1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

直接出向かず、あえて電話を一本入れる…和田秀樹「かかってはいけない病院をふるい落とす"最強質問"」

プレジデントオンライン / 2024年2月3日 12時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/marchmeena29

病院を選ぶ際は、何に気をつければいいか。医師の和田秀樹さんは「病院のホームページで治療実績を確認するなどして、ある程度の目星をつけたら、実際に足を運ぶ前に、まず電話を一本かけてみることだ。『予約は必要か』『空いているのは何時ごろか』など質問し、もし対応がぞんざいだったら、その病院はやる気がないか、あるいは人手不足で丁寧に電話対応できる状態ではないということだろう」という――。

※本稿は、和田秀樹『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)の一部を再編集したものです。

■病気や不安に襲われないためにすべきこと

高齢になると先々のことを考え、不安に襲われることが増えていきます。先の不安に振り回されるよりは、ソリューション(問題解決法)についての情報を集めることが、不安解消の早道だと私は考えます。

たとえば、がんの不安からがん検診を受ける人はたくさんいますが、いざがんが見つかった際に、どこの病院で、どのような治療を受けるかまで下調べして臨む人は少ないでしょう。

高齢者のがんの手術に関していえば、体力を落とさないために、がんだけ切って周りの臓器は切らないという方法を選択し、執刀医に依頼するという手もないわけではありません。

しかし、そうした希望を叶えてくれる病院は事前に探しておかないとまず見つからないでしょう。検診で、がんを見つけた病院で治療をすすめられ、そのまま不本意な治療を受けることが多いのが現状です。

がんが見つかった際のソリューションをある程度決めておけば、不本意な医療を強制されるリスクは大幅に下がるはずです。

病院を決める際は、まず各病院のホームページで「治療実績」(過去1年間の手術件数など)から、がんをはじめ各病気の治療経験を調べます。これは大事なことなので、パソコンが苦手な場合は、家族や友人らに手伝ってもらいましょう。

最近では、多くの病院がホームページで「手術件数」を公表していて、数が多い病院ほど、その手術に習熟しているといえます。

■認知症のソリューションを探しておく

ある程度目星をつけたら、医師ごとの手術件数も調べましょう。たとえば、心臓外科の場合、「年間200例以上の施術」が名医と呼ばれる条件とされています。

一方、治療実績が少なかったり、公表していなかったりする病院は要注意です。病院候補からははずしたほうが安全です。

病院を選び、担当医の目星がついたら、執刀医についても確認しておくといいでしょう。実際に手術を行う医師が外来も担当していれば、患者の質問により的確に答えることができますので、安心です。

また、認知症だけにはなりたくないからと一生懸命、脳活のようなことをする人は少なくないでしょう。しかし、残念ながら、認知症になったらどんな介護サービスを受けるのか、どこの老人ホームに入居しようかまで決めている人は、まずいません。

これについても、介護保険制度についてきちんと勉強したり、地域包括支援センターで話を聞いたり、あるいは気になる老人ホームを見学しておけば、認知症になったらなったときだと覚悟が決まり、不安が軽減されるでしょう。

介護施設の多目的室
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mapo

先への不安で残りの人生を暗いものにするより、きちんと勉強し、ソリューションを探しておくほうが、充実した老後が送れるはずです。

何も調べず行動を起こさなければ、不安が大きくなるばかりなのです。

■「通いやすい」病院を見つけて、まずは電話を一本かける

病院を選ぶ際に覚えておいていただきたいことは、まだあります。

大前提として、「通いやすい」ことです。どんなに評判がよくても、知人に強くすすめられても、通院に時間がかかり疲れてしまうようでは本末転倒です。

足が悪いので、そう遠くなくて、安全な道を通っていける先にある病院がいいなど、自分にとって通いやすい条件は何か、しっかり考えて選びましょう。

前述したように、病院のホームページで治療実績を確認するなどして、ある程度の目星をつけたら、実際に足を運ぶ前に、まず電話を一本かけてみることをおすすめします。電話対応の様子で、ある程度その病院の実情を知ることができるからです。

質問することは、「予約は必要か」「空いているのは何時ごろか」などがいいでしょう。もし、対応がぞんざいだったら、その病院はやる気がないか、あるいは人手不足で丁寧に電話対応できる状態ではないということでしょう。

■待合室が明るい病院は信頼してよい

実際に足を運んだら、「待合室が明るく、にぎわっているかどうか」をチェックします。待合室のにぎわいは、医師が患者に真摯(しんし)に向き合っていることの表れです。おそらく薬の使い方も適切なのでしょう。高齢の患者がまともに歩けないぐらいヨボヨボしていたら、薬の使いすぎが考えられます。

また、待合室が暗くてどんよりしているような病院は要注意です。患者が緊張してしまうぐらい医師が横柄で怖いということも考えられます。これも避けたほうが安全です。

病院の受付で質問している女性
写真=iStock.com/JGalione
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/JGalione

次に大切なのが、「周囲の口コミ」です。

高齢になれば、付き合う人の中に病院通いしている人が増えていきます。自然と「あそこの病院はいい」「あそこはよくない」といった話題が出るようになります。こうした患者視点の情報はわりと当てになるので、積極的に耳を傾けましょう。

最後はやはり、「実際に受診してみて、自分と相性が合うかどうかを確かめる」、これに尽きます。

よい医師と出会えれば、その後の安心感がまるで違ってきます。根気強く探して、頼りになる「かかりつけ医」を見つけてください。

■いい医師とダメな医師の見分け方

では、よい医師の条件とは何でしょう。決して学歴の高いことや立派な肩書ではありません。メンタルを含め体の具合をよく聞いてくれること。そして経過がよくなければ、すぐに薬や治療方針を変える柔軟性を持っていることです。

患者の話をろくに聞かず、パソコン画面から目を離さなかったり、検査数値や自分の診断に執着したりして治療法を押しつけてくるような医師にかかれば、寿命を縮めかねません。

また、処方された薬を飲むとだるくなる、ぼーっとする、あるいはめまいがするなど、明らかな不調を訴えているにもかかわらず、「飲み続けていれば効果が表れますから」などと言って同じ薬を出し続けるような医師は、要注意です。さっさと替えるべきです。

反対に、薬を変えたり量を調整してくれたりする医師なら、安心して任せることができるでしょう。

同様に、こちらの訴えに対し、「少し様子を見てみましょう」という医者にも疑問を覚えます。自分の治療方針を押し通す、あるいはほかの治療法を知らない恐れがあります。おそらく何度訴えても、同じ答えしか返ってこないでしょう。

■「過去の病歴」を詳しく聞いてくれるか

高齢者の場合、個人差が大きいため、同じ薬でも効果は変わってきます。よく効いて副作用もない人もいれば、あまり効かないうえ、副作用ばかりが出るという人もいます。

和田秀樹『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)
和田秀樹『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)

高齢者を数多く診ている医師なら、そういうことを熟知しているため、患者の訴えを何より大事にします。「過去の病歴」を詳しく聞いてくれる医師は、信頼していいでしょう。

初めての診察で、何をどのように尋ねてくるかも、医師の力を見極めるポイントです。

初診の際の質問は、どの診療科でもほぼ同じで、「どうしましたか?」に始まり、「いつから」「どんなふうに」「どんなときに」「どの程度」「そのほかに気になるところは」と続きます。

もし、そんな基本的な問診さえおざなりにするようなら、その医師は間違いなく「ヤブ」です。別な医師を探したほうが賢明です。

----------

和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医
1960年、大阪市生まれ。精神科医。東京大学医学部卒。ルネクリニック東京院院長、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師。2022年3月発売の『80歳の壁』が2022年トーハン・日販年間総合ベストセラー1位に。メルマガ 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」

----------

(精神科医 和田 秀樹)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください