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「そうなんだー」という薄い反応が会話の温度を下げる…コミュ力抜群な人がやっている"相槌の種類"

プレジデントオンライン / 2024年1月31日 16時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/KatarzynaBialasiewicz

相手との距離を縮めるのが上手い人は何をしているか。作家の有川真由美さんは「会話を楽しんで親しくなろうとするなら、むずかしく考えないほうがいい。無表情な人はなにを考えているかわからないので、本人が思う以上に、気になるもの。素直な“感情リアクション”のほうが、相手も話しやすく、だんだん乗ってきて仲良くなれる確率はぐんと高まる」という――。

※本稿は、有川真由美『どこへ行っても『顔見知り』ができる人、できない人』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

■とりあえず、顔を上げる

声をかけやすい人、すぐ顔見知りになれそうな人とは、どんな人でしょうか?

私たちは普段から、無意識に人を選んで話しかけています。

たとえば、なにかを尋ねるとき、「あの人なら親切に教えてくれそう」とか、「この人は忙しそうだから、やめておこう」というように、その人から醸し出される雰囲気を瞬時に感じ取っているはずです。

「声をかけられる人」に共通する特徴のひとつは、顔を上げていること。それだけで自然に背筋が伸びて、表情もやわらかくなって、まわりに心を開いている印象があります。視線も外に向いているので、人の動きをキャッチして目が合いやすいのです。

反対に、声をかけにくい人は、大抵うつむき加減で背中が丸まっていて、他人に関心がなく、自分の殻に閉じこもっている印象があります。意識していないと、人の顔は不機嫌に見えることが多いもの。とくにスマホをいじっている人は、無意識に他人を拒絶するような“話しかけないでオーラ”を発しているように感じます。

顔を上げているかどうかだけで、“親しみやすさ”の印象はまるで違うのです。

なかには、ほんとうは話しかけてほしいのに、恥ずかしがり屋でうつむいている人もいるようです。私もかつてはそんなタイプで、一人でもじもじしていたものです。

しかし、「自意識過剰。他人はそれほど自分を気にしていない」と考えるようにしてから、顔を上げて、自分ではなく、他人に意識を向けるようになりました。

パーティなどでも「どんな人がいるんだろう?」とまわりを観察していると、目が合ったり、声をかけられたりすることが増えてきました。なにより、顔を上げるだけで、自動的に心が開いて明るい気分になっていきます。

「いつでも声をかけていいですよ」という余裕をまとっている人は、大人としてかっこいい。自分の心持ちひとつ、小さな行動ひとつで、だれでも声をかけられる人になれるのです。

■「あいさつ」にひと言添えるだけでいい

職場や習い事、ご近所などで「すごく感じのいい人だな」「お近づきになりたいな」という人がいるとき、どう話しかけていいものかと悩むかもしれません。

でも、そんなにむずかしく考える必要はありません。

もっとも簡単で効果的で、自然にお近づきになれる方法は、「あいさつ」にひと言添えることです。

たとえば、「おはようございます。朝晩、涼しくなってきましたね」「こんにちは。あら、おしゃれな傘!」「おつかれさまです。今日は帰社が早かったですね」など、当たり障りのないひと言でいいのです。

すると、相手からも「おはよう。いまの時期は過ごしやすくていいね」などと返ってきて、なにげない会話が生まれます。

添えるひと言は、季節や天気、日ごろの感謝、労い、相手へのほめ言葉、気づきなど、ありきたりなコメントでいいのです。

「おはようございます」だけで終わるのと、それにひと言添えるのとでは、印象がまったく異なります。ひと言あるだけで、「お近づきになりたいです」という気持ちが伝わり、“あいさつ”が、自然な“雑談”になるのです。

メールでも、「いつもお世話になっております」と定型文だけで始めるのと、「今日もいい天気ですね」と自分の言葉がひと言添えてあるのとでは、大違い。たった“ひと言”でも、それは相手のために自分が選んだ言葉なのです。

単なるあいさつだからと、雑にやってはもったいない。あいさつは、相手との距離を縮める最大のチャンス。ひと言二言添えて会話をしているうちに、気づけば「よく話す仲」になっていることもあります。

大切なのは、自分の言葉で話すこと。いつも顔を合わせている家族や同僚でも、「おはよう」や「ありがとう」にひと言添えるだけで、血の通った会話になるのです。

■質問されたら、「YES(NO)+α」で答える

「私は人と話すのが苦手で……」という人のなかに、こんな話し方をする人がいます。

「なにか運動してます?」と話しかけると、「いえ、なにも……」。「旅行は楽しかった?」→「はい」。「仕事はうまくいってる?」→「まあなんとか」。

という具合に、問いかけへの答えがひと言で終わってしまうので、会話が続きません。これでは、まるで大人が子どもにあれこれ質問しているようです。

受け身な態度も「話しにくい人」の特徴のひとつ。「話したくないのかな」と思われても仕方ないでしょう。“会話”のキャッチボールは、投げられたボールをただキャッチして終わるのではなく、相手に投げ返す必要があるのです。

キャッチボールをするおもちゃの人形
写真=iStock.com/Seiya Tabuchi
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Seiya Tabuchi

あいさつにひと言添えれば“雑談”になるのと同じで、質問にも「はい(いいえ)」に、もうひと言だけ、つけ加えて返せばいいのです。

たとえば「なにか運動してます?」と聞かれたら、「いいえ」のあとに「あ、犬の散歩はするか……」とか「運動が苦手で……」とか「水泳をしたいと思って早3年」とか思ったことを適当に。そこから連想ゲームのように話が膨らんでいきます。

とくに「芸能人で推しとかっています?」とか「卵焼きってどんな味付けが好きですか?」なんて唐突な質問をしてきたときは、本人が話したがっているテーマである可能性大。答えたあとに「○○さんはどうですか?」と聞き返してあげるのがやさしさというもの。

リアルな会話だけでなく、メールやSNSでも「打ち合わせは10時からになりました」などの連絡に「はい」「了解」だけしか返ってこないと、「嫌なの?」「なにかあった?」と不安になる人もいます。「連絡ありがとう」「楽しみにしています」「また明日!」など簡単なひと言が添えてあるだけで、ほっと安心し、あたたかい印象です。

年下や新入りだとつい受け身になってしまいがちですが、口下手でも、少しでも話そうとしてくれる人は、気軽に話せる関係になりやすいでしょう。

■短く、ちょこちょこ話す「スモールトーク」を重ねる

人と仲良くなるためには、雑談でたくさんしゃべること、長時間じっくり話すことが大事だと思っている人がいるかもしれません。

しかし、まったく逆で、雑談は“長さ”よりも“頻度”のほうが大事なのです。

とくに近所の人、職場の人、よく行く八百屋さんなどと、通りすがりの雑談をするなら、「長く会話すること」よりも、「短く切り上げること」に意識を向けましょう。

気楽に話せる相手だと認識されれば、声をかけられることも多くなります。ほんの10秒ほどの会話でも、じゅうぶんあたたかい交流ができるのです。

たとえば、近所の人と会って「あら、お出かけですか?」「ええ。ちょっとお買い物に」「雨が上がってよかったですね。行ってらっしゃい!」「行ってきまーす」。

同僚が休憩室に入ってきて「新しい仕事、慣れた?」「全然。歳のせいか物覚えが悪くて」

「みんなそうよ。手伝えることがあったら言ってね」「ありがとう!」。

これで10秒。そこそこ中身のある会話ができるのです。

また、話しやすい人は、短く簡潔に伝えようとする傾向があります。短いコメントだからこそ、印象に残るもの。だらだらとしゃべる相手だとなにが言いたいのかわからず、面倒に感じてしまうものです。

ほんのひと言二言、しかも10秒でいいと考えると、気がラクになりませんか?

会話のキャッチボールは、自分がもつ時間をできるだけ短くして、テンポよく相手に返すこと、さくっと早めに終わらせることがコツ。そんな「スモールトーク」をちょこちょこ重ねることで、心の距離が近くなり、“顔見知り”が増えていきます。

居合わせた人たちにフレンドリーに話しかける「スモールトーク」の文化が海外で発達したのは、多様な人たちの警戒心を解いて、その場の空気を心地よいものにするため。私たちのいまいる場所でも、今後、必要性が増していくはず。「ちょっとずつの会話」を心がけることで、日常のなかで心地よい関係ができていくと思うのです。

笑顔でランニングをする2人のシニア女性
写真=iStock.com/ferrantraite
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ferrantraite

■「共通すること」をすぐに見つけて、話題にする

どこに行っても、人と親しくなれる人は、すぐに“共通点”を見つけようとするものです。

初対面の人、年齢が離れている人、立場が違う人であっても、「出身地が同じ」「やっていたスポーツが同じ」「好きなアーティストが同じ」など、共通点があることがわかると、話が一気に盛り上がって、打ち解けることがあります。

「類は友を呼ぶ」というように、人は自分と共通点をもつ人に好感や親近感を覚えて惹かれ合うもの。共通点が見つかれば、「好みが同じで、嬉しい!」「じゃあ、○○はご存じですか?」「今度、一緒にやりません?」なんて話も広げやすくなります。

ただし、共通点を見つけようと、初対面の人にいきなり「出身は?」「年齢は?」「血液型は?」なんて矢継ぎ早に聞いては、相手も引いてしまいます。

まずは“見た目”の情報から入るといいでしょう。むずかしく考えることはありません。「私もそのブランドの服、好きなんです」「あ、ボールペンが同じ。使いやすいですよね」「同じ飲み物ですね。では、乾杯~」なんて具合。

名刺は共通点探しの宝庫。「じつは私、近くの会社に通っていました」「名前に同じ漢字が入っていますね」「私も○○に関連した仕事をしています」というように。

私は先日、海外から帰ってくる機内で、となりの若い外国人女性に話しかけようかと迷っていたところ、ふと気づいたのです。「あーーー、同じ映画観てる!」。

「たくさんある映画から同じ映画を選ぶなんて、すごい偶然」と話しかけて、意気投合。さらに「一人旅が好き」「歴史を感じる場所が好き」「忘れ物が多い」などの共通点を見つけて話が弾み、その後メール交換をするようになりました。

最終的には、見た目や肩書きなど、わかりやすい共通点よりも、好きなものや価値観など考え方の共通点のほうが、仲良くなりやすいもの。そんな共通点は、相手に興味をもちさえすれば、どんな人からも探し出すことができるのです。

■あいづちだけでなく“感情リアクション”で反応する

会話をするときにバリエーション豊かにあいづちを打とうとしたり、気の利いたコメントをしたりしようとすると、言葉に詰まってしまうものです。

有川真由美『どこへ行っても『顔見知り』ができる人、できない人』(PHP研究所)
有川真由美『どこへ行っても『顔見知り』ができる人、できない人』(PHP研究所)

会話を楽しんで親しくなろうとするなら、むずかしく考えないほうがいいのです。

「えー?」「おお!」「やったー!」と素直な“感情リアクション”のほうが、相手も話しやすく、だんだん乗ってきます。顔の表情や声のトーン、ジェスチャーも合わせて、3割程度オーバーめに返したほうが、相手にとってはちょうどいいはずです。

私はセミナーをするとき、まず受講者のなかから、目をキラキラさせて大きく頷いたり、声を出して笑ったりして、楽しそうに聴いてくれている人を探します。

ときどき、その人に目をやると、「よしよし、ちゃんと聴いてくれている」「楽しそうにしてくれている」と安心して、どんどん話したくなります。

反対に、なにを話しても無表情な人が目につくと、「つまらないのかな」と心配に。あとから個人的に話すと「面白かったです!」なんて言ってくれるのですが、無表情な人はなにを考えているかわからないので、本人が思う以上に、気になるものです。

感情リアクションは、喜び、楽しさ、怒り、悲しさ、面白さ、納得感などいろいろありますが、もっとも会話を盛り上げてくれるのは、驚きのリアクションです。

会話上手な人は、まるでお笑い芸人のように驚くのがうまい。「え?」「あ!」「うわっ」「おおっ」「びっくり」「それはすごい」と、ときどき、合いの手を入れてくれるので、聞くほうも話すほうも盛り上がるのです。

たとえば「同窓会に100人集まった」という話も、「そうなんだー」と薄く反応するより、「え? 100人? 多くない? なんで?」と驚きを表現するだけで、楽しい雰囲気になります。ただし、やりすぎはわざとらしくなるので要注意。

どんな人にも興味をもって、相手の顔を見て会話すること。素直に感情を表現することを心がければ、仲良くなれる確率はぐんと高まるはずです。

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有川 真由美(ありかわ・まゆみ)
作家
鹿児島県姶良市出身、台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程修了。化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性へのアドバイスをまとめた書籍を刊行。内閣官房すべての女性が輝く社会づくり推進室「暮らしの質」向上検討会委員(2014-2015)。著書に『感情の整理ができる女(ひと)は、うまくいく』(PHP研究所)、『30歳から伸びる女(ひと)、30歳で止まる女(ひと)』(PHP文庫)、『好かれる女性リーダーになるための五十条』(集英社)、『遠回りがいちばん遠くまで行ける』(幻冬舎)などがある。

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(作家 有川 真由美)

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