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「怒ったらおしまい」と自戒するくらいで丁度いい…何が起きても冷静に対応できる人が絶対に使わない言葉

プレジデントオンライン / 2024年6月8日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Yaraslau Mikheyeu

何が起きても冷静に対応し、人間関係を構築できる人は何をしているか。禅僧の枡野俊明さんは「怒ること自体がパワハラと判断されかねない時代、説教を含めて『怒ったらおしまい』と自戒するくらいでちょうどいい。『何か事情があるんだろうな』と思いやって一通りの事情に耳を傾けたうえで、落ち着いて諭してあげたほうが、頭ごなしに怒られるよりよっぽど説教も身にしみるだろう」という――。

※本稿は、枡野俊明 『仕事も人間関係もうまくいく引きずらない力 もっと「鈍感」でいい、99の理由』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■“忙しい自慢”は恥ずかしいこと

「忙しい」のは相手も同じ――それを決して忘れるべからず

いまの世の中、忙しい人だらけ。それなのに自分だけが特別に忙しいかのようにふるまう人が少なからずおられます。

実際に「忙しい、忙しい」と声に出し、周囲に触れ回る人。誰かに話しかけられると、とたんに「忙しいんだから、近寄るな。これ以上、自分の仕事を増やさないでくれ」と怒り出す人。

空いている日を聞かれると、この日は何、この日は何と、スケジュールが詰まっている日を数え上げる人。主張のしかたはさまざまですが、たいがいの人は“忙しい自慢”をします。

おそらく忙しくしていることが、活躍していること、人気のあることの証だと考えているからでしょう。ヒマなことを恥と思う人すらいるようです。

本当にそうでしょうか。段取りが悪かったり、進め方が効率的でなかったりして、仕事が遅いから忙しい、という可能性もあります。また便利に使われているだけかもしれません。だとしたら、忙しいと吹聴することが、恥ずかしくなってきますよね。

まずは「忙しいのは自分だけではない。ことさらにいい立てるほどのこともないし、それに忙しいことは自慢にならない」と、肝に銘じてください。

■“頭ごなし”ではなく“何か事情があるんだろうな”と思えるか

相手にも言い分がある――「聞く耳」を持たないと、人が離れていく

「言いわけをするんじゃない!」

これは怒っている人がよく使う言葉の一つです。

なぜ怒られるようなことをしてしまったのか、聞く耳を持とうとしないのです。頭に血が上って、言いわけに耳を傾ける余裕などないのかもしれません。

たしかにどんな事情があろうと、まずいことをしたのなら、潔く一身にその責めを負うべきです。言いわけをするなど、見苦しい態度のように思えます。

しかし場合によっては、「何か事情があるんだろうな」と思いやってあげることも必要です。でないと怒りの対象とされた人は、“理不尽に怒られている感”を強くする一方です。

思考中のシニアサラリーマン
写真=iStock.com/metamorworks
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/metamorworks

たとえば、「君らしくないね。何かあったの?」というふうに「聞く耳」を持ち、一通りの事情に耳を傾けたうえで、落ち着いて諭(さと)してあげるといい。頭ごなしに怒られるより、よっぽど説教が身にしみると思います。

とくにいまはややもすると、怒ること自体がパワハラと判断されかねない時代。「怒ったらおしまい」と自戒するくらいでちょうどいいのではないでしょうか。

■「大人の嗜み」で互いに歩み寄りながら、いいつき合いを

もっと「大人」になる――みんな意外と子どもっぽい

「もっと大人になろうよ」「大人の判断としてはね……」といったいい回しをすることがあります。かみ砕けば、「子どもじゃないんだから、聞き分けのないことをいうな、するな」、あるいは「そんなに我を張らず、空気を読めよ」ということでしょう。

では「大人になる」とは、どういうことか。子どもと対比して考えてみましょう。

たとえば自分の思いどおりにならないと、駄々をこねる……ようなことはしない。

気分にムラがあって、機嫌が悪いと人に当たり散らす……ようなことはしない。

考えが浅く、つまらない失敗をする……ようなことはしない。

配慮が足りず、平気で人を傷つける……ようなことはしない。

その場の和を乱す……ようなことはしない。

どうですか、改めて自己チェックをしてみると、自分には意外と子どもっぽいところがあると気づくのではありませんか?

ひとことでいえば「相手の思いや考え方を尊重してふるまう」のが大人の嗜み。この姿勢があれば、大人同士、互いに歩み寄りながら、いいつき合いができます。

■誰かと「比べる」ことをやめる

「劣等感」をこじらせない――卑屈になることなどありません

劣等感のない人はいません。傍目にどれだけ才能にあふれて見える人にも、人格者と評判の人にも、容貌に恵まれた人にも、劣等感の一つや二つはあります。

それに自分にとっては劣等感を覚えることであっても、人から見れば「どうしてそんなことに劣等感を持つのかわからない」という場合も少なくありません。

枡野俊明『仕事も人間関係もうまくいく引きずらない力 もっと「鈍感」でいい、99の理由』(三笠書房)
枡野俊明『仕事も人間関係もうまくいく引きずらない力 もっと「鈍感」でいい、99の理由』(三笠書房)

たとえば知り合いの俳優さんは190cmと長身で、そこに劣等感を抱いていたといいます。「あと10cm背が低ければ、お話をいただける役の幅がもう少し広がるのに」と。

そんな悩みは、「もう少し背が高いといいなあ」と願う多くの人からすれば、想像もできないでしょう。

劣等感というのは、そのくらい根拠のあやふやなもの。誰かと、何かと比べてわかったことを「優劣」で判断するから生じる感覚でしかありません。最悪なのは、劣等感をこじらせて卑屈になってしまうことです。

ですからいい加減、もう比べるのをやめましょう。その瞬間、劣等感から卑屈になることも、優越感から傲慢になることもなくなります。

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枡野 俊明(ますの・しゅんみょう)
曹洞宗徳雄山建功寺住職、庭園デザイナー
1953年、神奈川県生まれ。多摩美術大学環境デザイン学科教授。玉川大学農学部卒業後、大本山總持寺で修行。禅の思想と日本の伝統文化に根ざした「禅の庭」の創作活動を行ない、国内外から高い評価を得る。芸術選奨文部大臣新人賞を庭園デザイナーとして初受賞。ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。また、2006年『ニューズウィーク』誌日本版にて「世界が尊敬する日本人100人」にも選出される。

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(曹洞宗徳雄山建功寺住職、庭園デザイナー 枡野 俊明)

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