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「みんなと同じがいい」という人は貧乏で不幸な人生で終わる…「お金に愛される」ために必要なこと

プレジデントオンライン / 2024年6月4日 16時15分

澤円さんと節約オタクふゆこさん - 写真=石塚雅人

お金に苦労する人にはどんな共通点があるのか。投資系YouTuber節約オタクふゆこさんと元日本マイクロソフト業務執行役員の澤円さんの対談をお届けする――。

※本稿は、YouTubeチャンネル「Bring.」の動画「貯金はメンタルが9割! 『浪費メンタル』を捨て、『貯金メンタル』を手にしたものが勝つ」の内容を再編集したものです。

■ほとんどの浪費はストレスのせい

【澤円】ふゆこさんのご著書『貯金はこれでつくれます 本当にお金が増える46のコツ』(アスコム)にあった、「貯金にはストレスが大きくかかわっている」という言葉がとても印象的でした。もちろんこれは、ストレスが高まったら急に預金残高が減るというわけではありませんよね。

【節約オタクふゆこ】もちろんストレスが高いと預金が減るわけではありません(笑)。ただ、かつて浪費をしてしまっていたわたし自身もそうですし、わたしのYouTubeの視聴者のみなさんにも、ストレスによって浪費をしてしまう人がかなり多いのです。

本などで調べてみると、ストレスを慢性的に感じているとコルチゾールというホルモンの分泌量が増えてしまい、IQが下がる傾向にあるらしいのです。その結果、判断力が鈍って余計なものを買ってしまうことにつながるというわけです。

【澤】そう考えると、ストレスによって浪費が引き起こされ、「お金がない! マズい」ということで、また新たなストレスがもたらされる悪循環に陥ることも考えられますね。

【ふゆこ】そのとおりだと思います。わたしの場合、そのような悪循環に陥ってしまって、「自分はお金を上手に扱えないのだ」「お金を貯めることはできないのだ」といったコンプレックスを生み、それによるストレスがまた浪費につながったという経験があります。

■浪費を減らす第一歩はストレスの原因を探ること

【澤】すると、「貯金をしたい」と考えている人は、まずストレスをうまく軽減することを考えないといけないということでしょうか。

【ふゆこ】そうするためにも、自分を客観的に見つめ直し、向き合うことが欠かせないのだと思います。自分が抱えるストレスの原因は、ストレスにさらされている当事者である自分自身でも、意識的に振り返って探ろうとしなければ気づけないこともあるからです。

■他人を変えようとするのではなく、自分を変える

【澤】ストレスの最大の原因というと、やはり人間関係が挙げられますよね。人間関係の築き方について、ふゆこさんはどのような意識を持っていますか?

【ふゆこ】それこそ、「自分以外の他人」のような、自分でコントロールできないものをコントロールしようとはせず、コントロール可能な自分の考え方や行動を変えていくということが、なにより大切ではないでしょうか。この思考を、わたしは「対策自分論」と名づけています。

【澤】それは面白い言葉ですね。確かに、「あなたの言動はわたしのストレスの原因になっているから、その言動を変えてください」といったところで、相手は変わってくれませんからね。

【ふゆこ】だからこそ、「すべての起きたことの原因は自分にある」と考え、「そうであるなら、どうするか?」と対策を考えるのです。いわゆる、ブラック会社に勤めていることがつらい場合であれば、それを会社や他人のせいにしたところで事態はなかなか好転しません。その会社にも悪い側面もありますが、そもそもは、その勤務先を選んだ自分に原因があるのですから、自分で解決に向けた行動を考えなければなりません。

そのように、自分自身に目を向ける姿勢は、自分のなかでの「優先順位」を決められることにもつながっていきます。限られたお金をなにに使うのか、どの費目を削減しなければならないのかを決めるには、優先順位が欠かせませんよね。それができずに「あれもこれも」となんにでもお金をかけていては、お金が貯まらなくなって当然です。

澤円さん
写真=石塚雅人
澤円さん - 写真=石塚雅人

■「常識」を捨て、「別のやり方」を考える

【ふゆこ】澤さんはかつて日本マイクロソフトにお勤めだったと伺っています。大きな組織ですから先に話題に挙がった人間関係の問題も複雑そうですが、そうした問題にどのように対応していましたか?

【澤】そういう意味では、僕はとても恵まれていました。もちろん対顧客など、それこそふゆこさんがいうようにコントロールできないこともあります。なかには、「こっちが金を払うのだから指示通りに動け」といった姿勢で接してくる相手もいるわけです……(苦笑)。

ただ、ラッキーだったのが、そういったストレスを軽減してくれる要素があったということ。それは、まったく価値観の異なる仲間が社内にたくさんいたことです。僕はマイクロソフトテクノロジーセンターという組織のセンター長でしたが、そのセンターは世界40カ所ほどに展開しています。

そして、それぞれのセンター長たちが集まってコミュニケーションを取ることもあります。肩書が同じですから、本来的に役割は同じですよね? でも、それぞれが管轄している国や地域が異なります。各自の環境をバックグランドに話をしてみると、自分としては大問題だと認識していたことが、別のセンターではまったく問題になっていないということも多々あるのです。

【ふゆこ】問題というのは、先の例にあったコントロールできない顧客などですか?

【澤】それもありますし、日本の商慣習などいわゆる“常識”と呼ばれるものです。環境や文化が違えば、僕が大問題だと思っていたこともまったく問題になっていない。その事実を知ると、「どうして僕はこんなことにとらわれていたのだろう」と気が楽になりましたし、「常識にとらわれない別のやり方もあるのでは?」と考え、対処することもできました。

■「自分は本当は何にお金を使いたいのか」を分析する

【澤】話題をお金に戻して、ふゆこさんのお金に対する意識が大きく変化したのは、これからの長い人生をシミュレーションしたことがきっかけだとご著書にもありました。どのようなことがきっかけとなりシミュレーションをしたのですか?

【ふゆこ】もともとのわたしは、ずっと会社員を続けて、そのうち結婚して子どもを産んで、できれば新築戸建を買って……といった人生をぼんやりと思い描いていました。そこには自分の意志はほとんどなくて、「みんながそうしているから」といった漠然とした意識があっただけです。

ただ、そういった人生にどれくらいのお金が必要なのかと思っていろいろ調べていくうちに、ライフプランシミュレーションというものの存在を知ったのです。そこで試しにシミュレーションをしてみたら、結果は「人生の途中で破綻する」というものでした……(苦笑)。「いまのお金の使い方や稼ぎのままではまるで足りない」ということを突きつけられたのです。

節約オタク ふゆこさん
写真=石塚雅人
節約オタク ふゆこさん - 写真=石塚雅人

【澤】「このシミュレーション結果はきっと間違っている」「見なかったことにしよう」と思うのではなく、素直に受け止めたのですね。

【ふゆこ】確かに結果を疑いました。でも、例えばシミュレーションに出てくる教育費の平均値などの数字のデータ元を調べてみると、きちんと明確な根拠に行きあたったのです。もちろんそのシミュレーションがすべて正しいという保証はありませんが、おおよそは合っているのだと納得したわけです。

【澤】そのシミュレーションがなければ、いまのふゆこさんはなかったかもしれないということですね。

【ふゆこ】そう思いますね。シミュレーションによって現実を知ったことで、「本当にわたしは結婚したいのか?」「どのようなことにお金を使いたいのか?」としっかりと考えるようになり、「自分ごと」としてお金と向き合い問題解決に向けて動けだせたように思います。

■主体性のない「浪費メンタル」に陥っていた

【澤】先にストレスのお話がありましたが、自分を振り返ることも含めて、「メンタル」の状態とお金が密接に関連しているというお考えをお持ちであるように感じます。

【ふゆこ】そのとおりです。そもそも無駄遣いをしてしまう人の精神状態は「浪費メンタル」にあると考えています。かつてわたしが浪費をしてしまっていた時期を思い返すと、自分がなににお金を使いたいのか、自分がなにを好きなのか、なにを大切にしているのかといったことがまるでわかっていませんでした。

【澤】例えばですが、どのようなことにお金を使っていたのでしょう?

【ふゆこ】当時のわたしは、美容にハマっていました。1回数万円もするシミ消しレーザーの施術を受けたり、「デパコス」と呼ばれる高価なデパートコスメを買ったりしていたのです。でも、それは雑誌などの情報によって「20代女性ならこれを買わなければならない」といった思考になってお金を使っていただけであり、「本当に自分が求めているものであるか?」と考えたこともありませんでした。言い換えると、浪費メンタルとは「主体性がない」という状態を意味するのだと思います。

■お金の使い道に優先順位をつける「貯金メンタル」

【澤】なるほど。では、浪費メンタルがあるのなら、それと対極的なメンタルもあるのですか?

【ふゆこ】それをわたしは、「貯金メンタル」と呼んでいます。浪費メンタルとは逆に、人生のなかで自分がなにを大切にしたいのか、なににお金を使いたいのかといったことを主体的に明白にできていて、優先順位もはっきりつけられている精神状態です。

この貯金メンタルを持てていれば、情報に引っ張られて自分に必要のないものにお金をかけることがなくなり、お金を貯めることができます。ですから、繰り返しになりますが、自分を振り返る自己分析が、貯金のための大きなポイントになると思います。

【澤】ただ、たくさんのストレスがかかっているときには、「自分を振り返ろう」というようには思えないかもしれません。そのあたりはどう考えますか?

【ふゆこ】確かに、わたし自身も会社での人間関係などによってストレスを慢性的に感じていた時期には、そうできなくて浪費を重ねていました。ですから、根本的なところでいえば、やはり「対策自分論」の考えを持って、ストレスを減らしていくことが第一かもしれません。

■欲しいと思ったものを一旦「リスト」に書いて数日様子を見る

【澤】自分に必要のないものにお金をかけてしまうのはもちろん問題ですが、わたしたち人間は、衝動的に「これが欲しい!」と思ってしまうこともあります。

【ふゆこ】わたしの場合、そういうときはスマホのメモに自分でつくっている「欲しいものリスト」にいったん書き込むようにしています。そうすることは、「買う」という行為の代わりになっている感覚があり、メモするだけである程度満足するようになったのです。それに、書き込んで数日も経つと、「よく考えたらいらないものだった」と冷静に思えることも多く、欲しいものリストをつくってからは衝動買いをまったくしなくなりました。

【澤】しかし、人生をハッピーにしていくにはいかにお金を使うかということも大事ですよね。先の主体性のお話もそうだと思いますが、お金の使い方について他にどのようなお考えを持っていますか?

【ふゆこ】そもそも論になりますが、「人生自体が無駄といえば無駄」というか、いかに無駄を楽しむのかが人生だと思っています。ですから、節約とは真逆のことに思えるかもしれませんが、いかにお金を無駄に使うかということも大事だと思うのです。

でも、だからといってむやみやたらにお金を使うことは問題です。そこで、満足感を得やすいお金の使い方を考えていき、わたしの場合はモノではなく経験、あるいは他人への投資にお金を使うと満足感を得られるという結論が出ました。ですから、家族へのプレゼントであるとか、未経験のものなどにお金を使うことを意識しています。

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澤 円(さわ・まどか)
圓窓 代表取締役
1969年生まれ。立教大学経済学部卒業後、生命保険会社のIT子会社を経て、1997年にマイクロソフト(現・日本マイクロソフト)に入社。情報共有系コンサルタント、プリセールスSE、競合対策専門営業チームマネージャー、クラウドプラットフォーム営業本部長などを歴任。2019年より現職。著書に、『外資系エリートのシンプルな伝え方』(KADOKAWA)、『マイクロソフト伝説マネジャーの世界No.1 プレゼン術』(ダイヤモンド社)、伊藤羊一氏との共著『未来を創るプレゼン 最高の「表現力」と「伝え方」』(プレジデント社)などがある。 Twitter:madoka510 Facebook:Madoka Sawa

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節約オタク ふゆこ(せつやくおたく・ふゆこ)
YouTuber
1993年2月14日生まれ。自らを「節約オタク」と称する節約・投資系ユーチューバー。理系の大学院修了後に開発職として電子系メーカーに就職したものの、将来のお金に対する不安を拭えなかったことがきっかけでお金について学ぶ。その後、奨学金を返済しながら1カ月10万円で生活し、年間300万円、20代で1000万円の貯金に成功。現在は脱サラしてフリーランス。運営するYouTubeチャンネル「節約オタクふゆこ」は日常的な節約法のほか、投資についての動画も初心者向けに配信して人気を集め、チャンネル登録者数は51万人を超える(2024年3月時点)。著書に『貯金はこれでつくれます 本当にお金が増える46のコツ』(アスコム)がある。

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(圓窓 代表取締役 澤 円、YouTuber 節約オタク ふゆこ 構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム) 文=清家茂樹)

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