デスクにペットボトルのドリンクを置いてはいけない…仕事を爆速化する作業環境の整え方5のポイント
プレジデントオンライン / 2024年1月26日 15時15分
※本稿は、越川慎司『仕事は初速が9割』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
■メンタルを整えないと初動スピードは上がらない
仕事の初速を上げるためには、メンタル(精神状態)を整えて、ポジティブな気持ちを維持することが重要です。
私たちのメンタルには、次の2つの「環境」が大きな影響を与えています。
①外部環境(作業場所、温度、湿度など)
②内部環境(睡眠、自律神経、ストレスなど)
本稿では、前向きな気持を手に入れるための外部環境における「メンタル」の整え方に焦点を当てて、5のポイントを紹介します。
外部環境と内部環境から受ける影響には、それぞれ個人差があります。
現在の状況を冷静に見つめ直して、自分に合った整え方を工夫してみることが大切です。
「やる気が起こらない」とか、「集中力が続かない」という問題は、私たちを取り巻く外部環境が大きく関係しています。
外部環境の中でも、格段に大きなウエイトを占めるのが、「視覚環境」です。
人間には、外部の情報や刺激をキャッチするセンサーが1100種類あるといわれていますが、その中の1000種類は視覚による情報が占めています。
外部環境を整えるための第一歩は、「目」がキャッチする情報を、いかに抑えるか……がポイントとなります。
成果を出し続ける人たちの作業環境を調査したところ、デスク周りを黒や白などの「単色」で統一している人が大多数を占めることが明らかになりました。
パソコンのキーボードやマウスパッド、デスクマットや筆記用具などをブラックやホワイトなどの単色で揃えて、目から入る情報を極端に少なくしているのです。
カラフルな色彩のアイテムが作業デスクの周囲にあると、眼精疲労の原因になったり、気が散る要素が増えることで、集中力の維持が難しくなります。
デスク周辺をシンプルな色に統一すれば、余計な視覚情報が排除されるため、「ゾーン」(集中力が高まり、感覚が研ぎ澄まされた状態)に入りやすい環境になります。
初速を上げて、作業効率をアップするためには、デスク周りの色彩をできる限り抑えることが有効な手段となります。
■ダラダラと仕事を続けず、冷蔵庫や自販機まで足を運ぶ
オフィスで作業するときに、デスクの上にペットボトルのドリンクを置いている人も多いと思いますが、あまり大容量のドリンクはおすすめできません。
本書の「休憩」の項目で、時間を決めて席を立つことの重要性をお伝えしていますが、大容量のドリンクが机の上にあると、ダラダラと仕事を続けることになって、作業効率が悪くなります。
座ったままの状態が長く続くと、血流が悪くなって眠くなったり、集中力の低下を招きます。
水分補給が目的であれば、最小限のボトルで済ませる必要があり、できるだけ冷蔵庫や自動販売機まで足を運ぶ習慣を持つことが大切です。
成果を出し続けている人たちは、ドリンクではなく、アナログのキッチンタイマーをデスクの上に置いて、休憩や水分補給のタイミングを見計らっています。
一瞬で残り時間を判断するためには、デジタル時計よりもアナログが便利です。
定期的に水分を補給して、仕事を効率的に進めるためには、ペットボトルのドリンクよりも、アナログのキッチンタイマーの方が効果があります。
■ムダな情報を極力目に入れない
成果を出し続ける人たちに共通する特徴は、在宅勤務でも、オフィスで仕事をする場合でも、作業環境がキレイに整理整頓されていることです。
その理由は、必ずしもキレイ好きなわけではなく、ムダな情報を目に入れないように工夫しているのです。
作業デスクの上に、人気キャラクターのフィギュアなどが雑然と置いてあると、つい気になって集中力が途切れてしまいます。
パソコンの電源コードがグチャグチャに絡まっていると、作業を中断して、元通りの状態に戻したくなります。
こうした余計な行動を防ぐためには、整理整頓が役立ちます。
必要な文房具を探し出すためのムダな時間が生まれないだけでなく、デスク周辺がキレイに整えられていれば、そこに座った瞬間に、無理なく気持ちを仕事モードに切り替えることができます。
余計な情報を遮断して、作業環境を整えておくことが、仕事の初速を上げるための近道となります。
■飛行機や新幹線で移動中に仕事すると作業スピード増
リモートワークの普及によって、仕事をする場所を自由に選択できる時代になっていますから、自分が集中できる作業場所を先に見つけておくことも、仕事の初速を上げることにつながります。
人の気配が感じられるカフェや喫茶店の方が集中できる人もいれば、一人で静かな場所で作業した方が効率がいい人もいます。
自分に合った場所を事前に把握しておけば、作業場所に悩む必要がなくなります。
私の場合は、飛行機や新幹線で移動中に仕事をすると、圧倒的に作業スピードが早くなることが経験でわかっています。
人から見られる環境の方が、作業熱が高まったり、サボっている姿を見られたくないという気持ちが働くためかもしれません。
飛行機や新幹線に乗り込むだけで、自然とやる気スイッチがオンになります。
「ここで作業をすれば、短い時間で効率よく仕事ができる」と思える場所を持っておけば、そこに行くだけで仕事モードに入ることができます。
■冬場に東京の乾燥した空気では疲労がたまる
作業場所に関連しますが、快適な作業環境を整えるためには、温度と湿度にも気を配ると、効率よく作業することができます。
私たちが気持ちよく仕事ができる環境は、室温が25~26℃、湿度は40~50%といわれていますが、これには個人差があります。
エアコンで部屋の温度を調節する際には、空気清浄機の除湿や加湿の機能を上手に使って、湿度にも目を向けることが大切です。
私は自分自身でも、さまざまな実証実験を繰り返していますが、温度よりも湿度の方が、作業効率に大きく影響するように感じています。
私の会社は完全リモートですから、夏は北海道、冬は沖縄などで仕事をする機会を増やしていますが、それは快適な湿度を求めているからです。
一日中、誰かとリモートで話をしているため、冬場に東京の乾燥した空気の中にいると、喉を痛めたり、疲れやすくなるのです。
人間の身体は温度と湿度の変化に敏感に反応して、作業効率やモチベーションに大きな影響を与えますから、どこで作業する場合でも、温度と湿度のコントロールに目を配る必要があります。
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株式会社クロスリバー代表
元マイクロソフト役員。国内および外資系通信会社に勤務し、2005年に米マイクロソフト本社に入社。2017年にクロスリバーを設立し、メンバー全員が週休3日・完全リモートワーク・複業を実践、800社以上の働き方改革の実行支援やオンライン研修を提供。オンライン講座は約6万人が受講し、満足度は98%を超える。著書に『AI分析でわかったトップ5%リーダーの習慣』、『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』(共にディスカヴァー・トゥエンティワン)、近著に『29歳の教科書』(プレジデント社)がある。
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(株式会社クロスリバー代表 越川 慎司)
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