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この割合で食べると自律神経が整う…自律神経の名医が「理想的」と話す「朝・昼・夕」の食事量の黄金比

プレジデントオンライン / 2024年3月31日 13時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazoka30

毎日元気に過ごすには何をすればいいか。順天堂大学医学部教授の小林弘幸さんは「ホルモンの分泌を正しく促し、自律神経を整え、免疫機能を正常に保つ『時計遺伝子』を正しく働かせるためには、『太陽の光』と『朝食』が鍵となる。自律神経を整えるためには、朝食だけでなく、昼食、夕食もバランスを考えてとる必要がある。ヨーロッパの格言にある『朝は王様のように、昼は貴族のように、夜は貧者のように食べよ』という言葉は、食事のバランスとしては理にかなっている」という――。

※本稿は、小林弘幸、毛利啓銘『自律神経を整えれば「食いしばり・歯ぎしり」は解決する』(宝島社)の一部を再編集したものです。

■朝起きて「水を飲む」と、副交感神経の働きが高まる

気持ちよく一日のスタートを切るためには、朝の時間の使い方が重要になります。自律神経に良い毎朝のルーティーンをご紹介するので、参考にしてみてください。

朝起きたら軽くうがいをし、その後にコップ1杯の常温の水を飲むようにしましょう。冷たい水でも問題ありませんが、常温や白湯(さゆ)にすると体も温まります。

人間の体の約60%は水分でできています。水は生命を維持するのに欠かせないものであると同時に、自律神経のバランスにも深くかかわっています。「水を飲む」という行為が、胃腸の神経を適度に刺激し、副交感神経の働きを高めるのです。

朝、水を飲むときのポイントは、「一気に」飲むことです。勢いよく飲んだほうが腸への刺激が起こりやすくなり、腸のぜんどう運動のスイッチが入ります。これを「胃結腸反射」といいます。

ぜんどう運動が活発になると、スムーズな排便につながります。朝だけでなく、1日1.5~2Lの水をこまめに飲むのも、自律神経にとって良い習慣です。

また、朝起きてから意識したいのは、カーテンを開けて、太陽を浴びることです。朝、しっかり太陽の光を浴びなければ、副交感神経と交感神経の切り替えがスムーズにいかず、自律神経のバランスが整いません。

幸せホルモンであるセロトニンの分泌や、ずれてしまった体内時計を調節するためにも、太陽を浴びることを意識してください。

■朝、晩の一日2回、体重計に乗る

毎朝、体重計に乗って、自分の体重を把握するというのも、とても大事なことです。暴飲暴食をするとその結果はすぐに体重に反映されます。1~2日のあいだに以前より3kgも4kgも増えているようなことがあれば、自律神経を乱すような間違った食べ方をしていた、とわかります。

その変化を知るためにも、毎日測ることが重要なのです。できれば、朝、晩の一日2回、体重計に乗るのがおすすめです。2回測ることで、その日の腸内環境のコンディションをより細かくチェックすることができるからです。

腸内環境が整っていれば、一日の食事により、晩には朝より1kgほど増えているはずです。そして、夜寝ているあいだにエネルギーが消費されるので、翌朝には前日の晩の体重から1kgほど減っています。

このサイクルが順調に回っていれば、腸内環境が整っているか、崩れているかを判断することができます。

ただし、あまり体重を気にしすぎるのも良くありません。前日よりも太ってしまったと気に病(や)むあまり、ストレスによって逆に自律神経を乱してしまうからです。自分のベスト体重から、プラスマイナス2kgを目安に管理するとよいでしょう。

体重計に乗る人
写真=iStock.com/west
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/west

■朝のルーティーンに縛られてはかえってストレスが溜まる

体重と同時に、毎日自分の心身の状態をセルフチェックできる方法が、「尿」と「便」のチェックです。尿と便は健康状態を見る指標となるので、毎日観察し確認することで、病気の早期発見にもつながります。

「いつもと違う」というわずかな兆候を見逃さないよう、注意深く観察してください。

毎朝起きてから出勤するまでの時間におすすめなのが、軽い運動です。運動といっても散歩程度のもので問題ありません。歩くことで血流が良くなれば、腸の活動も活発になり、免疫力も上がります。

簡単なストレッチや、スクワットをしてもよいでしょう。スクワットは正しいフォームで行えば、腹筋や骨盤底筋群も鍛えられます。

そして、朝のルーティーンで最も重要なのが、「朝食」です。食べ物が胃に入ることで腸を刺激し、ぜんどう運動も活発になり、夜のあいだに消化吸収した老廃物をスムーズに排出することができます。自律神経を整えるためには、朝食は欠かせません。

自律神経に良い朝のルーティーンをご紹介しましたが、これを必ずやらなければならない、ということではありません。

「毎朝の習慣は絶対に守らなければ」とルールに縛られすぎてしまうと、かえってストレスになってしまいます。自分に合ったルーティーンで、心身にとって良いサイクルをつくってみましょう。頑張りすぎないことが、習慣化への第一歩であると心得てください。

■体内時計を働かせるには「太陽の光」と「朝食」が鍵

私たち人間の体には、定期的な周期で新陳代謝やホルモン分泌などがスムーズに行われる機能が備わっています。いわゆる「体内時計」といわれるものですが、実は、体内時計は、24時間より少し長いことがわかっています。自転周期と微妙にずれているということです。

このわずかなずれが、不規則な睡眠や乱れた食生活によって、さらにずれてしまうと、自律神経は乱れ、ホルモンの分泌などが不調になり、体調を崩してしまいます。体のサイクルを正常な状態で保つことは、とても大切なことなのです。

近年、細胞の中に「時計遺伝子」が発見され、私たち人間の体内時計を管理していることがわかってきました。

この時計遺伝子は、ホルモンの分泌を正しく促すだけではなく、自律神経を整え、免疫機能を正常に保つという私たちの健康を維持するうえで重要な役割も担っています。

時計遺伝子を正しく働かせるためには、「太陽の光」と「朝食」が鍵となります。

太陽の光を浴びることによって、時計遺伝子に刺激が伝わり、体内時計が24時間周期にリセットされます。

そして、朝食をとることによって、時計遺伝子を活性化させることができます。

体内時計のイメージ
写真=iStock.com/nambitomo
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/nambitomo

■「朝は王様のように、昼は貴族のように、夜は貧者のように食べよ」

最新の時間栄養学によると、「時計遺伝子を活性化させる朝食とは、(前の晩からの)絶食した時間・量・質に比例する」というデータがあります。

つまり、夕食を早めに済ませて、何も食べない時間をできるだけ長くして、朝食は質の良いものをバランスよく食べる、ということです。

朝食は、腸の動きを活発にするだけでなく、時計遺伝子を正常に働かせるという意味でも、欠かせないものなのです。

自律神経を整えるためには、朝食だけでなく、昼食、夕食もバランスを考えてとる必要があります。

朝、昼、夕の量の配分の理想は、朝4:昼2:夕4。それがきつかったら、朝4:昼3:夕3。あるいは、朝3:昼3:夕4をおすすめします。やはり重要なのは朝食です。

ヨーロッパの格言に、「朝は王様のように、昼は貴族のように、夜は貧者のように食べよ」という言葉がありますが、食事のバランスとしては理にかなっているといえます。

昼食は自律神経の急激な変化を避けるために、できるだけゆっくり食べるか、時間がなければ、量を少なめにする工夫をしましょう。

夜は副交感神経が優位に切り替わっていく時間です。副交感神経が高まると、心身はリラックス状態になりますが、逆に胃腸の働きは活発になります。消化・吸収が盛んに行われるので、夕食には栄養価の高いタンパク質や野菜をしっかりとるとよいでしょう。

■食べる前に水を飲み、野菜から食べ始める

毎食、食べる前に水を飲むのも習慣にしてください。水を飲むことで、「胃結腸反射」が起きるので、胃腸が動き出し、副交感神経が活性化します。消化・吸収も良くなり、腸内環境も改善され、副交感神経の働きも上がり、血流がアップします。

小林弘幸、毛利啓銘『自律神経を整えれば「食いしばり・歯ぎしり」は解決する』(宝島社)
小林弘幸、毛利啓銘『自律神経を整えれば「食いしばり・歯ぎしり」は解決する』(宝島社)

さらに、食べる順番も意識するようにしましょう。できれば「野菜料理」から食べ始めるようにするとよいです。野菜は飲み込むまでにかむ回数が多いので、自然にゆっくり食べることができ、早食いを防止できます。

また、野菜料理は比較的カロリーや糖質が低いので、血糖値の急上昇も抑えられます。肥満防止という面からも、野菜から食べ始めて、次は肉や魚料理、という順番をおすすめします。

すべての食事は、ひと口ずつ、よくかんで味わってから飲み込むことを意識してください。ゆっくりした咀嚼(そしゃく)のリズムが、副交感神経の働きを活性化させ、自律神経のバランスを整えてくれます。

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小林 弘幸(こばやし・ひろゆき)
順天堂大学医学部教授
1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部卒業後、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学医学部小児外科講師・助教授などを歴任。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートやアーティスト、文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導にも携わる。順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した“腸のスペシャリスト”としても有名。近著に『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム)、『名医が実践! 心と体の免疫力を高める最強習慣』『腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず 免疫力が10割』(ともにプレジデント社)『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』(日本文芸社)。新型コロナウイルス感染症への適切な対応をサポートするために、感染・重症化リスクを判定する検査をエムスリー社と開発。

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毛利 啓銘(もうり・けいめい)
歯科医師
モウリデンタルクリニック院長。1971年生まれ。歯科治療の矛盾や誤った常識を明確に説明し、基礎医学に基づいた論理的な治療を提供している。形骸的な治療ではなく、予知性が高く、治療後の予防管理を重視した治療を行っている。歯の根本的な問題を解決するため、約15年前から患者の食事や生活習慣の改善指導も行う。

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(順天堂大学医学部教授 小林 弘幸、歯科医師 毛利 啓銘)

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