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「恋愛上手になる方法」という記事を素直に読めない人はお金も稼げない…"自意識高い系"が幸せになれない理由

プレジデントオンライン / 2024年6月6日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/eclipse_images

理想の人生を手に入れるためには何が必要か。2022年に韓国で最も売れた自己啓発書『逆行者』の著者であるジャチョンさんは「多くの人が自意識のせいでチャンスを逃している。自意識が強すぎると傷つくことを極端に恐れてしまうからだ」という――。

※本稿は、ジャチョン著、藤田麗子訳『逆行者 お金 時間 運命から解放される、人生戦略』(CCCメディアハウス)の一部を再編集したものです。

■多くの人が自意識のせいでチャンスを逃している

「あの有名事業家は、実家がもともと金持ちなんだろ。ん? 貧しかったって? じゃあ詐欺でもして金を稼いだんだな」
「私が付き合ってきた男はクズばっかり。男なんて信じられない」
「本を読まずに金持ちになった人もたくさんいるよ。僕は本なんか読まない。YouTubeがあるのに、わざわざ読書する必要ないし」
「不動産で稼いだ人はどうせみんな投資家だよ。まじめにコツコツ稼がないとね」
「ソウルの大学? SKY〔韓国のトップ3大学。ソウル大学、高麗大学、延世大学の頭文字〕じゃなきゃ意味ないでしょ。ソウル大卒でもバカな子は多いよ」

ネット上でたまに見かけるコメントだ。断言してもいいが、こんなことを言う人は人生の自由を手に入れることはできない。これらはやや極端な例だが、多くの人が自意識のせいでチャンスを逃している。自我が傷つくことを避けようとして、重要な学習の機会を逃してしまう。一世一代の有益な情報に触れても、自意識を守るために回避して、順理者(遺伝子、無意識、自意識の操り人形として、生まれ持った運命に従って生きる人々)としての人生を続けていく。

■自意識を解体しない以上、いかなる成長もできない

自意識の解体は、本書で紹介する逆行者7段階モデルにおいてもっとも重要な概念だ。この部分が解決されなければ、どれだけいい情報が入ってきても「私にはできない」「これには裏があるはず」「こんなのでたらめだ」と合理化して受け入れられず、成長の可能性が完全に閉ざされてしまう。多くの人々が自由な人生を得られない理由がここにある。僕としても、早く本論に入って「こんなふうにお金を稼ぐんですよ」「こんなふうにすればいいんです」と言いたい。でも、あなたの防衛機制は僕が伝えようとする情報をすべてはねのけることだろう。

自意識を解体しない以上、いかなる成長もできない。頭のいい人の大部分が一定の年齢を超えると、何もかも“人のせい”にして永遠に成長できなくなってしまうのはそのせいだ。

新しい情報を聞くには、10分もかからない。それなのに、成功した友人が情報を提供してくれても「えらそうに」と思って聞き流してしまう。自意識は、自分より優秀な人に対する拒否感を芽生えさせる。経済的自由を手にするための本を薦められても「いくら本を読んだって、ダメな人はダメなんですよ」と言い訳をして拒絶する。実際は、本人の読解力が足りず、頭が悪いのである。それを認めて、どうやって読解力を上げていくかを考えるべきなのに、自意識は「私はバカだ」ということを認めようとせず、合理化をして逃げてしまう。

■自意識は自由へとつながる道において人を邪魔する

なぜそんなことがわかるのかって? 僕がそうだったからだ。読書に投じる時間は、長くても一日30分だけでいい。1冊の本で、完全に人生が変わるかもしれない。それにもかかわらず、人は自我が傷つくことを恐れ、あらゆる言い訳をして読書から学ぶことを避ける。

お金を稼ぐ実質的な方法論を教えても「別に知りたくありません。お金よりも大切なものがあると思っていますから」と余裕を見せる。本当は心からお金を求めていて、お金のせいで人生の自由を奪われ、ときにはお金にがめつい行動をとる人でさえも。それなのに、自分の思考が矛盾していることを認めようとはしない。

大多数の人は、操り人形のように自意識の糸にもてあそばれている。この糸を断ち切らない限り、自由へと前進することはできない。自意識は人間に欠かせない心の仕組みだが、自由へとつながる道において人を邪魔する。

■人間には自分を守るための自意識が搭載されている

例を挙げてみよう。天才科学者が作り出した“ジス”という人型ロボットがいるとする。ルックスは人間と区別できないほどで、自ら考える力があり、自我を省みることもある。苦難や逆境に立たされると、知恵を発揮してトラブルを解決し、達成感と幸せを感じる。ジスは自分を特別な存在だと感じ、自分は人間だと信じている。そんなある日、衝撃的な場面を目撃してしまう。自分と同じような外見を持つ数多くのロボットと、開発者のコンピュータを目にしたのだ。コンピュータにはこんなプランが書かれていた。

1.すべてのロボットは知能を持つように設計する。
2.すべてのロボットは問題に直面すると苦痛を感じ、問題を解決すれば喜びを感じるように設計する。
3.こうした記憶が蓄積され、ロボットが次第に自我を持つように設計する。

ジスは設計プランを見てショックを受けるが、だんだん気持ちが落ち着いてくる。「私はそこに並べられている他のロボットとは違うの。私は開発者の意図をきちんと理解できているんだから。私は経験をベースに進化し続ける人格体。だから、私は特別な存在なんだ」

ロボットのクローズアップ
写真=iStock.com/mennovandijk
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mennovandijk

しかし、ジスの知らないプランがもう一つあった。

4. もしロボットが自分の正体を知った場合、「私はより特別だ」と感じるように設計する。

自我が崩壊しないように。

人間もジスと変わらない。遺伝子によって定められた本能と環境に支配されている。同時に、危険から自分を守るための自意識が搭載されている。こうした初期設定に縛られない人はいない。神は数々の「一世一代の機会」を授けてくれるが、人間は自意識に妨害されてチャンスを棒に振ってしまう。「私はお金なんてなくても幸せ」とひたすら言い聞かせているが、どうすればお金が増やせるかを常に心配して、給料が安いと文句を言い、外食をするたびにメニューの価格を見て不安になる。認めよう。そこから発展が始まる。

■理想よりもずっとダメな男を選ぶ女性たちの共通点

自意識に関する実際の例をご紹介したい。僕が手がけている事業は、心理相談、電子書籍発刊、マーケティングが中心だ。「復縁カウンセリング」という事業分野で10年間、国内トップを維持している。顧客は女性がメインだから、女性のケースをお話しする。

ジャチョン著、藤田麗子訳『逆行者 お金 時間 運命から解放される、人生戦略』(CCCメディアハウス)
ジャチョン著、藤田麗子訳『逆行者 お金 時間 運命から解放される、人生戦略』(CCCメディアハウス)

恋愛カウンセリングをしていると、残念な人に出会うことがある。自意識が強すぎる人だ。彼女たちは自分をとても愛するあまり、傷つくことを極端に恐れている。誰かに愛されたいと思っているのに、傷つくのが怖くて、出会いそのものを避けてしまう。愛されたいという気持ちも自意識があるからこそ起こるものだが、行き過ぎた自意識のせいで、恋愛のチャンスを逃してしまうのだ。

皮肉なことに、こうした人々はたいてい自分の理想よりもずっとダメな男を選ぶ。なぜか?

石橋を叩き過ぎるからだ。愛されたいのに、間違った恋愛をするのが不安で、やたらと相手を拒絶する。すると、いい男が去っていく。しつこく非常識にアプローチしてくる男は、性格に難アリの男や非モテ男、下心だらけの浮気者ばかりだ。女性は合理化をしながら、そんな男と付き合いはじめる。しかし、過度に自意識が強いせいで恋愛はうまくいかない。低レベルの男は自分の欲望を満たしたら去っていく。悪循環のサイクルが完成する。この女性は「やっぱり男ってみんなクズ」と考えて、誰に対してもなかなか心を開けなくなる。男にも同じことは言える。

■「自分が傷つかないこと」が世界一重要だから失敗する

彼らはなぜ恋愛に失敗するのか? 理由は簡単だ。経験が少ないせいだ。実体験が乏しいのに、心の中はファンタジーと自分だけのルールでいっぱいになっている。恋愛は相手をありのままに受け入れて気持ちをやり取りしていくものなのに、「自分」という存在が大切な彼らは、相手の心を推し量ったり、受け入れたりすることに不慣れだ。洋服の裾を濡らさずに水遊びをすることができないように、自我を少しも傷つけずに恋愛をすることはできない。しかし、彼らにとっては自分が傷つかないことが世界で一番重要なのだ。人を見る目がなく、相手の心理もわからない。悪い男にばかり捕まって、いつも恋愛に失敗するが、理由がわからずにやきもきする。そして、復縁カウンセリングを申し込むのだ。

悲しむ妻
写真=iStock.com/AntonioGuillem
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/AntonioGuillem

■「復讐したい」は自意識を傷つけないための言い訳

彼女たちは、カウンセリングのときも同じような傾向を見せる。一見クールで、相手に未練などないかのように振る舞う。別れを告げられた相手とやり直したくて、復縁相談までしているという状況が、すでに自意識を傷つけたはずだ。だから相談内容も似ている。

自分にはまるで落ち度はなく、何もかも相手が悪いと話す。そんなケースもなくはないだろうが、たいていの恋愛は双方に過失がある。こうした過度な自意識は、相談に来た理由に如実に表れる。「やり直したいわけじゃなくて、復讐をしたくて来たんです。あの人は本当にクズなんです」。本当は相手とまた付き合いたいのに、これを認めると自意識が傷つくから「復讐したい」「見返したい」と言い訳するのだ。だから、僕はこう答える。「復讐はするにしても、もう二度と会わなくていいということですよね?」。依頼者はあわてふためいて支離滅裂になり、「完全に切るのはちょっと……。相手がすがってきたら考え直してみてもいいかな、って」。

■多くの人が「お金」に対しても似たような態度をとる

僕がカウンセリングを担当したある女性は、自意識のせいで30歳まで恋愛を台無しにしてきた。せっかく自分にすべてを捧げてくれる男性と恋愛を始めても、不慣れなせいで関係を壊してしまう。「恋愛上手になる方法」といった記事を見かけても、「こんな記事はみじめな女が読むもの」と考えて知識を吸収しようとしない。自分が関係を壊したにもかかわらず、ひたすら相手のせいにする。そして、恋愛にトラウマがあるからと誰とも付き合おうとしない。無意識下では、いい男との出会いを望んでいるが、回避を繰り返す。

多くの人が「お金」に対しても似たような態度をとる。お金が欲しいと強く望んでいるのに、「重要なものじゃない」と言う。自分の給料が少ないことを「社会がおかしい」と非難する。お金を稼ぐ方法を目にしても「品がない」と切り捨てる。過剰な自意識のせいで、あらゆるチャンスを逃してしまう。

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ジャチョン インフルエンサー
韓国のインフルエンサー、起業家(マーケティング会社社長)、ライフハッカー。1987年生まれ。2019年にYouTubeチャンネル開設、2022年著書『逆行者』を刊行し、韓国では「逆行者」シンドロームを引き起こすほどのベストセラーに。

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(インフルエンサー ジャチョン)

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