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電車内の音漏れにイライラするのはもったいない…「不快な時間」を「有意義な時間」に変換させる"考え方のコツ"

プレジデントオンライン / 2024年6月7日 18時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Irina274

どうすれば時間を有効活用できるのか。編集者の柿内尚文さんは「『相手ベースの時間』を減らし、『自分ベースの時間』を増やすことが大切だ。たとえば、上司からやらされている仕事の意味を自分の中で変換して、『自分ベース化』できないか考えれば、時間の価値を高めることができる」という――。

※本稿は、柿内尚文『このプリン、いま食べるか? ガマンするか?』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。

■電車での音漏れにイライラしたら…

質問です。電車に乗っていた時のこと。

あなたの隣で、大音量の音楽を聴いていてイヤホンから音漏れしている人がいました。うるさくてイヤな気分です。こんな時、あなたならどうしますか?

音漏れさせている人、たまにいますよね。周りにいる人たちもイヤな気分だと思います。

音漏れさせている人は自分のことしか考えていません。

これを時間という軸で見ると、こういった迷惑な行為をしている人は、自分の視点だけで行動しているので「自分ベースの時間」で生きています。

一方で、不快な気分にさせられている周囲の人は、音漏れの人が原因なので、他者に自分の時間を侵食されている状態です。つまり、「相手ベースの時間」です。

ここで「自分ベースの時間」と「相手ベースの時間」をあらためて定義しておきます。

「自分ベースの時間」→自分軸で行動している時間
「相手ベースの時間」→他人に侵食されている時間

時間の価値を高めるには、いかに「相手ベースの時間」を減らし、「自分ベースの時間」を増やすかが大切です。

もちろん、自分ベースの時間が大切だからといって、音楽を大音量にして、他人の時間を音漏れで侵食するのはマナー違反です。

■「相手ベースの時間」は、自分にとって時間価値が低い状態

ここで先ほどの質問に対する僕の回答を紹介します。

電車で音漏れに遭遇した場合は、たとえば次の駅で隣の車両に移れば自分ベースの時間を取り戻せます。

無理してその車両にガマンして居座ると、音漏れが聞こえてくる間は「相手ベースの時間」を過ごさなければならなくなるので苦痛ですよね。

また、その時に感じたイライラが、その日の気分にずっと影響することもあるかもしれません。

僕は、こういう時は自分もイヤホンをして音楽を聴いたり、動画を見たりします。そうすると、隣のことはもう気にならなくなります。

こうやって、自分ベースの時間を取り戻していきます。

たとえば、仕事で「自分はやりたくないんだけど上司からやらされている」という業務の場合。「やりたくない」という感情に支配されたままでは、ベクトルが他人に向いていて、「相手ベースの時間」になっていきます。それは自分にとって時間価値が低い状態です。

自分の時間は、自分の持ち物です。

だから、「自分ベース」として時間に向き合うと、自分にとって価値の高い時間を生み出せます。

イヤなことがあった時にどう向き合うかで、人生は変わっていくのです。

■上司からのやらされ仕事を「自分ベース化」する

たとえば、上司にやらされている仕事の意味を自分の中で変換して、「自分ベース化」できないかを考えてみます。

上司から仕事をやらされている

このままでは相手ベース

「スキルアップできる」「会社からの評価が上がる」など自分にとって価値の高いことに意味を変換

自分ベース化

こうできれば、時間価値は高まります。

オフィスの様子
写真=iStock.com/gyro
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/gyro

といっても、そんな理想通りに自分ベース化して、意味を変換するのは難しい時もありますね。

すぐに自分ベース化できなくても、「どうにか自分ベース化できないか」と考え続けるだけでも意味はあります。脳は自分が期待する結果を出そうとする特性があるからです。

続けて考えていくと、脳が本気で意味の変換を促してくれます(もちろん、イヤなことの場合、最初に断ってしまうという選択もあります)。

■相手ベースで生きているとグチが多くなる

仕事でグチをよくいう人は「相手ベースの時間」を生きている人です。

相手のせいで忙しい。相手のせいでうまくいかない。いつも誰かのせいにしている人は、思考が「受け身」になっています。この考えでは、結局は「相手がどうか」次第で自分の感情や行動が決まってしまうので、他人に時間を奪われ続けてしまいます。

一方で、不本意なことや想定外のことが起きても、それをグチや不満ではなく「課題」としてとらえ、自己解決の方法を模索する人は「自分ベースの時間」を生きていることになります。

グチをいいながら仕事をしている人は、なかなか周りからの評価も上がらないので、そこに不満が生じ、ますますグチが増えていくという悪循環を生みやすい構造で生きています。「自分ベース」か「相手ベース」かで、仕事での評価や人生の満足度の差は広まるばかりです。

「自分ベースの時間」にするために活用したいのが「問い」です。

たとえば、先ほどの電車の中の音漏れの話。

この時に「何でそんなに音漏れさせてるんだ?」と思ってしまうと心も乱されます。これだけでも自律神経が乱れ、自分にとってマイナスな時間になります

そこで、こういう問いをします。

「この状況で、自分がイヤな思いをしないためにはどうしたらいいのだろうか?」

つまり、解決策を見出す問いをするのです。たったこれだけなのですが、出てくる答えはただ不満を感じているだけなのと比べて、天と地ほどの差があります。

■「風呂の時間」の価値を言語化してみる

質問です。

「あなたにとって、風呂の時間はどんな時間ですか?」

「体をきれいにする時間」「リラックスタイム」「温まるために入るもの」……いろいろな回答が出てくると思います。

この記事のテーマは、時間が失われないように時間の価値を高めていくことです。

時間の価値を高めるには、なんとなく過ごしている時間(無意識の時間)を減らし、その時間が自分にとってどんな価値があるかを明確にすることです。

風呂の時間についてもう少し丁寧に書くと、「あなたにとって『風呂の時間価値』は何ですか?」という質問になります。

僕の場合は次に挙げる7つだと答えます。

僕は毎日、風呂に2回入ります。朝と夜です。なので1日の中で合計1時間~1時間15分は風呂時間です。

【風呂の時間価値(僕の場合)】
1.スイッチを入れ替える時間
朝の風呂は自律神経の交感神経のスイッチをオンにするために入る。睡眠モードから活動モードへの変換。
2.体をきれいにする時間
体や髪を洗う時間。風呂の一般的な時間価値。
3.思考の時間
風呂に入っている時間は思考に集中しやすく、血流も影響しているのか、アイデアが出やすくなる。何を考えるかテーマを決めて入り、考えたことは風呂あがりにすぐメモする。
4.読書の時間
湯船の中では読書も。風呂用の本が脱衣所に10冊くらい積んであり、読む本はそこからセレクト。
5.体を温め、冷え性を改善する時間
体質改善のために体を温めることを意識。1日2回入るようにしたおかげで冷え性が改善。
6.リラックスする時間
思考や読書もしているが、リラックスタイムだけにする時も。
深呼吸をして、気持ちをゆったりさせる。特に夜は疲れを抜くことを意識。
7.自分と向き合う時間
悩みや課題がある時は、風呂の中で考える。思考の時間ともかぶるが、風呂で考える悩みや課題は変にマイナスにならず、解決ベクトルで考えが浮かびやすいので、自分と意識的に向き合う時間にもしている。

僕は日々の生活の中で、「風呂の時間」をかなり大切にしています。

風呂が大事な理由、それは僕にとって時間価値がいくつもあるからです。

柿内尚文『このプリン、いま食べるか? ガマンするか?』(飛鳥新社)
柿内尚文『このプリン、いま食べるか? ガマンするか?』(飛鳥新社)

風呂の時間価値を自分なりに明確に書き出したことで、風呂に入ることが自分にとってより大切な行為になりました。以前は、「清潔にするために風呂には入らないといけない」くらいの感覚だったので大きな変化です。

これはなんにでも当てはまります。

仕事で新しいプロジェクトがはじまる時に、「このプロジェクトの時間価値は何だろうか」と考える。

なんとなく過ごしている「家族団らん時間の時間価値は何か」を考える。

その時間の価値を考え、言語化することで、時間の価値がより高まります。

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柿内 尚文(かきうち・たかふみ)
編集者
1968年生まれ。東京都出身。聖光学院高等学校、慶應義塾大学文学部卒業。読売広告社を経て出版業界に転職。ぶんか社、アスキーを経て現在、アスコム取締役。長年、雑誌と書籍の編集に携わり、これまで企画した本やムックの累計発行部数は1300万部以上、10万部を超えるベストセラーは50冊以上に及ぶ。現在は本の編集だけでなく、編集という手法を活用した企業のマーケティングや事業構築、商品開発のサポート、セミナーや講演など多岐にわたり活動。著書に『パン屋ではおにぎりを売れ』『バナナの魅力を100文字で伝えてください』(共にかんき出版)がある。

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(編集者 柿内 尚文)

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