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東大医学部に合格できたのは「ただ運がいい」だけ…精神科医・和田秀樹が本心からそう断言する納得の理由

プレジデントオンライン / 2024年2月22日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/winhorse

人生がうまくいく人はどんな考え方をしているのか。精神科医の和田秀樹さんは「経営の神様と呼ばれた松下幸之助は、『君は、自分のことを運が良いと思うかね?』と質問して、『自分は運がいい』と答えた人しか採用しなかった。自分は運が良いと思える人は、自分の実力を過大評価することがなく、謙虚な姿勢で物ごとに臨むことができるため、前向きな気持ちで、さまざまなチャレンジができるからだ。そういう人は、周囲の人にも優しくなれ、自分の生活が豊かになり、人生が楽しくなる」という――。

※本稿は、和田秀樹『なぜか人生がうまくいく「優しい人」の科学』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

■優しくなりたければ、自分の心の中にある「歪み」の存在を知る

現在の日本は、長引く不況や経済格差の拡大などによって、社会全体がギスギスしている状態にあります。

「自分が生活するだけで手一杯」という人が増えたことで、周囲の人たちに気を配るだけの精神的な余裕がどんどん失われているように感じます。私が最も関心を寄せているのは、不景気が長く続いたことによって、格差社会の「歪(ひず)み」が急速に広がっていることです。

その象徴といえるのが、「生活保護バッシング」や「精神障害者差別」など、いわゆる社会的弱者に対する「理由なき攻撃」です。

大地震や集中豪雨の被害者には深く同情できる人たちが、生活保護を受けている人や、精神障害がある人には、厳しい批判の目を向けているのです。

こうした現象の背景には、無記名、無責任に自分の意見を発信できるSNSの普及が大きく関係していますが、精神科医としては、「なぜ、人はこんな行動をしてしまうのか?」という心の問題に注目しています。

優しい人であるためには、自分の心の中にある「歪み」の存在を認識して、それを修正する必要があります。

本稿では、心に余裕を持つための考え方に焦点を当てます。

■「社会的弱者バッシング」が横行する4つの理由

インターネット上には、生活保護バッシングや精神障害者差別など、社会的弱者に対する過激な批判が氾濫しています。

本来であれば、社会的弱者は、地域社会全体で優しく庇護(ひご)すべき対象です。

温かい目で見守ることはあっても、目に余るような罵詈(ばり)雑言を浴びせるような相手ではないはずです。

なぜ、こんな現象が横行しているのでしょうか?

その背景には、次のような4つの理由をあげることができます。

【理由①】自分よりダメな人を叩いて「溜飲」を下げている

一番の理由は、自分よりダメだなと思う人を見つけて、それを罵倒(ばとう)することで「憂さ晴らし」をしているのです。

「自分の方がマシだな」と感じることで、ささやかな優越感を持つことができれば、その瞬間だけでも、自分の置かれた苦しい状況を忘れることができます。

生活保護バッシングには、国から生活費を支給されることに対する嫉妬も多分に含まれています。

「アイツより自分の方がマシだな」という発想をしていると、人との比較でしか自分のことが考えられなくなり、つねに自分より下の人を探し続けることになります。

延々とバッシングが繰り返される原因は、そこにあります。

人との比較で溜飲を下げる行為は、自分を「みじめ」にするだけです。

みじめな思いをしているから、自分のバッシングが余計に過激化している……ということに、早く気づく必要があります。

みんなに指をさされ非難されている女性
写真=iStock.com/SIphotography
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/SIphotography

■「どうせダメなヤツなんだろう」と決めつけている

【理由②】弱者に対する「想像力」が欠けている

名前も顔も知らない社会的弱者を、平気で叩けるというのは、相手に対する想像力が決定的に欠けていることも大きな原因です。

「能力的に劣っているからだろう」と自分勝手に結論づけて、社会的弱者が抱える事情までは考えが及んでいないのです。

社会的弱者には、それぞれ異なった事情があります。

病気やケガで仕事が続けられず、仕方なく生活保護を受けている人もいれば、貯蓄がないために生活が破綻してしまった高齢者もいます。

それを一括りにして、「どうぜダメなヤツなんだろう」と決めつけて一斉にバッシングするのは、相手に対する想像力が欠如している証拠です。

【理由③】すべてが「他人事」で「自業自得」と考えている

15年ほど前に、日本中で「自己責任論」なるものが流行したことがありますが、その考え方は、今でも日本人の心の中に根強く残っています。

心の病が原因で生活保護を受けている人は、「自業自得」であり、「自分はそんなことにはならない」と勝手に思い込んで、すべてを「他人事」と考えている人が多いように思います。

仕事が忙しくて体調を壊したり、上司のパワハラによって心の病を患うことは、誰にでも起こる可能性があります。

何の根拠もなく、「自分だけは平気」とか、「自分だけは特別」と考えているから、見ず知らずの社会的弱者を、上から目線で叩くことができるのです。

■勝ち負けや損得勘定は自分を見失うことにつながる

【理由④】自分の意見こそが「正論」だと思っている

SNS上で他人を誹謗(ひぼう)中傷している人の多くは、自分の考え方こそが「正論」であり、「世間のバカな連中は、なぜこんなことが理解できないのだろう?」という思いから、容赦のないコメントを投稿しています。

自分の意見だけが正しいと思い込み、世の中には多種多様な考え方があり、人の生き方は千差万別……ということが理解できていないのです。

最近では、SNSでコメントを投稿する際に、「この意見は誹謗中傷にあたるため、名誉毀損(きそん)の可能性があります」という警告が表示される機能が普及しています。

その警告を見て、初めて自分の意見が正論ではなく、単なる誹謗中傷だと気づく人が増えているといいます。

人との比較で自分を考えたり、自分より下の人を見つけて溜飲を下げる行為は、自分のマインドをマイナスに向かわせます。

こうした発想を続けていても、自分の生活が豊かになることも、人生が楽しくなることもありません。

相手が得をして、自分が損をしたら負け……という考え方を、心理学では「勝ち負け思考」といいますが、勝ち負けや損得勘定で物ごとを判断していると、次第に自分を見失うことになります。

こうした考え方や発想は、一刻も早く改めることが大切です。

親指を下に向けていら立つ男性
写真=iStock.com/Liubomyr Vorona
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Liubomyr Vorona

■「自分は運が良かっただけ」と思えれば、自然と人に優しくできる

私は宗教を信じていませんから、神様に感謝することはありませんが、仕事がうまくいったり、何かいいことがあっても、自分の能力を過信するのではなく、「運が良かっただけ」と思うようにしています。

私が東大の医学部に合格できたのは、頭がいいとか、努力したからではなく、灘高という学校に入って、効率的な勉強法と出会えたためで、自分では運が良かっただけ……と考えています。

平穏無事な毎日が送れているのは、誰かの助けがあったり、ラッキーな巡り合わせがあったからで、自分の実力だけで手に入れたものではありません。

すべてのことに「運」が関係していますから、思い上がることなく、運が良かったことを素直に喜ぶ気持ちを大切にしています。

自分のことを「苦労して這い上がってきた」とか、「自分の才覚で勝ち進んできた」と考えている人は、何も努力をしていないように見える人に対して、冷たく接する傾向が強くなります。

それが極端になると、「自己責任論」や「自業自得論」に発展することになり、相手に対する無意味なバッシングが始まってしまうのです。

努力をしていないように見えるだけで、その人には何らかの事情があったり、もっと大事にしていることがある可能性もありますから、自分の価値観を人に押し付けることは、人間関係の悪化を招くだけ……と考える必要があります。

勝手な思い込みや決めつけは、相手を傷つけるだけでなく、自分の人生をつまらないものにしてしまいます。

■松下幸之助が入社試験で必ず問いかけた質問

「自分は運が良かっただけ」と思うことは、私たちが生きていく上でも、意外に大事なことです。

松下電器(現パナソニック)を創業した松下幸之助は、入社試験の際に、志願者に対して必ずこう質問をしたといわれています。

「君は、自分のことを運が良いと思うかね?」

和田秀樹『なぜか人生がうまくいく「優しい人」の科学』(クロスメディア・パブリッシング)
和田秀樹『なぜか人生がうまくいく「優しい人」の科学』(クロスメディア・パブリッシング)

自分は運が良いと思える人は、自分の実力を過大評価することがなく、謙虚な姿勢で物ごとに臨むことができるため、前向きな気持ちで、さまざまなチャレンジができるからです。

経営の神様と呼ばれた松下幸之助は、「自分は運がいい」と答えた人しか採用しなかったそうです。

自分は運が良いと思ってる人は、周囲の人にも優しくなれます。

自分の能力を過信して、上から目線で周りの人を見ないだけでなく、「自分だけ得して悪いな」という思いがあるため、傲慢(ごうまん)な態度で人と向き合うこともありません。

控えめ姿勢で人と接することができるから、自然と優しくなれるのです。

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和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医
1960年、大阪市生まれ。精神科医。東京大学医学部卒。ルネクリニック東京院院長、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師。2022年3月発売の『80歳の壁』が2022年トーハン・日販年間総合ベストセラー1位に。メルマガ 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」

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(精神科医 和田 秀樹)

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