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こうすれば定年後に月10万円確保できる…現役時代のスキルを最大限生かして稼ぐ「プチお仕事」3つ

プレジデントオンライン / 2024年6月5日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Tevarak

定年後はどう働くのが理想的か。定年後の働き方にくわしい藤井孝一さんは「定年を機に自分の仕事人生を棚卸ししてみれば、月10万円程度の収入を得る方法は見つかるはず」というーー。

■まずは定年後にいくら必要かを試算してみる

今の日本の企業は一般的に、55歳ぐらいから役職定年で収入が減り始め、60歳で定年退職を迎えます。しかし年金がもらえるのは65歳ですから、そこのギャップをどう埋めていくのか。その方法は、人それぞれです。

というのも、この年代になると状況は、人によって大きく違うから。たとえば、現役時代に大活躍されて、定年後も会社から高額の報酬で引き留められる人や、別の会社から引き抜かれる人もいれば、早い時期から戦略的に投資をして、不動産や株式などで収入は十分にあるという人もいますし、仕事ばかりしてきて、投資なんて全く考えたこともなかったという人もいます。

そこで大切なことは、自分の仕事人生を棚卸しし、自分を知ることです。

定年後は人生を見直すチャンスです。いままでは会社があって、仕事があって、家族がいて、といろいろな制約があり、それに対応するのが精一杯。しかし定年後は、ひとまずまっさらな状態になりますから、そこでいったん立ち止まって考えてみる。

■定年後は自由な人生を楽しめる

ようやく自分の人生を生きられるようになった、自由なんだと思って楽しんでもらいたいですね。とはいえ、先立つものがなければ、その自由も謳歌できませんので、そのためにどれぐらい稼がないといけないのか、これから自分の人生に必要なお金を試算してほしいと思います。

あくまでも想定でしかありませんが、自分が何歳まで生きるか想定し、どれぐらいのお金が必要で、いつから年金をもらい始めたいのか。教育費や住宅ローンが終わっていれば、生活費はそうかからないかもしれません。

また時間をかけて投資していれば、貯蓄はけっこうあるでしょう。まずは試算してみてください。

■定年後は再雇用で働き、副業や週末起業の準備をする

定年後に収入を得る方法としておすすめなのは、やはり再雇用で残ることです。なぜなら、同じ環境で働き続けることができるため、就活や起業よりもハードルが低いからです。特に起業は何の準備もせず、定年後にいきなり始めるのは、なかなか難しいもの。再雇用で働けるなら、それにこしたことはありません。

とはいえ、多くの場合、再雇用は毎年更新なので、いつ切られるかわかりません。必ず65歳まで働けます、というものでもないので、やはり会社にいるうちから副業なり週末起業なりして、その会社の仕事以外でも稼げる準備をしておいたほうがいいですね。再雇用は収入が減り、条件も悪くなるというデメリットがある反面、責任が減り、就業時間も週3回など自由になるメリットがあるので、そこをうまく使って何か始めるとよいでしょう。

定年後は、サラリーマンの仕事も事業の一つと考えて、さらに個人事業主としての仕事、投資という事業など、他の配分も増やしつつ、トータルで資産を構築していきましょう。

■10万円稼ぐなら、この3つ

定年後に再雇用以外で働く場合は、どんな仕事がよいか。おすすめの仕事は次の3つです。

(1) コンサルタントやアドバイザー
(2) 特殊スキルを生かせる仕事
(3) 海外の仕事

大前提として気をつけたいのは、定年後は現役以上に体力、気力が落ちているので、自分というリソースを大事にすること。無理して病気になっても困りますし、ケガをしても困る。いまさら好きでもないことをやっても続かないでしょう。

効率よく働くなら、今まで積み上げてきたことをじょうずに生かして、コンサルタントやアドバイザー、講師、顧問といった単価の高い仕事を選びましょう。なかでもコンサルタントで引き合いが多いのは、営業関係ですね。中小企業の悩みのほとんどは販路ですから、人脈で販路を持ってこられる人は強いです。

スクールで教えている講師
写真=iStock.com/PonyWang
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PonyWang

また定年後の人たちに求められるのは、現場を束ねた経験や知識、経理や法律、ウェブマーケティングなど資格や特殊なスキル。たとえば経理など一部門まるごと任せられる人は仕事がとりやすいでしょう。

さらに今は円安で、越境ビジネスを考えている会社も多いので、そこで海外駐在経験のある人は、コンサルタントとしてやっていける可能性があります。海外の仕事を考えているので手伝ってほしいというものが多いですね。

これらの仕事であれば、月10万円稼ぐことは不可能ではないと思います。

■本業時代の経験や人脈が定年後に生きる

ある程度の年齢になると、「本業で何をやってきたか」ということは、どうしたって見られます。やはり、ここでも自分を知ることが大事。今までのキャリアや今の自分の立場、将来の見通しなど、じっくり考えてみましょう。

そして、それをうまくプロフィールで見せる必要がありますし、それがないなら、現役のうちから自分がいずれ就きたい仕事につなげられる仕事に積極的に取り組んだほうがいい。これは独立しても仕事になりそう、経験になるな、という視点で本業に取り組みましょう。

また本業時代に人脈をつくっておけば、定年後に人づてで声がかかることも多いです。顧問のような仕事は、ほとんどが紹介です。

私の知人に不動産会社の営業をしている人がいますが、彼のお客さんには地主や経営者などお金持ちが多い。彼の主な仕事は、不動産の仲介ですが、それだけでなく節税や相続、子どもの教育まで、いろいろな相談を受けています。

なぜ彼が、そんなよろず相談にのるかというと、彼には将来、富裕層向けコンサルタントとして活躍したいという夢があるからです。そのため、今のうちからそういったお客さんとよい関係性を築き、ファイナンシャル・プランナーの資格をとり、お金の知識も身につけている。まだ定年を迎えていませんが、彼のような人は、定年後も成功するだろうなと思います。

■定年後の起業は現役時代よりリスクが高い

定年後に起業するのはどうか。正直にいうと、現役時代よりリスクが高いといえます。もちろん60歳で起業して大成功という人もいますし、起業家に憧れていた人はトライしてみてもいいと思いますが……。

ただお金の不安があるなら、お金をあまり使わないほうがいい。退職金をつぎ込んで大きなことを始めることには、慎重になったほうよいでしょう。また人を雇うと責任が発生しますし、簡単にやめさせられません。やるなら一人起業です。一人で会社を立ち上げて、一人社長、一人従業員で。間違っても一発逆転を狙ってはいけません。定年後になると気力、体力も衰えていますし、時間も限られていますから、なかなか若い頃のように再起しにくい。あまりリスクをとらないほうがよいと思います。

特に慎重に始めるべきなのが「フランチャイズ」と「不動産」です。フランチャイズは、もともとの仕組みがあるので失敗しませんが、本部の言うとおりにやるだけですから、あまりサラリーマンの仕事と変わりません。それなのに元手が必要でリスク部分は請け負うことになります。

もちろん成功するケースもありますが、フランチャイズの会社自体つぶれる可能性もあり、そうすると投じたお金がすべて消えてしまう。フランチャイザーの見極めが重要になります。

もう一つ慎重になるべきなのが、アパートやマンション経営など不動産事業です。現役時代にサラリーマンとして個人の信用で借金させて、アパートやマンションなど不動産事業をすすめるビジネスにのって、いざ始めたものの、うまく回らなくて失敗する人は少なくありません。空室リスクや家賃滞納など、不動産事業にリスクはつきもの。定年後も借金を背負ってビジネスが全く成り立たなければ、泣くに泣けませんから。

■外に出て活動の輪を広げよう

今の円安はいつまで続くかわかりませんし、自然災害もいつどこで起こるかわかりません。そんな先の見えない時代に大切なことは、どんな状況になっても、フレキシブルに対応できるようにしておくこと。

いつも世の中の動きにアンテナを張り、いろいろなメディアから情報をバランスよくとって見極める。また、こういう時代だからこそ、おつきあいの幅を広げてほしい。というのも、いろいろなことを学べるのも人ですし、仕事を持ってきてくれるのも人ですから、特に定年後は意識して、会社以外のところにも目を向けて、活動の輪を広げていくことをおすすめします。

趣味のサークルでも、社会人大学でもいい。私も、ワインスクールやヨガ教室など、いろいろなところに顔を出して、友だちを増やし、人脈づくりをしています。自分と似たような状況の人がポジティブに学んでいる姿を目にすると、勇気づけられますし、意外とそういう人たちから仕事につながることも多い。今は家で何でもできる時代ですが、定年後こそ、家にこもるのではなく、外に出ることを心がけてほしいですね。

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藤井 孝一(ふじい・こういち)
経営コンサルタント
中小企業診断士。1966年、千葉県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、大手金融機関を経て99年に独立。著書に『週末起業』(ちくま新書)など。

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(経営コンサルタント 藤井 孝一 構成=池田純子)

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