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「特別な事件」がなくても人生は変えられる…出社せず月数億円稼ぐ男性の"キャラ設定"のすごい効果

プレジデントオンライン / 2024年6月13日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/bee32

人生を好転させるには何から始めればいいのか。2022年に韓国で最も売れた自己啓発書『逆行者』の著者であるジャチョンさんは「自分のキャラ設定を変えることが大切だ。キャラを先に変えれば、すんなり変化が起こる」という――。

※本稿は、ジャチョン著、藤田麗子訳『逆行者 お金 時間 運命から解放される、人生戦略』(CCCメディアハウス)の一部を再編集したものです。

■一つの事件をきっかけに人生が様変わりした人々

20歳まで最悪の生活を送っていた僕は、映画館でアルバイトを始め、そこで仲間はずれにされた。その後、読書によって僕の人生は完全に変わった。100万人のチャンネル登録者数を持つ、とある不動産YouTuberは、30代半ばの頃に会社の先輩が解雇されるのを見て覚醒した。アソンダイソー(韓国のダイソー。日本の大創産業が保有していた株式の34.21%を取得)のパク・ジョンブ会長、グローバル総合バイオ医薬品企業セルトリオンのソ・ジョンジン会長も、40代で会社をクビになったことで覚醒した。自力で財を成した人々には、一つの事件をきっかけに人生が様変わりしたという共通点がある。

「母が亡くなるとき、『おまえだけは金持ちになってほしい』という言葉を遺したんです。そのとき目が覚めました」
「子どもを2人授かりましたが、粉ミルクを買うお金すらありませんでした。会社でこき使われながら、やっとのことで200万ウォンの月給を稼ぐ生活がつらすぎて自殺を考えました。漢江まで行って飛び込もうとしたとき、変わろうと決心しました」
「彼女の友人と母親にひどく嫌われていました。高卒のチンピラ扱いされるのがあまりにも悔しくて、結婚に反対されたことにも怒りが湧きました。とんでもない成功者になってやるぞ、とそのとき心に誓ったんです」

■大きな変化のチャンスに出会える確率は極めて低い

大きな成功を収めた人の多くが言うように、こうした決定的な事件は人生を変えるきっかけになる。究極の不幸を逆転のチャンスに変えた逆行者は、ドラマティックなエピソードを持っていることが多い。しかし、こうした大きな変化のチャンスに出会える確率は極めて低い。あるいは、“運よく”きっかけが訪れても、それがチャンスであることに気づかない人がほとんどだ。自分は不幸な人間なんだなと自嘲するだけで終わってしまう。

このように、多くの人は覚醒の契機となる事件を経験することがない。ある意味、運がよくなければ事件は起こらない。では、人生を変える事件を人為的に作れるとしたらどうだろう? 0.1%の人だけが経験する大事件を作り出せたら、キャラクターをドラマティックに変えることができるのではないだろうか? 僕はそれが可能だと考え、「キャラ設定」と名づけた。このキャラクター理論は、逆行者になるためにとても重要なスキルだ。

■普通に生きることすら不可能だと思っていた

ここまで読んできたあなたは、今どんなことを考えているだろうか?

「本を1冊読んだだけで、誰でも経済的自由を得られるなんてありえない」
「ジャチョン(著者)は自分のことを出来が悪かったと言っているが、何か特別なところがあるに決まってる。私とは違うんだ」
「ジャチョンは宝くじに当たったようなものさ。ただ単に運がよかっただけなのに、それをそのまま真似したって意味ないよ」
「まるで夢物語だな。僕は月1千万ウォンじゃなくて、500万でも稼げたらそれでいいや」

その気持ちは本当によくわかる。読書を始める前まで、僕自身もそう考えていたからだ。いや、むしろ普通に生きるということすら不可能だと思っていた。当時、教師である従姉をもっともうらやんでいたことはすでにお話しした通りだ。盆や正月に家族で牛肉を食べるという話を聞くたびにこう思った。

「金持ちっていうのは、別世界にいる人間なんだな。我が家はこんな有り様なのに」
「ソウル市内の大学なんて、恵まれた人が行くところだよ」
「僕が月200万ウォン以上稼ぐ日は永遠に来ないだろう」

本当にそう信じていた。かつての僕のように人生の底辺で苦しんでいる人々は同じような心情だろうと思う。

困った男
写真=iStock.com/bee32
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/bee32

■「キャラ」を先に変えればすんなり変化が起こる

しかし今、僕のキャラクターは完全に変わった。自分の手で変えてきたからだ。20代で読書を始めたことがそのきっかけだ。キャラを先に変えれば、すんなり変化が起こる。逆に、キャラを変える機会を逃すと、順理者として生き続けることになる。僕は本という形で訪れた幸運をぐっとつかんで離さなかった。20歳のときに出会った1冊の本は、敗北主義に染まりきった僕の頭に新たなソフトウェアをインストールしてくれる設置ガイドだった。僕は足元に敷かれた線路を目にして、絶望へと続く電車からついに降りることができたのだ。そして、自分だけのナビを使って人生の近道を探す旅に出た。何もかも、頭の中に新たなソフトをインストールしたおかげだった。

自意識の解体に成功したら、新たな自意識を作らなくてはならない。自発的なキャラ設定は人生のモチベーションを高めてくれる。自動車を走らせるにはガソリンが必要なのと同じように、人間にもキャラ設定という燃料が必要だ。これを自由自在に活用すれば、実に驚くべきことが起こる。僕は最近こんな目標を立てた。「僕はベストセラー作家になるんだ」「韓国で一番偉大で、長く読まれる本を書こう」。

■2020年から「ベストセラー作家」にキャラ設定を変えた

2018年まで、僕のキャラクターは事業家だった。2019年にはYouTuber、2020年からは作家、それもベストセラー作家にキャラ設定を変えた。常識的な人がこんな目標を耳にしたら、一笑に付すに違いない。実際、身近な人に「僕は、韓国でもっとも偉大な自己啓発書を書くよ」と話したときは、鼻で笑われた。知人がそんなことを言い出したら、僕だってこう思ったことだろう。「世の中には賢い人がいっぱいいるのに……本を1冊も書いたことがない人がいきなりどうやってそんな本を書くっていうんだよ? でも本人は真剣みたいだから、とりあえず相槌を打っておこう」。

もちろん、僕が実際にそうなれるかどうかはわからない。でも、他の人たちがそう思っているからといって、自分まで「僕にベストセラーなんか書けるわけがない」と決めつけてしまったら、その瞬間、ベストセラーどころか平凡な本すら出版できなくなる。そこであえて大きな目標を立てて、自分から周りに言いふらした。これは、自己啓発書によく出てくる「自分を信じれば、宇宙はあなたを助けてくれる」とか「ソウル大学を目標にすれば、延世大学や高麗大学には入れる」みたいな話ではない。そんな言葉をいくら聞いても、あなたに変化は起こらない。

コンピューター
写真=iStock.com/LaylaBird
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/LaylaBird

■読書をきっかけに「成長マインドセット」になった

お金を稼ごうと決心する瞬間は、人それぞれ異なる。

もともとお金稼ぎが好きでセンスがある人もまれにいるが、たいていの人はそこまでお金に興味がない。意外だ、って? いや、そんなことはない。誰もがお金の話をする(あるいは、興味があってもないふりをする)が、実際にお金を稼ごうとはしない。お金稼ぎに関する“行動”を起こさないのだ。夢想家のように、大金を手にしたいという漠然とした“夢”を抱いているだけだ。しかし、ときどき何かをきっかけにして、本当にお金を稼ごうと決心をする人がいる。

『ファストレーンのお金持ち』(花泉社、2013年)の著者M・J・デマルコは、ある日ランボルギーニに乗った若い発明家と出会う。歌手やスポーツ選手など、特別な人しか大金を稼げないとばかり思っていたが、平凡な人でもアイディア一つでお金持ちになれると気づき、キャラクターを変えてお金を稼ごうと決心する。

前述のように、僕の場合は偶然読んだ自己啓発書がきっかけだった。それまでは自分を劣等人間だと決めつけていたが(固定マインドセット)、読了後は「僕は特別な人間なんだ」という自己暗示をかけるようになった。優れた自己啓発書を数百冊読んだら、本当に自分も偉大な人になれそうだという気持ちが強まり、ネガティブ思考が消えていった(成長マインドセット)。

なぜなら、本の中には僕の境遇に負けず劣らず、厳しい環境からのし上がった人の話が無数に出てきたからだ。数百冊を読むなんて今思うと要領の悪いやり方だが、オタク気質の僕には最適の方法だった。とにかくこれをきっかけに、僕は生まれて初めて頭の中のソフトウェアを自分で変える経験をしたわけだ。

■すでにあなたの中の何かが変わりはじめている

キャラクターの変化は、挫折、劣等感、生存の危機、モチベーションの発生、読書など、さまざまなきっかけで起こる。今この本を読んでいるあなたも「私は自分のキャラ設定をどんなふうに変えればいいんだろう?」と悩んでいるのではないだろうか。悩む必要はまったくない。この本を読んでいるだけでも、すでにキャラクターは変わっている。まだ本書を閉じずに僕の話を真剣に読んでくれているのなら、僕のみっともない過去のエピソードを読んで「こんな人でも本を読んで変われたなら、自分にもできるかもしれない」と少しでも思ったのなら、あなたの中の何かが変わりはじめているのだ。

ジャチョン著、藤田麗子訳『逆行者 お金 時間 運命から解放される、人生戦略』(CCCメディアハウス)
ジャチョン著、藤田麗子訳『逆行者 お金 時間 運命から解放される、人生戦略』(CCCメディアハウス)

そもそも僕は、『ファストレーンのお金持ち』という本を読むまで、「働かなくても自動的に収益が得られる仕組みを作ろう」という発想自体がなかった。お金は自分が一生懸命働くことによってのみ発生するものだと思っていた。だから、医師や弁護士のように、労働時間に対する利益を高めるしかないと考えた。

当時は復縁カウンセリングで時給にして約22万ウォンを稼いでいたから、1時間当たりの利益という概念になおさらこだわっていた。だが、『ファストレーンのお金持ち』『「週4時間」だけ働く。』(ティモシー・フェリス著、青志社、2011年)、『金持ち父さん 貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ著、筑摩書房、改訂版2013年)などの本を読んで、自動収益化の概念に目覚めた。その後の事業は、自分がいなくても回るようにセッティングしていった。今では、出社しなくても毎月数億を稼ぐ経済的自由を達成している。

■キャラ設定は人間の生活を根こそぎ変える

コスパを追求する僕たちの脳は、すべてのことに100%集中するわけではない。そこで、キャラ設定に応じて入力と出力のモードを変えていった。最近、僕は作家とアマチュアスポーツ選手というキャラクターを設定した。事業家というキャラクターを持ったときは、この世のすべてがビジネスに見えた。レストランに行けば、食事を楽しむのではなく、メニューやテーブル数、従業員数、客席回転率の計算に忙しかった。カフェに行けば、事業構造と純利益を分析した。

しかし、作家とアマチュアスポーツ選手にキャラ設定を変えてからは、ビジネスの話を持ちかけられても気が乗らない(少し稼げるようになったせいもあると思う)。代わりに毎日スポーツ関連動画を視聴し、ゴルフとテニスをして、文章ばかり書いている。一昨年の僕と現在の僕を比べたら、半分ぐらいは別人だと言える。キャラ設定とは、人間の生活を根こそぎ変えるほど重要だ。

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ジャチョン インフルエンサー
韓国のインフルエンサー、起業家(マーケティング会社社長)、ライフハッカー。1987年生まれ。2019年にYouTubeチャンネル開設、2022年著書『逆行者』を刊行し、韓国では「逆行者」シンドロームを引き起こすほどのベストセラーに。

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(インフルエンサー ジャチョン)

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