「勉強も仕事も努力で成果を出してきた」そんな女性が恋愛だけうまくいかないのはなぜか…婚活のプロが解説
プレジデントオンライン / 2024年5月31日 16時15分
■「婚活沼」にハマりやすい女性の共通点
婚活沼にハマってしまう理由は人によってさまざまだが、意外とやっかいなのが「実らなかった恋」だ。
縁がなかった相手のことは忘れて、次の出会いに向かっていければよいのだが、頭では分かっていても、つい連絡をとってしまったり、相手の行動をSNSなどで見続け、詮索してしまったり……。今回は、元カレへの未練を断ち切れずに婚活に踏み出せなかった女性の事例を紹介する。
■5歳下の後輩に振り回されるアラフォー女性
E美さんは、38歳の弁護士。地元の事務所に勤務する5歳下の後輩男性と1年ほどつきあっていたが、関係を解消したころに、私の個人コンサルを申し込み出会った。
「次に出会う相手とは結婚したい」。そう最初に話したE美さんだが、相談の内容は元カレのことばかり。正直に言えば、好きだった彼のことが気になって、新しい出会いを求める気持ちになれないという。
話を聞いてみると、そもそも2人は正式に交際がスタートしていたわけではなかった。
なんとなく一緒に食事に行ったり、休みの日に出かけたりするようになったものの、「付き合おう」という言葉はなく、なんとなく「付き合っている感じ」だった。
「私のこと、どう思っているの?」とE美さんが尋ねると、彼からは「キミのことは好きだけれど、先のことは考えられない」という返事が返ってきたという。というのも、彼は過去に結婚を考えていた女性に裏切られたショックで、女性と真剣に交際することができないと。
そのエピソードの真偽は今となってはわからないが、彼は「誰とも真剣につきあうつもりはない」と宣言していたという。つらいながらも、彼の過去の心の傷を考えると「彼をわかってあげられるのは、私しかいないのかも」と情が湧き、会うのをやめることはできなかった。
![若い男に抱きしめられる女性](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/d/c/1200wm/img_dcccfebaa8aa0b7636dc049e8766edc2408041.jpg)
E美さんが、そんな彼との曖昧な関係を「キッパリ解消しよう」と決めたのは、ある出来事がきっかけだった。
彼が、同じグループに異動してきた後輩女性と親密になったのだ。そのことを問いただすと、彼はやはり「彼女と付き合うつもりはない」という。「彼女とは音楽の趣味が合うから、食事に行ったりコンサートへ行ったりしているだけだ」と。そして、「過去のトラウマのせいで、誰とも真剣につきあうことはできない」と繰り返す。
その話を聞いて、E美さんは彼とはもう個人的に会わないことを決めた。「この人と一緒にいても、自分が望むような未来は手に入らない」と確信したからだ。
■職場で顔を合わす彼を忘れられない
決断したE美さんだったが、困ったのはここからだ。それからも彼のことが忘れられなかった。忘れたくても、同じ職場で毎日顔を合わせるから、忘れられないのだ。
しかも、彼は以前と変わらずE美さんに親しげに接してくる。残業をしていると「コーヒー買いに行くけど、一緒にどう?」と声をかけてきたり、帰りに「軽く飲んでいかない?」と誘ったり。つい誘いに乗ってしまうこともあり、そのたびにE美さんはモヤモヤした思いを私へのメールにぶつけてくる。
![パブでビールで乾杯するカップルのクローズアップ](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/7/3/1200wm/img_735a2bf514084e6dedd7d0e0a127799d400739.jpg)
「彼をふっきれない自分が情けないです」「もう連絡をするのはやめようと思っているのに、ついLINEをしてしまいます」「一緒にいると楽しいけれど、ひとりになるとさみしくて耐えられないんです」
そんなある夜、E美さんは事務所で残業をしていた。同じく残業をしていた彼が「お先に失礼します」と席を立ったとき、E美さんの心にざわりとした予感がよぎった。その日は、例の後輩女性の誕生日だったのだ。
E美さんは仕事を中断して、ビルの従業員出口を見下ろすことができる窓辺へ急いだ。想像したとおり、彼と後輩女性が2人で出てくるのが見えた。
「忘れようと決めたのに、未練がましく2人のことを監視するなんて……」とE美さんは激しく自分に落ち込んでいた。そして次のように気持ちを話してくれた。
「考えないようにしようと思っても、どうしても考えてしまうんです。……彼は私とは付き合えないと言ったけれど、彼女とは付き合っているんじゃないかとか。私の何が足りなかったんだろうとか。彼女の方が若いからかな、とか……」「こんなことでは、婚活がうまくいくはずがないですよね。私には結婚なんて、一生できないかもしれませんね」
■元カレを忘れる5つのステップ
子どもの頃から勉強がよくできたE美さん。
彼女は努力の末、弁護士というなりたい職業に就いた。友達にも恵まれているし、職場では上司とも同僚とも良好な関係だ。
ところが、「恋愛だけが、思うようにいかないんです」と語る。
勉強や仕事は、自分さえがんばれば成果を出すことができる。うまくいかないときも、その原因を分析すれば、次に生かすことができる。
しかし、恋愛は相手がいることなので、自分ひとりががんばったからといってうまくいくとは限らない。むしろ、がんばればがんばるほど逆効果になることすらある。恋愛や結婚は、そもそも理不尽なものなのだ。
E美さんは、「結婚をしたい」と望んでいる。それであれば、実らなかった恋を分析したり、自分の行動を反省したりする必要はない。
私がE美さんにアドバイスした、「元カレの忘れ方」5つのステップは以下だ。
1.物理的に距離を置く
連絡を絶ち、会わないのがいちばん。E美さんのように職場が同じなら、異動願いを出したり、転職を考えたりしてもいい。失恋を転機に変えるのだ。
2.傷ついている自分の心を癒やす
まじめな人ほど体調を崩すなどしないかぎり会社を休んだことはないかもしれないが、会社を休んで好きな場所を訪れたり、見知らぬ土地へ旅行をしたり、好みの映画を観たりしてみよう。自分に優しくするなら、と考えたときに浮かんだことを実行してみよう。
3.つらい感情を出しきる「ビリビリワーク」をする
彼に対する怒りや失恋の悲しみを表に出す。もちろん泣いてもいい。誰かに聞いてもらってもいいし、紙に書き出してもいい。次項で紹介する「ビリビリワーク」もおすすめだ。
■気持ちを出し切る「ビリビリワーク」
② 10分経ったら、書いた紙をビリビリに破く。
③ 環境的に可能であれば、破いた紙を燃やす。燃やせない場合は、そのままゴミ箱へ。
その他、カウンセラーなどのプロの存在を頼るのも良いだろう。自分の心にしっくりくる方法で「表」に出していこう。
4.失恋を「からだ全体で」受け入れる
頭ではわかっていても、ついLINEや電話をしてしまったり、彼のことを考えてしまったりする。そんなときは、無理やりにでも「行動」を変えてみよう。たとえば、スマホを触りたくなったら外に出てジョギングをするとか、お風呂に入るとか。モノを整理したり掃除をしたりするのもおすすめだ。心はコントロールできないけれど、「行動」は変えられる。「行動」が変わることで、メンタルも変わる。キレイごとに聞こえるかもしれないが、だまされたと思ってやってみてほしい。
5.「それは自分を幸せにする?」と自分に問いかける
それでも彼の行動を詮索したり、SNSをチェックしたりしたくなったとき、鏡に向かって自分に問いかけてみよう。「その考えは、その行動は、私を幸せにする?」と。「自分を幸せにすることができるのは、自分」という意識を持とう。
この5つのステップを踏むことで、少しずつ、自分や相手を責める気持ちが薄れ、失恋を受け入れていくことができる。
■久しぶりに洋服を選びに街へ出て…
E美さんは、アドバイスどおり5つのステップを実行した。一度ではなく、何度も。失敗してしまうこともあったが、そんなときも自分を責めないようにして、ただ続けてみた。
異動願いはすぐにはかなわなかったが、友達と食事に行って話を聴いてもらったり、私につらい気持ちをぶつけたりして、苦しい気持ちを表に出し向き合った。もともと体を動かすことが好きなので、彼のことを考えて気持ちが落ち込みそうなときは、外へ走りに行くようにした。
ワークでふと鏡を見たときに、E美さんは自分がやつれ、くすんでいることを自覚した。
「そういえば、ファッション好きの自分が、彼と離れてから新しい洋服を1着も買っていない」と気づいたE美さんは、久しぶりに洋服を選びに街へ出た。
![何か新しいものを探している](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/3/6/1200wm/img_36dd360cd59dc6db1b50e2832909caaf406259.jpg)
それから3カ月ほどが過ぎて、心の奥底では痛みを感じながらも、少しずつ以前よりは普通に彼と接することができるようになったかなと思えた頃、希望していた東京へ異動することが決まった。
その後、E美さんは大学講師の男性と合コンで知り合い、意気投合。出会って半年後に結婚し、現在は夫と協力して子育てをしながら、大好きな仕事を続けている。
失恋は、つらい経験だ。傷ついた心を癒やす方法も、立ち直るまでの期間も、人によってさまざまだろう。けれど、いつかは必ず前を向いて歩きだせる日がくる。そう信じて「行動」を変える5つのステップを自分のペースで試してみてほしい。
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アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラー
1970年生まれ、東京在住。約9年間の婚活中には、条件を下げたり、妥協を重ねることで「婚活ウツ」を発症。そこから研究を重ね、数々のワークを生み出し、実践。39歳から再開した婚活では、出会いから2カ月でプロポーズに至るスピード婚を果たす。自身の経験を通じて構築した〈最短最速で理想通りの男性と結婚する方法〉を伝える「3ヶ月で全員婚活卒業!婚活塾」は全国から参加の受講生で毎回即満席となる。受講生の成婚年齢は40代が一番多く、平均44歳。50代の成婚者も少なくない。結婚相談所Lulu Spacesの代表も務める。近著は『結局、理想を下げない女ひとが選ばれる』(フォレスト出版)。
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(アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラー 伊藤 友美)
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