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「希望の職種に就けない可能性があるが大丈夫か」転職面接で秒殺される回答、受かる人の満点回答

プレジデントオンライン / 2024年5月8日 6時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazuma seki

「希望職種に就けない可能性があるが大丈夫か」「自己都合退職とあるが、詳細は」……。転職面接で、こうした質問をされた場合は、どう答えたらいいのか。キャリアカウンセラーの中谷充宏さんは「こうした答えにくい質問は、面接官のねらいを想像しながら冷静に返す必要がある」という――。(第5回/全6回)

※本稿は、中谷充宏『20代~30代前半のための 転職「面接」受かる答え方』(秀和システム)の一部を再編集したものです。

■希望職種に就けない可能性がありますが、いかがですか?

【面接官が知りたいのはココ!】
「大丈夫、問題ない」は大前提だからね
「今は叶わなくても将来は叶える」というプランがあるかな?

この質問は職種限定だと絶対にされません。総合職のように複数の職種の可能性がある場合のみと捉えてください。

企業は利益を追求する団体ですから、個人の希望をすべて聞くわけにはいきません。

「希望が通らないなら、入社は辞退します」とわがままを言わず、企業側の意向を受け入れる柔軟性、適応能力があることをPRしなければなりません。

その上で、応募企業の希望職種で働きたい思いをどう伝えるかがポイントです。

「何でも従います」というイエスマンもいらないけれども、今まで散々アピールしてきた希望職種へのこだわりが乏しいのも問題です。

そのため、今は希望通りにならないかもしれないが、入社が叶った場合の希望職種に就くための具体的な取り組みプランを語っておけば、入社意欲と希望職種への思いの両方を感じ取ってもらえるでしょう。

たとえばこういう人の場合

26歳女性、大卒。新卒入社した会社に勤務中。今回は2社目の転職で、同業種・異職種への応募。

NG!
「御社に入社が叶うのなら、希望職種でなくても全然かまいません」

↑希望職種への思いが薄すぎるのは問題です。

OK!
「企業で働く以上、希望通りにならないことがあるのは十分認識しています。
前職でもフィールドエンジニアを希望していましたが、在職中は社内SE業務に従事していて、当初の願いは叶いませんでした。
しかし、社内SEにも私は非常にやりがいを持って業務に臨んでいましたし、希望するフィールドエンジニアとの共通・類似業務もありましたので、満足して働くことができました。
御社から見て、私が活躍できる場所が他にあるということでしたら、まずはお受けし、しっかり結果を出してから、自分の希望実現のために社内公募制度などを活用して次に進めるようにしたいと思います」

↑入社後の希望実現に向けての具体的な取り組みにも触れることで、面接官も当社への入社意欲と希望職種への思いの両方を感じ取ってくれるでしょう。

■当社が求める資格を、お持ちでないようですが?

【面接官が知りたいのはココ!】
「持っていないなら即不採用」ではないからね
「引け目」についての思いと、今後の取得プランは?

たとえば、日商簿記1級資格が応募の必須条件であれば、保有していない応募者はそもそも面接には呼ばれていないはず。

採用の可能性があるからこそ、呼んでいます。

なので、この質問を受けて「やっぱりないとダメなんだ」と、動揺しないでください。

ただ「はい、持っていません」では足りません。

それをどう捉えているか、過去と現状の両方についてきちんと説明し、今後どうしていくかを伝えないといけません。

「今年8月には取得予定です」と高らかに宣言しても、具体的にどうするかを説明しないと、納得してもらえません。

OK例のように、地に足の着いた見通しや計画を話してください。そうすれば、今後確実にやってくれるだろうと面接官を納得させることができるでしょう。

なお、「ないけど知識に差はない。前回はたった1点差で落ちただけ」といった回答は言い訳がましく見苦しいだけ。ないものはないのだから、やめておきましょう。

たとえばこういう人の場合

25歳男性、大卒。新卒入社した会計ファーム会社で勤務し2カ月前に退職。今回は2社目の転職で、同業種・同職種への応募。

NG!
「確かに保有していませんが、これまで別に資格がなくても仕事はできました」

↑開き直ったかのような言い訳がましい回答では、面接官は評価しません。

OK!
「確かに保有していません。大学時代に2級は取得したのですが、1級となると原価計算の壁をなかなか克服できずにおります。
前職の事務所では、資格や理論より実務重視で、30社を超える顧問先を1人で担当しておりました。言い訳がましくなりますが、多忙を極めており、毎月60時間超の残業があり、正直なところ勉強にも力が入りませんでした。
しかし先々月の退職を契機に、ここで経理業務の棚卸しと理論の整理をしたいと思い、再度受験することを決めました。
今は平日3時間の自宅学習と、日曜日に予備校の講座に通っており、今年6月に再受験する予定です」

↑動揺せず、取得できなかった理由を理路整然と説明しつつ、資格取得への思いと具体的な行動を伝えることで、今後の取得への意欲や可能性をPRできています。

履歴書をレビュー
写真=iStock.com/Pakin Jarerndee
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Pakin Jarerndee

■自己都合退職とありますが、詳細を教えてください

【面接官が知りたいのはココ!】
ブラックな就労環境だったなら、率直に語ってもらってOK
わがままだったとしても、将来への決意で改悛の情を感じさせてほしい

ここは本当のことをストレートに言っていい場合と、表現を工夫しなければならない場合の2つに分かれます。

まず退職理由が、たとえばパワハラ、セクハラ、法令違反が横行するような劣悪な職場環境に耐えかねたのであれば、退職はもっともだと見なすでしょう。

「上司から執拗なパワハラがあり、前任者2人も退職。会社に相談したがスルーだった」と、事実と、いかに酷かったかをストレートに伝えれば良いのです。

一方で「上司が嫌だから辞めた」といった、単に応募者側のわがままに起因しているものなら、ストレートに伝えても面接官は納得しません。

たとえば、「正直、上司とは反りが合わなかった。しかし今は私の我慢が足りなかったと反省している。同じ過ちを繰り返さないよう、次は腰を据えて頑張る」と、潔く素直に反省の弁を述べた上で、将来への決意を語るようにしてください。

たとえばこういう人の場合

24歳女性、大卒。新卒入社した運輸会社で勤務中。今回は初めての転職で、異業種・異職種(コンサル職)への応募。

NG!
「上司が異常に細かい人で、少しのミスでも怒るので、さすがについていけず~」

↑言い訳がましいと、面接官の心証を悪くします。

OK!
「前職では、私の入社前の思いと会社の実情に大きな差がありましたので、自主退職しました。
新卒就活時代、私が希望していたコンサル職には、ご縁がありませんでした。
当時はやむを得ず、内定を頂いた運輸会社に就職を決めたのですが、やはり自分とは方向性が違うため、入社してからもずっと煮え切らない思いを抱えたままでした。
入社2年目で辞めたことについては、周りから働く自覚が足りないと指摘されていますし、私も甘いところがあったと反省しています。
しかし今なら若いのでやり直しがきくし、決断したなら行動は早い方が良いし、やる気がないのに在籍していても会社にも迷惑がかかると思い、退職しました」

↑退職に至るストーリーが端的で分かりやすく、また、わがままと思われる点について、きちんと反省の弁を述べることで、潔さを感じることができます。

■会社都合退職とありますが、詳細を教えてください

【面接官が知りたいのはココ!】
会社都合退職=「クビ」とは決めつけていないからね
「私は悪くない」に終始せず、将来への思いや決意を言える?

本人に非行があって懲戒解雇となったケースは別として、会社都合退職=「クビ」になったということで「ネガティブに評価されるのでは?」と怯(ひる)んでしまう方も多いようです。

中谷充宏『20代~30代前半のための 転職「面接」受かる答え方』(秀和システム)
中谷充宏『20代~30代前半のための 転職「面接」受かる答え方』(秀和システム)

しかし、コロナ禍の経営不振によるリストラで退職を余儀なくされたというケースは増えています。OK例のように、堂々とその内容を伝えてかまいません。

逆に、ここで正々堂々と語らないと、面接官は不信感を募らせます。

事実は違うのに、「実は懲戒処分など、本人の問題で辞めさせられたのでは?」と疑われる危険性が出てきますので、ぜひ真正面から語ってください。

また、後ろめたさを回避すべく「私は悪くない、悪いのは会社だ」といった、自己防衛のオンパレードになってしまうことがあります。

確かに、自分のせいではない点は証明すべきですが、これが過度になると面接官の心証は悪くなるので注意しましょう。

たとえばこういう人の場合

29歳女性、大卒。新卒入社した会社で勤務中。今回は初めての転職で、同業種・同職種への応募。

NG!
「本来は自己都合だったのですが、ちょっと事情があったので会社に交渉して、会社都合にしてもらいました」

↑失業保険目当てでしょうが、会社と結託したという話は法的にも問題です。

OK!
「昨年末、私が在籍していた生産管理部門を中国の大連に丸ごと移管すると決まり、日本では勤務場所がなくなり、会社から退職を言い渡されました。
こちらからは部長以上が行くことになり、スタッフは現地採用するようで、私だけでなく同僚も全員退職となりました。
仕事は面白くやりがいがあっただけに非常に残念でしたが、過去を引きずっても仕方がありません。
これも人生勉強と割り切って、次に向かって気持ちを切り替えています」

↑私情を入れず淡々と事実を語っていますから、面接官が不信感を持つことはないでしょう。また無駄に自己防衛に走っていないので、面接官も納得の回答でしょう。

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中谷 充宏(なかや・みつひろ)
キャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント)、社会保険労務士
同志社大学法学部法律学科卒。新卒入社したNTT(日本電信電話株式会社)勤務後、1社転職を経て2004年にキャリアカウンセラーとして独立。マンツーマンで依頼者の転職を支援する「就職&転職のパーソナルキャリアコーチ」。米国MBAホルダーや代表取締役といったエグゼクティブ層から、転職回数が多い等のハンデを背負った層まで、幅広い方々の転職支援の実績がある。また社会保険労務士として人事採用コンサルティングの経験も豊富で、人事部長として企業人事を一任されるケースもあり、生々しい採用現場や面接シーンも熟知。 著書に『20代~30代前半のための転職「面接」受かる答え方』、『30代後半~40代のための 転職「書類」受かる書き方』『30代後半~40代のための 転職「面接」受かる答え方』『20代~30代前半のための転職「書類」受かる書き方』(秀和システム)等多数。M&Nコンサルティング

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(キャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント)、社会保険労務士 中谷 充宏)

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