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最近の若者は昔より身長が低くなった…低出生体重の赤ちゃんが増えている一要因はお母さんの「口問題」

プレジデントオンライン / 2024年6月6日 6時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/metamorworks

■口に入れると怖いラウリル硫酸ナトリウム

美しい歯も若々しさを保つためには重要です。しかし、美しい歯を保つために歯磨き粉をつけて歯を磨くのは逆効果です。なぜなら、歯磨き粉には「ラウレス硫酸ナトリウム」と同じ仲間である「ラウリル硫酸ナトリウム」が含まれているからです。歯を磨くたびにそれを体の中に入れているわけですから、これでは歯磨きすればするほど歯にとっては悪影響が考えられます。

そこで私が行っているのは、毎日1回のオイルプリング、つまりオイルで口をすすぐことです。歯の黄ばみやヤニなどによる汚れは、油汚れです。油汚れは水洗いでは落ちません。ドライクリーニングと同じ要領で、油を使って油を溶かします。それを口の中で行うのがオイルプリングです。

やり方は簡単です。柔らかい歯ブラシで簡単に歯を磨いたら、冷蔵庫からエゴマオイルを持ってきて手のひらのくぼみにたらします。小さじ一杯分くらいが目安です。この油で数分間口をすすぐだけです。

よほどひどい歯周病がなければ口の中のエゴマオイルはそのまま飲んでも大丈夫。毎日エゴマオイルを摂取することになって、歯磨き粉を使うよりよほど健康的で歯も美しくなります。

これに加えて私は食後にデンタルフロスを使っていますが、ホワイトニングなどをしなくても自然な白い歯を保つことができています。

オイルプリングと並行して糖質の摂取を控えることで、歯周病を防ぐことができます。また、歯周病は口臭の原因になるだけでなく、ある意外なことと深く関係しています。

それは、生まれてくる子どもの身長です。実は日本人の身長は、80年頃をピークに低下傾向にあります。最近の若者たちは、昔よりも身長が低くなっているのです。

子どもの身長が低くなっている背景には、生まれたときの体重が2500グラム未満の低出生体重児の増加があります。小さく生まれた赤ちゃんが増えると、それに比例するかのように平均身長が低くなる傾向があるのです。

では、どうして低出生体重児が増えているのか。その原因の一つが歯周病です。母親に歯周病があると、低出生体重児が生まれる確率が約7倍にも増加することがわかっているのです。妊娠中は胎児を異物として認識しないように、母親の免疫力が低下します。また、つわりによって食生活が不規則になって歯周病になりやすくなります。

その結果、炎症作用があるプロスタグランジンが産生されます。プロスタグランジンには子宮を収縮させる作用があるため、早産になり、結果として低出生体重児が増加しているのです。

■ハゲたくなければ帽子をとって日光を浴びる

髪の毛の老化には、パサつき、枝毛、太さの減少などがありますが、見た目を若くするという観点では、やはり「ハゲ」を避けたいところです。前述のように、ハゲている人は心臓病発症のリスクが上昇するという報告もあります。

ハゲを防ぐために重要なことは、肌に悪いラウレス硫酸ナトリウムを避ける以外にもいくつかありますが、まずは栄養バランスのよい食事を摂ることが重要になります。特に、ビタミンDに加えて亜鉛や鉄などのミネラル、そして髪の毛をつくる材料になるタンパク質を積極的に摂りましょう。

必要な栄養素を摂るためのコツはさまざまにありますが、一番シンプルなのはやはり「まるごと食べる」こと。小魚や野菜、果物などを意識してまるごと食べるようにすれば、ミネラルやアミノ酸に加えて認識できない微量栄養素も含めて摂取できるからです。

マグロは美味しいですが、一匹まるごと食べるのは難しいですよね。それよりも、イワシや煮干しなど頭から尻尾までまるごと食べられるものを積極的に選びましょう。

一方、白髪については医学的には必ずしも悪いものではなく、ハゲのような健康リスクも知られていません。そもそも自然界において、白髪というのはボスの証しであり、決して悪いものではないのです。

例えばゴリラのボスは、性的に成熟すると背中の毛が灰色になるシルバーバックとなります。また、芦毛の馬も子どもの頃は灰色ですが、年齢を重ねると真っ白の毛並みになるのです。

白は、自然界においてはもっとも目立つ色です。敵から姿を隠す目的があるならば、黒っぽい色のほうが目立たないはずです。白という色は敵を威圧したり、自分の存在を他の動物に知らしめたり、敵を自分に集めて仲間を守ったりする色であり、まさしくボスの証しなのです。

しかし、それでも白髪を予防したいと思ったら、積極的に日光に当たることです。なぜなら、髪が黒くてフサフサになるのは紫外線を防ぐためだからです。髪の毛や肌の色素が薄い人たちは、北欧など紫外線が少ない地域に住む人に多くなっています。

彼らは紫外線を浴びる機会が少ないので、肌や髪の毛の色素を少なくしてできるだけ紫外線の吸収率を高めやすい体になっているのです。これに対して赤道直下に住む人たちは、反対に紫外線から体を守るために肌の色も黒く、髪の毛も黒くて濃くなっています。

このことから考えても、白髪を防いで髪をフサフサに保ちたいと思ったら、紫外線を積極的に浴びるのが正解と言えるでしょう。

■お腹に横線が入っていませんか?

外見を若々しく保ち、健康で長生きするためには、メタボリックシンドロームは大敵となります。その診断基準は、見なければいけない数値が多くて医師の私でもすぐにすべてを思い出すことはできません。しかし、診断基準を覚えておく必要などありません。大事なことは、診断基準に込められた「メッセージ」を読み取ることだからです。

メタボの診断基準には、必須項目として内臓脂肪の蓄積、つまりウエストのサイズがあります。そのうえで、高脂血症と高血糖、高血圧の項目のうち2項目以上が基準を上回る場合、メタボと診断されます。ここに込められたメッセージとは、「ウエストが太い」ならば、「食べすぎ」だということ。同様に「高脂血症」は「脂の摂りすぎ」、「高血糖」は「糖の摂りすぎ」、「高血圧」は「塩の摂りすぎ」だということです。

このメッセージを理解することは、診断基準の数字をいちいち覚えて自分の検査値と比べて一喜一憂することよりもはるかに重要なことです。

そのうえでするべきことは、まず精製食品を食べるのを控えることです。精製食品とは、お米なら白米、パンや麺ならば精製された白い小麦粉を使ったもののことです。これらは精製する過程で胚芽など栄養素を多く含んだ部分を取り除いてしまうので、単なる栄養素の低い糖質にすぎないからです。よって、体形を維持したいと思ったら、白米やパン、麺類を控えること。

ご飯を食べたければ、白米ではなく玄米にしましょう。玄米は一粒の中にあらゆる栄養素が入っていますから、完全栄養食です。同様にパンを食べるならば、全粒粉のパンを薦めます。私は外来で患者さんに呪文のように「白米、パン、麺をやめておやつにナッツかチーズ」と繰り返しています。ナッツとチーズはタンパク質が豊富で低糖質なので、それだけで3~4カ月で3~4キログラムは痩せる人がたくさんいます。

そして、野菜は毎日サラダボウルいっぱいに食べましょう。私はほうれん草をちぎってたまねぎをスライスして、しゃぶしゃぶ用のごまだれをかけて揉み込んで食べています。こうすると野菜がしぼんで小さくなって、たくさん食べられるのです。ここに海藻も入れたらミネラルも豊富に摂れてさらにいいですね。

体型を若返らせる4つの食生活

■死亡リスクが26%上昇するお腹に現れるサイン

心筋梗塞のリスクを下げるオメガ3脂肪酸が含まれる魚の脂も積極的に摂りましょう。魚を調理するのが面倒でしたら、サバ缶をサラダに入れるだけでも十分です。一度で魚と野菜を同時に摂ることができます。肉も積極的に摂りましょう。タンパク質を摂るためには鶏のささみや胸肉がいいと言われることもありますが、種類はなんでも大丈夫。強いて言うならタンパク質も鉄分も豊富な牛肉でしょうか。

何を食べたらいいか迷ったら、とにかく「まるごと」食べることを意識してみるとよいでしょう。野菜や果物も皮に栄養素がたぷり含まれているので、皮はむかないのがベスト。農薬のことを気にするよりも、果物の皮などに含まれる栄養素を摂れないことのほうもったないです。

また、食事は1日3食にこだわる必要はありません。空腹を感じると若返り遺伝子とも呼ばれる「サーチュイン遺伝子」が活性化し、成長ホルモンが分泌されたり、脂肪の中から「長寿ホルモン」と呼ばれるアディポネクチンが分泌されたりします。グーッとお腹が鳴ったら、若返りのチャンスと考えてみてはいかがでしょうか。

体形維持と同時に、若々しい外見を保つためには姿勢も重要です。そして、姿勢の維持には紫外線が関わっています。高齢になって身長が縮み、みぞおちあたりに「腹横線」と呼ばれる横の屈曲線が現れている人がいます。

しわのある腹
写真=iStock.com/TimoninaIryna
腹横線の入った腹部。「猫背線」とも呼ばれる。たとえ太っていなくても、高齢ではなくても、姿勢の悪さが原因で線が出てきてしまう。(※写真はイメージです) - 写真=iStock.com/TimoninaIryna

この線が出ている人は要注意です。これは骨が脆くなり、知らない間に圧迫骨折が起きて身長が縮んでいることによって現れる線だからです。2年間で身長が0.5センチメートル以上縮むとさらに要注意で、死亡リスクが26%上昇するという研究もあります。

高齢になって身長が縮むのを防ぐためには、日光にあたることが重要です。骨を強くするにはカルシウムだけではなくビタミンDが必要ですが、ビタミンDは日光に当たることで合成されるらです。今や日本人の98%がビタミンD不足と言われている時代です。さまざまな健康に関わる重要な栄養素ですから、積極的に日光浴をしてビタミンDを合成したいところです。

※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年6月14日号)の一部を再編集したものです。

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南雲 吉則(なぐも・よしのり)
医学博士 乳腺専門医/ナグモクリニック総院長
1955年生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京女子医科大学病院、東京慈恵会医科大学附属病院を経て、ナグモクリニックを開業。著書に『「空腹」が人を健康にする』など。2019年、鎌倉・稲村ヶ崎に自らがプロデュースする「日本料理 吟」をオープン。

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(医学博士 乳腺専門医/ナグモクリニック総院長 南雲 吉則 構成=横井かずえ)

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