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だれでも読書スピードが4倍速になる…医学博士が認めた「脳科学的に正しい速読」5つのポイント

プレジデントオンライン / 2024年6月8日 16時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Antonio Santos

読書スピードを速くするにはどうすればいいのか。速読スクールを運営するヨンソ氏は「集中して文字だけを追う読み方は実は効率が悪い。音や匂いなどに気を散らせたほうが、脳の情報処理効率が上がる」という――。

※本稿は、ヨンソ(著)、伊藤吉賢(監修)『らく速読 脳科学が証明した世界一カンタンですごい読書術』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■頭の中で音読する読書方法は脳に負担が大きい

オープンマインド・リーディングとは、「左脳のブレーキを解除して、右脳のアクセルを踏む」読み方を実践するための手法です。

一般的に、音読によって本を読んでいる人は、脳の様々な部位に負担をかけて読んでいます。それでは、思考ノイズや脳疲労が邪魔をして、右脳のパワーを引き出すことができません。

いわば脳が閉じた状態が、一般的な音読による読書なのです。

そこで、オープンマインド・リーディングの出番です。閉ざされた脳を「開いて」、右脳の力を開花させる読み方です。

オープンマインド・リーディングでは、脳を構成する4つの部位(前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉)に同時に刺激を与えます。

それにより、従来の脳全体を使った読書法から、右脳中心の、無駄を省いたシンプルな読書法に切り替えることを目指します。

継続すれば、効率よく読書できるようになるモーターラーニング(運動学習)が起こりやすいと考えています。

本記事では、オープンマインド・リーディングの手法のうち「(1)本のページ全体を視野に入れて読む」「(2)読書している部屋(風景)全体を意識しながら読む」「(3)聞こえる音に耳を傾けながら読む」「(4)衣服や気温、においや味に注意を向けながら読む」「(5)上級編・メタ認知で読む」の5つについて紹介します。

■意識を分散させれば脳が瞑想状態になる

オープンマインド・リーディングをすると、脳の全部位にまんべんなく刺激を与えることができます。

ヨンソ(著)、伊藤吉賢(監修)『らく速読 脳科学が証明した世界一カンタンですごい読書術』(KADOKAWA)
ヨンソ(著)、伊藤吉賢(監修)『らく速読 脳科学が証明した世界一カンタンですごい読書術』(KADOKAWA)

すると脳は思考ノイズが鎮まって、よけいな空回りをしなくなり、ある種の「瞑想状態」になっていると私は考えています。究極の「リラックス状態」です。「読む」という行為1つに集中するのではなく、さまざまな方面に意識が「分散」している状態ともいえるでしょう。

最新の脳科学の研究では、脳が瞑想状態(脳波がリラックスしているときに示すシータ波の状態)になると、情報処理の効率が上がり、高速で入ってくる情報を無理なくキャッチできるようになると報告されています。

このようにオープンマインド・リーディングは、右脳のアクセルを全開にし、脳の使い方をシンプルにする読み方なのです。

もちろん、これらの手法はすべてを同時には行えません。時と場合によって手法を選択するのがよいでしょう。

1つずつ試していきながら、最終的にさまざまな手法を同時並行で行うようにしてみてください。

普段の読書でも、ここで紹介するコツを無意識に実践できるようになれば、読書スピードは今の4倍を超えるでしょう。

合言葉は、「気楽に」「テキトーに」「がんばらない」です。

〈1:本のページ全体を視野に入れて読む〉
【図版1】『らく速読 脳科学が証明した世界一カンタンですごい読書術』イラスト
『らく速読 脳科学が証明した世界一カンタンですごい読書術』(KADOKAWA)より

本の文字に視線を集中させるのではなく、周辺視野に意識を分散させ、ページ全体を視野に入れながら読むようにします。

目を本に近づけすぎず、30〜40センチほど離した位置にすると、ページ全体を感じながら読みやすいです。

ページ全体に意識を向けるのが難しければ、最初のうちは読んでいる行の次の行、そのまた次の行くらいまで「眺める」意識を持つと良いでしょう。それに慣れてくると、ページ全体に意識を向けやすくなります。

意識を向けるとは、内容をインプットすることではありません。「なんとなく視えている」くらいで問題ありません。

狙いは、「一点に集中」するのではなく、四方八方に分散させること。すると、先に書かれていることまで広く「先読み」でき、直感が100%働き出すようになります。

■視野を広げて本以外も目にいれることで過剰な集中を防ぐ

〈2:読書している部屋(風景)全体を意識しながら読む〉
【図版2】『らく速読 脳科学が証明した世界一カンタンですごい読書術』イラスト
『らく速読 脳科学が証明した世界一カンタンですごい読書術』(KADOKAWA)より

目の前の本からも離れて、立体的に、空間的に、より広く「分散」させていきます。

読みながら、本の角や本を持っている自分の手を意識してみてください。

さらに、本の向こう側まで、周辺視野を広げていきましょう。

ぼんやりと見えている、机、壁、窓、照明器具、時計、天井など、視野に捉えられる範囲のものを感じながら読書します。

机の上にはコーヒーカップが見えるかもしれません。時計は何時を指しているでしょうか。窓の外を桜の花びらが舞っていることもあるでしょう。

「本に集中できない」と思うかもしれませんが、それが狙いです。

視界が捉える様々な事象に意識を向けることで、本への過剰な集中を回避していくイメージです。

空間把握を司る頭頂葉を刺激し、左脳優位の読み方を壊していきましょう。

〈3:聞こえる音に耳を傾けながら読む〉
【図版3】『らく速読 脳科学が証明した世界一カンタンですごい読書術』イラスト
『らく速読 脳科学が証明した世界一カンタンですごい読書術』(KADOKAWA)より

目の前の本に集中するのをやめて、その場に聞こえてくる音に耳を傾けながら読書してみましょう。

静かな環境でも、耳を澄ませばさまざまな音が聞こえてくるはずです。

部屋の中の空調や、冷蔵庫の稼働音が聞こえませんか?

外からは、鳥のさえずり、子どもたちの笑い声などが聞こえてきませんか? よく耳を澄ませば、それまでは気づきもしなった遠くを走る電車や自動車の走行音が、かすかに聞こえてくることもあるでしょう。

「視覚」だけでなく「聴覚」も動員して意識を分散していけば、ますますリラックス状態になり、左脳のおしゃべりがやんで、右脳が機能し始めるのです。

聴覚に意識を分散させるために、ラジオやテレビ、動画などの音声を流しながら読書するのも有効だといえます。

■五感をフルに使いながら読書すると右脳が活性化する

〈4:衣服や気温、においや味に注意を向けながら読む〉
【図版4】『らく速読 脳科学が証明した世界一カンタンですごい読書術』イラスト
『らく速読 脳科学が証明した世界一カンタンですごい読書術』(KADOKAWA)より

脳には、「視る(視界)」「聴く(聴覚)」「話す(言語)」以外にも、におい(嗅覚)、皮膚感覚(触覚)、味(味覚)などを司る、さまざまな部位があります。

五感をフル稼働して読書をすると、くちやかましい左脳は後ろに下がり、脳はますます右脳に頼ります。

本を読みながら、衣服の肌触りを感じてみてください。心地よい感触がしますか。ゆったりとリラックスできていますか。ページをめくるたびに、衣ずれの音がするかもしれませんね。

部屋の温度はどうですか。少し寒いですか。暑いですか。

においはどうでしょうか。アロマを焚いて、いい香りが漂っているでしょうか。

何か飲んでいますか、食べていますか。芳醇なコーヒーの味を楽しんでいるでしょうか。

五感を研ぎ澄ませて、あらゆる感覚に敏感になりましょう。

■本を読んでいる自分を俯瞰で見ている状態が理想

〈5:上級編・メタ認知で読む〉

これまでに説明したオープンマインド・リーディングを実践するとき、私は「メタ認知」で本を読んでいる感覚があります。メタ認知とは、ざっくりいうと、「認知している自分を俯瞰的に見る」ということです。本に意識を集中させるのではなく、自分の意識が自分の外部にあると捉え、その場所で、本の内容と自分の感覚や知識を照合させるイメージです。

【図版5】『らく速読 脳科学が証明した世界一カンタンですごい読書術』イラスト
『らく速読 脳科学が証明した世界一カンタンですごい読書術』(KADOKAWA)より

オープンマインド・リーディングでは、さまざまな感覚に意識を向けるため、おのずと自分自身や世界を見る目が俯瞰的になってくるのです。

「もう一人の自分が、読書をしている自分を見ている」ともいえます。

これは右脳的な感覚なので、言語で理解するのではなく、実践によって感覚をつかむしかありません。反対にいうと、この感覚がつかめたとき、あなたは右脳を活用した読書ができているということです。

最初のうちはこの感覚がわからなくても、継続しているうちに必ず自分のものになります。難しく考えず、気楽に取り組みましょう。

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ヨンソ RTH CMO、YouTuber
経営者として5億5000万円の借金を抱えていたが、楽読と出合ったのを機に人生が好転し、全額返済を果たす。運営するYouTubeチャンネル「OWS TV」は登録者数14万人超。著書に『無意識リライト 「寝る前3分の書き換え」で、現実は思い通り』(KADOKAWA)がある。

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伊藤 吉賢(いとう・よしたか)
医学博士
東京慈恵会医科大学卒。楽読柏スクールインストラクターとして活動。脳科学の見地から楽読の研究を続け、「医学的に正しい読書術」の啓発に努めている。

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(RTH CMO、YouTuber ヨンソ、医学博士 伊藤 吉賢)

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