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3位は川崎汽船、2位は伊藤忠商事、では1位は…平均年収が高い「関西地方トップ200社」ランキング2023

プレジデントオンライン / 2024年4月12日 7時15分

プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均年収ランキング(2023年度版)」を作成した。調査対象会社3892社のうち、関西地方に本社のある企業は658社だった。また平均年収が1000万円を超える企業は11社、1位は2279万円のキーエンスだった。「関西編トップ200社」をお届けする――。(第3回)

■関西編TOP200社の平均年収は811万円

プレジデントオンラインは、関西地方2府5県(大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山、三重)に本社を置く企業(※)の「社員平均年収ランキング(2023年版)」を作成した。基にしたデータは直近の年次決算期における有価証券報告書(2022年10月期~2023年9月期)。データ抽出では、経済・金融データサービスの株式会社アイ・エヌ情報センターの協力を得た。

(※本社の位置は、有価証券報告書に書かれた「本店の所在の場所」に準じている)

今回調査した関西地方の全658社の平均年収は632.0万円だった。表にしたランキング200位までの従業員平均年収額は811万4000円。平均年収が1000万円を超える企業は11社だった。

■トップは全国編でも2位だったキーエンス

関西拠点の企業「給料トップ」は、キーエンスだ。同社は顧客工場のIOT化に向けたFAセンサなどを手がける。

顧客の要望を先取りする企画開発力・営業力に定評があり、驚異的な利益率をマークしていることで全国的に知られる。粗利益率80%、営業利益率50%が標準的な目安だ。

当然、業績連動型の給与体系になっており、純利益が増えれば年収もアップする。ただし、平均勤続年数12.1年は、メーカー系としてはやや短い方である。

ランキング2位は伊藤忠商事。5大商社の中で、同社は繊維や食品といった非資源ビジネスで安定した収益を上げている。2021年3月期には、利益・株価・時価総額で三菱商事、三井物産、住友商事を抜いた。23年3月期の純利益も微減とはいえ8005億円と過去最高水準だった。

コンテナ船運賃の高止まりを受け、大手商船の業績は好調だ。3位の川崎汽船の平均年収は、前期より338.5万円アップしている。

以下、テレビ局の朝日放送ホールディングス(HD)、総合商社の兼松、大阪大学発の製薬ベンチャー、アンジェスと続く。

アンジェスは、国内メーカーとして早期に新型コロナウイルスワクチンの開発に乗り出したことで話題になった。現在、開発は中止している。

7位は食品の専門商社である西本Wismettacホールディングス、8位は大手製薬の武田薬品工業、9位は化学系専門商社の長瀬産業だった。

世界トップ級の塗料メーカーである日本ペイントHD(10位)は、社内組織の変更にともない計算対象人数が大きく減った(404人→51人)したことで前年比増になったようだ。

■待遇面での東西格差はあるのか

13位にランクインしている小野薬品工業は、抗悪性腫瘍薬「オプジーボ」を開発した医薬品メーカーだ。ランク18位に入っている不二製油グループ本社は、海外売上高比率が約6割の食品メーカーだ。 植物性油脂事業、業務用チョコレート事業が主力事業である。

関西経済圏の地盤沈下問題がクローズアップされた時期があり、本社を関西地区から首都圏に移そうという企業に対して、政府の経済関連当局担当者が直接出向いて翻意を迫るケースもあったことは事実。ただし、今日では待遇面の東西格差は薄まっているようだ。

■アパレルでも年収137万円アップ

前年比で100万円を超す年収アップをした企業は、14社だった。

31位のオンデックは、買収したい企業と譲渡したい企業を橋渡しするM&Aアドバイザリー業務を手がける。

37位の因幡電機産業は電設資材や産業機器の卸販売が主力ビジネス。

53位の和田興産は、神戸を中心に「ワコーレ」ブランドの分譲マンション販売を手がける。支払給料手当・賞与が増額になったことで、従業員の平均給与額も100万円を超えるアップになったようだ。

ランキング106位のテクノスマートは、ディスプレイや2次電池用の塗工乾燥装置が主力業務。157位の建設機械などのレンタルを行うニシオHDは年収が193万円アップしている。ただこれは、2023年4月1日付で持株会社体制へ移行したことにより、従業員数が前事業年度末と比べて大きく減少したことが要因だろう。

ランキング圏外になるが、「3COINS」などアパレルブランドを全国展開するパルグループホールディングス(227位)の平均年収は、536.7万円→674.3万円と約137万円のアップだった。

「平均年収が低い『全国ワースト500社』ランキング2023」でも触れたが、アパレル企業は不調の企業がいまだ多い。好調の理由を同社に聞くと、「コロナ禍後の需要の急回復が継続する中で、SNS活用(従業員発信)による販路拡大を行った。その結果、店舗&EC双方の売り上げが大幅にアップした」(人事部)とのことだった。

■スシローの待遇は外食業ではトップクラス

年収ダウンで見ると、「スシロー」や「京樽」を運営しているFOOD&LIFE COMPANIES(ランキング101位)は対前年比約90万円のマイナスとなっている。

これは「前期の平均年収の額には、通常の賞与に加え決算賞与が含まれていることが主な要因」(広報部)という。

従業員給付費用は増額(連結ベースでは777億円→836億円)になっており、従業員個々のダウンはないとみていいだろう。

同社のホームページによれば、スシローの従業員の平均年収は537万円、店長は621万円、営業課長は884万円である。

なぜ外食企業としてはトップ級の水準を出せるのか。「スシローは1店舗あたりの売上高が高く、業務難易度も高いため、特に店舗責任者となる店長に対し業務内容に見合った報酬水準を設定することで、採用競争力の向上を目指している」(広報)とのことだった。

【図表】平均年収が高い「関西の上場企業」トップ200社ランキング(1位~50位)
【図表】平均年収が高い「関西の上場企業」トップ200社ランキング(51位~100位)
【図表】平均年収が高い「関西の上場企業」トップ200社ランキング(101位~150位)
【図表】平均年収が高い「関西の上場企業」トップ200社ランキング(151位~200位)

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鎌田 正文(かまた・まさふみ)
ビジネスリサーチ・ジャパン代表
1995年、ビジネスリサーチ・ジャパン設立。金融・流通・メーカーなどの各分野から経済全般まで、幅広く取材、執筆。『2012年版 図解 これから伸びる企業が面白いほどわかる本』など、業界研究の著作多数。

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(ビジネスリサーチ・ジャパン代表 鎌田 正文 図版作成=大橋昭一)

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