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「ランチ後のコーヒー」はやめたほうがいい…全米大ヒット本が「カフェインの摂取時間に要注意」と警告する理由

プレジデントオンライン / 2024年3月6日 13時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PeopleImages

コーヒーを飲んだ後、体にはどんな変化が起きているのか。栄養学研究者のアレックス・リーフ氏は「カフェインが睡眠に及ぼす深刻な影響を考えると、せめて正午~午後4時までにはコーヒーを飲むのをやめたほうがいい」という――。

※本稿は、アリ・ウィッテン、アレックス・リーフ『回復人 体中の細胞が疲れにつよくなる』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。

■「酒は百薬の長」は大間違い

患者のメーガンとはアルコールの話をした。メーガンは大酒飲みではないが、週に2、3回、子どもたちが寝たあとにグラス1、2杯のお酒を飲むことがあった。

アルコールはたしかに緊張をほぐしてくれるが、睡眠にはあまりいい影響は及ぼさない。

急性の摂取でも慢性的な摂取でも、また「つきあいでの飲酒」も含めて、積み重なると(1日あたり2~7杯、ビールなら1杯355ミリリットル、ワインなら1杯148ミリリットル、蒸留酒なら1.5ショット、あるいはその組み合わせ)メラトニンが15%から40%減少し、さらに多量のアルコールを摂取すると睡眠を大幅に阻害する恐れがある。またアルコールは睡眠の質に重大な悪影響を与え、睡眠障害を引き起こす。

私はメーガンにアルコールをきっぱりやめるよう勧め、もしもそんな極端なことはできないなら、週1回、1種類、多くても2杯までにすることを提案した。

あなたにも、同じことをおすすめする。睡眠と概日リズム調節障害に悩んでいるなら、アルコールは完全に断ったほうがいい。どうしても1杯飲みたいときは、夜でもなるべく早い時間に飲むようにしよう。

■カフェイン摂取は“元気の前借り”に過ぎない

私たちの脳には、疲れを引き起こす「アデノシン」と呼ばれる分子がある。アデノシンは脳のなかで特定の(アデノシン専用の)受容体と結びついて眠りをもたらす信号を伝え、日中にアデノシンが受容体と結びつくほどに眠気信号がたまっていく。

だがカフェインを摂取すると、カフェインがアデノシンの受容体と結びつくため、アデノシンが受容体と結びついて信号を送り出す仕事が妨げられる。このため私たちは、目が覚めて気が立ち、エネルギーが補充されたように感じる。

つまりカフェインは、私たちが疲れたと感じるまでの時間を長引かせているのだ。カフェインが消失しないかぎり、アデノシンはふたたび受容体と結びつくようにならない。

状況によっては、カフェインは短時間でエネルギーを補充できる手段として役に立つ。たとえばワークアウトの最中に体力や持久力を向上させたいと思うならぴったりだ。

■「ランチ後にコーヒー」が日課の人は要注意

だが、午後遅くや夜に摂取すると、カフェインは問題を引き起こす。睡眠の質を悪化させるからだ。

ある研究によると、寝る前6時間以内に摂取したカフェインは睡眠を妨げ、さらにカフェインを摂取した時間が寝る時間に近づくほど悪影響は増加した。複数の研究により、カフェインの半減期――体内に入ってから効力を失うまでの時間――は、人によって3時間半から8時間までの幅があることがわかっている。

さらに、カフェインはほんの数日続けて摂取しただけでその効果に耐性がつくため、同じエネルギーアップの効果を得るために、より多くのカフェインを摂らなければならなくなる。つまり、あなたのエネルギーレベルはカフェインがないと上がらなくなり、精神的にも身体能力的にも落ちこんでしまう。

私はメーガンと相談して、カフェイン摂取量を大幅に減らしてもらうことにした。

これまでの彼女は、朝のジョギングを終えたらまずコーヒーを1杯、昼食前にもう2杯、午後のあいだにさらに1杯か2杯、遅いときには午後4時か4時半ごろまで飲んでいた。

そこで、徐々にカフェイン摂取量を減らすために、まず午後2時以降はコーヒーを飲まないようにしてもらった。

■正午までに飲み終わるぐらいでもいい

これを1週間続けてから、次に2週間かけて、1日4、5杯のコーヒーを2、3杯に減らしていく。その次は、丸1日コーヒーを飲まない日をつくってもらい、週末にノーコーヒー・デイを設定してもらった。カフェインを断つと頭痛が起きることがあるため、ほかの依存症の場合と同じく、やめるときはゆっくりと体を慣らしていくことが大事だ。

科学的根拠にもとづいてアドバイスすると、カフェインの摂取はたまにならOK。ただし、週に数回、集中力を必要とする重要な会議やプロジェクトに参加するときのように、特定の目的に絞って摂取すること。

またカフェインを楽しみたければ、最後に飲む時間にも十分に気を配ることが重要だ。睡眠の質が落ちている人ほど、カフェイン摂取は早い時間に終えたほうがいい。できれば、正午から午後4時までには飲むのをやめるようにしたい。

とくに、疲れがひどい人ほど睡眠の問題を抱える場合が多いので、遅い時間にカフェインを摂るのはやめておこう。

■カフェイン中毒から脱するためには2カ月必要

メーガンはこの栄養プランを2カ月続けた。目標を守れない日もあったが、少しずつ睡眠の質が向上しているのを感じ、途中で目覚めることなくぐっすり眠れる日が増えていった。

最終的に、メーガンは体中にエネルギーが湧いてくるのを感じ、頭もさえて集中できるようになり、子どもたちや夫や同僚と気持ちよく過ごす余裕をもてるようになった。

私の相談者は、たいてい1週間もあれば効果を感じはじめるが、なかには1、2カ月かかる人もいる。

私が提案するのは、1回試しておしまい、という場当たり的なプランではない。まったく新しい食事のパターンと食べ方を取り入れ、それまでとは異なる栄養学の習慣を身につけることで、脳の時計と体の時計をリセットし、一生にわたって続けられる概日リズムをつくり出すことなのだ。

さらにこのプランを実行すれば、エネルギーレベルが高まるだけでなく、心臓病、糖尿病、神経疾患、ガンなどの病気にかかるリスクも低くなるうれしい副作用がついてくる。

さあ、脳の時計と体の時計をセットし直して、よりよい睡眠とエネルギーを手に入れる挑戦を始めよう。

■「睡眠日記」をつけてみる

次に挙げる項目は、この旅を始めるにあたって大きな助けになるだろう。

アリ・ウィッテン、アレックス・リーフ『回復人 体中の細胞が疲れにつよくなる』(サンマーク出版)
アリ・ウィッテン、アレックス・リーフ『回復人 体中の細胞が疲れにつよくなる』(サンマーク出版)

まず、栄養学的なプランを、これまでの相談者に効果があった順に並べてみた。最初のプランから始めて、1つずつ試してみたいと思う人は、そうしてもらってOKだ。もちろん、好きなところから始めてもいい。まずカフェインの摂取量を抑えるところから始めたい人は、それでかまわない。

この新しいプランを生活のなかに取り入れやすくするため、各項目をいくつかの段階に分けた。それぞれの段階を、少なくとも2週間は続けること。

だがその段階、またはその項目がどうもしっくりこないと感じるなら、あるいはもう少し長く続けて自分の日課のなかにしっかり組み込みたいと思うなら、納得のいくまでいまの段階を続けてから先に進もう。

1つの項目で自分の目指すレベルに達したら、次の項目にチャレンジするというように、このプロセスを必要なだけ繰り返していく。

どの項目から始めても、日記をつけて眠りのパターンを記録してほしい。毎朝起きたら、その日の眠りの質と朝のエネルギーレベルを1から10の段階で評価する。何か変化があったら必ず記録し、この毎日の睡眠とエネルギーの段階評価を活用して、日々の歩みの分析に役立てよう。

日記をつける女性の写真
写真=iStock.com/PeopleImages
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PeopleImages

■午後9時までに食事を終えられているか

□食べ物とカロリーのある飲料の摂取を「一定の時間枠内」に収める
□全カロリーを12時間から14時間のあいだに摂取する
□全カロリーを10時間から12時間のあいだに摂取する
□全カロリーを6時間から10時間のあいだに摂取する

□夜間または寝る直前に「食べ物」と「カロリーのある飲料」を摂取しない
□午後10時までに食事を終える
□午後9時までに食事を終える
□午後8時までに食事を終える
□午後7時までに食事を終える

□「午前中~午後」に(つまり朝食と昼食で)カロリーの大部分を摂取する
□午後3時までに1日のカロリーの約30%を摂取する
□午後3時までに1日のカロリーの約50%を摂取する
□午後3時までに1日のカロリーの約70%を摂取する

□「食事の時間」を固定する
□1日1食は毎日同じ時間に食べる
□1日2食は毎日同じ時間に食べる
□1日3食とも毎日同じ時間に食べる

■炭水化物、アルコール、カフェインも意識する

□夕食時に「可消化性炭水化物」の摂取を制限する
□週に2、3日は夕食時に可消化性炭水化物を摂らない
□週に4、5日は夕食時に可消化性炭水化物を摂らない
□週に6日以上は夕食時に可消化性炭水化物を摂らない

□「アルコール摂取」を制限する
□週に2、3日、酒は一晩1杯までにする
□週に4、5日、酒は一晩1杯までにする
□週に6日以上、酒は一晩1杯までにする

□午後と夜の「カフェイン摂取」を減らす
□16時以降カフェインは摂取しない
□14時以降カフェインは摂取しない
□12時以降カフェインは摂取しない

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アリ・ウィッテン 「エナジー・ブループリント」創始者
ライフスタイルとサプリメントを総合的に考えるシステム「エナジー・ブループリント」の創始者。「エナジー・ブループリント」は、より健康的でエネルギーにあふれ、能力を発揮できる人の実現を目指すプログラムを通じて、200万人以上(さらに増加中)を助けてきた。著書はベストセラー『The Ultimate Guide To Red Light Therapy』など。2020年には、自然医療と機能性医学の世界最大のコミュニティである「マインドシェア」が実施した投票で、健康インフルエンサーの第1位に選ばれた。人間栄養学および機能性医学の修士号、運動生理学の学士号を取得。

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アレックス・リーフ 理学修士
栄養学の専門家および研究者、作家、学者。ウェスタン・ステイツ大学で人間栄養学および機能性医学を教えている。「エナジー・ブループリント」でコンテンツ・クリエイターおよびリサーチ・ライターとしても活躍している。

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(「エナジー・ブループリント」創始者 アリ・ウィッテン、理学修士 アレックス・リーフ)

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