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教育費年間200万円は子どもへの投資か、浪費か -年収別「貯まらん症候群」&処方箋【年収800万】

プレジデントオンライン / 2013年1月10日 10時30分

月々の給料の使い道【Cさんの場合】

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【年収】800万円【貯蓄額】250万円
【家族構成】Cさん[夫]41歳 商社[妻]43歳 正社員[子]15歳(公立中学生)、12歳、10歳(小学生)

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■Cさんの悩み

Cさんは中堅商社に勤務。妻は、自宅近くの不動産屋で正社員として働いている。家計は夫婦別管理だ。

年収は世帯で見ると低くないのに、家計はなぜか毎月赤字。貯蓄も少なめだ。これからの子どもの教育費のことを考えると、家計の見直しが必要だと感じ始めた。子どもは3人おり、学校外教育費で突発的な支出があったり、市販の教材を購入したり、修学旅行などの子どもの行事費にあてるため、ボーナスもあまり残らない。

家は35年ローンで購入し、定年までには完済予定。自分たちの老後資金も蓄えたいが、まずはこれから教育費がピークに向かう。どうしたらお金が貯められるのか方向性が見えない。

■家計再生コンサルタント 横山さんのアドバイス

Cさんは家計を「住宅ローンは夫、食費は妻といった具合に、『分担制』にしている」と言うが、細かい部分はお互いに把握していない。共働き夫婦には多いケースだが、家計を「夫婦別管理」にしているのは好ましくない。

家計面談をしていると、「夫の給与明細を見たことがないので、毎月の収入もボーナス額も知らないし、貯金がいくらあるのかも知らない」というご夫婦も少なくない。必要な生活費だけを共有し、その他の部分は各自でというわけだ。

お互い自立したカップルのようで、一見カッコいいが、こういう家庭は概して貯蓄が少ない。

夫婦共働きの場合、それなりに使えるお金が自由になるので、お互いノーチェックとなりがち。それがかえって浪費のもとになるからだ。

夫、あるいは妻、どちらかにお金を渡すとすべて使ってしまうというようなケースなら話は別だが、貯めたいなら夫婦同一会計にすること。もちろん財布や通帳は別でもかまわないが、お互いの収入と支出、分担分を把握し、全体で考えられるようにすることが大切なのだ。結婚したら個人というより「2人組」というチームであると考え、貯金をゴールとしたチームプレーで最適な行動をとるべきだ。

Cさん夫婦は「子どもにも、なるべくお金のことを話さないようにしている」と語るが、これも家計を健全化するには望ましくない傾向であると思う。

ちなみにわが家では、お金についてはすべて公開制にしている。妻と5人の娘も参加して、毎月1回、土曜日の夜にマネー会議を開く。

手順としてはまず私から今月の収入額を発表し、妻がローンや生活費にかかる必要経費の額を発表する。そしてそれを差し引いた残りの額をいかに使うか、話し合うのだ。こういった会議は、家族が一体感を持ってお金の問題に取り組めるのでおすすめできる。

収入が少ない月や、冬の灯油代がかさむ月(自宅は北海道なので)などは、子どもも気を使って、ワガママを言わなくなる。

「家族でオープンにお金の話をすること」こそが、まずはCさんの家計見直しの第1ステップだろう。

家計簿を見ると、「浪費」と思われる項目はまず生命保険。子どもがいるとはいえ、いまのところ夫婦とも正社員で妻も働き続ける見込みなのだから、最低限でいい。保障内容をいま一度しっかり確認して、ダブリがあるような場合はリストラしよう。余計な特約もはずしてしまう。

たかが月数百円の特約とあなどるなかれ。先日、ある富裕層の方から相談を受けた。「この500円の保険の特約部分、必要ないと思うんですが、何とかなりませんか?」と言うのだ。「これは契約上、外れないと思いますよ」と答えると、「500円をあと30年払うと、18万円にもなるんですよ」と憤っている。要するに、お金を持っている人ほど、お金にシビアなのだ。保険に限らず、固定費は月単位ではなく、ロングスパンで支出をとらえるクセをつけることだ。

そのほかにも、Cさんの家計簿を見ると、どの費目もフラットに平均より高めになっている。Cさんが「大きな浪費がないのになんとなく貯められない」という一番の理由は、ここにある。

共働きで仕事が忙しいため、食費が高くなるのはある程度仕方がないと思うが、内訳を見直して、「浪費」と思われる外食などは削っていこう。

教育費も「投資」ではなく「浪費」になっている部分はないか。受験塾以外の習い事は「浪費」と考え、この際見直してもいいと思う。

こうして「消費」と「浪費」を減らし、「投資」に回せば、月々のボーナスからの補てんをなくし、さらに5万円程度の余裕が生まれるはずだ。

Cさんは自分たちの老後資金についても頭を悩ませている。総務省の資料によると、老後、夫婦2人暮らしの1カ月あたりの平均的な消費支出は約28万円。

「はたしてあなたの家計簿はメタボかスリムか?」(http://president.jp/articles/-/8156)で述べたように、私が推奨する収入に占める「消費」「浪費」「投資」の割合は70%・5%・25%だが、老後資金はこの投資の25%の中から貯める。教育費と並行して、自分たちの老後資金も少しずつ蓄えるのが理想の家計なのだ。

■「子どもは最高の投資」症候群

【症状】学習塾にスイミングに英会話……。「小さい頃から始めれば、きっとモノになるはず」と、時には子ども本人の意思に反していても、あれもこれもと習い事をさせてしまう病。
【処方箋】まずは子どもの意思を確認しよう。本人が楽しんでいなければモノになる可能性はきわめて低いはず。英会話などは高校生くらいで思い切って留学させたほうが効果は高いのでは。何か一つ、本人の得意そうな分野に絞ってみてもよいだろう。

■「分断家計」症候群

【症状】共稼ぎ家庭に起こりがちな慢性病。お互いにいくら稼ぎ、何にいくら使っているのかを把握していない。気がついたら2人で全体的に浪費しているという合併症を引き起こしてしまうところが特徴。
【処方箋】まずはお互いに家計全体を把握することから治療開始。赤字部分の見直しと、夫婦だけでなく、子どもとのコミュニケーションも必須。どんな進路を考えているのか、教育費の方向性をみすえて目的を明確にし、貯金していくべき。

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家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー 横山光昭
1971年生まれ。FPとして司法書士事務所に勤務した後、2001年に独立。5200人以上の家計を再生した実績を持つ。著書『年収200万円からの貯金生活宣言』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がシリーズ37万部のベストセラーに。

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(家計再生コンサルタント 横山 光昭 構成=八村晃代 撮影=アーウィン)

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