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「何が何でもネットで調べる」は大損している…「わからないこと」への対応でわかる成功する人の特徴

プレジデントオンライン / 2024年3月14日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Shutthiphong Chandaeng

目上の相手にも萎縮せずに話せる人は何をしているのか。緊張しいから話し方のプロになった丸山久美子さんは「社内での役割を示す肩書きは記号であるから、本来的にはその人自身を示す名前にも目を向けるべきだ。そして、相手が社長でも『社長』ではなく『○○社長』と名前を添えて呼ぶ習慣をつけるといい。相手によっては『○○さんでいいよ』と言ってくれることもあるだろう。呼び方はお相手に合わせていくのがベストである」という――。

※本稿は、丸山久美子『緊張しても「うまく話せる人」と「話せない人」の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■名刺交換した後に相手が青ざめた理由

あなたは、名刺を受け取ったとき、真っ先にどこを見ますか?

私は肩書きに目が行きます。

あるセミナーに講師として登壇した際、こんなことがありました。

参加者の1人に、Aさんという方がいました。

Aさんは会場に入室した後、「上司にとりあえず行って来いと言われただけで、何のセミナーか知らずに来ました」と普通のテンションで話してくれました。私も「そうですか〜」とフランクに返しながら、2、3分なごやかに会話をしました。

ところが、名刺交換をした途端、Aさんが異様に緊張し始めて言葉を発しなくなったのです。

あとあと理由を聞いてみたら、

「社長に向かって失礼な態度をとってしまい、申し訳なくなって、話せなくなりました……」と言われました。

私の名刺には「株式会社シャベリーズ 代表取締役 丸山久美子」と書いてあります。

Aさんは肩書きを見て、「この人社長だったんだ! 失礼な態度を取ってしまった!」と青ざめたそうです。

■「○○社長」と名前を添えて呼ぶ習慣をつける

相手が上役であればあるほど身が引き締まり、緊張が高まる気持ちはよくわかります。

でも、相手の役職によって、失礼か失礼でないかが変わるのはおかしいですよね。

たしかに役職の高い肩書きには威力がありますが、肩書きとは、社内での役割を示す記号のようなものです。

その会社がなくなれば肩書きもなくなるので、結局、最後に残るのはその人だけになります。

ぜひ、肩書きだけでなく、その人自身を示す名前にも目を向けてみましょう。

世の中には、役職を振りかざす人もいます。

その役職まで登りつめたことをひけらかしたい人もいれば、ブランディングの戦略として使っている人もいます。

様々なタイプの社長がいますが、相手がどんなタイプであれ、役職だけでなく名前にも目を向け覚えましょう。そして、「社長」ではなく「○○社長」と名前を添えて呼ぶ習慣をつけてください。

「社長」と呼ばれるのが好きではない人は、「○○さんでいいよ」と言ってくれます。そのときは萎縮せず、「○○さん」と呼んであげてください。

社長であっても1人の人間です。

距離を置かれるのが好きな社長もいれば、寂しく思う社長もいます。

ただ役職だけ見て萎縮するのではなく、役職+名前まで見る習慣をつけましょう。

その上で、呼び方はお相手に合わせていくのがベストです。

握手を交わすアジアのビジネスパーソン
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazuma seki

■居心地のよさにどっぷり浸かると、外の世界へ出て苦労する

新しいチームでの業務、部署移動、転職……。

慣れていない人の輪に入るのは、緊張しいな私たちにとってハードルが高いことです。

ハードルが高いという理由で、その機会を極力作らないように生きている人もいます。

でも、そういう人ほど、人前に出ると緊張して話せなくなってしまいます。

私が学生の頃は、クラス替えの度に全員の前で自己紹介をする機会がありました。

大きな声でハキハキ話せる人は、部活やバイトをしている人ばかりでした。緊張せずに話せているように見えて、意外にも「緊張した〜!」と言っていました。

対して、声が小さくて聞こえなかったり、「えっと……その……」と言葉が出なくなってしまうタイプの人は、いつも1人で過ごしているか、同じ友達と同じような話ばかりしている印象の人たちでした。

いつも同じ人と話していると、会話のペースを掴めて、お互いに使う言葉も似てきます。何より、相手がどういう人かわかるので安心して話すことができます。

同じ人、慣れた人と話す方が、圧倒的に居心地がいいものです。こういう時間は、もちろん大切です。

しかし、この居心地のよさにどっぷり浸かってしまうと、外の世界へ出たときに苦労します。

■日常的に自分のテリトリーの外へ出る必要性

慣れていない人と話すことになったとき、実感するはずです。

いつも使っている言葉が通じなかったり、敬語を使いこなす必要があったり……。

同じ日本語なのに、難しさや違和感を持つかもしれません。

話すスピードが違って疲れることもあるでしょう。

いつもより頭を使って、話の順番を丁寧に考える必要もあるかもしれません。

だからこそ、日常的に自分のテリトリーの外へ出る必要があります。

普段なら知り合えないであろう職種や価値観の人と話す機会を作るのです。

自分とは真逆の環境で生きている人と話すと、なお刺激的です。

例えば、あなたが接客業であれば、IT業界で働いているエンジニアの人と話してみる、あなたがエンジニアなら、保育士さんと話してみてもいいでしょう。

イベントに参加したり、友達に協力してもらうのもオススメです。

昼食をとりながら会話をする友人グループ
写真=iStock.com/visualspace
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/visualspace

■「必ず1回は新しい環境に身を投じる!」と決める

子供の頃は、否が応でも1年に1回はクラス替えという名のイベントがありました。

1年に1回は、強制的に、新しい人との出会いがあったわけです。

大人になるほど、強制的なイベントは、仕事でしか起こらなくなります。

しかも、仕事ですから、余計に失敗したくないですよね。

だからこそ、あえてプライベートで機会を作ることをオススメします。

月に1回、半年に1回、年に1回でも構いません。

「このくらいのスパンで、必ず1回は新しい環境に身を投じる!」と決めるのです。

「えいや!」と思い切って、強制的に、そして定期的に、自分を慣れていない人の輪に放り込んでいきましょう。

きっと毎回緊張すると思います。

でも、少しずつ、緊張しても話せるようになっていきます。

「以前より、緊張しても話せるようになったなぁ」と思えるようになりますので、ぜひ、慣れない人とも接する習慣をつけていきましょう!

■「わからないことはググれ」の問題点

「人には迷惑をかけないようにしたい」

緊張しいな人は、よくこう言います。

「ダメな人間と思われたくない」「迷惑をかけて嫌われたくない」といった思いが強いように感じます。

また、「わからないことはググれ」といった言葉があります。

「わからないことがあったら、人に聞く前にまずは自分でGoogleで検索をして調べましょう。それでもわからないときは人に聞いて教えてもらいましょう」という意味だと私はとらえています。

しかし、以前はこのような意味だと思っていました。

「わからないことがあったら、わかるまでGoogleで検索をして調べましょう。人に聞くのは迷惑行為なのでやめましょう」

例えば、初めて行く場所で道に迷ったとします。極度の緊張しいな人であれば、周りの人に聞くことはせず、ほぼ100%の確率でスマホを開き地図アプリなどで道を調べるはずです。

しかし、アプリが示す方へ進んでも、目的地に辿り着けないときもあると思います。

道だけではなく、ふとわからないことがあったとき。

プライベートのみならず、仕事でわからないことがあったとき。

選択肢は2つです。

人に聞くか、何が何でもネットで調べてどうにかしようとがんばるか。

あなたは、いつもどうしていますか?

■私たちは、もう少し周りの人に頼ってもいい

ここで、お伝えしたいことが2つあります。

1つ目。

迷惑かどうかは、あなたが決めることではありません。

迷惑かどうかは、相手が決めることです。

2つ目。

人間は、助け合いながら生きていいのです。

例えば、もし、あなたが逆の立場になったらと想像してみてください。

「道を聞いてくるなんて、迷惑な人だ」と思うでしょうか?

道に困っている人が目の前にいたら、ただ、助けようと寄り添うのではないでしょうか?

たしかに、ここまでインターネットが普及した今、わからないことがあったらまずは自分で調べてみる姿勢は素晴らしいと思います。

しかし、インターネットに何もかもすべての正解が載っているわけではありません。仮に正解が載っていたとしても、膨大な情報の中から正解のページに辿りつけないこともあります。

緊張しいな人は、何もかも1人で抱えるクセがついている人が多いです。

丸山久美子『緊張しても「うまく話せる人」と「話せない人」の習慣』(明日香出版社)
丸山久美子『緊張しても「うまく話せる人」と「話せない人」の習慣』(明日香出版社)

私たちは、もう少し周りの人に頼ってもいいのではないでしょうか?

相手によっては、迷惑だと言う人もいるかもしれません。

しかし、私は道を聞くようになって初めて気がついたのですが、世の中の多くの人は想像以上に優しく親切に接してくれます。快く救いの手を差し伸べてくれます。

調べてもわからなかったら、人に聞く習慣をつけましょう。

教えてもらってもいいのです。

人間1人では生きていけないのですから。

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丸山 久美子(まるやま・くみこ)
株式会社シャベリーズ代表取締役
18歳から展示会を中心としたイベント業界で従事。もともと緊張しやすい性格だが「人前で話せるようになりたい」と思いMCとして活動するも、ステージ上で頭が真っ白になったり、手が震えてマイクを落とすなど数々の失敗を経験。緊張を克服しようと試みたが、逆にストレス過多となり心身症を発症。緊張を克服するのではなく、独学で緊張と上手く付き合う方法や話し方を身につけ、年間385本の仕事をこなすMCに成長。企業のプレゼン代行、イベントや結婚式での司会進行、ラジオパーソナリティ、生放送通販番組のMCなど、人前で話す仕事を3000回以上経験する。2020年に株式会社シャベリーズを設立。現在は、人前で話せるようになりたいと願う人々へ、オンラインスクールや企業研修、行政や商工会議所でのセミナーを通じて、緊張との付き合い方や話し方のトレーニングを提供している。著書に『』(同文舘出版)がある。

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(株式会社シャベリーズ代表取締役 丸山 久美子)

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