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毎年200万円貯まるはずなのに貯金わずか250万円 -年収別「貯まらん症候群」&処方箋【年収1500万】

プレジデントオンライン / 2013年1月13日 11時0分

月々の給料の使い道【Fさんの場合】

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【年収】1500万円【貯蓄額】250万円
【家族構成】Fさん[夫]46歳 自動車メーカー管理職[妻]45歳 専業主婦[子]14歳(中学生)

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■Fさんの悩み

自動車メーカー管理職のFさんは、バブル華やかなりし頃の入社組。接待費が使い放題だった頃の感覚が抜けず、部下を飲みにつれていき、おごることが上司の務めだと思っている。

妻は妻で、高級志向から抜け出せない高コスト体質の専業主婦。エステやネイルサロン通いを、「自己投資」と信じて疑わない。

しかしFさんは最近、危機感を感じ始めた。最近、社内で希望退職制度が発表された。それに応じた先輩や同僚も多く、リストラが他人事ではなくなってきたからだ。

一度上げてしまった生活レベルを下げるのは容易ではない。ここ数年、年収が上がらなくなって、小遣いの確保が難しくなってきたのも悩み。

■家計再生コンサルタント 横山さんのアドバイス

私の仕事は「お金の問題児」の家計相談だ。

経験から言わせてもらうと、年収200万、300万の人のほうが優等生。お金を大切に使い、身の丈に合った使い方をしている。収入が多くない分、少しでも油断すると生活が回っていかないので、出費に気をつけるのだ。よって、少しずつでも着実にお金を貯められるケースが多い。

逆に、年収1000万円以上のいわゆる「勝ち組」と言われる人には問題のある人が多い。さぞかし貯金があるだろうと思いきや、逆に「借金」があったりするから驚きだ。

面談していてびっくりするのは、年収1000万円くらいから2000万円くらいの、「中途半端(失礼)なお金持ち」の物欲の凄まじさである。車はベンツでなきゃ、バッグはエルメスかヴィトンと夫婦でブランド志向が強く、次から次へと欲しがる。

こういう人からよく聞かれるのは「これは私にとっては投資なんです!」という言葉である。

私は、基本的に3つのモノサシ「消費・浪費・投資」でお金の使い方を分けるが、その判断は、依頼者の皆さんの基準によってしてもらっている。しかしそうすると、私から見て首をかしげたくなるときもある。

交際費や教育費のすべてが投資、エステ代もネイルサロン代までも……。とはいえ、「それは浪費では?」と、私はあえて言わない。なぜなら自分で気づいてもらうことに期待しているからだ。

そういう怪しい「投資」にお金をかけすぎている人は、家計を整理しても思うように結果が出ない。そうなると、「原因は?」と自分で考えるようになっていくからだ。

2カ月、3カ月続けてもらううちに、「以前は『投資』と仕分けしていたエステ代ですが、妻の仕事はモデルでもないのにかけすぎでした」などといった価値観の変化が起きる。

そうなればしめたもの。自分軸が急速に形成され始めている証拠だからだ。

Fさんも本気で貯めたいのなら、自分たちのこれまでの価値観や先入観をリセットして貯蓄に取り組むことだ。この年収で子どもがひとりしかいないのに、貯蓄額が250万円とは、あまりに情けない。

まず、固定支出からメスを入れよう。減らしたい固定支出は、生命保険料、交際費、嗜好品代。8万6000円もの生命保険料を夫婦で何十年と払い続ければ、ちょっとした不動産購入に匹敵する金額になっていることもある。Fさんの場合は、夫の死亡保障を減らし、妻と子の医療保険をカットすることで2万3000円程度は浮かせる。

人付き合いも大事だが、「浪費」と思われる交際費はカットしよう。とりあえず1万5000円くらいは減らせそうだ。

こうして毎月、貯蓄から補てんしている5万4000円をなくし、まずは月々の給料の範囲内で生活できるようにしよう。

次に、ほかの項目も少しずつ切り詰め、ボーナスで生活費を補てんしないクセをつけよう。そうすれば、ボーナスからは65万円が貯蓄に回せる。

この際、思い切って家計の「不良債権化」している(再び失礼)専業主婦の妻に働いてもらうのも手だ。

お金を「使う時間」が「稼ぐ時間」になるのだから効果は絶大。夫の年収が1000万~1500万円クラスのいわゆる「プチセレブ」層は、妻も金遣いが荒くなる。給料の額面に惑わされて、お金を湯水のように使ってしまうのだ。周りにもそんな妻たちが多いから余計タチが悪い。妻が働けば、そういう友人たちとの関係も切れるだろうからまさに一石二鳥である。

夫は大企業に勤めているから絶対にクビにはならないと思っていても、いまの世の中、一寸先は闇だ。親の時代は経済も雇用も安定していたため、給料は右肩上がりだったが、そんな時代はとっくに過ぎ去っている。いまはこのクラスでも会社がどうなるのかわからないことを妻に言い聞かせよう。まさにJALがいい例ではないか。

年収が200万円でも2000万円でも基本は同じなのだ。うなるほどお金があっても、使い方がわかっていなければ意味がない。やはり結局は、自分の軸があるかどうかなのだ。

■「男のメンツ」症候群

【症状】40代以上の高収入家庭に多発する症状。妻に働いてもらえば家計は助かるとわかっていても、
「男のメンツ」でそれができない。妻も働くことを望んでいない場合が多い。
【処方箋】サラリーマンは50代になると収入が下降するケースも多いが、そのときになって慌てても遅い。余計なメンツは捨て、子どもに手がかからなくなったら妻を外に出すべし。妻に気持ちよく仕事をしてもらうには、家事・育児を負担する姿勢を見せることも大切。

■「三丁目夫婦」シンドローム

【症状】バブルを経験した世代に特有の病。明日、大地震が起きるかもしれないし、やりたいことはいま楽しもう、と無計画にお金を使ってしまう。バブル時代の悪しき成功体験が心身に刷り込まれ、「何とかなる」が口癖。
【処方箋】右肩上がりの時代はもう終わったのだと、自分に何度も言い聞かせる。10年後、20年後を考えて、人生に投資することだ。この病が急激に悪化した場合、老後には間違いなく破滅が待っている。

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家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー 横山光昭
1971年生まれ。FPとして司法書士事務所に勤務した後、2001年に独立。5200人以上の家計を再生した実績を持つ。著書『年収200万円からの貯金生活宣言』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がシリーズ37万部のベストセラーに。

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(家計再生コンサルタント 横山 光昭 構成=八村晃代 撮影=アーウィン)

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