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60代で親友を作るにはこれをやるしかない…医師・和田秀樹が「いい言葉」と言う4文字のマジックワード

プレジデントオンライン / 2024年6月3日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kali9

歳を重ねて親友を作るにはどうすればいいか。医師の和田秀樹さんは「『この人と話してみたい』と思う相手がいるなら、『待ち』の姿勢でいるのではなく、自分からアプローチしてみるといい。新しく知り合った人といい関係ができるかどうかは、結局のところ「打数」の問題である。『ダメもと』で声をかけ、会ってみて、つき合ってみて、ダメだったら次に行けばいい」という――。

※本稿は、和田秀樹『65歳からのひとりを楽しむ「いい加減」おつき合い』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

■相手がいい人か悪い人かは試してみないとわからない

歳をとると、人生経験が増える分、自分の「人を見る目」を過信したり、思い込みで人のことを決めつけたりする人が多くなります。

相手がいい人か悪い人か、自分と気が合うか合わないかは、実際につき合ってみなければわかりません。にもかかわらず、つき合う前からそれがわかっていると錯覚している人がよくいます。

試してみないとわからないことに対して、試す前から答えを出している。それは、脳の老化で前頭葉が萎縮し、思考が硬直化しやすくなっていることの現れでもあります。

「老後は友達がいないと不幸」などという言説にとらわれて、地域のサークルやボランティア活動に参加してみるものの、結局うまくなじめずストレスをためる、というパターンはよくあると思います。

人間関係は、無理をしてつくるものではありません。

脳トレでも運動でも何でもそうですが、自分自身の気が進まないものは続かないし、続けたとしてもストレスになります。すると、ストレスによって免疫機能が低下し、病気になるリスクが上がります。

心身の健康を保つためにしていることが、かえって健康を害することにつながるとしたら、本末転倒です。

とはいえ、「どうせ友達はできないんだから、集まりに参加するのは時間の無駄」などと、はなから決めつける必要もないと思います。

ある程度の年齢になれば、たいていの人は時間に余裕があるはずです。歳をとったら「暇なことが取り柄」とさえ言えるでしょう。

「試しに人に会ってみる」「試しにサークルに参加してみる」といったことがしやすいのは、時間に余裕がある世代の特権のようなものです。高齢期になったら、「時間を無駄にする」ということは、あまり意識しなくていいと思います。

試してみても、そううまくいくものでないのは事実です。ハズレの結果になることが多いことを認識したうえで、実験だと思って試してみればいいのです。

■高齢期は自分にとって心地よくない時間を減らす

実験は、失敗があることを前提に行うものです。必ず成功するなら、それは実験ではありません。

シニアの女性は、閉経後に男性ホルモンが増えることにより、以前より人づき合いなどに対してアクティブになる傾向があります。こうしたホルモンバランスの変化も利用して、積極的に「実験」にチャレンジしてみてもいいのではないでしょうか。

減らしたいのは、無駄な時間というより、自分にとってつらい時間、心地よくない時間です。

たとえば、久しぶりに学生時代の同級生と再会したら、相手の自慢話を聞かされるばかりで、苦痛な時間を過ごしたとします。

この場合、同級生と会ったこと自体は、時間の無駄ではありませんが、その時間が自分にとってつらいものであったのなら、それ以上、その時間を重ねることはしないほうがいいでしょう。

仮にその同級生が、他の人からの評判は悪くない人だったとしても、「何回か会えば、好きになれるかもしれない」などと考える必要はありません。

あくまでも自分自身にとって、その時間が心地よいかどうかだけを基準に判断すればいいと思います。それなら、無理をして会い続けるより、次を試すほうがいいと思います。

「この人でなければいけない」「このサークルでなければいけない」などとは思い込まないようにしたいものです。

代わりはたくさん存在するのですから、ひとつ試してみてダメなら、ほかを試す時間ができたと思えばいいのです。

■「ダメもと」で自分から動く

「新たな人間関係ができたらいいな」と思いつつ、とくに何もせず「待ち」の姿勢でいる人も多いように思います。

待っていれば相手のほうから寄ってくる、などということは世の中そうそうありません。「この人と話してみたい」と思う相手がいるなら、自分から動いてみることをおすすめします。

「ダメでもともと」のつもりで自分からアプローチして、いろいろな人と知り合うようにしてみるといいと思います。

新しく知り合った人といい関係ができるかどうかは、結局のところ「打数」の問題だと思います。

100人のうち1人からしか好かれないような人でも、100人と会えば、1人は親友ができます。一方で、2人に1人からは好感を持たれるような人でも、1人にしか会わなければ、誰とも親しくなれない可能性があるわけです。

相当に「変わった人」と言われるような人でも、その人に合う人はどこかにいるものです。世間的に少数派の趣味を持つ人は、同じ趣味の人たちとの間に強い連帯感が生まれやすいように思います。

カラオケを楽しむシニア女性
写真=iStock.com/kumikomini
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kumikomini

たとえばコスプレが好きな人が、70歳になってコスプレをしたら、周囲からは困惑の目で見られるかもしれませんが、同じコスプレ好きの人たちと出会えれば、その人たちからは「すごい」「かっこいい」と称賛されるかもしれません。

「嫌われてもいい」と思って、いろいろな人に声をかけたり、いろいろな人に会う機会を増やしたりすると、人間関係は豊かになります。

「ダメもと」というのは、いい言葉だと私は思っています。

「ダメもと」で声をかけてみる。「ダメもと」で会ってみる。「ダメもと」でつき合ってみる。ダメであっても次に行けばいいのです。

言い換えれば、次があると思えていなければ「ダメもと」でトライすることはできません。人間関係では、とかく「次」がないと思いがちですが、その思い込みで可能性を狭めてしまうのは、とてももったいないことです。

■親しくなりたい相手にはゆっくり近づく

新たに知り合った相手と、親しくなれそうだと感じたら、その先はどうしますか?

頻繁に連絡を取り合ったり、一緒に出かけたりして、一気に親密になりたい、という人もいると思います。

人間の心理として、顔を合わせる頻度が高い相手に対して親しみがわきやすい、という面があるのはたしかです。したがって、相手が迷惑だと感じない範囲で、頻繁に会うことが有効なケースもあると思います。

和田秀樹『65歳からのひとりを楽しむ「いい加減」おつき合い』(PHP研究所)
和田秀樹『65歳からのひとりを楽しむ「いい加減」おつき合い』(PHP研究所)

ただ、多くの場合、急速に距離を縮めようとするのは、得策とは言えません。

恋愛でもそうですが、相手と仲よくなりたいがために、最初のうちにあまりベタベタしすぎると、かえって相手に煩わしいと思われてしまうリスクがあります。

そこで相手から避けられたり、適当にあしらわれたりするようになると、それまで相手に抱いていた好意や愛情が、いきなり憎悪に反転することもあります。結果的に、後味の悪い形で関係が終わる可能性が高くなります。

親しくなりたい相手とは、時間をかけてわかり合おうとすることが大切です。ゆっくり距離を詰めていくほうが、相手といい関係を長く続けられます。

人と人は、近づきすぎると、互いに不満が出やすいことは間違いありません。

近づきすぎなければ、相手に熱烈に好かれることもない代わりに、嫌われることもありません。

相手に嫌われたくないと思うなら、嫌われないよう遠慮しながら頻繁に会う、というのはあまり賢明ではないと思います。遠慮していると、自分自身の不満もたまりやすくなります。

会っているときはむやみに遠慮や気遣いはしない。その代わりに、会う頻度そのものを減らす。そのほうが、相手に嫌われるリスクは下がると思います。

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和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医
1960年、大阪市生まれ。精神科医。東京大学医学部卒。ルネクリニック東京院院長、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師。2022年3月発売の『80歳の壁』が2022年トーハン・日販年間総合ベストセラー1位に。メルマガ 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」

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(精神科医 和田 秀樹)

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