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医学部に合格できる子には共通点がある…医学部専門予備校が医師を目指す受験生に必ず守らせていること

プレジデントオンライン / 2024年2月1日 6時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/y-studio

医学部に合格する受験生はどんな努力をしているのか。医学部専門予備校「京都医塾」による書籍『うちの子、医学部ってアリですか?』(クロスメディア・パブリッシング)より、一部を紹介する――。(第2回/全2回)

■医学部に合格する人の3つの共通点

「子どもをどうしても医学部に入れたい」と考える保護者さまであれば、「どうすれば医学部に合格できるのか」と真剣に考えておられることと思います。

具体的な方法は一人ひとり異なりますが、私たちが多くの医学部受験生をおあずかりしてきた中で医学部に合格する子には、次の3つの共通点があるということがいえます。

① 本気の覚悟
② 素直さ
③ 感謝の気持ち

本稿では、①②について解説していきます。

■母親から奪い返してまでゲームを続ける生徒

① 本気の覚悟

医学部合格に向けて、壮絶な受験勉強を最後までやり抜く覚悟。これがなければ、医師への出発点である医学部受験をクリアすることはできません。

ここで、京都医塾で「本気の覚悟」を持って医学部受験に取り組んだ、ある生徒のエピソードを紹介しましょう。

医学部合格診断のために初めて京都医塾に来られたときのことです。面談は、京都医塾塾長が行ったのですが、医学部を目指す我が子と一緒に面談に臨まれたお母さまは、このようにお話しくださいました。

「この子はとても良い子で、かしこい子なんです。やればできるんです。でも、今はまったく勉強に集中できていない。すぐにゲームに逃げてしまうんです……。その結果、今年もダメでした」と。

この生徒は前年度も有名大手予備校に通っていたのですが、高校生のときから、そして浪人してからも、ずっとゲームをやめることができず、お母さまがゲーム機器を取り上げては本人が奪い返してまたゲームを始める、ということを繰り返してきたということでした。

入塾前のカウンセリングの中で、保護者さまの思いと本人の気持ちをしっかりとお伺いし、医学部受験の厳しさと京都医塾での生活も伝えたうえで、最後に塾長は彼に覚悟を問いました。

■「もうダメだ」とさじを投げた母親

最終的に彼は「今度こそ本気で医学部受験に専念します」「ここなら自分は変われる。京都医塾で変わりたい!」と決意を語りました。今までのこともありお母さまは、半信半疑の様子でしたが、彼は私に向かって「今日でゲームは封印します。医学部に合格する日まで」と自ら約束をし、「明日から京都医塾に来ます」と告げました。そして本当に引っ越しも待たずに、翌日から京都医塾に通い出し、必死で勉強を始めたのでした。

しかしいよいよ寮へ引っ越しの荷物が届くというその日、お母さまから電話がありました。

「先生! 入塾をやめます! 引っ越し業者もキャンセルしました」

明らかに興奮したお母さまに、塾長が事情を尋ねてみると、「あれだけ先生に約束したにもかかわらず息子は寮にゲームを持っていこうとしているんですよ。それも全部! 家の中にあったゲームがすっからかんなんです。また、裏切られました!」とのこと。お母さまは「もうダメだ、この子は変わらない」と思い、医学部受験をあきらめさせることまで考えられたようです。

■実は「本気の覚悟」でゲームと決別していた

ただ、塾長は彼が「京都医塾に入って本気で医学部を目指す」と決めたあの日から、話し方も目の色も変わってきているのを感じていました。そんな彼がなぜ?

何か理由があるのかもしれないと思い、彼の自習している個人ブースに行って、直接本人と話をすることにしたのです。そのとき、彼は塾長に対して、このように話してくれました。

「京都医塾で変わりたい。ゲームは合格まで封印すると決めたから、すべてのゲームを段ボールに入れ、ガムテープで封をして父親の書斎に隠してある。嘘か本当かは確かめてもらえればわかるけれど、いちいち母親に話すのは面倒だった」

事実、お父さまの書斎には本人が隠したというゲームがすべてありました。寮に持っていこうとしていたのではなく、彼は医学部合格のために「本気の覚悟」を持ってゲームと決別しようとしていたんですね。実際に次の春、すっかり生活面でも精神面でも、もちろん学力面でも「別人」となった彼は見事医学部に合格して進学しました。

■勉強スタイルにこだわる子は伸び悩む

② 素直さ

ここでいう「素直さ」とは、「教えられたことを信じ、そのまま実行する力」を指しています。そして、「自分を変えることができる力」でもあります。素直な子は、京都医塾に来た時点での学力レベルにかかわらず、その子の能力の限界までどんどん学力が伸びていきます。私たちはこれまでの経験から、そう断言できます。

本気で医学部合格を目指すなら、多くの場合それまでの自分のやり方を変えなければなりません。

「医学部専門予備校」である私たちは、医学部受験のプロフェッショナルと自認していますが、私たちの提案やアドバイスを素直に受け入れ、自分のやり方を柔軟に変えていく姿勢がなければ、劇的に成績を伸ばすことは難しいのです。実際、「自分なりの方法」にこだわり、我流を通し続けることで、伸び悩んでしまう子はたくさんいます。

例えば、私たちがその生徒のために最適化したスケジュールを提案しても、「自分は夜型なので、早起きするのは無理です」と実行しない子です。

■「朝6時までに起床」と指導する理由

入試が行われるのは朝から夕方ですから、入試の時間帯に最大の力を発揮できるよう、リズムを整えていく必要があります。私たちの提案を受け入れ、朝型のスケジュールに変えなければ、いくら一生懸命に勉強しても、本番ですべてを出し切れない可能性があります。

目覚まし時計のイメージ
写真=iStock.com/JHK2303
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/JHK2303

ちなみに京都医塾が朝6時までに起きるように指導するのは、この「入試本番で最大限の力を発揮できるように」という理由だけではありません。今回この場では詳細を割愛いたしますが、入試までの1日1日の学習の効率と、1年間の学習効果を最大化させるためのメソッドでもあります。

もちろん、最初からこの「素直さ」を持ち合わせている受験生は多くはありません。私たちは入塾面談時に、「京都医塾は分析に基づき、あなたが最大の結果を得られるためのアドバイスや提案をします。まずは100%受け入れて実行してみる、それができますか」と問います。

受験生の大半は、今までの学習の結果「自分なりの方法」を持っているものですが、厳しいことをいえば、それでこれまで成績が思うように伸びなかったのは、その「自分なりの方法」が正しくなかったのだといえます。

■成績が伸びない原因は生活習慣とリズムだった

京都医塾の医学部合格診断に訪れた生徒で「高校三年生の間成績は思うように伸びませんでしたが、それは部活で忙しくて勉強時間が十分に取れなかったからだ」と言う子がいました。しかし、その子の生活習慣とリズムを細かく分析すると、修正すべき点がたくさん見つかりました。

この生活習慣とリズムを改めなければ、部活がなくなったところで、浪人したところで、学力が上がることはありません。合格したいなら、「これまでの生活習慣とリズム」を大きく変え、非効率に浪費されていた時間を、私たちのアドバイスする形ですべて効率の良い勉強の時間に変え、「本気の覚悟」を持って勉強に集中しなければなりません。

私たちの場合は、生活習慣・リズムからカリキュラムまで、分析に基づき、その子に合わせて勉強方法を提案します。それを素直にそのまま受け入れることができれば最も合格に近づきます。逆に例えばこの方法の一部、例えば5%を勝手に変えれば5%分だけ合格が遠のくこととなります。

■「今日は夜中まで勉強しよう」は逆効果

医学部合格を手にするためのハードルが上がっている中で、限られた時間で受験生の上位6%に入り、合格するためには、「これまでの方法」「我流」「私流」を変える覚悟を持ち、時間の使い方、睡眠の取り方、食事の取り方などの生活リズムや生活習慣、勉強の方法を徹底的に見直し、改めなければなりません。

勉強道具のイメージ
写真=iStock.com/taka4332
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/taka4332

生活リズムでいえば、私たちはその子にとって最適な睡眠時間を探らせ、決められた時刻に寝起きし、日中の覚醒度をより高い状態にします。「今日は調子がいいから夜中まで勉強しよう」では、翌日の効率を下げてしまいます。さらに自律神経を乱し、結果としてトータルの勉強のパフォーマンスを下げることになります。

京都医塾に入塾する以前は宅浪(自宅浪人)で頑張っていた生徒がいます。

「100%、合格のための勉強に時間を使ってきました」と言うのですが、話を聞いてみると、「夜中の2時や3時、ときには朝まで勉強しています。夜中のほうがなんか集中できるんです」「難しい問題が解けないときは、2〜3時間でもあきらめずに取り組んでいます」とのことでした。

■「自分なりの方法」を捨てる素直さがあるか

確かにやる気はありますし、努力もしていますが、これらは受験勉強としてはNGです。夜中に脳が活性化する習慣をつけても、本番の入試はお昼ですから意味がありません。疲労が最も溜まった夜中の勉強は、なおさら非効率です。また、有限な時間の中で難問に対して時間をかけすぎると、触れる問題数や知識の数、そして反復回数を減らしてしまいます。

医学部専門予備校「京都医塾」『うちの子、医学部ってアリですか?』(クロスメディア・パブリッシング)
医学部専門予備校「京都医塾」『うちの子、医学部ってアリですか?』(クロスメディア・パブリッシング)

まずは、絶対的な基礎(京都医塾の1年を通じた指導の中で何度となく繰り返される言葉のため、私たちは「絶対基礎」と呼んでいます)を何度も高速で反復して身につけることを優先すべきです。

「自分なりの方法」がまちがっていても、自分ひとりでは気づきにくいものです。だからこそ、私たちのようなプロフェッショナルの分析とアドバイスが必要となります。

これまで自分なりに一生懸命勉強してきたという自負がある子ほど、「自分なりの方法」を捨てることに抵抗があります。しかし医学部合格のためには、「自分なりの方法」を捨て、正しい分析に基づくプロの意見を受け入れて実行する素直さを持ってほしいと思います。

「素直さ」は、受験勉強時はもちろんですが、医学部在学中の勉強や実習、研修、そして医師になってからも大きな力となります。先輩医師やそのほかの医療スタッフ、その人をサポートしてくれる人たちのアドバイスをどんどん吸収し、最短距離で成長していくことができます。「素直さ」は、医師としての学びと成長にも必要かつ重要なものなのです。

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京都医塾(きょうといじゅく)
医学部専門予備校
「京都医塾」という名前は、私たちの教育理念そのものです。地元京都を大切にしていること。将来医師を目指し、いのちを救う現場で働き、社会に貢献したいという強い希望を持った人たちを応援したいこと。そして、「本気の覚悟」さえあれば、どんな生徒さんも受け入れ、一人ひとりと真正面から向き合う。揺るぎない独自の教育理念を貫く「塾」という名に誇りを持っていること。そんな私たちの想いが込められています。

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(医学部専門予備校 京都医塾)

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