正社員に尊敬されるインターンは"時間の粒度"が違う…成果を上げる人は来た球をすぐ打つ"壁打ちの天才"
プレジデントオンライン / 2024年1月19日 11時16分
※本稿は、トテ ジェニファー麻綾『学生がキャリアアップするためのインターンシップ活用術』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。
■成果を上げるためには切り離せないアウトプット思考
パフォームしているインターン生はどんな人?
いよいよインターンがスタートしたと仮定する。周りには先輩インターンが何人もいる状況だ。まずは正社員から業務内容や社内ルールなどの説明があるだろうが、いざ仕事に着手すると、この先輩インターンという存在を常に横目で意識しながら働くことになる。
先輩インターンといえど、同じ学生という立場でインターンをしていることには変わりない。自分と環境が似ている分、正社員よりも身近な存在であり、最初に目指すべきベンチマーク(※1)として目が向くようになる。
そのときに、この人のようになりたい! と思うインターンや、社員からも評価を得ているインターンには同じ共通点が見られる。社員などから尊敬をされているインターン、言い換えるとパフォーム(※2)しているインターンはほぼ例外なく、アウトプット思考で仕事をしている。取り組んだ過程がどうとか、ここまで考えたから評価がほしいとかではなく、最終的に提出した成果物の内容で信頼を獲得している。
ゆえに、時間に対する執着が強い。これは今日1日で何をしたのかといった粒度よりももう1段細かい。いまこの30分で何をしたのか、これから1時間でここまでは終わらそう、このリサーチは1社あたり5分と考えて、3時間で36社調べるぞ、という具合だ。
B:「1500円です」
A:「このタスクに何時間かけましたか?」
B:「4時間です」
A:「あなたがクライアントだったら、この成果物を6000円で買いたいと思いますか?」
というようなやりとりを目にしたことがある。これはAが正社員の上司、Bがインターンで、インターンが上司からフィードバックをもらっていた際の会話にあたる。
このやりとりを聞いて以来、自分がクライアントだったら○○円かけてこれを買いたいと思うのか自問自答するようになった。イエスであれば時給以上のバリューを出せている可能性が高いし、ノーであれば時給以下の働きしかできていないかのうせいっが高い自分でアウトプットのレベル感を確認する手っ取り早いやり方であろう。
■“とにかく出す”精神で質を気にする前に量とスピードを
では、アウトプット思考になるためにはどうしたらよいのだろうか。時間に対する執着が大事というのは自分でその都度意識できるかどうかの問題なので、もう少し根本的な考え方を示したい。
まず、入社して間もないころに、80点の成果物を2日間かけて提出するのと、60点の成果物を1日で提出するのではどちらがいいと思うか考えてみてほしい。私の答えは、60点の成果物を1日で提出するほうだ。
100点以上で出すのが厳しいと分かり切っている状況なのであれば、早いほうがいいに決まっている。それに後者のほうであればおそらく、1日目の時点でフィードバックをもらい、修正することで2日目の時点では80点も超えられる。
多くの場合、「ちゃんとしたものを出さなきゃ」という意識が強すぎて、アウトプットの中身からこだわりはじめる傾向がある。決して、質を良くしようという心意気が悪いわけではなく、むしろその気持ちはあるに越したことはない。
ただ、入社して数カ月以内のころは、アウトプットの質よりもアウトプットの量と提出するスピードにフォーカスすべきだと思っている。入社してすぐの段階で、はじめから高品質の成果物を出すのは難しい。であれば、成果物の量とスピードで価値を出すのが分かりやすく信頼を獲得できる方法だろう。
時間をかければかけるほど、上司はどんなアウトプットが出てくるのだろうと期待して待つことになる。しかし、上司を待たせることほどにリスキーなものはなく、待たせた時間の分だけどんどん期待値は上がっていく。
そして、提出したときに期待値を超えられず、「こんなに時間かけといてこれ?」となってしまう。反対に、多少質が低くとも早く出すことができれば、まず、「お! はやいね」という反応がもらえる。
上司としても、「中身は直すところがあるけど、こんなに早く出してくれたのだから修正する部分があっても仕方ないか」となる場合が多い。
質は後から鍛えられる。それよりもまずは量とスピードで周囲をあっと言わせることのほうがよっぽど重要であろう。
■フィードバックに一喜一憂しないマインドセット
アウトプット思考で成果物を早く出すということは、すなわち、フィードバックをもらう回数や壁打ちをする回数が増えることを意味する。提出する→フィードバックをもらう→再度考える→壁打ちをする→再提出するといったラリーの回数が増えるためだ。
フィードバックの内容はどんな企業で何のタスクを担当しているかによって異なるため一概にはいえないが、MAVIS PARTNERS(筆者がインターンとして働いた企業)では、内容面と体裁面に分けて箇条書きで挙がってくることが多い。
例えば、定例会の資料を作成しているときならば、「資料1枚目、構造化の分け方ですが、オブジェクトごとに粒度感が違いませんか?」というのが内容面、「テキストボックスがずれています。ちゃんとCtrl+Aで確認しましたか?」というのが体裁面の指摘にあたる。
このフィードバック、慣れるまではメンタルにくるものがあるかもしれない。成果物をよりよくするためのものときっぱり割り切る気持ちが必要で、あまり深く考えすぎないほうがいい。
もちろん、上司の時間を割いてフィードバックをもらっている以上、ブラッシュアップをする際にはフィードバック内容をしっかりと反映させなければならない。しかし、「この成果物を出したらなんて言われるかな」と考えてしまい、提出することをためらうようになるのはよくない。それに、どんなフィードバックが飛んでくるかは自分ではコントロールできないので、何を言われるのか考えすぎるだけ無駄なはず。
一喜一憂しないというのは、正確には「ネガティブになりすぎない」というニュアンスに近い。何を出しても褒めてくれる人から毎日のようにもらう「今日もありがとうございます」と、普段は厳しい人がたまに言ってくれる「○○さんのおかげで、××ができました。ありがとうございます」とでは、全く重みが違う。
言葉としては同じような意味だが、後者のときはもっと頑張ろうという気になるし、テンションも上がる。そして、この気持ちは素直に受け取っていいと思う。
大事なのは何を言われるのかを気にしすぎないこと、タスクをてきぱきこなして間髪入れずに提出すること、なによりもアウトプット思考を止めないことだ。
※1 ベンチマーク 比較をする際に目標となる基準
※2 パフォーム パフォーマンスを発揮する
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MAVIS PARTNERS トレーニー、共立女子大学ビジネス学部4年
サイバーエージェント、キュービックにてWEBマーケティング、メディアの企画・運営のインターンに従事。その後、オフショア開発セールス事業、長期インターン斡旋事業での起業を経てMAVIS PARTNERS株式会社にインターンとして入社。就活では外資系金融、外資系IT企業を中心にインターン(ジョブ)に参加し、うち複数社から内定を得た。
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(MAVIS PARTNERS トレーニー、共立女子大学ビジネス学部4年 トテ ジェニファー麻綾)
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