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マジな会議にタメ語の「ギャル」を招く企業は何を考えているのか…忖度なし、あだ名で呼び合い空気一変の謎

プレジデントオンライン / 2024年5月21日 19時15分

「ギャル式ブレスト®」では、会議参加者へ枠にとらわれない発言や発想を促す。ギャルの直感的で忖度のないコミュニケーション方法を通じて、今までにないアイデアや関係性を開拓。

■ギャルマインドが今こそ求められている

ギャル式ブレスト®では、肩書も敬語も一切なしで、ギャルを起点に自由闊達な意見が飛び交います。

ギャルは派手で個性的なファッションに注目が集まりがち。ただそれは自分を強く見せるためではなく、個人の自己表現の結果なんです。対してギャルの本質として重要なのがマインド。

「自分軸」「直感性」「ポジティプ」という3つの要素でできていると私たちは定義しています。逆にこれらさえ持っていればスーツを着たおじさんでもギャルマインドを持っていると言えます。

「自分軸」とは、自分の世界観を大事にして、それを表現すること。「他人ウケより自分ウケ」という表現のように、ギャルは人にどのように思われようと自分のスタイルを貫くマインドを持っています。

「直感性」は、自分の感性を信じること。理屈抜きで、とにかく反応が早いのが特徴であり、直感的に頭に浮かんだことを大切にするんです。

ギャル

そして「ポジティブ」は、物事のいい面を見ること。常にテンション高く“アゲ”でいるという意味ではありません。ギャルだって気分が落ちるときはあります。私たちがいうポジティブとは、サゲの自分や仲間を受容すること。あるギャルが「最高のアゲを知るためにはサゲを知れ」と言っていましたが、まさにその通り! サゲな気分のギャルがいても、「きっと宇宙にいっちゃってるねー」とお互い弱い部分も許容し合っています。ギャルは人や物事を見て、お互いにアゲな時間をつくるのがうまいんです。

ギャルの自由な発言が許されるのも、言菓の裏にこれらのマインドがあるからです。自分軸で、直感で話しているからこそ、常に計算してなくてウソがない。ダメ出しをするよりも相手のいいところに注目して話す。つまり、ギャルだから許されるのではなく、自分にも相手にも索直に接するからこそ、コミュニケーションがうまくいくのです。

■くるぶしを触って小さな声で「グッジョブ!」

企業の方とお話ししていると、職位が高い人ほど本音に飢えているのではないかと思います。お互いが会社主語で話しているかぎりは、「腹を割って話して」と部下に言っても限界があります。その壁を軽々と飛び越えるからこそ、社長もギャルの言葉を真剣に聞いてくれます。

よく企業の方から聞かれるのは、ビジネスパーソンがギャルマインドをどうやって身につけるかということ。本当は身近なギャルに叩き込んでもらうのが一番かもしれませんが、まずは会社主語から「自分主語」で話す練習をすればいいのではと思っています。

自分主語とはつまり、「自分はどうしたいか」「直感的にどう思ったか」で語るということ。いきなりギャルみたいに自分全開で話すのが怖い人は、まずメールから始めてみるのもいいと思います。私たちは自分らしいマークを自分で決めて(私はキスマーク)、文末につけています。ささやかですが、それも自己表現の一つ。それに慣れてきたら、少しずつ自己主張を増やしていけばいいんです。

自分主語で話したいけど、言いたいことがわからない人は、まずは自分の中のバイブス(=気持ち)に気づくことが大事です。自分を受容できてない状態では、バイブスに気づきにくいので、まずは自分で自分を認めてあげること。ある当社メンバーのギャルはこう話していました。

「私は毎日、くるぶしを触って小さな声で『グッジョブ!』って言ってるよ」

なぜくるぶしなのかは謎。まさにギャルらしい直感的な発言であり行動ですが、こうしたポジティブルーティンで自分を励ましていくうちに「自分のやりたいことをやっていいんだ」と思えるようになります。そうしていくうちに自己肯定感が上がり、自分主語で話すことにも自値を持て、自分のバイブスを大事にできるようにもなります。

■会社主語ではなく自分主語で語れ

多くのビジネスパーソンが空気読みがちになっちゃうのって、自分主語で語れる環境が少ないからなのではないでしょうか。ブレストしてても、交わされる言葉が「会社として」「この数字が」と会社主語になってしまっていることは少なくありません。課長は「課長らしいこと言わなくちゃ」と気負い、若手は「出しゃばっちゃいけない」と無難な発言に終始しています。みんなが役割を演じ、言いたいことを言いにくい環境であるがゆえに、新しいアイデアが生まれないことにもつながると思っています。

ギャル式ブレスト®は、普段の役割を脱ぎ捨て、自分主語で話してもらうためのプログラム。肩書禁止であだ名で呼び合うのも、演じている自分の殻をやぶってもらうためのルールです。

ブレスト前に参加者の“アゲ”を発掘する「アゲメーカーシート」
ブレスト前のアイスブレーク時に参加者に記入してもらい、自分の好きなことや今の気持ちを共有。

■自分を大事にしているからこそ他人を尊重できる

自分主語で話すための仕掛けはほかにもあります。会話は基本的には、タメ語のみ。当日はスーツではなく、自分の一番好きな服装を着てくること。これまでには、好きな野球チームのユニフォームやトレーニングウエアを着てくる人がいたり、コスプレをする人もいたりしました。一人一人が自分を表現すれば、肩書や役割以外のところで違いや共通点が見つかります。

「その服、かわいくね?」
「ウチらバイブス通じたねー」

と会話が生まれて自己表現することに抵抗がなくなっていきます。

リアクションも超大事。ギャル式ブレスト®では、事前に参加者ヘギャルらしいリアクションを3つレクチャーします。同意のときは「それなー」、いいアイデアだと思えば「いいじゃん!」、アクションに移すときは「やってこー!」です。誰かの意見を否定することはないので、参加者は自分主語で話しやすいんです。

ギャル

もちろん最初はギャルとのコミュニケーションに慣れない参加者もいます。そこでブレスト内に「祈りの時間」を用意。胸の前で手を合わせてもらい、「ギャルは怖くない」「ウチらが今千代田区で一番ギャルだよ」と、自分の中にギャルマインドを降ろす儀式を行います。

ギャルって気が強そうとか、押しが強くわがままというイメージを持っている人も多いかもしれませんが、実はそうではなくて。ただ自分を大事にしているだけなんです。自分を大事にしているからこそ、他人のわがままも尊重できる。それが、令和のギャルであり、ウチらが世の中に提唱していきたいマインドなんです!

※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年5月31日号)の一部を再編集したものです。

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バブリー CGOドットコム総長
「ギャルマインドで世の中をアゲにする」を目指し、起業。企業や団体ヘギャルを送り込む「ギャル式ブレスト®」を展開。「Forbes Japan 世界を救う希望100人」に選出。

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(CGOドットコム総長 バブリー 構成=村上敬 撮影=関竜太)

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