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相手と仲良くなりたくてもこんな質問は絶対ダメ…人付き合いが下手な人がやってしまいがちなNGマナー

プレジデントオンライン / 2024年2月4日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/OrangeDukeProductions

人付き合いが上手い人は、どんな会話を心がけているか。作家の有川真由美さんは「人は『仕事内容』『結婚・子供の有無』とあれこれ詮索したがる人がいるが、立場を抜きにしてつき合いたい場合もあるもの。自分の領域にズカズカと入り込んでこようとする姿勢に心地悪さを感じてしまう。むしろ、相手の背景を知らないからこそ、心地よい関係が保たれる場合もある。『相手が話したいことを聞く』『相手が話したくないことは聞かない』は、とても大切な会話のマナーである」という――。

※本稿は、有川真由美『どこへ行っても『顔見知り』ができる人、できない人』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

■「でも」を封印し、“受容”の言葉から始める

「いやいや、そうじゃなくて」「でも、そんなにうまくいかないでしょ」なんて、自分の話を否定されて、話す気力が失せたという経験はありませんか?

また、こちらが意見や要望を言ったときに、「でもさぁ……」「うーん。そうはいっても」と、なんでも否定から入る人とは親しくなろうと思えなくなるものです。

「いや」「でも」「だけど」「ていうか」などの言葉は、真剣に否定しているわけではなく、単なる接続語としての口癖ですが、聞いているほうは意外に気に障るのです。

もし、「私も『でも』って言っているかも……」と身に覚えのある人は、今日から「でも」の“否定語”を封印して、代わりに「そうなんだ」「なるほどね」「それもありだね」など、“受容”の言葉を使うようにしませんか。

人それぞれ意見があるのですから、“賛成”や“肯定”ではなく、ひとまず「あなたの考えはわかった」と相手なりの考えを尊重して、受け入れるのです。

それだけで、ちゃんと寄り添っている印象になり、相手は納得するはず。

たとえば「今日のランチ、○○に行かない?」「でも、○○は遠いでしょ。今日は△△にして」なんて言っていたのを、「なるほど、それもありね。私は△△もいいかなと思ったんだけど、どう?」と言い換えるのです。

同じことを言っていても、印象はまるで違い、“対立”ではなく、同じ目的に向かう“仲間”の関係になります。

相手から「でも」で返されたとき、自分の意見を否定されたときも、自分の頭のなかでこれは「BUT(でも)」ではなく、「AND(それと)」だと変換しましょう。

「否定された」と、いちいち凹んでいては身がもちません。だれ一人、まったく同じ価値観の人はいないのですから、意見が合わないことがあるのも当然。意見を一致させることよりも、それぞれが自由に言い合えることのほうが、ずっと大事なのです。

否定されることなく、安心して話せる。「あなたもOK」「私もOK」で、自分のままでいいと思える関係は、心地よく、話していて楽しくてたまらないのです。

■相手のペースに合わせて「待つ」余裕をもつ

生活のなかで「待つ」という場面は、度々あるものです。相手がゆっくり行動しているのを待つ。長い話が終わるのを待つ。つぎのお誘いが来るのを待つ。相手の返事を待つ。なかなか来ないメールの返信を待つ。また会える機会を待つなどなど。

そんな場面で「待てる人」「待てない人」がいるのも事実。当然、人のことを急かさずに「あなたのペースでね」と気長に待ってくれる人のほうが心地よいはず。

「待てる人」は、相手を変えようとしないので、気楽につき合えるのです。

たとえば、仕事で新人が「手間取ってごめんなさい!」と恐縮しているときに、にっこり笑顔で「ゆっくりでいいよ。最初はみんなそうだから」と待ってくれる人は、懐の深さを感じさせるもの。穏やかな雰囲気があって、自然に人が集まってくるでしょう。

反対に、「待てない人」は、ゆっくりしている人や状況に対してイライラします。くだらない話をする人にもイライラ、メールの返信が遅いことにもイライラ、結果が出ないことにもイライラ……。当然、話しかけづらい雰囲気が漂っているでしょう。

そんな人は、性格という面もありますが、世の中のさまざまなシステムが効率よくスピーディになった時代の空気に影響されて、ちょっとの時間も「待てない!」と苛立ちや焦りを感じやすくなっているのかもしれません。

ノートパソコンの前で顔をしかめる女性
写真=iStock.com/Istockexstock
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Istockexstock

多くの人が結果が見えないことへの不安や、少しの時間も「こんなに待たされている!」と損をすることに耐えられなくなっているように感じます。

そんななかで「気長に待ちましょう」と構えられる人は、強くやさしい。待つことを楽しむ余裕さえあります。時間をかけてこそ得られる喜びや豊かさがあると知っているので、「待たされる」のではなく、自分の意志で「待つこと」を選ぶのです。

なにかを待つ時間は、本来豊かで、成熟していて、タイミングを調整していく時間。日々の生活に忙殺され、スピードに慣れきって、せっかちになりがちな現代人は、いま一度、人と人とのゆっくりしたスピードを意識してみる必要がありそうです。

■「ちょうど」「たまたま」「ついでに」で心の負担を軽くする

空港から重い旅行バッグを抱えて、明日はどうやって自宅まで帰ろうかと思案していたとき、近所の友人からメッセージ。「明日、帰ってくる日よね?ちょうど空港の近くのお店に行く用事があるから、そのあと、車で迎えに行こうか?」。

「ちょうど」というのは、気軽に親切をしたりされたりするための彼女なりの気遣い。「わざわざ迎えに行く」という体だと、私が「それは申し訳ない」と恐縮することをわかっていて、「ちょうど用事があるから」と提案したのでしょう。真偽は不明ですが、「それは助かる! ありがとう!」と気軽に甘えることができたのです。

彼女はよく煮物やお漬物を「たくさん作ったから、もらって」と差し入れしてくれたり、「YouTubeでたまたま、面白い健康法を見たからシェアするね」とメッセージをくれたり。そのさりげない親切は負担にならない程度なので、つき合いがラク。

「この煮物作るの、結構、たいへんだったのよ」など“やってあげた感”があると、申し訳なく感じられて、こちらも遠慮するようになるでしょう。

「ちょうど」「たまたま」「ついでに」をさらりとやってのける人は、ほんとうにかっこいい。職場でも「コンビニ行きますけど、なにか買ってくるものありませんか?」とまわりに声をかけたり、「ちょうど時間が空いたので手伝いますよ」とたいへんそうな人をフォローしたりする人は、気軽に声をかけ合える関係になるはずです。

私はよく「たまたま○○さんの写真が出てきたので、どうしてるかなと思って……」などと、ご無沙汰している人に電話することがあります。すると、不思議なもので「あら、私もちょうどあなたのこと考えていた」ということが多いのです。

「ちょうど」「たまたま」「ついでに」は相手にアプローチするための口実だけではなく、その流れに乗ると、ものごとがスムーズにいく確率が高くなります。

「ちょうど同じ方向なので一緒に帰った」「たまたまとなりの席だったから、声をかけた」などタイミングが合って、自然につながりができていくこともあるのです。

■「聞いてはいけないタブー」に踏み込まない

顔見知りになると、相手のことをもっと知りたい気持ちから、「お仕事は?」「結婚は?」「お子さんはまだ?」なんてあれこれ詮索したがる人がいます。「なにか話さなきゃ」と思うあまりに、会話の糸口になる質問をしてしまうこともあるでしょう。

しかし、人によっては、触れてほしくない話題や、立場を抜きにしてつき合いたい場合もあるもの。なにより、自分の領域にズカズカと入り込んでこようとする姿勢に、心地悪さを感じてしまうものです。

マイクを向けられて嫌がる女性
写真=iStock.com/liza5450
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/liza5450

相手のことをよく知らなければ会話ができないわけではありません。

無難な話題で様子を見ながら、相手のほうから自分の仕事や家族などの話が出たときに、乗っかるほうが安心感があるはず。政治や宗教、収入、学歴、容姿などもこちらから触れるのはタブー。相手が話したいなら話してもらうのが礼儀です。

職業や年齢などを聞けそうな雰囲気なら、「私はリモートワークで……」「私は昭和生まれですけど、○○さんは?」とふんわりボールを投げてみるといいでしょう。

相手が乗ってきたら、「聞いてもOK」という合図。相手が言葉少なだったり、話題を変えたりしたときは、その意思を尊重して、話したい話題を深めていきましょう。

むしろ、相手の背景を知らないからこそ、心地よい関係が保たれる場合もあります。

私も伝統楽器の同好会に参加していますが、互いに顔と名前、電話番号以外は、ほとんど知らない関係です。だれも詮索しないし、自分からも言わない人たちだから、子どもからお年寄りまで同じ立場で気楽に音楽を楽しめているのかもしれません。

それでも、会話のなかでふとした瞬間に「昔、そんな仕事をされていたんですか!」「意外に家が近かったんですね」と相手を知ることがあり、自然に少しずつ関係が深まっているような気がするのです。

「相手が話したいことを聞く」「相手が話したくないことは聞かない」は、とても大切な会話のマナーなのです。

■「決めつけない」人は、心が開いている

他人のことを「こういう人だから私とは合わない」と、決めつけてしまうと、顔見知りが増えなくなってしまいます。

たとえば、近所に引っ越してきた人が「派手な格好で苦手なタイプだな」と思うと、あいさつもしなくなってしまう。また、相手の肩書きや職業で「あの人とは住む世界が違うから、話も合わないだろう」と思うと、態度もよそよそしくなるでしょう。

とくに、繊細な人は、相手の苦手な部分を敏感に察知したり、ちょっとした言葉に傷ついたりして、ネガティブな印象をもってしまう傾向が強いかもしれません。

しかし、私たちが見ているのは、ほんの一部。第一印象や先入観で「この人は○○な人だ」「嫌い」「合わない」と決めつけてしまうのはもったいないことです。

顔見知りがたくさんいる人は、自分との違いを「自分のまわりにいないタイプなので、面白い」「自分にはない部分を尊敬する」とポジティブにとらえています。

肩書きや職業にとらわれず、フラットな視点で「この人はどんな人なんだろう」と好奇心をもって好意的に眺めています。人に対する間口がゆったり広いから、さまざまな人が集まったり、人が人を連れてきて、つき合いの輪が広がったりするのです。

「先入観」は多かれ少なかれ、だれしもあるもの。もちろん、私にもあります。

そこで、ネガティブな印象や苦手意識にとらわれそうになったら、「そうともかぎらない」と考えるようにしています。「なんだか怖そうだな。でも、そうともかぎらない」「話が合わなそうだが、そうともかぎらない」というように。

すると、心の壁がなくなって話しているうちに、印象が変わってくる。「最初の印象は最悪だったけど、あるとき気が合って長いつき合いになった」という人もいるのです。

「だれもが意外な面をもっている」「わからないことは山ほどある」と思うことは、人への愛と理解を深めることにもなります。「どうしても合わない」と決めるのは最後の最後にして、ゆったり構えて、ゆっくり理解していきましょう。

■人が話をしているときは、相手の話を遮らない

「人の話を遮らない」「人の話は最後まで聞く」というのは、親しくなるためにはあたりまえのマナーのようですが、意外にできていない人が多いのです。

とくに上司と部下、親子、夫婦や恋人など、上下関係や親密な関係のなかで「ちゃんと人の話も聞いてよ!」と言われたことがある人、いるのではないでしょうか?

話を遮る理由のひとつは、「待って。それは違う」というように反論したいときや、自分の意見を押し通したいとき。もうひとつは「あー、わかりました」「それはもういい」など、先が読めて話を聞くのが無駄だと感じるときです。

後者は、悪気はなく、反論したいわけでもない。むしろ、建設的にテキパキと話を進めたいからこそ、だらだらした無駄な部分は端折りたいのです。

しかし、どちらも自分のペースに従わせようとする傲慢(ごうまん)さがあることは、間違いありません。相手に「この人に話しても、わかってもらえない」と思われるでしょう。

相手を尊重して、「話を遮らず、最後まで聞くこと」ができれば、多少、自分を抑えたり、長い話を聞かされたりすることになっても、その何倍もいいことがあります。

まず、度量が大きく、包容力のある人として信頼されます。とくに弱い立場の人にとって、話をちゃんと聞いてくれる存在は嬉しく、ありがたいもの。「気軽に話せる人」として慕われ、日常的に多くの情報が集まってくるでしょう。

また、「この話は先が読める」と思っても、最後まで聞くと、思わぬ情報や展開があること、意見の折り合いのつけ方が変わってくることも多々あります。

人は自分の意見が通らなくても、「話を受け止めてくれた」という満足感で、ある程度、納得するもの。嚙み合わない、伝わらないといったもどかしさがなくなります。相手の意見もちゃんと聞こうとする態勢になり、理性的な話し合いもできるのです。

相手の話がひと区切りするところまで「聞くこと」を心がけて、質問や意見は後回しにしてみてください。遮ってまで発言する重要なことは、ほとんどありませんから。

■肯定的な言葉で始めて、肯定的な言葉で締める

一緒にいて消耗する人の筆頭が「ネガティブ発言が多い人」ではないでしょうか。

有川真由美『どこへ行っても『顔見知り』ができる人、できない人』(PHP研究所)
有川真由美『どこへ行っても『顔見知り』ができる人、できない人』(PHP研究所)

たとえば、顔を合わせるたびに「疲れた」「暑くてやだー」「今日の仕事は気が重い」「早く帰りたい」なんてネガティブ発言を連発。ストレス発散なのか、愚痴や悪口がエンドレスに続く……という人と一緒にいると、気が滅入ってくるでしょう。

反対に、会話が自然にポジティブな方向に進んでいく人とは、話をしていて元気になるもの。そんな人は、もともと明るく元気な性格というわけではなく、ものごとの受けとめ方がやわらかく、明るい方向を見る習慣があるのです。

たとえば、行きたかったレストランに行ったら臨時休業だったとき、「最悪。楽しみにしていたのに。あーあ。来なきゃよかった」とぶつぶつ言っている人、一瞬、「あらら、残念」と言ってもすぐに、「まぁ、ほかにも店はあるし、つぎのお楽しみにしましょう!」と前を向く人、当然、後者の人と一緒にいたほうが楽しいでしょう。

ネガティブ思考の人が、ポジティブな発言をしようとしてよくやる間違いは、「なにかいいことはないかな」と見つけようとすること。ですが、一緒にいて元気になれる人は、どんなこともプラス面を見て、肯定的な言葉で表現する人なのです。

「上司は優柔不断な性格だ」→「慎重でやさしい性格だよね」、「締切まで3日しかない!」→「まだ3日あるからなんとかなる!」というように。注意するときも「ミスが多いよね」と嫌味っぽく言うより、「確認する癖をつけたら、ミスが防げるよ」「凡ミスがなければ完ぺき」など肯定的に言ったほうが相手も受け入れやすいはずです。

ただし、無理にポジティブ変換して「きっと神様がくれたギフトよ!」などと押しつけてくる人は鬱陶(うっとう)しい。ネガティブな発言をしてはいけないわけではありません。

「肯定的な言葉で始めて、肯定的な言葉で締める」を心がけるだけで、「明るく前向きな人」という印象になるはず。なにより口から出ていく言葉をいちばん聞いているのは自分自身。肯定的な言葉のほうが心が穏やかになり、ものごとがうまくいくのです。

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有川 真由美(ありかわ・まゆみ)
作家
鹿児島県姶良市出身、台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程修了。化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性へのアドバイスをまとめた書籍を刊行。内閣官房すべての女性が輝く社会づくり推進室「暮らしの質」向上検討会委員(2014-2015)。著書に『感情の整理ができる女(ひと)は、うまくいく』(PHP研究所)、『30歳から伸びる女(ひと)、30歳で止まる女(ひと)』(PHP文庫)、『好かれる女性リーダーになるための五十条』(集英社)、『遠回りがいちばん遠くまで行ける』(幻冬舎)などがある。

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(作家 有川 真由美)

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