出会う回数が多く、選考では常に緊張にさらされ、就活対策にも熱を入れていれば、ストレスに悩む理由としては十分である。年次を重ねるごとに授業数の減少はあるだろうが、新たにゼミや卒論が加わり、学業をおろそかにできない毎日は変わらず続いていく。
これらの日常に就活イベントが上乗せされるため、何をどうしても日々の活動量は2倍、3倍に膨れ上がる。これまではなんとも思わなかった活動が、就活がはじまることで岩のように重くのしかかるのだ。そうなると、授業の合間に選考を受けることや、深夜にエントリーシート(ES)を書く状況が多発する。
精神的な負荷が大きい中でスケジュールに追われる毎日を過ごしていると、心に余裕がなくなる。
ブルーな気持ちのまま選考を受けても、本来のパフォーマンスは発揮できず、学業においてもいまひとつ集中することができず、人間関係ではささいなことにイライラしてしまう。就活中であっても就活前と同等の精神状態を維持するには、昔からの趣味に打ち込む、家族・友人との交流を楽しむ、新たな娯楽を見つけるなど幸福の軸を複数持つことにより、メンタル面のリスクヘッジをすることが重要である。
リソースの割き方や入魂レベルが就150%、学業50%、趣味50%、家族・友人50%、サークル50%では、幸せのリスクヘッジはできていない。幸福軸のどれかに依存するのではなく、就活70%、学業70%、趣味70%、家族・友人70%、サークル70%といった具合で、全ての軸で赤点にはならないものの満点以上ではない程度の感覚を持つイメージだ。
就活が上々ならば満足感に浸り、サークルのイベントがあれば仲間と存分に楽しむ。ひとつの軸に執着する必要がなくなることで、何かがうまくいかずに気が滅入ることがあっても、「ほかにも幸せなことあるし!」といい意味で楽観的な感情が芽生えてくる。
就活は長期戦だ。スタートダッシュに全力を使い果たしすぐにエンストするよりも、長きにわたって健全な精神状態を保つことのほうがはるかに大切だ。
■1社だけにこだわりすぎない
選考連絡は、内定の文字を見るまでに何度も届くことになる。複数社受けているため、複数回連絡が来るという話ではない。エントリーシート(ES)の通過連絡、テストの通過連絡、グループディスカッションの通過連絡、面接の通過連絡と、選考フローごとに一報が来る。
すなわち、内定を得たということは、ひとつの企業からの連絡を待っていた時間が何度もあったということ。実際のところ、1社しか受けないという状況にはならないため、連絡回数はおおよそ、「企業数×各企業の選考フロー数」となり、下手をすれば数百の連絡を見ることになる。
選考結果のお知らせは何度もらっても慣れるものではない。携帯に通知が来るたびにドキドキし、着信に出たり、メールを開いたりするだけで心臓がキュッと縮こまるような感覚になる。そのたびに気持ちが右往左往し、心がかき乱される。
選考結果が良かった、悪かったという問題ではなく、この通知をコンスタントに何度も受け続けること自体がハードなのだ。志望度の高い企業から落とされた日には、ため息が止まらず、何をする気にもならない。しかし、これが影響して本来できることもできなくなってしまえば元も子もない。心情の起伏を軽減させる免疫のようなものをつけることで、就活に適応しようと試みることは可能である。
何件もの通知が来ることは負荷であると同時に、通知数が多くなるほどにひとつの通知にしがみつく比重は小さくなる。片手で数える程度の企業数しか受けていなければ、1社落ちるだけで大ダメージだが、十数社~数十社の企業を受けているのであれば、1社落ちてもまた次があると切り替えがしやすい。
多くの選考連絡を受けるということは、結果のいい悪いにかかわらず、それだけの企業選考をこなしていること、その分多くのチャンスがあることを意味する。就活が終わる最後の最後まで、慣れないことには変わりない。けれども、いまも昔も好物というにはほど遠いが、大嫌いだった食べ物が少し食べられるようになるくらいには耐性がつく。
■不採用=社会から求められていないということではない
「慎重に検討した結果、残念ながら、採用を見送らせていただくことになりました」の一文が真っ先に飛び込んでくるお祈りメール。就活をはじめる前は先輩が「祈られた」と口にする姿を目にし、何のことやらと素知らぬ顔をしていたが、いざ自分が祈られるようになると、その威力を痛いほどに感じる。
実際に、1日に3件のお祈りメールを受けたときにはかなりズシリと響くものがあった。選考内容により合否が決められると頭では理解していても、「とにかく自分には運がないな」「悪いことは続くというが、それは本当だったのだ」とつぶやきながら、やり場のない悶々とした気持ちをなんとか鎮めようとしていた。
あまりにもお祈りメールが続くと、自分は社会から必要とされていない人間なのではないかという思考に陥ってしまうこともある。社会に貢献するために働きたい。それを実現するために自分の強みやビジョンを語り、企業から太鼓判を押されようと試行錯誤を繰り返す。それなのに、「ダメでした」という連絡が続けば、自分の生き方や人生を否定されているように感じる人もいるだろう。
時間をかけて打ち込んできたことや、本気で挑戦したこと、成果を上げたことなど人に誇れるようなカードを召喚した上でノーと言われてしまえば、「いままでやってきたことは一体全体何だったのだろう」という気持ちになる。
しかし、お祈りメールが原因で自身を否定し、追い込んでしまうのは間違いだ。
企業の数は途方もないほどある。人手不足が叫ばれている業界も多い。働き方や業務内容、業界内での順位など絞り込みをかければ該当する企業数は確かに減少するが、それでもなおエントリー可能な企業は有り余るほどにある。
それに、自分と全く同じ人間はいないように、自分と完璧にマッチする企業は存在しないと思っている。就活は、働きに求める軸や自身の価値観に近い企業を探す旅であって、パズルのようにぴったりとはまる企業を見つける宝探しをするわけではない。
だからこそ、お祈りメールが来ても、「たまたまこの企業に自分は合わなかっただけ」という程度に受け取り、スルーしていいはずだ。
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MAVIS PARTNERS トレーニー、共立女子大学ビジネス学部4年
サイバーエージェント、キュービックにてWEBマーケティング、メディアの企画・運営のインターンに従事。その後、オフショア開発セールス事業、長期インターン斡旋事業での起業を経てMAVIS PARTNERS株式会社にインターンとして入社。就活では外資系金融、外資系IT企業を中心にインターン(ジョブ)に参加し、うち複数社から内定を得た。
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(MAVIS PARTNERS トレーニー、共立女子大学ビジネス学部4年 トテ ジェニファー麻綾)
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